ゲスト
(ka0000)
【聖呪】炎の亜人
マスター:赤山優牙

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/07/07 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/07/16 22:00
オープニング
――桜色の髪が風で流れる。
慌てて幼い少女はそれを抑えた。
村の外、小高い丘の上に、二つの人影が見えた。
「やっと、見つけっ……」
途中で声が途切れる。
二つの人影は、遠くから見た時、寄り添っている様に見えていた。
だけど、それは、ただ、『寄り添っている』だけではなかった。
「わぁ……」
思わず少女は手で目を隠した。
自分でも分かる。今、顔どころか全身真っ赤になっているだろうと。
幼い少女にはそれほど、刺激的な光景だった――
●
リルエナ・ピチカートはウィーダの街からパルシア村へと移動していた。
なぜなら、村が亜人の襲撃を受けたとの知らせを聞いたからだ。
王国北部の亜人関係の依頼を専門に受けている『北の戦乙女』と名高い彼女にとって、亜人出没の情報は極めて興味深いものであるが、それ以上に、村が亜人の襲撃を受けたという情報は、急いで彼女を村に向かわせたのであった。
「また、ハンターが来たな。誰に雇われたのか」
「この前、亜人の襲撃もあったから、警備を……って、おい! まさか!」
村の入口付近で井戸端会議をしていた村人達は、『北の戦乙女』の姿をマジマジと見て驚いた。
「リルエナちゃん!?」
「おぉ! 本当に、リルエナちゃんなのか?」
怪訝な顔つきだった村人達の表情が一変する。
歴戦の戦士を思わせる自信ある歩みで村に向かってくるその女性の姿に村人達が駆け寄る。
「リルエナちゃん、お帰り! 大きくなって」
「お帰り! 凄く大きくなったなぁ~」
身長もそうだが、色々と大きくなった。それは10年の歳月の結果を告げている。
村人の誰もが、嬉しそうに彼女を歓迎した。
それは、再開を懐かしむような光景でもあった。
「お父さんは会議に行ってて今、居ないけど、会っていくの?」
誰かの質問に、明らかに嫌そうな表情を浮かべるリルエナ。
首を横に振った。
「親に会いに来たわけじゃない。それより、あいつは?」
静まる村人達。先程までの明るい雰囲気が一変、通夜の様に静まりかえる。
そのうちの一人がある方角を指差した。
「たぶん、家にいると思う」
「ありがとう」
妹は一直線にアランの家へ行く。
発せられるオーラや諸々が揺れる。
その姿は、まるで、これから亜人でも倒しに行くのかというような雰囲気を発していて、村人達は黙ってそれを見送るしかできなかった。
アランの家の扉をノックもせずに乱暴に開く。
「どういう事だ! 貴方がいるのに、村を亜人に襲撃されるなんて!」
「リルエナ……帰ってきたのか……」
「私の事など、どうでもいい、亜人の事だ」
最低限の会話しかしないぞと言わないばかり、ズカズカと踏み込んで、アランの胸ぐらを掴みかかる。
いつも低い声だったリルエナの声は、甲高くなっていた。
「村は騎士団に守られているからって、貴方は!」
「俺には、俺のやり方がある」
冷静な口調だが、彼も怒っているようにも見える。
アランは自身の胸元を掴んでいたリルエナの腕を払った。
「15年間引き籠り続け、何もしなかった貴方に、なにができる!」
「村を出た人間が、村の事に口出しするな」
怒りに満ち溢れる視線がぶつかり、火花が散っている。
恐る恐る村人達が、開いている戸から、その光景をみつめていた。
そこへ、慌てた様子で一人の村人がやってきた。
「た、大変だ! 幽霊が出た! 女の子の幽霊が!」
村人は猟師として生計を立てている者であった。
森の中で怪しい半透明に透けている人影を見つけた。幽霊は亜人の勢力域に向かっており、その事を伝える為、村に戻ってきたのだ。
アランとリルエナの2人は、村にたまたま滞在していたハンター達を伴って、幽霊を追いかける事にした。
●
「女の子の幽霊……」
リルエナが呟いた言葉に、アランは表情を硬くしたままだった。
2人には、いや、村人全員、その幽霊に心当たりがあった。もしかしてと……。
(なんで? どうして? どういう事?)
