ゲスト
(ka0000)
AMNESIA BIRDS
マスター:風亜智疾

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/07/10 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/07/24 19:00
オープニング
―どこかに。置き忘れてしまったような。
■
自分以外の5人は、全員初任務なのだと聞いていた。
シンプルで動きやすい服に、口元を隠すようなマフラー。腰に携えた細身の剣。
くすんだ灰色の短髪の40代半ばの男、ディーノ・オルドリーニは他のメンツに聞こえない様に溜息を一つ吐く。
(俺はいつから引率係になったんだ……)
確かに、オフィスで依頼を受ける際に職員へ「ブランクがあるので、軽めのものから頼みたい」とは言った。言ったが。
依頼内容は難しくないものでも、新人を連れて行く事はまた別の難易度がある。
「あのっ。ディーノ先輩!」
年齢のせいで、どうやらこの新人たちにはディーノが「凄腕のハンター」にでも見えているのだろう。
思わず口をひきつらせ、ディーノは手を振った。
「俺は先輩じゃない。その呼び方はやめてくれ」
目を輝かせる新人たちは、そんな彼の言葉も気にせずに矢継ぎ早に質問を飛ばしてくる。
「今回の敵はどんなものですか!?」
「先輩はいつからハンターを?」
「今までで一番強かった敵はどんな奴でしたか!」
ハンターになりたて。夢も希望も、将来の栄光も。全てその手に掴めるような錯覚を覚えるそんな頃だ。
何でも自分で出来ると思って、誰でも助ける事が出来るのだと粋がって―――。
「あの、先輩?」
逡巡。のち覚醒。
「……俺の経験なんざ、聞く価値もないもんだ。お前たちはお前たちの思うように、これから先、進んでいけばいい」
彼は英雄などではない。勿論勇者でもない。
悔いても悔いきれない失敗談だけを持つ、ただのハンターだ。
えぇー? と残念そうに声を合わせる新人たちを促しつつ、彼は道をゆく。
■
それが、数刻前の出来事だ。
(何が。何が起きた)
ディーノは倒れていく新人たちを必死に守りつつ、雑魔と対峙していた。
眼前で嘲笑うかのように羽ばたくのは、鳥のような翼をもつ異形。
鳥ではない。翼は鳥のものに酷似していたが、その身はまるで小型の獅子のよう。
鋭い爪と、鋭い牙。翼を持つものらしく敏捷な動き。
それだけならば、まだ何とか出来ただろう。いくら新人であっても、彼らもまたハンターなのだ。
その力があり、そしてしっかりと自分の役割を果たせれば。
何より、ブランクがあれども自分もついていた。
恐らくはギリギリ。負傷者は出るだろうが、それでも倒せないはずはなかった。
けれど。今のこの状況は。この惨状はなんだ。
「クソッ……! こんな敵なら、そこまでしっかり情報として落としておけ……!」
今更オフィスの依頼書に文句をつけたところで始まらない。
目の前で舞う敵は、まるで光を乱反射させる様な体を持っていた。
不可視、というわけではない。しかし、太陽の下ではその姿を捉え辛い。
そしておそらく夜は夜で、闇に溶け込んでしまうだろう。
そしてその翼が羽ばたく度に、周囲に鱗粉のようなものが振り撒かれる。
その粉を浴びると一瞬意識が遠のいて、自分が何故ここにいるのか分からなくなり、武器を握る力が弱まってしまう。
「……おい、目を閉じるなよ! 俺は6人も抱える力はないんだからな……!」
とにかく、今のディーノがすべきことはただ一つ。
敵を退けつつ、この場にいる全員をなんとしてでも連れ帰る。
それだけだ。
■
「……つまり。ほぼ全滅、と。そういう事でよろしいですか?」
「辛辣だな……弁解の余地もないが、その通りだ」
苦い表情で頭を掻きつつ頷く、どこかくたびれた様子の男を見上げるオフィス職員はそっと首を横に振る。
「仕方ありません。情報が少なかったこの状況で、重体者が出なかっただけよかったですよ。敵の正確な情報も得られましたし、次は対策が打てるでしょう」
