ゲスト
(ka0000)
水面に誘うもの
マスター:君矢

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/07/22 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/07/31 07:30
オープニング
辺境の山の中、木々に囲まれた静かな沼があった。東西に長く南北に短い、細長い形をした沼だ。岸には、雑草が生い茂り、木が低く枝を張り出している。草があるから大丈夫だろうと迂闊に足を踏み出せば、沼へ滑り落ちるかもしれなかった。
東側の一角だけは地面が見える。地面が踏み固められ、手入れをされていて、小さいボートがひとつ岸に上げられていた。
その沼の水面に、少女が浮かんでいた。白いドレスのような服が水面に広がっている。
胸の上で、色とりどりの花を抱きしめるように少女は沼を漂っている。美しい少女に見える。しかし、近くで観察すると、ドレスも花も少女自身もどこか不自然だった。人のパーツを人らしく見えるように配置したとでもいえばいいのだろうか、人形の様に動かないから美しく思える。そんなふうに見える。
鳥が一羽、少女の胸元にある手に止まった。何かを確かめるようにくちばしでつつく。
その時、鳥の背後の水面から何かが飛び出し鳥を水中へ引きずり込んでいった。
少女はベッドに寝ているかのように沼に横たわり、うっすらとあけた目で空を見上げている。
※ ※ ※
少年少女達が山道を登っていた。髪の長い少女、ツアンプが先頭に立ち率先して歩いていく。獣道よりはマシ程度の道だが彼らの歩みはしっかりとしていた。全員が赤く塗られた鞭を腰に下げて、籠を肩にかけていた。
「草刈りってかったるいよな」
集団の後ろを歩いている少年、ヘウイがぼやく。
「なに言っているの! 次の収穫のための大切な事だよ」
先頭を歩いているツアンプが振り返り注意する。
「へいへい」
ヘウイはおざなりに返事をする。面白くなさそうに歩く彼は分かれ道に差し掛かった所で友達に耳打ちをした。
「俺、サボるわ。じゃ」
「お、おい」
ヘウイは言うだけいうと素早く分かれ道を歩いて行ってしまった。
ヘウイは、一人分かれ道を歩いて沼へとやってきた。昼寝でもしてサボろうと考えたのだった。
しかしヘウイは慌てて岸に上げてあったボートを沼に押入れることになる。
沼に少女が浮かんでいるのを見つけたのだ。
沼は長い水草が繁茂している。それが足に絡みつき、溺れて絶対に浮かんでくることはないといわれていた。だから、絶対に部族の人間はここで泳がない。
どこから少女は迷い込んだのだろうか。旅人だろうか。とにかく助けなければ。
「大丈夫か!」
ヘウイはボートに乗り、オールで漕いで少女へ近づいていく。
声をかけているのに、一向に少女は反応しなかった。
「おおい、生きてるか?」
あと少しと、オールを動かそうとするが、動かない。しかも強い力で水中へ引っ張られる。オールに水草のようなものが巻き付いているのが、ヘウイの視界に映る。
水中から何本も水草が飛び出して、ヘウイの体に巻き付いた。
不安定なボートの上、ヘウイは抵抗できず水中へ引きずり込まれた。大きな水しぶきと波紋が広がる。
波紋がおさまる。
あとには、静かな水面と誰も乗っていないボート、そしてうつろに空を見上げる少女だけが残る。
※ ※ ※
「族長、私、探しに行ってきます」
「ダメじゃ」
ツアンプは髭の長い老人、シェノグ族の族長に向かって言うが、返ってきたのは否だった。
草刈りをサボったヘウイが帰ってこなかった。ヘウイが沼へ続く分かれ道を歩いていったと聞いた彼の父親が探しに行ったが、その父も行方が分からない。
族長の孫として、草刈りのまとめ役を務めたツアンプは、あの時、ヘウイが一人違う道に進むことに気が付かなかったことを悔やんでいた。気が付いていれば、止めることが出来れば彼も彼の父親も、行方不明にならなかったはずだと責任を感じている。
「二人ともケガをして動けないのかも。早く助けに行かないと」
ツアンプはグッと手に力を込める。早く見つけないと、早く助けないと、という思いで頭がいっぱいだった。
「ならばな、ツアンプ。ハンターオフィスで依頼を出してきてくれんかの」
「依頼するのですか?」
部族の中で解決するべきではないかとツアンプは思う。
「慣れている場所で、二人も行方が分からぬ。念には念をじゃ。ただの事故ならワシの心配しすぎを笑うだけの話じゃ」
族長は、このまま探して、行方不明者を増やすよりもハンターに頼ろうとツアンプに説明する。
「族長が依頼に行ってください。私、ハンターが到着するまで探します」
「ワシは歳じゃから、歩くのが遅い。おぬしの方が早く到着できるからのう」
頼む。と祖父である族長に重ねて言われて、ツアンプは渋々頷いたのだった。
