ゲスト
(ka0000)
【東征】三竦みからの脱出
マスター:葉槻

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 6~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2015/07/23 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/08/01 09:00
オープニング
かつては街道として利用されていた道も、使われなくなって久しく、雨風により運ばれて来た石や砂利などで悪路へと変わっている。
周囲に緑はなく、枯れ木と枯れ草が風に揺れるだけの荒野が広がっている。
結界が少しずつ機能を回復し、正のマテリアルが戻りつつあるエトフェリカではあったが、まだまだ全土にその効果が出るには時間がかかりそうであった。
そんな未だ荒野の片隅では、3つの影が思い思いに身体を休めていた。
「ねーさまー。たーいーくーつー」
身軽な魅彩が、今にも倒れそうな枯れ木の枝に跨がりながら俯せに寝そべり、その先の枝を揺らして呟いた。
「仕方が無いだろ。それもこれも山本が下手打ったからいけないのさ」
聖はその樹の根元に座り込んだまま、ふわりと欠伸をしながら言った。
彼らが縄張りにしていた土地を結界が包み込んでしまい、以来、放浪生活を余儀なくされていた。
「……おい、前から何かくるぞ」
風禅が前を見据えながら、するすると刃を出現させる。
土埃を立てながら走り寄ってくるのは、大きな狒狒2体。
それを見て魅彩と聖は嬉しそうに立ち上がった。
「……丁度暇だったんだ。ちょっと遊ぼうか」
魅彩が唇の端を嬉しそうに持ち上げて刃を構える。
「狒狒を相手にするのは久しぶりだねぇ。いいんじゃないか、楽しめそうだ」
聖も着物の裾を払いながら立ち上がると、狒狒達の進行方向に立ち塞がった。
前方に立ち塞がる3兄弟の姿に気付いた狒狒達は、その足を止めた。
「ちょ、何止まってんですか! ほら早く先に行きますよ!」
一体の狒狒の背中から甲高い声がした後、ひょこんと細くて小さな狐が顔を出して、前にいる3兄弟の姿を見て、心底面倒臭いという感情を隠さず声を上げた。
「……げ。3馬鹿……」
「失礼だね、馬でも鹿でも無いよ」
聖が片眉を跳ね上げて抗議すると、ひょろ長い狐はやれやれと首を振った。
「はいはい、イタチ様でしたね。知ってますよ。それじゃ、わたし達は先を急ぎたいので失礼……」
「行かせると思うか?」
風禅が狒狒には及ばないものの、その精悍な身体で一歩踏み出そうとした狒狒の鼻先に刃を向ける。
「丁度僕たち退屈してたんだ。遊んでよ、管狐」
魅彩が無邪気に笑うと、聖が赤紫の霧を出現させ狒狒達を包んだ。
「……ふんら、こんなころもだまひみらいな技はきかないもんねー……って、寝るな、馬鹿っ!」
鼻をつまんで、あっかんべー、と聖を挑発していた管狐だったが、自分を運んでいた狒狒がぐぅ、と寝息を立てたのを聞いて、慌てて尻尾で叩き起こす。
「そうそう、そのまま寝ているところを切り裂くなんてつまらないもん。ちゃんと起きてよ?」
魅彩は嗤いながら、眠らなかった狒狒の脇を通り過ぎ様に素早く何度も斬り付ける。
風禅もその後に続きながら周囲に風を起こすと、その風に乗って更に早く走り寄り、魅彩に続いて切り付ける。
「あー! もぅ! 何なんですかっ! わたし達は君達と違って忙しいんです!! お前達の相手をしている暇なんてないんですーっ!!」
キーッ! と甲高く奇声を発すると、管狐は怒って狒狒の背中から飛び降りた。宙返りをしながら狐火を生み出し、聖を前脚で指しながら「行くですっ!」と狐火に号令をかけた。
蒼白い狐火は音も無く聖の前まで飛んで行き、一瞬聖を火に包む。
「あはははは! いいねぇ! 暖かいぐらいさ!!」
しかし聖はそれを一笑に伏す。