疑問の言葉を心の中で繰り返すリルエナ。
信じたくない。認めたくない。その幽霊は、きっと、『別物』だ。
アランの表情を盗み見る。彼は先程から、変わらない様に見える。
その時、視線の先で、チラリと紅蓮の炎が見えた。
覚醒状態に入ると彼女は盾を構えて、先頭に躍り出る。次の瞬間、丸太の様な大きさの炎の塊が飛んできた。
「リルエナ!」
後ろからアランの叫び声が聞こえた。
心配されるとは心外だと『北の戦乙女』は思った。この10年、ずっと亜人相手に戦い続けてきたのだ。今なら、アランに対等以上の実力を持っている自信はある。
森の中を凝視していると、数体のゴブリンが、のしのしと揺らめく様に現れる。
いずれもが炎を纏っていた。どう見ても、普通じゃない。
その内の1体、一際大きいゴブリンが凶悪そうな表情を見せた。
「我らが主の贄の残骸が、この一帯に逃げたと聞いた。お前達も追っているのか」
「なんの事だ?」
リルエナは油断なく剣を向けたまま答えた。
燃えさかる炎を身に纏ったゴブリンなど、この10年間、一度も見た事も聞いた事も無かった。
「知らない事ならいい。この場で全員、餌食になるといい!」
両手をバッと広げる。
身体を覆っている炎が、周囲に放出された。
「俺の名は、『業火の禍』ダバデリ。お前達の全てを燃やし尽くす!」
その言葉が終わると同時に、炎を纏った数体のゴブリンが突撃してきた。
それは、近付いてくるだけで、熱さを感じられる。
「貴方は先に行って!」
リルエナがアランに向かって叫ぶ。
幽霊は亜人の勢力域深くに向かって行ったと思われる。
時間がかかれば、その分、危険な地に踏み込むとなるからだ。
「……頼んだ」
アランと数人のハンター達は駆けて行く。
その姿を視界内に入れながら、『北の戦乙女』は剣を構え直す。
(……まるで、15年が嘘のよう……)
どんなに月日が経ったとしても、人は変わる事ができる存在なのだと、アランの真剣な眼差しを見て、リルエナは感じたのだった。
慌てて幼い少女はそれを抑えた。
村の外、小高い丘の上に、二つの人影が見えた。
「やっと、見つけっ……」
途中で声が途切れる。
二つの人影は、遠くから見た時、寄り添っている様に見えていた。
だけど、それは、ただ、『寄り添っている』だけではなかった。
「わぁ……」
思わず少女は手で目を隠した。
自分でも分かる。今、顔どころか全身真っ赤になっているだろうと。
幼い少女にはそれほど、刺激的な光景だった――
●
リルエナ・ピチカートはウィーダの街からパルシア村へと移動していた。
なぜなら、村が亜人の襲撃を受けたとの知らせを聞いたからだ。
王国北部の亜人関係の依頼を専門に受けている『北の戦乙女』と名高い彼女にとって、亜人出没の情報は極めて興味深いものであるが、それ以上に、村が亜人の襲撃を受けたという情報は、急いで彼女を村に向かわせたのであった。
「また、ハンターが来たな。誰に雇われたのか」
「この前、亜人の襲撃もあったから、警備を……って、おい! まさか!」
村の入口付近で井戸端会議をしていた村人達は、『北の戦乙女』の姿をマジマジと見て驚いた。
「リルエナちゃん!?」
「おぉ! 本当に、リルエナちゃんなのか?」
怪訝な顔つきだった村人達の表情が一変する。
歴戦の戦士を思わせる自信ある歩みで村に向かってくるその女性の姿に村人達が駆け寄る。
「リルエナちゃん、お帰り! 大きくなって」
「お帰り! 凄く大きくなったなぁ~」
身長もそうだが、色々と大きくなった。それは10年の歳月の結果を告げている。
村人の誰もが、嬉しそうに彼女を歓迎した。
それは、再開を懐かしむような光景でもあった。
「お父さんは会議に行ってて今、居ないけど、会っていくの?」
誰かの質問に、明らかに嫌そうな表情を浮かべるリルエナ。
首を横に振った。