「依頼は、行方不明者の捜索ですね」
ハンターオフィスの受付係は、ツアンプに確認した。
「はい。族長は何かよくないことが起きたのではないかと言っていまして、原因が分かればその排除もお願いしたいと言っていました。よろしくお願いします」
ツアンプは深くお辞儀をした。
東側の一角だけは地面が見える。地面が踏み固められ、手入れをされていて、小さいボートがひとつ岸に上げられていた。
その沼の水面に、少女が浮かんでいた。白いドレスのような服が水面に広がっている。
胸の上で、色とりどりの花を抱きしめるように少女は沼を漂っている。美しい少女に見える。しかし、近くで観察すると、ドレスも花も少女自身もどこか不自然だった。人のパーツを人らしく見えるように配置したとでもいえばいいのだろうか、人形の様に動かないから美しく思える。そんなふうに見える。
鳥が一羽、少女の胸元にある手に止まった。何かを確かめるようにくちばしでつつく。
その時、鳥の背後の水面から何かが飛び出し鳥を水中へ引きずり込んでいった。
少女はベッドに寝ているかのように沼に横たわり、うっすらとあけた目で空を見上げている。
※ ※ ※
少年少女達が山道を登っていた。髪の長い少女、ツアンプが先頭に立ち率先して歩いていく。獣道よりはマシ程度の道だが彼らの歩みはしっかりとしていた。全員が赤く塗られた鞭を腰に下げて、籠を肩にかけていた。
「草刈りってかったるいよな」
集団の後ろを歩いている少年、ヘウイがぼやく。
「なに言っているの! 次の収穫のための大切な事だよ」
先頭を歩いているツアンプが振り返り注意する。
「へいへい」
ヘウイはおざなりに返事をする。面白くなさそうに歩く彼は分かれ道に差し掛かった所で友達に耳打ちをした。
「俺、サボるわ。じゃ」
「お、おい」
ヘウイは言うだけいうと素早く分かれ道を歩いて行ってしまった。
ヘウイは、一人分かれ道を歩いて沼へとやってきた。昼寝でもしてサボろうと考えたのだった。
しかしヘウイは慌てて岸に上げてあったボートを沼に押入れることになる。
沼に少女が浮かんでいるのを見つけたのだ。
沼は長い水草が繁茂している。それが足に絡みつき、溺れて絶対に浮かんでくることはないといわれていた。だから、絶対に部族の人間はここで泳がない。
どこから少女は迷い込んだのだろうか。旅人だろうか。とにかく助けなければ。
「大丈夫か!」
ヘウイはボートに乗り、オールで漕いで少女へ近づいていく。
声をかけているのに、一向に少女は反応しなかった。
「おおい、生きてるか?」
あと少しと、オールを動かそうとするが、動かない。しかも強い力で水中へ引っ張られる。オールに水草のようなものが巻き付いているのが、ヘウイの視界に映る。
水中から何本も水草が飛び出して、ヘウイの体に巻き付いた。
不安定なボートの上、ヘウイは抵抗できず水中へ引きずり込まれた。大きな水しぶきと波紋が広がる。
波紋がおさまる。
あとには、静かな水面と誰も乗っていないボート、そしてうつろに空を見上げる少女だけが残る。
※ ※ ※
「族長、私、探しに行ってきます」
「ダメじゃ」
ツアンプは髭の長い老人、シェノグ族の族長に向かって言うが、返ってきたのは否だった。
草刈りをサボったヘウイが帰ってこなかった。ヘウイが沼へ続く分かれ道を歩いていったと聞いた彼の父親が探しに行ったが、その父も行方が分からない。
族長の孫として、草刈りのまとめ役を務めたツアンプは、あの時、ヘウイが一人違う道に進むことに気が付かなかったことを悔やんでいた。気が付いていれば、止めることが出来れば彼も彼の父親も、行方不明にならなかったはずだと責任を感じている。
「二人ともケガをして動けないのかも。早く助けに行かないと」
ツアンプはグッと手に力を込める。早く見つけないと、早く助けないと、という思いで頭がいっぱいだった。
「ならばな、ツアンプ。ハンターオフィスで依頼を出してきてくれんかの」
「依頼するのですか?」
部族の中で解決するべきではないかとツアンプは思う。
「慣れている場所で、二人も行方が分からぬ。念には念をじゃ。ただの事故ならワシの心配しすぎを笑うだけの話じゃ」
族長は、このまま探して、行方不明者を増やすよりもハンターに頼ろうとツアンプに説明する。
「族長が依頼に行ってください。私、ハンターが到着するまで探します」
「ワシは歳じゃから、歩くのが遅い。おぬしの方が早く到着できるからのう」
頼む。と祖父である族長に重ねて言われて、ツアンプは渋々頷いたのだった。
「依頼は、行方不明者の捜索ですね」
ハンターオフィスの受付係は、ツアンプに確認した。
「はい。族長は何かよくないことが起きたのではないかと言っていまして、原因が分かればその排除もお願いしたいと言っていました。よろしくお願いします」
