ゲスト
(ka0000)
その光景が色褪せる前に
マスター:波瀬音音

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/26 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/07/05 15:00
オープニング
村と呼ぶにも規模の小さすぎる、森の中に幾つか住居が点在するだけの小さな集落がある。
いや、もはや集落とすら呼べないだろう。
僅かに細々と暮らしていた人々はこの地を去るか、或いは息を引き取るなどして、今やただ一つの家を除いては人の姿もないのだから。
その唯一の家の住人――ティアナは、イーゼルに立てかけたキャンパスに筆を走らせるのが日課である。
彼女の父親は少し離れた街へ出稼ぎへ出ており、月に一度ほどしか家に帰らない。母親は、数年前にまだ若い彼女を残してこの世を去った。
それでも彼女がこのような場所で暮らしているのは、ひとえの絵画の技術の研鑽の為だった。
森だけではない。近くには草原もあるし、天気が良い時は遠くに山並みも見える。絵のモチーフや風景画の題材には困らなかった。
彼女の一日の大半は、自給自足の為の小さな畑の仕事と、絵画の練習に費やされる。
描いた絵のうちいくつかは、出稼ぎから戻った父親が再度出立する際に売って金にするために持っていく。
そのようにして、父娘は娘の絵の修業に重きをおきながらも生計を立てていた。
けれどもその生活も、もうすぐ終わる。
努力が報われたのだ。
近くの街に住む画家にそのセンスを買われ、その画家に師事するべく彼女も移住することになったのである。
自分で働く必要もあるけれど、生活費も画家やその後援者がある程度は援助してくれるという。
もちろん、父は大いに喜んだ。
彼が出稼ぎに行っていたのもティアナの為だったから、娘の新たな生活に目処が立ち次第、今度は彼が一人でかの家に暮らすつもりだという。
家にはティアナが描いた絵画がたくさん飾られているから、寂しくはないと。
●
その日の畑仕事と日課を終えたティアナは、夕食のスープを煮込んでいる間に森へ踏み入った。
食用にもなる山菜や茸類が自生しているのを採取する為である。この辺りの知識は、家にあった書籍と父親から得たものだった。
いつもより多めに採取でき、「これなら何日かはもちそう」とほくほく顔で家に戻ろうとし――異変に気がついた。
木々の向こうに見える自宅。
その前に、大人の男ひとり分ほどはある背丈を持つ四本足のイキモノが立っている。
ティアナからは後ろ姿しか見えなかったけれども、その全身真黒な体躯だけでも明らかに普通の動物ではないことは分かった。
次の瞬間、そいつは前足を振り上げ――玄関のドアへ、叩きつける。
鉤爪のような鋭さを持っているのか、ドアはいとも簡単に切り裂かれた。そして叩きつけられた勢いも相俟って、ドア自体も家の内側へと倒されてしまう。
いけない。
ティアナは直感した。
恐らくは夕食の匂いに誘われたのだろうけれども、あの家の中には自分以上に父が大切に思ってくれている作品の数々と――今日仕上げたばかりの、大事な作品がある。
でも、行けない。
これもまた、悟ってしまう。
もし自分がそれらを守ろうとして家の中へ戻っても、きっと守るどころか、命をも喪ってしまう。
そうなれば、誰が一番悲しむ?
言うまでもない。
ティアナは踵を返す。
幸い、四本足は夕食だったものに夢中になっているのか、勢い良く走りだす彼女に気づきはしなかった。
徒歩でも二時間ほど行けば辿り着ける最寄りの街には、ハンターズソサエティの支部がある。
少しでも、一刻でも早く――大事なものを一つでも多く守るために、彼女は走った。
いや、もはや集落とすら呼べないだろう。
僅かに細々と暮らしていた人々はこの地を去るか、或いは息を引き取るなどして、今やただ一つの家を除いては人の姿もないのだから。
その唯一の家の住人――ティアナは、イーゼルに立てかけたキャンパスに筆を走らせるのが日課である。
彼女の父親は少し離れた街へ出稼ぎへ出ており、月に一度ほどしか家に帰らない。母親は、数年前にまだ若い彼女を残してこの世を去った。
それでも彼女がこのような場所で暮らしているのは、ひとえの絵画の技術の研鑽の為だった。
森だけではない。近くには草原もあるし、天気が良い時は遠くに山並みも見える。絵のモチーフや風景画の題材には困らなかった。
彼女の一日の大半は、自給自足の為の小さな畑の仕事と、絵画の練習に費やされる。
描いた絵のうちいくつかは、出稼ぎから戻った父親が再度出立する際に売って金にするために持っていく。
そのようにして、父娘は娘の絵の修業に重きをおきながらも生計を立てていた。
けれどもその生活も、もうすぐ終わる。
努力が報われたのだ。
近くの街に住む画家にそのセンスを買われ、その画家に師事するべく彼女も移住することになったのである。
自分で働く必要もあるけれど、生活費も画家やその後援者がある程度は援助してくれるという。
もちろん、父は大いに喜んだ。
彼が出稼ぎに行っていたのもティアナの為だったから、娘の新たな生活に目処が立ち次第、今度は彼が一人でかの家に暮らすつもりだという。
家にはティアナが描いた絵画がたくさん飾られているから、寂しくはないと。
●
その日の畑仕事と日課を終えたティアナは、夕食のスープを煮込んでいる間に森へ踏み入った。
食用にもなる山菜や茸類が自生しているのを採取する為である。この辺りの知識は、家にあった書籍と父親から得たものだった。
いつもより多めに採取でき、「これなら何日かはもちそう」とほくほく顔で家に戻ろうとし――異変に気がついた。
木々の向こうに見える自宅。
その前に、大人の男ひとり分ほどはある背丈を持つ四本足のイキモノが立っている。
ティアナからは後ろ姿しか見えなかったけれども、その全身真黒な体躯だけでも明らかに普通の動物ではないことは分かった。
次の瞬間、そいつは前足を振り上げ――玄関のドアへ、叩きつける。
鉤爪のような鋭さを持っているのか、ドアはいとも簡単に切り裂かれた。そして叩きつけられた勢いも相俟って、ドア自体も家の内側へと倒されてしまう。
いけない。
ティアナは直感した。
恐らくは夕食の匂いに誘われたのだろうけれども、あの家の中には自分以上に父が大切に思ってくれている作品の数々と――今日仕上げたばかりの、大事な作品がある。
でも、行けない。
これもまた、悟ってしまう。
もし自分がそれらを守ろうとして家の中へ戻っても、きっと守るどころか、命をも喪ってしまう。
そうなれば、誰が一番悲しむ?