狒狒達もそれぞれに地面に手をやると、ボゴッと岩を取り出し、それを両手に持って聖と魅彩に向かって思いっきり殴りかかっていく。
「やだ、痛そう」
魅彩と聖はその攻撃を軽々と避けて、再び斬り掛かりに行く。
――こうして戦い続けること暫し。
「あぁーっ!!」
管狐が突如叫ぶと、狒狒の一体に飛び乗り、街道の先を指し示す。
「もう、こんな馬鹿の相手してる場合じゃないんですっ! アレ! アレを止めなきゃです!!」
ぺしぺしと小さな前脚で狒狒の額を叩いて向かう先には、ハンター達と荷物を大量に載せた荷車が見えた。
狒狒達は管狐の指示に従ってハンター達のいる方向へ走り出した。
「あ、ちょっと! まだ勝負は終わってないよ!」
魅彩が慌ててその後を追って走り、狒狒の足に追いつくと、その背中に鋭い一太刀を入れる。
しかしその攻撃を読んでいたかのように、狒狒はその攻撃を避けて、更に前へと走っていく。
「ちょ、狒狒のくせに僕の攻撃読むなんて生意気っ!」
魅彩はギリギリと奥歯を噛みしめると、再び追いつく為に走り出した。
ハンター達の前に現れた2mを越える2体の狒狒……の頭の上に立つ管狐。
「やあやあ、待て待てぇい! その荷物を置いてとっとと引き返すというのであれば、生かして帰してやろう。しかぁし! どうしても此処を通りたいならば、わたし達を倒してから行くがよい!」
突然現れた狒狒2体と、その頭の上でひょろ長い小さな狐が仁王立ちしながら、甲高い声で朗々と宣戦布告をする様に、ハンター達はぽかんと顔を見合わせる。
「ちょっ! 先に勝負してたの僕たちじゃんかーっ! 人間なんてどうでも良いから僕たちと遊べよ、管狐!」
その後から走り寄るのは、以前に報告書に上がったことがある3兄弟の姿。
「煩い! お前達みたいな喧嘩馬鹿相手にしている暇はないのですと何度言ったらわかるのですか!」
「馬鹿じゃねぇっつってんだろ!」
「あぁハイハイ、イタチ様イタチ様。お願いですから僕の邪魔をしないで下さいっ!」
「おい人間、邪魔するなよ。これは俺達と狐達との勝負なんだからな!」
魅彩に続いて聖と風禅もハンター達の前に並ぶと、丁度三竦みのような状態となり誰もが動くに動けない状態となってしまった。
……果たして、ハンター達は無事荷物を目的地まで届けることが出来るのであろうか?
周囲に緑はなく、枯れ木と枯れ草が風に揺れるだけの荒野が広がっている。
結界が少しずつ機能を回復し、正のマテリアルが戻りつつあるエトフェリカではあったが、まだまだ全土にその効果が出るには時間がかかりそうであった。
そんな未だ荒野の片隅では、3つの影が思い思いに身体を休めていた。
「ねーさまー。たーいーくーつー」
身軽な魅彩が、今にも倒れそうな枯れ木の枝に跨がりながら俯せに寝そべり、その先の枝を揺らして呟いた。
「仕方が無いだろ。それもこれも山本が下手打ったからいけないのさ」
聖はその樹の根元に座り込んだまま、ふわりと欠伸をしながら言った。
彼らが縄張りにしていた土地を結界が包み込んでしまい、以来、放浪生活を余儀なくされていた。
「……おい、前から何かくるぞ」
風禅が前を見据えながら、するすると刃を出現させる。
土埃を立てながら走り寄ってくるのは、大きな狒狒2体。
それを見て魅彩と聖は嬉しそうに立ち上がった。
「……丁度暇だったんだ。ちょっと遊ぼうか」
魅彩が唇の端を嬉しそうに持ち上げて刃を構える。
「狒狒を相手にするのは久しぶりだねぇ。いいんじゃないか、楽しめそうだ」
聖も着物の裾を払いながら立ち上がると、狒狒達の進行方向に立ち塞がった。
前方に立ち塞がる3兄弟の姿に気付いた狒狒達は、その足を止めた。
「ちょ、何止まってんですか! ほら早く先に行きますよ!」
一体の狒狒の背中から甲高い声がした後、ひょこんと細くて小さな狐が顔を出して、前にいる3兄弟の姿を見て、心底面倒臭いという感情を隠さず声を上げた。
「……げ。3馬鹿……」
