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【東征】伸びる翼賛の手

マスター:猫又ものと

このシナリオは3日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
6日
プレイング締切
2015/07/22 07:30
リプレイ完成予定
2015/08/03 07:30

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

●帝の膝元で
「スメラギ様、失礼致しま……」
 膝をつき、深々と頭を垂れた黒髪の女性。
 エトファリカ東方連邦の巫子である伊集院 白藍は、顔を上げると……目の前に繰り広げられている光景に絶句した。
「ところでよ。てめーは一体何をしてんだよさっきから」
「……裁縫だ」
「そんなん見りゃ分かる! 何で俺様の前でわざわざそんなことやってんだって聞いてんだよ」
「……これはお前の分だからな」
 がるるると吼えるスメラギの横で澄ました顔をしているバタルトゥ・オイマト(kz0023)。
 辺境部族の大首長であり、オイマト族の族長でもあり、戦士として一級の腕前を持つ彼が、慎ましやかに正座をして、極めて手際良く布に針を通し刺繍を仕上げて行く様は何というか……衝撃という言葉以外に思いつかない。
「何なんだよ。大首長がこんなに器用とか初耳だぞオイ。ってか似合わねーなお前……」
「族長は、部族の中で裁縫や民芸品を作るのが一番上手なんですよ」
 率直な感想を漏らすスメラギに、近くにいたオイマト族の人間が笑顔で説明する。
 ――腕っぷしが強い上に家事も完璧とかどんな究極超人だっつーの。
 ああ! 仮にも族長なのに、こいつに浮いた話が一切ないのはこれが理由か!
 まあ、これ見ちまった女はそりゃ逃げたくもなるかもなぁ……。怖ぇもん。別の意味で。
「……スメラギ様。声に出ておられますよ」
「うおあっ!? 白藍! いるならいるって言え!」
「申し訳ございません。先程声をおかけしたのですが……」
「あ? そうだったか? まあいいや。何か用か?」
「はい。先日の山本五郎左衛門との戦いで、被害を受けた市井の者達の支援とお見舞いに伺いたく思います。そのご許可を戴きに参りました」
 山本五郎左衛門、そして歪虚要塞ヨモツヘグリの大禍を打ち払った東方。
 その為に散った命は多く、都の被害も決して軽くはない。兵に限らず、民間人にも被害が出ており……その現状に、スメラギも白藍も心を痛めていた。
「そうさな……。民にも大分苦労かけちまってるもんな。白藍、行ってくれるか?」
「勿論ですわ。スメラギ様は片時も民のことを忘れてはいないと、市井の者達に伝える大きな機会でもございますし。スメラギ様の株を大きく上げることが出来ましょう」
「……おめー。その高潔なのか腹黒いのか分からねぇ物言いなんとかなんねぇ?」
「あら。心外ですわ。わたくし、スメラギ様の御身を一番に考えておりましてよ?」
 にっこり、と笑う白藍にウヘェ……という顔をするスメラギだったが、次の瞬間真顔に戻る。
「しかし、支援はしたいが、おめー一人で行かせるのもな……。かと言って、うちも今人手不足だしよ」
「……だったら、ハンター達に同行を依頼するといい。手が空いている者も居よう」
 裁縫の手を止めぬまま、呟くバタルトゥ。それに白藍が首を傾げる。
「それは助かりますが……バタルトゥ様、宜しいのですか?」
「……うむ。我々はエトファリカの民を助ける。……元々そういう約束だった筈だ」
「だからもうそれはいいって。チャラにしたって言ってんだろ?」
「……そうだったな。では、『現在の我々』が支援したいと言っておこうか」
 ひらひらと手を振るスメラギにくつりと笑うバタルトゥ。
 完成したのか、手馴れた手つきで糸を止めると、無言で黒髪の少年に手渡す。
「あ? 何だよこれ」
「……これはオイマト族に伝わる守りの文様だ。持ち主の身を守る。持っているといい」
「はあああああああああ!? 何なの!? 何なのお前!? 乙女か!」
「スメラギ様。贈り物を戴いたらきちんとお礼を言わないといけませんわよ」
「……まあ、受け取ってやってもいいぞ」
 頬を赤らめそっぽを向くスメラギに、バタルトゥと白藍は顔を見合わせた。


