ゲスト
(ka0000)
父の歩みと子の選び
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/07/08 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/07/17 07:30
オープニング
●遺言
私の唯一の肉親にして、最愛のコリンへ。
この手紙が渡ったということは、私が辺境において生を終えてしまったこととなる。
お前が一人前、いや、お前が学校や戦いと関係ない所に身を置けるように頑張るつもりだったんだがすまなかった。
帰ってから話すつもりだったんだが、北寄りにある小さな町フォークベリーに薬草園を作ってるジャイルズ・バルネという元軍医がいる。ぜひ薬草に関して教えて欲しいと頼み込んだところ、快諾か分からないが面倒見ると言ってくれた。
ちょっと怖い顔しているが、いい人だよ。
もし、薬草園で学ぶのが嫌なら、町の司祭様を訪ねれば相談に乗ってくれるはずだ。小さい町で穏やかなところだよ。王都にもうちより近いせいか、いろんな人も住んでいる。
道はたくさんある。
遺言に関して、渡してくれた小父さんがいるだろう? そいつが護衛と言うか安全確保のための保護者と言うか、ハンター雇う手続きとかやってくれるからな。だから、お前は言うことを聞いてやってくれ。
お前には迷惑を掛けた。すまなかった。
お前の未来のために、見守っていたいと思う。
父より。
●少年の選択
孤児になる、そんなことをコリンは考えたことはなかった。
母が死んで、父一人子一人になり、親戚もいないとこうなると分かりきったことだった。
でも、二人は考えなかった。
コリンが大きくなって独り立ちするまで、父子家庭は続く……そう信じていた。
まさかの戦死。
職業として兵士を選べば少なからず発生する問題であるのだ。だからコリンは考えないようにしていただけかもしれない。
「父さん……」
働くところがあるだろうが、簡単に見つかる年齢でもない。技術や知識があるわけでもなく、下働きを見つけられたらいい方だろう。孤児院に一時的に身を寄せるか、選択肢は限られている。
「……どうして……父さん……」
敵によりすりつぶされた父は、遺体すら残っていない。残っていたのは身に着けていたものの破片。遺言を持ってきた男も帰ってこられたのが奇跡としか言いようがない状況だった。二人とも死んでいたかもしれない。
そして、その男は遺言状にあった通り頼りになる親切な人だった。コリンが住む家の大家にも話を付け、コリンがジャイルズのところまで行く道を敷いてくれた。
男は二、三日で遺言執行のための行動を終え、彼の家族が待つところに戻って行った。
「僕……どうしよう」
一人残されたコリンはメモを見る。
出発する日を決めて出ないとならない、と。涙をこぼす時間は全くなかった。
●日程を詰める
父の同僚という人が依頼も入れてくれていたということなので、コリンはハンターズソサエティの事務所に恐る恐る入る。
「どうしたんですか?」
受付の女性がにこやかに尋ねてきた。悩みを受け止めますよという柔和の笑顔。
「えと、あの……依頼してるって聞いたので……いつ出発するかって決めないと」
「そうなんですか? 名前……ああ、君がコリン君ね!」
「は、はい」
「何時でも出発できるわよ、もちろん、人が集まらないとだめだけど、日程さえ組めば予定組んできてくれるわ」
借家の退出期限等を考え、日程を出した。
「はいはい! じゃ、これで決めますね」
「あの……」
「はい?」
コリンは気付いた、彼女に言うことではないということに。しかし、ここで言っておかないと依頼の内容が違うということになりかねない。些細なことであっても粗相があってはいけないとコリンは考えていた。
「あの……父を……母さんのお墓に入れて行ってあげたいんです」
職員はコリンの父が死んだというのは依頼人から聞いていた。母はすでにないということは考えていなかったので、コリンが耐えるモノにようやく気付いた。
(泣く涙がないのね? 妙にしっかりしていると思ったのは、残された家族のためというより……諦め?)
