ゲスト
(ka0000)
【東征】若葉舞う
マスター:朝臣あむ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/07/22 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/07/31 12:00
オープニング
暗く沈んだ空に浮かぶ無数の星。それらを見上げた東方出身の少年――祀は、頬を照らす焚火に目を落とすと少し憂うように目を細めた。
「西方の友人にこの様なことをお願いして申し訳ありませんでした。本来であれば僕が1人で行わなければいけないことなのに……あなた方なら僕の力になってくれると聞いたので……」
祀の前には、彼と同じく焚火を囲むハンターの姿がある。東方にはハンターに何かを依頼すると言う習慣が根付いていない。
故にこうして依頼を出すことは罪悪感を生むのだろう。祀は視線を落としたまま膝を抱くと、浮かぶ感情を消し去るように言葉を紡いだ。
「……今回、皆さんと一緒に倒したい妖怪は、僕が1人で挑んで倒せなかった相手なんです。大きな獣で、舞刀士として駆け出しだった僕は奴の前にひれ伏すしかありませんでした」
ひと月前。祀は1人でこの地を訪れ、妖怪との戦闘に敗れた。闘いは誰かが見ていたら目を瞑りそうなほど悲惨で、彼の一方的な負け戦だった。
「僕は死を覚悟しました。体も動かないし、声も出ない。そもそもここには住んでいる人も居ない。だから助けなんてあるはずもありません……そう、本当ならないはずだったんです」
祀の言うようにこの地に人はいない。
ここは東方本土から離れた場所にある孤島。
昔は人が住んでいたのか、その名残として建造物の跡などがある。それらを一瞥するように視線を上げると、彼は少し困ったようにハンターを見た。
「僕、歪虚に助けられたんです。変な着物を着た歪虚に……」
歪虚は祀を妖怪の元から連れ去った。
そして安全な場所に彼を放置すると、何事もなく去って行ったと言う。
何故助けられたのかは一切不明。考えられるのは歪虚のきまぐれだったのだろう、と言うことだけだ。
「考えても仕方ないですし、今は与えられた生を活かしたい……今度こそ、妖怪を倒したいんです」
ひと月経った今でも半人前のまま。1人ではきっと妖怪を倒す事は出来ない。
それでも倒したいと願う彼に、本土の老人が教えてくれた。
西方から来た友人の存在を。
ハンターと言う名の英雄は、エトファリカに救済の手を差し伸べるべくこの地に来たと。
だからこそ祀は藁にでも縋る想いで彼らを頼った――どうか一緒に妖怪を退治して欲しい――と。
「もうじき夜が明けます。その時が絶好の機会……妖怪は夜の時間を主な行動時間にしています。巣に帰る瞬間を討てば、きっと」
そう、確信めいた声を零し、新たな薪を火にくべようとした。だがその手が止まる。
ウゥォォオオオンッ!
「!」
近くで遠吠えに似た声がした。
慌てて顔を上げた祀の目に青い目の獣が飛び込んで来る。
「妖怪除けの術を張ってたはずなのに――ッ!!」
腕を弾かれ、勢いよく地面に吹っ飛ぶ。
転がりながら獣の動きを目で追うと、焚火を囲んでいたハンターたちが動く様子が見えた。
「……、もう……戦闘態勢を……」
咄嗟の出来事に直ぐに反応したハンター。経験と度胸が違うのだと見せつけられて胸が痛くなる。
それでも闘わない訳にはいかない。
「逃げちゃ、ダメだ」
立ち上がり、痛む腕を抑えてハンターの動きを目で追う。そうして刀に手を伸ばすと、祀の表情が変わった。
「他所ごとを考えるのはあとだ。父さん、母さん、見ていて下さい。僕は、エトファリカの武人になります!」
●影
同時刻。ハンターと共に妖怪に挑む祀を見下ろす者があった。
夜空に浮かぶフルメタルに和風装束の男。背に大きな機械刀を背負うのは十三魔の1人、紫電の刀鬼だ。
彼は自らを励まし闘いに向かう祀を見て聞こえないくらいの小さな口笛を吹く。
「グッファイトですネ~♪」