●伸びる翼賛の手
「先日の山本五郎左衛門との戦いで、被害を受けた市井の者達の支援とお見舞いに伺いたく思っております。ご同行願えませんでしょうか」
 人が多く集まるハンターズソサエティ。
 突然そう切り出した白藍に、ハンターが首を傾げる。
「ああ、この間の戦い、民間の人にも被害が出たんだっけね」
「はい。家を壊され、避難生活を余技なくされている方もいらっしゃいますので……」
「そうか……」
 ――山本五郎左衛門、そして歪虚要塞ヨモツヘグリの大禍を打ち払った朗報に、喜び沸き立つ市民達。
 今は滅びの運命に抗える事に、勝ち取った事実に喜びが大きいけれど……。
 それを過ぎたらきっと――失ったものの大きさに絶望してしまうかもしれない。
「そういう事なら、安心して生活できるようにしてあげた方がいいよね」
「そうだな。……支援、ということだし、何か持って行った方がいいかな」
「お見舞いの品があると喜ばれるかしら」
「そうですわね。見舞いの方法などは、皆様にお任せします。勿論、わたくしも一緒に参りますし、何か出来ることがございましたらお申し付けください」
 礼儀正しく頭を下げた白藍に、ハンター達は頷き。
 どんなお見舞いをしようかと、考えを巡らせるのだった。

解説

■依頼内容
山本五郎左衛門との戦いで、被害を受けた市井の者達の支援し、彼らの心を慰めてあげて下さい。
バタルトゥもお見舞いの品を用意していますので、届けてあげると喜びます。
勿論、皆様が思い思いにお見舞いの品を持ち寄って戴くのも歓迎です。
どんな風に励ますのか、工夫を凝らしてみてください。
以前は一般市民にも西方への不信がありましたが、今回の勝利でそれも薄れつつあります。

■NPCについて
今回、白藍が同行しております。自主的にお見舞いをする方向で動きますが、お手伝いできることがあれば声をかけてやって下さい。
バタルトゥは次の作戦の準備がある為参加できません。

■プレイングについて
白紙のプレイングを提出されますと登場できなくなります。
参加された段階で何か書かれて送信されることをおすすめします。

■その他
分からないことがありましたら、白藍が返答します(キャラクターはバタルトゥになりますが……)ので質問板を立ててご質問下さい。
質問は依頼出発1日前までにお願いします。

マスターより

お世話になっております。猫又です。
皆様に、【東征】の連動シナリオをお届けします。
戦い続きの中で、市民達はどうしているのか、東方の民達はどんな暮らしをしているのか……そんな世界観が覗き見られるような依頼にしたいと思っております。

【東征】が良く分からない方、レベル的に不安でシナリオに参加しにくいな~という方、どなたでも大歓迎です。戦闘もございませんので、ご気軽にご参加戴けましたら幸いです。

ちなみに、バタルトゥの裁縫が得意な設定は猫又が考えたのではなく、最初から設定にあったものです。誤解のなきようお願いします。

それでは、皆様のプレイングをお待ちしています。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/08/05 05:34

参加者一覧

  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • 星の音を奏でる者
    エステル・クレティエ(ka3783
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • ヒトとして生きるもの
    蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009
    エルフ|22才|女性|魔術師

  • 藤峰 雪凪(ka4737
    人間(紅)|13才|女性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン 白藍さんにお聞きします。
エステル・ソル(ka3983
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/07/19 01:22:58
アイコン 一時の安寧を届けに…
蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009
エルフ|22才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/07/22 01:22:47
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/07/18 05:48:38