「親に会いに来たわけじゃない。それより、あいつは?」
静まる村人達。先程までの明るい雰囲気が一変、通夜の様に静まりかえる。
そのうちの一人がある方角を指差した。
「たぶん、家にいると思う」
「ありがとう」
妹は一直線にアランの家へ行く。
発せられるオーラや諸々が揺れる。
その姿は、まるで、これから亜人でも倒しに行くのかというような雰囲気を発していて、村人達は黙ってそれを見送るしかできなかった。
アランの家の扉をノックもせずに乱暴に開く。
「どういう事だ! 貴方がいるのに、村を亜人に襲撃されるなんて!」
「リルエナ……帰ってきたのか……」
「私の事など、どうでもいい、亜人の事だ」
最低限の会話しかしないぞと言わないばかり、ズカズカと踏み込んで、アランの胸ぐらを掴みかかる。
いつも低い声だったリルエナの声は、甲高くなっていた。
「村は騎士団に守られているからって、貴方は!」
「俺には、俺のやり方がある」
冷静な口調だが、彼も怒っているようにも見える。
アランは自身の胸元を掴んでいたリルエナの腕を払った。
「15年間引き籠り続け、何もしなかった貴方に、なにができる!」
「村を出た人間が、村の事に口出しするな」
怒りに満ち溢れる視線がぶつかり、火花が散っている。
恐る恐る村人達が、開いている戸から、その光景をみつめていた。
そこへ、慌てた様子で一人の村人がやってきた。
「た、大変だ! 幽霊が出た! 女の子の幽霊が!」
村人は猟師として生計を立てている者であった。
森の中で怪しい半透明に透けている人影を見つけた。幽霊は亜人の勢力域に向かっており、その事を伝える為、村に戻ってきたのだ。
アランとリルエナの2人は、村にたまたま滞在していたハンター達を伴って、幽霊を追いかける事にした。
●
「女の子の幽霊……」
リルエナが呟いた言葉に、アランは表情を硬くしたままだった。
2人には、いや、村人全員、その幽霊に心当たりがあった。もしかしてと……。
(なんで? どうして? どういう事?)
疑問の言葉を心の中で繰り返すリルエナ。
信じたくない。認めたくない。その幽霊は、きっと、『別物』だ。
アランの表情を盗み見る。彼は先程から、変わらない様に見える。
その時、視線の先で、チラリと紅蓮の炎が見えた。
覚醒状態に入ると彼女は盾を構えて、先頭に躍り出る。次の瞬間、丸太の様な大きさの炎の塊が飛んできた。
「リルエナ!」
後ろからアランの叫び声が聞こえた。
心配されるとは心外だと『北の戦乙女』は思った。この10年、ずっと亜人相手に戦い続けてきたのだ。今なら、アランに対等以上の実力を持っている自信はある。
森の中を凝視していると、数体のゴブリンが、のしのしと揺らめく様に現れる。
いずれもが炎を纏っていた。どう見ても、普通じゃない。
その内の1体、一際大きいゴブリンが凶悪そうな表情を見せた。
「我らが主の贄の残骸が、この一帯に逃げたと聞いた。お前達も追っているのか」
「なんの事だ?」
リルエナは油断なく剣を向けたまま答えた。
燃えさかる炎を身に纏ったゴブリンなど、この10年間、一度も見た事も聞いた事も無かった。
「知らない事ならいい。この場で全員、餌食になるといい!」
両手をバッと広げる。
身体を覆っている炎が、周囲に放出された。
「俺の名は、『業火の禍』ダバデリ。お前達の全てを燃やし尽くす!」
その言葉が終わると同時に、炎を纏った数体のゴブリンが突撃してきた。
それは、近付いてくるだけで、熱さを感じられる。
「貴方は先に行って!」
リルエナがアランに向かって叫ぶ。
幽霊は亜人の勢力域深くに向かって行ったと思われる。
時間がかかれば、その分、危険な地に踏み込むとなるからだ。
「……頼んだ」
アランと数人のハンター達は駆けて行く。
その姿を視界内に入れながら、『北の戦乙女』は剣を構え直す。
