ゲスト
(ka0000)
壺
マスター:革酎

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/07/27 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/08/05 22:00
オープニング
とある地方の町に、マダム・デヴィニダスという少しばかり有名な富豪が居た。
先日、この地方の領主が、マダムからの寄付金への謝礼として、彼女に高価な壺を贈答した。
マダムは、
「あらあらあら、実に素晴らしい逸品ですわね。このわたくし、ひと目見て分かりましたわよ。これは、かの有名な陶芸家の作品でございますわね。このわたくしの目に狂いはありませんわ」
などとご機嫌の極みで、それはもうたいそう喜びに喜んだのだという。
ところが――。
* * *
駆け出しのハンター、ケルティス・アービンは拝みに拝み倒している領主の姿に、すっかり困惑していた。
「そのう、マダム・デヴィニダスのお手元にある壺を、本物とすりかえて欲しいというのは、一体どういうことなんでしょう?」
ケルティスの問いに、領主は憔悴し切った表情で、今にも泣きそうな勢いを見せながら答えた。
曰く、渡す品を間違えたのだという。
今、マダムの手元にあるのはイミテーション品で、本物は現在も領主の手元にあるのだという。
勿論、領主はマダムを騙すつもりなど毛頭無く、最初から本物の壺を渡すつもりだったのだが――。
「いかんせん、彼女はご自分の眼力には相当な自信をお持ちだ。もしあの壺が偽物だ分かれば、本物に間違いないといい切っていた彼女のプライドをずたずたに引き裂いてしまうことになる」
だから、マダムに気付かれないように何とか壺をすりかえて欲しい、というのである。
それも極々自然な形で、こっそりとさりげなく、という注文つきだ。
そんなもん無理でしょうというか、そもそもハンターに依頼するような話ですか、と普通の場慣れたハンターなら速攻で蹴ってしまうような話であったが、ケルティスはまだまだハンターとしては素人に等しい。
彼はこの依頼を恐ろしく重大なものであると解釈し(正確にいえば、錯覚し)、領主が哀れにも思えてきて、受諾することにした。
* * *
しかし、問題は方法である。
どうやって、壺をすりかえるか。
領主の館を出て、馬車道をてくてくと歩きつつ頭をひねっていたケルティスは、不意にグッドアイデアを生み出した。
「そうだ……一度誰かに強奪させて、それを取り返す風を装いつつ、本物とすりかえれば良いんだ」
但し、ひとつ問題がある。
誰が強奪役を演じるか、であった。
ここでケルティスの軽い脳みそが高速回転を始めた。先日、同僚の年若い娘がひとりの野盗と知り合い、マヴダチになったのー、というような話を聞いた。
きっとその野盗さんなら強奪役ににぴったりに違いない。
ケルティスはすっかり自己完結してしまい、他人様の都合とか迷惑なんぞを考えぬまま、その野盗と早速コンタクトを取ってみることにした。
* * *
とある、酒場にて。
片耳隻眼の凄腕戦士ゼルガッソは、野盗としても名の知れた存在である。
但し、野盗としては現在、事実上の開店休業中にあるゼルガッソであったが、彼は自分を呼び出した年若いハンターの顔をおよそ三分間、じろじろと眺め続けた。
ゼルガッソは、先日知り合ったハンターの少女からの紹介ということで、ケルティスとの面会に応じていた、のだが――。
「いやぁ、良いですねぇ。その片目片耳、いかにも野盗っていう感じで、雰囲気出てますね。是非、お願い出来ませんか。領主さんからはあなたを雇うことで了解を得てますし、その分の予算も確保して下さってます。基本給に交通手当、後はちょっと危ない橋を渡って頂きますので危険手当も三割増しで。今なら三度の食事つきも契約に含めることが出来ます」
一方的に話を進めるケルティスに、ゼルガッソは言葉を挟む隙も見出せない。
この若造、ハンターなんぞやめて営業職に鞍替えしたら良いんじゃないか、と腹の底で思ったぐらいだ。
結局あれよあれよといってるうちに、何故か契約が成立してしまっていた。
「ひとりだけじゃ不自然ですので、ハンターの方からも何人か野盗役を出しますから、是非ご安心下さい」
訳も分からず何枚かの書類にサインさせられて、幾分呆気に取られているゼルガッソを尻目に、ケルティスは上機嫌で酒場を飛び出していった。
そんなケルティスの後ろ姿を眺めながら、ゼルガッソはぼそりと、小さくひとこと。