ツアンプは深くお辞儀をした。
解説
部族の仲間が二人、行方不明になりました。
捜索と原因の除去をお願いします。
シェノグ族:辺境の山で、山菜や薬草を収穫して暮らしている。
部族の象徴として赤い鞭を全員が所持している。武器として使用できるかは個人による。
行方不明者:部族の少年ヘウイとその父親。
ヘウイが最後に目撃されたのは、山の草刈りをサボり沼へ続く道を歩いていく姿。
父親は、その話を聞いて沼の方へ探しに向かったのが最後。
山と沼の様子
山:ごく普通の山。山中の道は、獣道を踏み固めたものなので足元に注意。
沼:集落から奥に進んだ場所にある。東西に約100m、南北に約30mと細長い形。
深さは不明。水は澄んでいるが、水草が大量に生えている。
部族が魚釣りに使っている。最近、魚の姿がない。
周囲は、草と木が繁茂していて地面と沼の境界が判別しにくい。
東側に約10m、岸のような場所がある。
案内役として、族長の孫ツアンプ・シェノグ(16歳)が同行。
鞭を所持しているが、一般人で戦闘能力はない。
※ ※ ※
以下、PL情報
岸にヘウイの籠が落ちている。
ボートは沼に浮かんでいる。
少女(?)が浮かんでいる。
沼にいる少女:水中植物のような雑魔。
浮き草状態。
水面に出ている少女の部分は雑魔の一部が変形した偽餌。意思はなく動くこともない。
本体は少女の背中側、水中にあるコブ状のもの。鋭い歯を持った口がある。
少女部分に近寄ってきた餌をコブから生える水草の様なツルを伸ばし、絡みつき、締め上げ引きずり込む。水中で窒息させ餌にする。抵抗すると、蔓で強襲する。
餌を捕えやすいように岸から5~10m位の場所に浮かんでいる。
残念ながらヘウイとその父親は、雑魔に捕食され死亡している。
捜索と原因の除去をお願いします。
シェノグ族:辺境の山で、山菜や薬草を収穫して暮らしている。
部族の象徴として赤い鞭を全員が所持している。武器として使用できるかは個人による。
行方不明者:部族の少年ヘウイとその父親。
ヘウイが最後に目撃されたのは、山の草刈りをサボり沼へ続く道を歩いていく姿。
父親は、その話を聞いて沼の方へ探しに向かったのが最後。
山と沼の様子
山:ごく普通の山。山中の道は、獣道を踏み固めたものなので足元に注意。
沼:集落から奥に進んだ場所にある。東西に約100m、南北に約30mと細長い形。
深さは不明。水は澄んでいるが、水草が大量に生えている。
部族が魚釣りに使っている。最近、魚の姿がない。
周囲は、草と木が繁茂していて地面と沼の境界が判別しにくい。
東側に約10m、岸のような場所がある。
案内役として、族長の孫ツアンプ・シェノグ(16歳)が同行。
鞭を所持しているが、一般人で戦闘能力はない。
※ ※ ※
以下、PL情報
岸にヘウイの籠が落ちている。
ボートは沼に浮かんでいる。
少女(?)が浮かんでいる。
沼にいる少女:水中植物のような雑魔。
浮き草状態。
水面に出ている少女の部分は雑魔の一部が変形した偽餌。意思はなく動くこともない。
本体は少女の背中側、水中にあるコブ状のもの。鋭い歯を持った口がある。
少女部分に近寄ってきた餌をコブから生える水草の様なツルを伸ばし、絡みつき、締め上げ引きずり込む。水中で窒息させ餌にする。抵抗すると、蔓で強襲する。
餌を捕えやすいように岸から5~10m位の場所に浮かんでいる。
残念ながらヘウイとその父親は、雑魔に捕食され死亡している。
マスターより
行方不明者の捜索と異変の対処をお願いします。
村の周辺などは部族でも人を出して探しています。
怪しいところを捜索していただければと思います。
プレイングには、行動と心情をバランスよく書いていただければ幸いです。
では、よろしくお願いします。
村の周辺などは部族でも人を出して探しています。
怪しいところを捜索していただければと思います。
プレイングには、行動と心情をバランスよく書いていただければ幸いです。
では、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/07/29 20:23
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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ヘウイ一家をさがせ 水流崎トミヲ(ka4852) 人間(リアルブルー)|27才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/07/21 13:37:27 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/20 00:18:29 |