(……まるで、15年が嘘のよう……)
どんなに月日が経ったとしても、人は変わる事ができる存在なのだと、アランの真剣な眼差しを見て、リルエナは感じたのだった。
解説
●目的
敵勢力の撃退。
●内容
炎を纏ったゴブリンを撃破もしくは敗走させ、アラン達と合流する。
●連動内容
便宜上、目的が達成られるまでのラウンド数が連動内容に影響する。
●敵勢力
『業火の禍』ダバデリ
通常のゴブリンよりも大きい体格をしています。
炎に包まれております。炎に包まれている事により、なんらかの能力はありそうです。
炎系の魔法を使うのは確認されていますが、それ以外の能力は不明です。
炎を纏ったゴブリン6体
通常のゴブリンですが、炎に包まれています。
炎に包まれている事により、なんらかの能力はありそうです。
●味方
リルエナ・ピチカート
『北の戦乙女』と呼ばれる知る人ぞ知る王国北部を専門に活動するハンター。
桜色の髪と瞳で、外見年齢25歳の女性。前衛タイプの聖導士。剣と盾、鎧で武装。あと、大きいです。
スキルセットは『フォースクラッシュ』『セイクリッドフラッシュ』『ヒーリングスフィア』。
彼女はハンターです。既に知り合いか初見かはPCにお任せです。
●地形
PC達は森の中の獣道にいました。
敵は森の中から現れます。ゴブリンは炎に包まれていますが、火事にはなりません。
敵勢力の撃退。
●内容
炎を纏ったゴブリンを撃破もしくは敗走させ、アラン達と合流する。
●連動内容
便宜上、目的が達成られるまでのラウンド数が連動内容に影響する。
●敵勢力
『業火の禍』ダバデリ
通常のゴブリンよりも大きい体格をしています。
炎に包まれております。炎に包まれている事により、なんらかの能力はありそうです。
炎系の魔法を使うのは確認されていますが、それ以外の能力は不明です。
炎を纏ったゴブリン6体
通常のゴブリンですが、炎に包まれています。
炎に包まれている事により、なんらかの能力はありそうです。
●味方
リルエナ・ピチカート
『北の戦乙女』と呼ばれる知る人ぞ知る王国北部を専門に活動するハンター。
桜色の髪と瞳で、外見年齢25歳の女性。前衛タイプの聖導士。剣と盾、鎧で武装。あと、大きいです。
スキルセットは『フォースクラッシュ』『セイクリッドフラッシュ』『ヒーリングスフィア』。
彼女はハンターです。既に知り合いか初見かはPCにお任せです。
●地形
PC達は森の中の獣道にいました。
敵は森の中から現れます。ゴブリンは炎に包まれていますが、火事にはなりません。
マスターより
●ご挨拶
皆様、こんばんわ。王国北部での亜人騒ぎがいよいよ真相に近付いてきたかもしれません。
今回は、鹿野MSとの連動。アランとリルエナ。2人の関係も気になる所です。
●攻略のヒント
リルエナの生存(重体、死亡にはならない)と、どれだけ早く目的を達成できるかがポイントとなります。
皆様、こんばんわ。王国北部での亜人騒ぎがいよいよ真相に近付いてきたかもしれません。
今回は、鹿野MSとの連動。アランとリルエナ。2人の関係も気になる所です。
●攻略のヒント
リルエナの生存(重体、死亡にはならない)と、どれだけ早く目的を達成できるかがポイントとなります。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/07/12 19:24
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/03 16:54:00 |
|
![]() |
相談卓 シェラリンデ(ka3332) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/07/07 10:48:10 |