「……いまどきのハンターって、皆あんなのばっかりか?」
先日、この地方の領主が、マダムからの寄付金への謝礼として、彼女に高価な壺を贈答した。
マダムは、
「あらあらあら、実に素晴らしい逸品ですわね。このわたくし、ひと目見て分かりましたわよ。これは、かの有名な陶芸家の作品でございますわね。このわたくしの目に狂いはありませんわ」
などとご機嫌の極みで、それはもうたいそう喜びに喜んだのだという。
ところが――。
* * *
駆け出しのハンター、ケルティス・アービンは拝みに拝み倒している領主の姿に、すっかり困惑していた。
「そのう、マダム・デヴィニダスのお手元にある壺を、本物とすりかえて欲しいというのは、一体どういうことなんでしょう?」
ケルティスの問いに、領主は憔悴し切った表情で、今にも泣きそうな勢いを見せながら答えた。
曰く、渡す品を間違えたのだという。
今、マダムの手元にあるのはイミテーション品で、本物は現在も領主の手元にあるのだという。
勿論、領主はマダムを騙すつもりなど毛頭無く、最初から本物の壺を渡すつもりだったのだが――。
「いかんせん、彼女はご自分の眼力には相当な自信をお持ちだ。もしあの壺が偽物だ分かれば、本物に間違いないといい切っていた彼女のプライドをずたずたに引き裂いてしまうことになる」
だから、マダムに気付かれないように何とか壺をすりかえて欲しい、というのである。
それも極々自然な形で、こっそりとさりげなく、という注文つきだ。
そんなもん無理でしょうというか、そもそもハンターに依頼するような話ですか、と普通の場慣れたハンターなら速攻で蹴ってしまうような話であったが、ケルティスはまだまだハンターとしては素人に等しい。
彼はこの依頼を恐ろしく重大なものであると解釈し(正確にいえば、錯覚し)、領主が哀れにも思えてきて、受諾することにした。
* * *
しかし、問題は方法である。
どうやって、壺をすりかえるか。
領主の館を出て、馬車道をてくてくと歩きつつ頭をひねっていたケルティスは、不意にグッドアイデアを生み出した。
「そうだ……一度誰かに強奪させて、それを取り返す風を装いつつ、本物とすりかえれば良いんだ」
但し、ひとつ問題がある。
誰が強奪役を演じるか、であった。
ここでケルティスの軽い脳みそが高速回転を始めた。先日、同僚の年若い娘がひとりの野盗と知り合い、マヴダチになったのー、というような話を聞いた。
きっとその野盗さんなら強奪役ににぴったりに違いない。
ケルティスはすっかり自己完結してしまい、他人様の都合とか迷惑なんぞを考えぬまま、その野盗と早速コンタクトを取ってみることにした。
* * *
とある、酒場にて。
片耳隻眼の凄腕戦士ゼルガッソは、野盗としても名の知れた存在である。
但し、野盗としては現在、事実上の開店休業中にあるゼルガッソであったが、彼は自分を呼び出した年若いハンターの顔をおよそ三分間、じろじろと眺め続けた。
ゼルガッソは、先日知り合ったハンターの少女からの紹介ということで、ケルティスとの面会に応じていた、のだが――。
「いやぁ、良いですねぇ。その片目片耳、いかにも野盗っていう感じで、雰囲気出てますね。是非、お願い出来ませんか。領主さんからはあなたを雇うことで了解を得てますし、その分の予算も確保して下さってます。基本給に交通手当、後はちょっと危ない橋を渡って頂きますので危険手当も三割増しで。今なら三度の食事つきも契約に含めることが出来ます」
一方的に話を進めるケルティスに、ゼルガッソは言葉を挟む隙も見出せない。
この若造、ハンターなんぞやめて営業職に鞍替えしたら良いんじゃないか、と腹の底で思ったぐらいだ。
結局あれよあれよといってるうちに、何故か契約が成立してしまっていた。
「ひとりだけじゃ不自然ですので、ハンターの方からも何人か野盗役を出しますから、是非ご安心下さい」
訳も分からず何枚かの書類にサインさせられて、幾分呆気に取られているゼルガッソを尻目に、ケルティスは上機嫌で酒場を飛び出していった。
そんなケルティスの後ろ姿を眺めながら、ゼルガッソはぼそりと、小さくひとこと。
「……いまどきのハンターって、皆あんなのばっかりか?」
解説
<目的・展開について>
今回、皆さんは野盗役か、野盗役を退治するハンター役かを演じて頂きます。
重要なのは無事に壺をすりかえることであり、どっちが勝つか負けるかは問題ではありません。