「失礼だね、馬でも鹿でも無いよ」
聖が片眉を跳ね上げて抗議すると、ひょろ長い狐はやれやれと首を振った。
「はいはい、イタチ様でしたね。知ってますよ。それじゃ、わたし達は先を急ぎたいので失礼……」
「行かせると思うか?」
風禅が狒狒には及ばないものの、その精悍な身体で一歩踏み出そうとした狒狒の鼻先に刃を向ける。
「丁度僕たち退屈してたんだ。遊んでよ、管狐」
魅彩が無邪気に笑うと、聖が赤紫の霧を出現させ狒狒達を包んだ。
「……ふんら、こんなころもだまひみらいな技はきかないもんねー……って、寝るな、馬鹿っ!」
鼻をつまんで、あっかんべー、と聖を挑発していた管狐だったが、自分を運んでいた狒狒がぐぅ、と寝息を立てたのを聞いて、慌てて尻尾で叩き起こす。
「そうそう、そのまま寝ているところを切り裂くなんてつまらないもん。ちゃんと起きてよ?」
魅彩は嗤いながら、眠らなかった狒狒の脇を通り過ぎ様に素早く何度も斬り付ける。
風禅もその後に続きながら周囲に風を起こすと、その風に乗って更に早く走り寄り、魅彩に続いて切り付ける。
「あー! もぅ! 何なんですかっ! わたし達は君達と違って忙しいんです!! お前達の相手をしている暇なんてないんですーっ!!」
キーッ! と甲高く奇声を発すると、管狐は怒って狒狒の背中から飛び降りた。宙返りをしながら狐火を生み出し、聖を前脚で指しながら「行くですっ!」と狐火に号令をかけた。
蒼白い狐火は音も無く聖の前まで飛んで行き、一瞬聖を火に包む。
「あはははは! いいねぇ! 暖かいぐらいさ!!」
しかし聖はそれを一笑に伏す。
狒狒達もそれぞれに地面に手をやると、ボゴッと岩を取り出し、それを両手に持って聖と魅彩に向かって思いっきり殴りかかっていく。
「やだ、痛そう」
魅彩と聖はその攻撃を軽々と避けて、再び斬り掛かりに行く。
――こうして戦い続けること暫し。
「あぁーっ!!」
管狐が突如叫ぶと、狒狒の一体に飛び乗り、街道の先を指し示す。
「もう、こんな馬鹿の相手してる場合じゃないんですっ! アレ! アレを止めなきゃです!!」
ぺしぺしと小さな前脚で狒狒の額を叩いて向かう先には、ハンター達と荷物を大量に載せた荷車が見えた。
狒狒達は管狐の指示に従ってハンター達のいる方向へ走り出した。
「あ、ちょっと! まだ勝負は終わってないよ!」
魅彩が慌ててその後を追って走り、狒狒の足に追いつくと、その背中に鋭い一太刀を入れる。
しかしその攻撃を読んでいたかのように、狒狒はその攻撃を避けて、更に前へと走っていく。
「ちょ、狒狒のくせに僕の攻撃読むなんて生意気っ!」
魅彩はギリギリと奥歯を噛みしめると、再び追いつく為に走り出した。
ハンター達の前に現れた2mを越える2体の狒狒……の頭の上に立つ管狐。
「やあやあ、待て待てぇい! その荷物を置いてとっとと引き返すというのであれば、生かして帰してやろう。しかぁし! どうしても此処を通りたいならば、わたし達を倒してから行くがよい!」
突然現れた狒狒2体と、その頭の上でひょろ長い小さな狐が仁王立ちしながら、甲高い声で朗々と宣戦布告をする様に、ハンター達はぽかんと顔を見合わせる。
「ちょっ! 先に勝負してたの僕たちじゃんかーっ! 人間なんてどうでも良いから僕たちと遊べよ、管狐!」
その後から走り寄るのは、以前に報告書に上がったことがある3兄弟の姿。
「煩い! お前達みたいな喧嘩馬鹿相手にしている暇はないのですと何度言ったらわかるのですか!」
「馬鹿じゃねぇっつってんだろ!」
「あぁハイハイ、イタチ様イタチ様。お願いですから僕の邪魔をしないで下さいっ!」
「おい人間、邪魔するなよ。これは俺達と狐達との勝負なんだからな!」
魅彩に続いて聖と風禅もハンター達の前に並ぶと、丁度三竦みのような状態となり誰もが動くに動けない状態となってしまった。
……果たして、ハンター達は無事荷物を目的地まで届けることが出来るのであろうか?