これならば、もう一度依頼を出して後続のハンター達に任せればいい。
新しい書類を作成しつつ、職員がふと顔を上げた。視線の先には、何故自分を見るのだと訝しげな表情をした男が一人。
「ディーノさん、すみませんが引率をお願いします」
「は?」
素っ頓狂な声を上げる中年の男に、職員は有無を言わさぬ笑みを浮かべた。
「現場を見て、敵と交戦した貴方がここにいるんです。道案内をお願いしますね」
■
自分以外の5人は、全員初任務なのだと聞いていた。
シンプルで動きやすい服に、口元を隠すようなマフラー。腰に携えた細身の剣。
くすんだ灰色の短髪の40代半ばの男、ディーノ・オルドリーニは他のメンツに聞こえない様に溜息を一つ吐く。
(俺はいつから引率係になったんだ……)
確かに、オフィスで依頼を受ける際に職員へ「ブランクがあるので、軽めのものから頼みたい」とは言った。言ったが。
依頼内容は難しくないものでも、新人を連れて行く事はまた別の難易度がある。
「あのっ。ディーノ先輩!」
年齢のせいで、どうやらこの新人たちにはディーノが「凄腕のハンター」にでも見えているのだろう。
思わず口をひきつらせ、ディーノは手を振った。
「俺は先輩じゃない。その呼び方はやめてくれ」
目を輝かせる新人たちは、そんな彼の言葉も気にせずに矢継ぎ早に質問を飛ばしてくる。
「今回の敵はどんなものですか!?」
「先輩はいつからハンターを?」
「今までで一番強かった敵はどんな奴でしたか!」
ハンターになりたて。夢も希望も、将来の栄光も。全てその手に掴めるような錯覚を覚えるそんな頃だ。
何でも自分で出来ると思って、誰でも助ける事が出来るのだと粋がって―――。
「あの、先輩?」
逡巡。のち覚醒。
「……俺の経験なんざ、聞く価値もないもんだ。お前たちはお前たちの思うように、これから先、進んでいけばいい」
彼は英雄などではない。勿論勇者でもない。
悔いても悔いきれない失敗談だけを持つ、ただのハンターだ。
えぇー? と残念そうに声を合わせる新人たちを促しつつ、彼は道をゆく。
■
それが、数刻前の出来事だ。
(何が。何が起きた)
ディーノは倒れていく新人たちを必死に守りつつ、雑魔と対峙していた。
眼前で嘲笑うかのように羽ばたくのは、鳥のような翼をもつ異形。
鳥ではない。翼は鳥のものに酷似していたが、その身はまるで小型の獅子のよう。
鋭い爪と、鋭い牙。翼を持つものらしく敏捷な動き。
それだけならば、まだ何とか出来ただろう。いくら新人であっても、彼らもまたハンターなのだ。
その力があり、そしてしっかりと自分の役割を果たせれば。
何より、ブランクがあれども自分もついていた。
恐らくはギリギリ。負傷者は出るだろうが、それでも倒せないはずはなかった。
けれど。今のこの状況は。この惨状はなんだ。
「クソッ……! こんな敵なら、そこまでしっかり情報として落としておけ……!」
今更オフィスの依頼書に文句をつけたところで始まらない。
目の前で舞う敵は、まるで光を乱反射させる様な体を持っていた。
不可視、というわけではない。しかし、太陽の下ではその姿を捉え辛い。
そしておそらく夜は夜で、闇に溶け込んでしまうだろう。
そしてその翼が羽ばたく度に、周囲に鱗粉のようなものが振り撒かれる。
その粉を浴びると一瞬意識が遠のいて、自分が何故ここにいるのか分からなくなり、武器を握る力が弱まってしまう。
「……おい、目を閉じるなよ! 俺は6人も抱える力はないんだからな……!」
とにかく、今のディーノがすべきことはただ一つ。
敵を退けつつ、この場にいる全員をなんとしてでも連れ帰る。
それだけだ。
■
「……つまり。ほぼ全滅、と。そういう事でよろしいですか?」
「辛辣だな……弁解の余地もないが、その通りだ」
苦い表情で頭を掻きつつ頷く、どこかくたびれた様子の男を見上げるオフィス職員はそっと首を横に振る。
「仕方ありません。情報が少なかったこの状況で、重体者が出なかっただけよかったですよ。敵の正確な情報も得られましたし、次は対策が打てるでしょう」
これならば、もう一度依頼を出して後続のハンター達に任せればいい。