ひと月前にこの地で発見した少年。もう少しで息の音を止められそうになっていた彼が再び同じ敵に挑む。
その姿は何とも興味深い。
刀鬼は空に浮かんだまま地上を見下ろすと、楽しそうに鼻歌を零し始めた。
「西方の友人にこの様なことをお願いして申し訳ありませんでした。本来であれば僕が1人で行わなければいけないことなのに……あなた方なら僕の力になってくれると聞いたので……」
祀の前には、彼と同じく焚火を囲むハンターの姿がある。東方にはハンターに何かを依頼すると言う習慣が根付いていない。
故にこうして依頼を出すことは罪悪感を生むのだろう。祀は視線を落としたまま膝を抱くと、浮かぶ感情を消し去るように言葉を紡いだ。
「……今回、皆さんと一緒に倒したい妖怪は、僕が1人で挑んで倒せなかった相手なんです。大きな獣で、舞刀士として駆け出しだった僕は奴の前にひれ伏すしかありませんでした」
ひと月前。祀は1人でこの地を訪れ、妖怪との戦闘に敗れた。闘いは誰かが見ていたら目を瞑りそうなほど悲惨で、彼の一方的な負け戦だった。
「僕は死を覚悟しました。体も動かないし、声も出ない。そもそもここには住んでいる人も居ない。だから助けなんてあるはずもありません……そう、本当ならないはずだったんです」
祀の言うようにこの地に人はいない。
ここは東方本土から離れた場所にある孤島。
昔は人が住んでいたのか、その名残として建造物の跡などがある。それらを一瞥するように視線を上げると、彼は少し困ったようにハンターを見た。
「僕、歪虚に助けられたんです。変な着物を着た歪虚に……」
歪虚は祀を妖怪の元から連れ去った。
そして安全な場所に彼を放置すると、何事もなく去って行ったと言う。
何故助けられたのかは一切不明。考えられるのは歪虚のきまぐれだったのだろう、と言うことだけだ。
「考えても仕方ないですし、今は与えられた生を活かしたい……今度こそ、妖怪を倒したいんです」
ひと月経った今でも半人前のまま。1人ではきっと妖怪を倒す事は出来ない。
それでも倒したいと願う彼に、本土の老人が教えてくれた。
西方から来た友人の存在を。
ハンターと言う名の英雄は、エトファリカに救済の手を差し伸べるべくこの地に来たと。
だからこそ祀は藁にでも縋る想いで彼らを頼った――どうか一緒に妖怪を退治して欲しい――と。
「もうじき夜が明けます。その時が絶好の機会……妖怪は夜の時間を主な行動時間にしています。巣に帰る瞬間を討てば、きっと」
そう、確信めいた声を零し、新たな薪を火にくべようとした。だがその手が止まる。
ウゥォォオオオンッ!
「!」
近くで遠吠えに似た声がした。
慌てて顔を上げた祀の目に青い目の獣が飛び込んで来る。
「妖怪除けの術を張ってたはずなのに――ッ!!」
腕を弾かれ、勢いよく地面に吹っ飛ぶ。
転がりながら獣の動きを目で追うと、焚火を囲んでいたハンターたちが動く様子が見えた。
「……、もう……戦闘態勢を……」
咄嗟の出来事に直ぐに反応したハンター。経験と度胸が違うのだと見せつけられて胸が痛くなる。
それでも闘わない訳にはいかない。
「逃げちゃ、ダメだ」
立ち上がり、痛む腕を抑えてハンターの動きを目で追う。そうして刀に手を伸ばすと、祀の表情が変わった。
「他所ごとを考えるのはあとだ。父さん、母さん、見ていて下さい。僕は、エトファリカの武人になります!」
●影
同時刻。ハンターと共に妖怪に挑む祀を見下ろす者があった。
夜空に浮かぶフルメタルに和風装束の男。背に大きな機械刀を背負うのは十三魔の1人、紫電の刀鬼だ。
彼は自らを励まし闘いに向かう祀を見て聞こえないくらいの小さな口笛を吹く。
「グッファイトですネ~♪」
ひと月前にこの地で発見した少年。もう少しで息の音を止められそうになっていた彼が再び同じ敵に挑む。
その姿は何とも興味深い。
刀鬼は空に浮かんだまま地上を見下ろすと、楽しそうに鼻歌を零し始めた。
解説
●状況説明
ハンターの皆さんは東方出身の少年「祀」の依頼で妖怪退治に向かいました。