解説
【目的】
・攻城戦拠点への物資の輸送
恵土城奪還作戦が急襲に近い形で行われる為、その後の必要物資や水と食糧・日用品を運ぶ別部隊
本隊は恵土城への物資を運ぶ事を最優先とすること
【状況】
恵土城への道中に九尾狐軍と鎌鼬と遭遇
三者三様に思惑があり、動くに動けない状態となっている
【荷物】
2m近く荷物を積まれてたリヤカー2台
重量は約200kg
人の手で押して動かす分には問題無く動く
馬で牽引することは可能だが、馬は準備されていない状態で出発した
(ハンターの馬に牽かせることは可能)
人と馬以外の生物・バイクなどの魔導機械に牽引させることは、道具がなく不可能
また、ハンター達の私物などは各自で背負っている物とする
(万が一リヤカーが破壊されても、ハンター達の私物には被害が出ない)
【敵】
●狐軍
・管狐
体長30cm程度のひょろ長い狐の歪虚。大変すばしっこく、見た目は大変可愛らしい
人に憑くと、錯乱させたり、病気にさせるなどと言われている
常に地上から1mぐらいの所を浮遊している
・狒狒
2mを越える大きな猿の歪虚。顔は人間に近く、大きな口でヒヒヒと嗤う
女好きで人間と会話が出来、その心を読み取ることが出来ると言われている
●鎌鼬
・聖
他2名に『姉』と呼ばれていることから長子であると推測
色打ち掛けを羽織っており美しい容姿をしているが、大変気分屋
状態異常を誘発する攻撃を得意とする(魅了、目つぶし、睡眠)
・風禅
1番精悍な体躯をしている。女好きだが他2名より人間側に近い”常識”を持ち合わせているような言動が見られる
風を繰る能力に長けており、風の力を借りて攻撃を当てやすくしたり、通常より早く動く事がある
・魅彩
1番小柄な少年のような容姿をしており、言動も子供のそれに近い
最も攻撃的であり、無邪気な笑顔で綺麗だからと蝶の羽をもぐような残虐性が見られる
・攻城戦拠点への物資の輸送
恵土城奪還作戦が急襲に近い形で行われる為、その後の必要物資や水と食糧・日用品を運ぶ別部隊
本隊は恵土城への物資を運ぶ事を最優先とすること
【状況】
恵土城への道中に九尾狐軍と鎌鼬と遭遇
三者三様に思惑があり、動くに動けない状態となっている
【荷物】
2m近く荷物を積まれてたリヤカー2台
重量は約200kg
人の手で押して動かす分には問題無く動く
馬で牽引することは可能だが、馬は準備されていない状態で出発した
(ハンターの馬に牽かせることは可能)
人と馬以外の生物・バイクなどの魔導機械に牽引させることは、道具がなく不可能
また、ハンター達の私物などは各自で背負っている物とする
(万が一リヤカーが破壊されても、ハンター達の私物には被害が出ない)
【敵】
●狐軍
・管狐
体長30cm程度のひょろ長い狐の歪虚。大変すばしっこく、見た目は大変可愛らしい
人に憑くと、錯乱させたり、病気にさせるなどと言われている
常に地上から1mぐらいの所を浮遊している
・狒狒
2mを越える大きな猿の歪虚。顔は人間に近く、大きな口でヒヒヒと嗤う
女好きで人間と会話が出来、その心を読み取ることが出来ると言われている
●鎌鼬
・聖
他2名に『姉』と呼ばれていることから長子であると推測
色打ち掛けを羽織っており美しい容姿をしているが、大変気分屋
状態異常を誘発する攻撃を得意とする(魅了、目つぶし、睡眠)
・風禅
1番精悍な体躯をしている。女好きだが他2名より人間側に近い”常識”を持ち合わせているような言動が見られる
風を繰る能力に長けており、風の力を借りて攻撃を当てやすくしたり、通常より早く動く事がある
・魅彩
1番小柄な少年のような容姿をしており、言動も子供のそれに近い
最も攻撃的であり、無邪気な笑顔で綺麗だからと蝶の羽をもぐような残虐性が見られる
マスターより
はじめまして、またはまたお目にかかれて光栄です。葉槻(はづき)です。
【東征】第2回目はどう戦うか、そしてどう守るのかが重要です。
うまく立ち回ることが出来れば、難易度よりも低くこの状況から抜け出せます。
しかし対応を間違えると、難易度通りの困難となって依頼失敗となりかねません。
どうぞゆっくりご相談の上、しっかりと対策を練ってみて下さい。
それから、最近スキルがセットされていない方が多く見受けられます。
出発される前には必ず使いたいスキルがセットされているかご確認をお願いします。
それでは貴方らしい冒険をお待ちしております。
【東征】第2回目はどう戦うか、そしてどう守るのかが重要です。
うまく立ち回ることが出来れば、難易度よりも低くこの状況から抜け出せます。
しかし対応を間違えると、難易度通りの困難となって依頼失敗となりかねません。
どうぞゆっくりご相談の上、しっかりと対策を練ってみて下さい。
それから、最近スキルがセットされていない方が多く見受けられます。
出発される前には必ず使いたいスキルがセットされているかご確認をお願いします。
それでは貴方らしい冒険をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/07/31 06:49
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/21 21:30:14 |
|
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【相談卓】この状況からの脱出 アルト・ヴァレンティーニ(ka3109) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/07/23 00:33:59 |