新しい書類を作成しつつ、職員がふと顔を上げた。視線の先には、何故自分を見るのだと訝しげな表情をした男が一人。
「ディーノさん、すみませんが引率をお願いします」
「は?」
素っ頓狂な声を上げる中年の男に、職員は有無を言わさぬ笑みを浮かべた。
「現場を見て、敵と交戦した貴方がここにいるんです。道案内をお願いしますね」
解説
今回の達成目標は「翼をもつ雑魔2体の討伐」です。
出現した雑魔は、小型の獅子のような体に大きな翼をもっています。
帰還したディーノが持ち帰った敵情報は以下の通りです。
「非常に素早く、引っ掻きや噛みつきに加え、翼をはためかせ鱗粉のようなものをまき散らす。
鱗粉を浴びた場合、一瞬だが「何故自分がここにいるのか」「何をしていたのか」を忘れてしまい、回避と防御が大幅に低下する。
持続時間は2ラウンド。
また、体全体が光を乱反射させるせいで日中は姿が捉えにくい。夜は闇に紛れてしまうため、姿が見えづらくなる」
今回、ディーノの提案により戦闘開始時刻は日沈してすぐの時刻となります。
ディーノ曰く、このタイミングであれば、敵の姿を捉える事が出来るだろう。という事です。
ただし、討伐に時間がかかれば完全に暗くなってしまうので、戦闘は難しくなります。
スタートは敵の出現ポイントすぐ傍からになりますので、移動手段や移動中の事は考える必要はありません。
フィールドは、奥に小さな林のある草原で、草原自体は見通しが良いようです。
林に入っての戦闘や、林にある木々を使った行動は難しいでしょう。
ディーノは今回、皆さんの道案内が基本です。
先の戦闘で負傷していますので、戦闘に参加する事は出来ません。
ただし、自分の身を守ることは出来るので、彼を護衛等する必要はありません。
出現した雑魔は、小型の獅子のような体に大きな翼をもっています。
帰還したディーノが持ち帰った敵情報は以下の通りです。
「非常に素早く、引っ掻きや噛みつきに加え、翼をはためかせ鱗粉のようなものをまき散らす。
鱗粉を浴びた場合、一瞬だが「何故自分がここにいるのか」「何をしていたのか」を忘れてしまい、回避と防御が大幅に低下する。
持続時間は2ラウンド。
また、体全体が光を乱反射させるせいで日中は姿が捉えにくい。夜は闇に紛れてしまうため、姿が見えづらくなる」
今回、ディーノの提案により戦闘開始時刻は日沈してすぐの時刻となります。
ディーノ曰く、このタイミングであれば、敵の姿を捉える事が出来るだろう。という事です。
ただし、討伐に時間がかかれば完全に暗くなってしまうので、戦闘は難しくなります。
スタートは敵の出現ポイントすぐ傍からになりますので、移動手段や移動中の事は考える必要はありません。
フィールドは、奥に小さな林のある草原で、草原自体は見通しが良いようです。
林に入っての戦闘や、林にある木々を使った行動は難しいでしょう。
ディーノは今回、皆さんの道案内が基本です。
先の戦闘で負傷していますので、戦闘に参加する事は出来ません。
ただし、自分の身を守ることは出来るので、彼を護衛等する必要はありません。
マスターより
姿が見えづらく、一瞬だけでも記憶を奪うかのような鱗粉。
これらとどう戦うか、が攻略のポイントとなるでしょう。
それでは、健闘を祈ります。
これらとどう戦うか、が攻略のポイントとなるでしょう。
それでは、健闘を祈ります。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/07/24 00:32
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/07 11:57:51 |
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相談卓ってヤツ カーミン・S・フィールズ(ka1559) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/07/10 13:17:08 |