職員は一瞬言葉に詰まらせたがすぐにいつもの笑顔に戻る。
「……そう? 場所は分かるの?」
「はい」
職員は村出てすぐだと言うことを知り、問題ないと請け負った。
「じゃ、村の入口でハンターの皆さんとは待ち合わせ……でいいかな」
「分かりますよね?」
「きっと。だって、村の入口に見たことない人数人いたら分かるし、嘘言っていたらそれこそ問題」
「お姉さん、ありがとう」
「いえいえ~」
コリンは泣き出しそうな笑顔で出て行った。
職員は独りになった瞬間、笑顔を崩した。
「行先は聞いたことない町だけど何があるのかしらね……。依頼を聞いたときは母親でも待っているのかと思ったけど……。遺言で示された町で、コリン君の父親だって考えて送るわけだから、いい未来の選択肢が待っているはず」
息子には戦いとは関係ないところに生きて欲しいと願っているとのこと。
「あたしにはあたしの仕事……」
職員は扉の開く音がしたので笑顔に戻る。
「どうかしましたか?」
私の唯一の肉親にして、最愛のコリンへ。
この手紙が渡ったということは、私が辺境において生を終えてしまったこととなる。
お前が一人前、いや、お前が学校や戦いと関係ない所に身を置けるように頑張るつもりだったんだがすまなかった。
帰ってから話すつもりだったんだが、北寄りにある小さな町フォークベリーに薬草園を作ってるジャイルズ・バルネという元軍医がいる。ぜひ薬草に関して教えて欲しいと頼み込んだところ、快諾か分からないが面倒見ると言ってくれた。
ちょっと怖い顔しているが、いい人だよ。
もし、薬草園で学ぶのが嫌なら、町の司祭様を訪ねれば相談に乗ってくれるはずだ。小さい町で穏やかなところだよ。王都にもうちより近いせいか、いろんな人も住んでいる。
道はたくさんある。
遺言に関して、渡してくれた小父さんがいるだろう? そいつが護衛と言うか安全確保のための保護者と言うか、ハンター雇う手続きとかやってくれるからな。だから、お前は言うことを聞いてやってくれ。
お前には迷惑を掛けた。すまなかった。
お前の未来のために、見守っていたいと思う。
父より。
●少年の選択
孤児になる、そんなことをコリンは考えたことはなかった。
母が死んで、父一人子一人になり、親戚もいないとこうなると分かりきったことだった。
でも、二人は考えなかった。
コリンが大きくなって独り立ちするまで、父子家庭は続く……そう信じていた。
まさかの戦死。
職業として兵士を選べば少なからず発生する問題であるのだ。だからコリンは考えないようにしていただけかもしれない。
「父さん……」
働くところがあるだろうが、簡単に見つかる年齢でもない。技術や知識があるわけでもなく、下働きを見つけられたらいい方だろう。孤児院に一時的に身を寄せるか、選択肢は限られている。
「……どうして……父さん……」
敵によりすりつぶされた父は、遺体すら残っていない。残っていたのは身に着けていたものの破片。遺言を持ってきた男も帰ってこられたのが奇跡としか言いようがない状況だった。二人とも死んでいたかもしれない。
そして、その男は遺言状にあった通り頼りになる親切な人だった。コリンが住む家の大家にも話を付け、コリンがジャイルズのところまで行く道を敷いてくれた。
男は二、三日で遺言執行のための行動を終え、彼の家族が待つところに戻って行った。
「僕……どうしよう」
一人残されたコリンはメモを見る。
出発する日を決めて出ないとならない、と。涙をこぼす時間は全くなかった。
●日程を詰める
父の同僚という人が依頼も入れてくれていたということなので、コリンはハンターズソサエティの事務所に恐る恐る入る。
「どうしたんですか?」
受付の女性がにこやかに尋ねてきた。悩みを受け止めますよという柔和の笑顔。
「えと、あの……依頼してるって聞いたので……いつ出発するかって決めないと」
「そうなんですか? 名前……ああ、君がコリン君ね!」
「は、はい」
「何時でも出発できるわよ、もちろん、人が集まらないとだめだけど、日程さえ組めば予定組んできてくれるわ」
借家の退出期限等を考え、日程を出した。
「はいはい! じゃ、これで決めますね」
「あの……」
「はい?」
コリンは気付いた、彼女に言うことではないということに。しかし、ここで言っておかないと依頼の内容が違うということになりかねない。些細なことであっても粗相があってはいけないとコリンは考えていた。
「あの……父を……母さんのお墓に入れて行ってあげたいんです」
職員はコリンの父が死んだというのは依頼人から聞いていた。母はすでにないということは考えていなかったので、コリンが耐えるモノにようやく気付いた。
(泣く涙がないのね? 妙にしっかりしていると思ったのは、残された家族のためというより……諦め?)