彼の提案で夜明けを待って退治に向かう予定でしたが、夜明け前に強襲を受けます。
皆さんの目的は「祀と共に妖怪を倒す」です。
どうか彼に武人としての初勝利を与えて下さい。
●周辺状況
森の中にある開けた地を拠点にしていました。
焚火をするにはちょうど良い場所で、戦闘中も火は点いています(消火も可能)。
拠点は半径6、7m程度で、それ以降は森が続いています。
また夜であるため見通しも悪いです。
1時間ほど粘れば空も白くなってきますが、そこまで体力が持つかどうかの保証はありません。
●敵情報
【妖騎(ようき)】
馬のような体躯に長い角を持つ一角獣のような姿の妖怪。
長い毛に覆われた体は2~3mほどで、走る姿は優雅だが速い。
祀の情報によると黒炎を使う際に角が光るらしい。
他、昼間に行動するのが苦手とのこと。
【攻撃手段】
・突き‥‥2本の長い角を使っての突き
・体当たり
・瞬発脚力‥‥瞬間的に加速する
・黒炎‥‥黒い炎の玉を吐きだす(初同時に青い目が赤く光る)
●NPC
・祀(まつり)
現13歳の舞刀士。
初めての戦闘で妖騎に殺されかけ、窮地を歪虚に助けられた。
素質はあるのだろうが経験がないため色々弱い。
また簡易的な妖怪除けの術を使えるがまだまだ未熟でほぼ効果がない。
よく自分で自分を励ましている不憫な子。
※今回、質問にお答えすることは出来ません。
ハンターの皆さんは東方出身の少年「祀」の依頼で妖怪退治に向かいました。
彼の提案で夜明けを待って退治に向かう予定でしたが、夜明け前に強襲を受けます。
皆さんの目的は「祀と共に妖怪を倒す」です。
どうか彼に武人としての初勝利を与えて下さい。
●周辺状況
森の中にある開けた地を拠点にしていました。
焚火をするにはちょうど良い場所で、戦闘中も火は点いています(消火も可能)。
拠点は半径6、7m程度で、それ以降は森が続いています。
また夜であるため見通しも悪いです。
1時間ほど粘れば空も白くなってきますが、そこまで体力が持つかどうかの保証はありません。
●敵情報
【妖騎(ようき)】
馬のような体躯に長い角を持つ一角獣のような姿の妖怪。
長い毛に覆われた体は2~3mほどで、走る姿は優雅だが速い。
祀の情報によると黒炎を使う際に角が光るらしい。
他、昼間に行動するのが苦手とのこと。
【攻撃手段】
・突き‥‥2本の長い角を使っての突き
・体当たり
・瞬発脚力‥‥瞬間的に加速する
・黒炎‥‥黒い炎の玉を吐きだす(初同時に青い目が赤く光る)
●NPC
・祀(まつり)
現13歳の舞刀士。
初めての戦闘で妖騎に殺されかけ、窮地を歪虚に助けられた。
素質はあるのだろうが経験がないため色々弱い。
また簡易的な妖怪除けの術を使えるがまだまだ未熟でほぼ効果がない。
よく自分で自分を励ましている不憫な子。
※今回、質問にお答えすることは出来ません。
マスターより
こんにちは、朝臣あむです。
今回は東方出身の男の子のお話しをお届けいたします。
未だに勝利経験のない可哀想な子に愛の手を――!
皆さまのご参加とプレイングを心よりお待ちしております!!
今回は東方出身の男の子のお話しをお届けいたします。
未だに勝利経験のない可哀想な子に愛の手を――!
皆さまのご参加とプレイングを心よりお待ちしております!!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/07/30 05:31
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 グライブ・エルケイル(ka1080) 人間(クリムゾンウェスト)|28才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/07/22 01:38:57 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/17 19:47:18 |