言うまでもない。
ティアナは踵を返す。
幸い、四本足は夕食だったものに夢中になっているのか、勢い良く走りだす彼女に気づきはしなかった。
徒歩でも二時間ほど行けば辿り着ける最寄りの街には、ハンターズソサエティの支部がある。
少しでも、一刻でも早く――大事なものを一つでも多く守るために、彼女は走った。
解説
ティアナの家を襲撃している雑魔を討伐してください。
また、可能であれば彼女の作品を一つでも多く守ってください。
今の彼女にとって最も大事な作品は、まだ完成したばかり故にイーゼルの上に立てかけられたままです。
雑魔:
ティアナが目にしたものしか情報はありません。
高さ1m80cm程の野犬型。
四本の脚それぞれに鋭い鉤爪がついています。
胴回りは太く、脚は筋肉質ですがそれほど長くはないようです。
頭には耳以外に角のようなものが見えます。
逃げる最中に「落雷のように縦割れした木を何本か見かけた」というティアナの証言との関連性が想定されます。
皆様が旧集落に到着した時、雑魔は食事を終え一度家の外に出ています。
森の中の旧集落:
1sqにも満たない幅の獣道のような道だけで各住居は繋がっており、それ以外は全て森です。
とはいえ、木々の密度がそこまで高いわけでもないので森の中で戦闘を行うのも不可能ではないでしょう。
但し迂闊に木を倒すと、ティアナの家に被害を及ぼす可能性もあるので注意は必要です。
集落自体の広さは、縦横それぞれ30sq。
横幅の丁度真中のラインを突っ切るように獣道があり、そこから左右に枝分かれした先に各住居があります。
ティアナの家は、全八棟あるうちの一番北側(PC突入側から見ると一番奥)にあります。
雑魔は当初旧集落を徘徊しています。
ただ、生活感が残っているのがティアナの家だけである以上は舞い戻る可能性があります。
ティアナの家は平屋建。
玄関から入って手前にキッチンとリビング、奥にアトリエと寝室を兼ねた部屋があります。
二つの空間の間には鍵のかかったドアがありますが、これも雑魔の手にかかれば打ち破るのは容易です。
また、可能であれば彼女の作品を一つでも多く守ってください。
今の彼女にとって最も大事な作品は、まだ完成したばかり故にイーゼルの上に立てかけられたままです。
雑魔:
ティアナが目にしたものしか情報はありません。
高さ1m80cm程の野犬型。
四本の脚それぞれに鋭い鉤爪がついています。
胴回りは太く、脚は筋肉質ですがそれほど長くはないようです。
頭には耳以外に角のようなものが見えます。
逃げる最中に「落雷のように縦割れした木を何本か見かけた」というティアナの証言との関連性が想定されます。
皆様が旧集落に到着した時、雑魔は食事を終え一度家の外に出ています。
森の中の旧集落:
1sqにも満たない幅の獣道のような道だけで各住居は繋がっており、それ以外は全て森です。
とはいえ、木々の密度がそこまで高いわけでもないので森の中で戦闘を行うのも不可能ではないでしょう。
但し迂闊に木を倒すと、ティアナの家に被害を及ぼす可能性もあるので注意は必要です。
集落自体の広さは、縦横それぞれ30sq。
横幅の丁度真中のラインを突っ切るように獣道があり、そこから左右に枝分かれした先に各住居があります。
ティアナの家は、全八棟あるうちの一番北側(PC突入側から見ると一番奥)にあります。
雑魔は当初旧集落を徘徊しています。
ただ、生活感が残っているのがティアナの家だけである以上は舞い戻る可能性があります。
ティアナの家は平屋建。
玄関から入って手前にキッチンとリビング、奥にアトリエと寝室を兼ねた部屋があります。
二つの空間の間には鍵のかかったドアがありますが、これも雑魔の手にかかれば打ち破るのは容易です。
マスターより
初めまして。このたびFNBのマスターとして活動させて頂くことになりました波瀬音音と申します。
読みの区切りはハゼネ・オトです。以後、お見知り置き願います。
戦闘はおそらく、油断さえしなければ負けはしない…のではないかと思います。
どのように戦闘に持ち込むかが割と鍵になりそうです。
読みの区切りはハゼネ・オトです。以後、お見知り置き願います。
戦闘はおそらく、油断さえしなければ負けはしない…のではないかと思います。
どのように戦闘に持ち込むかが割と鍵になりそうです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/07/05 10:00
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談用 アシュリー・クロウ(ka1354) エルフ|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/06/25 23:50:18 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/23 19:52:32 |