職員は一瞬言葉に詰まらせたがすぐにいつもの笑顔に戻る。
「……そう? 場所は分かるの?」
「はい」
職員は村出てすぐだと言うことを知り、問題ないと請け負った。
「じゃ、村の入口でハンターの皆さんとは待ち合わせ……でいいかな」
「分かりますよね?」
「きっと。だって、村の入口に見たことない人数人いたら分かるし、嘘言っていたらそれこそ問題」
「お姉さん、ありがとう」
「いえいえ~」
コリンは泣き出しそうな笑顔で出て行った。
職員は独りになった瞬間、笑顔を崩した。
「行先は聞いたことない町だけど何があるのかしらね……。依頼を聞いたときは母親でも待っているのかと思ったけど……。遺言で示された町で、コリン君の父親だって考えて送るわけだから、いい未来の選択肢が待っているはず」
息子には戦いとは関係ないところに生きて欲しいと願っているとのこと。
「あたしにはあたしの仕事……」
職員は扉の開く音がしたので笑顔に戻る。
「どうかしましたか?」
解説
小さな町フォークベリーの外れにある薬草園、または町の中にあるジャイルズの家までコリンを送り届けてください。
最近町近くでは、ゴブリンの出現が確認されていますので護衛という形です。
●道中
少年コリンが住む村か小さな町まで子どもの足だと約一週間かかります。
馬があれば乗ってもかまいません。その分時短になります。
リプレイでの切り取り予定部分は出発~最初の宿屋、目的地近くの街道で亜人の影が……という感じです。
●コリン
年齢12の人間の少年。背が伸びそうな、ひょろっとした体型。
皆さんと会ったとき、無表情で、唇を一文字に結んでじっとしています。荷物はそれほどありません。
村の人たちに聞くと「いい子」「けなげ」「頭いい」等評価上々。父親がいない間、近所の人は気にしてみてくれていました。
●ジャイルズ・バルネ(参考)
薬草園を作っている50歳くらいの男性。
普段渋面で合理的であるが、冷徹な人間というわけではない。
最近町近くでは、ゴブリンの出現が確認されていますので護衛という形です。
●道中
少年コリンが住む村か小さな町まで子どもの足だと約一週間かかります。
馬があれば乗ってもかまいません。その分時短になります。
リプレイでの切り取り予定部分は出発~最初の宿屋、目的地近くの街道で亜人の影が……という感じです。
●コリン
年齢12の人間の少年。背が伸びそうな、ひょろっとした体型。
皆さんと会ったとき、無表情で、唇を一文字に結んでじっとしています。荷物はそれほどありません。
村の人たちに聞くと「いい子」「けなげ」「頭いい」等評価上々。父親がいない間、近所の人は気にしてみてくれていました。
●ジャイルズ・バルネ(参考)
薬草園を作っている50歳くらいの男性。
普段渋面で合理的であるが、冷徹な人間というわけではない。
マスターより
こんにちは。
コリン君は分岐点の一つに立ちました。
父にはあこがれていましたが、父親としては戦いと関係ない所にいてほしいです。そのため、人づてにジャイルズのところで学んでほしいと思っています。
泣くことで進める未来もあります。コリンの未来はどうでしょうか?
よろしくお願いします。
コリン君は分岐点の一つに立ちました。
父にはあこがれていましたが、父親としては戦いと関係ない所にいてほしいです。そのため、人づてにジャイルズのところで学んでほしいと思っています。
泣くことで進める未来もあります。コリンの未来はどうでしょうか?
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/07/14 18:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 マリアンナ・バウアール(ka4007) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/07/08 00:20:31 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/07 04:46:42 |