また事案が事案ですので他言無用の極秘作戦でもあります。
リプレイは野盗役がデヴィニダス邸からイミテーションの壺を盗み出し、偶然その場を通りかかったハンター役に発見されるというシーンから開始となります。
主な舞台はデヴィニダス邸内で、本物の壺は中庭の物置内に事前に隠しており、騒ぎに乗じてイミテーション品とすりかえた上で、ハンター役が奪い返すという台本になっております。
マダム・デヴィニダスに芝居であることがばれないよう、演出にも気を使って奪還劇を演じて下さい。
<デヴィニダス邸>
木造(一部石造り)の二階建て、前庭と中庭と裏庭、露天風呂つきの豪邸です。
住み込みのメイドと執事も居ます。
<壺について>
普通の壺です。
乱暴に扱えば割れます。くれぐれもご注意下さい。
<ケルティスについて>
ハンターとしては未熟ですが、猟撃士としての技量はそこそこの13歳です。
若さゆえの無知と勢いが却って怖い世代です。
基本的にハンター役として参加しますが、人数に偏りがあれば野盗役に転じます。
<ゼルガッソについて>
二本の小剣を二刀流で操る歴戦の戦士で、ハンターとも互角に亘り合えるだけの実力を持つ野盗です。
片耳隻眼なのは、過去にハンターと戦闘した際に負傷したものによるものです。
尚、約束は絶対に守る性格ですので、今回はあくまでも契約内での『野盗役』に徹します。
どさくさに紛れて本物の壺を強奪したり、他の金品を盗むような真似は致しません。
但し、ハンター役があまり調子に乗って好き勝手に攻撃すると、ブチ切れてガチ戦闘に発展し、壺を破壊しかねないので注意が必要です。
今回、皆さんは野盗役か、野盗役を退治するハンター役かを演じて頂きます。
重要なのは無事に壺をすりかえることであり、どっちが勝つか負けるかは問題ではありません。
また事案が事案ですので他言無用の極秘作戦でもあります。
リプレイは野盗役がデヴィニダス邸からイミテーションの壺を盗み出し、偶然その場を通りかかったハンター役に発見されるというシーンから開始となります。
主な舞台はデヴィニダス邸内で、本物の壺は中庭の物置内に事前に隠しており、騒ぎに乗じてイミテーション品とすりかえた上で、ハンター役が奪い返すという台本になっております。
マダム・デヴィニダスに芝居であることがばれないよう、演出にも気を使って奪還劇を演じて下さい。
<デヴィニダス邸>
木造(一部石造り)の二階建て、前庭と中庭と裏庭、露天風呂つきの豪邸です。
住み込みのメイドと執事も居ます。
<壺について>
普通の壺です。
乱暴に扱えば割れます。くれぐれもご注意下さい。
<ケルティスについて>
ハンターとしては未熟ですが、猟撃士としての技量はそこそこの13歳です。
若さゆえの無知と勢いが却って怖い世代です。
基本的にハンター役として参加しますが、人数に偏りがあれば野盗役に転じます。
<ゼルガッソについて>
二本の小剣を二刀流で操る歴戦の戦士で、ハンターとも互角に亘り合えるだけの実力を持つ野盗です。
片耳隻眼なのは、過去にハンターと戦闘した際に負傷したものによるものです。
尚、約束は絶対に守る性格ですので、今回はあくまでも契約内での『野盗役』に徹します。
どさくさに紛れて本物の壺を強奪したり、他の金品を盗むような真似は致しません。
但し、ハンター役があまり調子に乗って好き勝手に攻撃すると、ブチ切れてガチ戦闘に発展し、壺を破壊しかねないので注意が必要です。
マスターより
本オープニングをお読み頂きまして、ありがとうございます。
まだまだうぶな新人革酎が四本目のオープニングをお届けします。
今回も下名にお付き合い頂ければ幸いに存じます。
どうぞ宜しくお願いします。
まだまだうぶな新人革酎が四本目のオープニングをお届けします。
今回も下名にお付き合い頂ければ幸いに存じます。
どうぞ宜しくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/08/03 05:21
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談スレッド ノノトト(ka0553) ドワーフ|10才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/07/27 22:00:20 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/24 09:58:19 |