• 戦闘

黒猫少年探偵団と誘拐事件

マスター:sagitta

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在4人 / 4~8人
サポート
現在0人 / 0~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/07/27 15:00
リプレイ完成予定
2015/08/05 15:00

オープニング

●ある屋敷で
 港湾都市ポルトワール。世界中からの荷物が集まる活気あふれた港をもつこの町は、さまざまな土地から来た人びとが交わるところとしても有名だ。クリムゾン・ウェスト各地からの移住者はもちろん、リアルブルーからの来訪者もこの町では、多種多様な色にあふれた雑踏の中に紛れている。
 また、この町はその名の通り、各地からの船が寄港する港町として有名だ。多くの商船が、世界のさまざまな地域から数多くの品物を運び、貿易で財を成す商人も多く住む。中には、自らの才覚によって一代で巨万の富を築き上げた者もいて、周囲から羨望と嫉妬の視線を集めているのだった。
 ポルトワールの港からほど近いところに、そんな大商人たちが居を構える高級住宅地が広がっている。その一角の、ある屋敷で、事件は起こっていた――。

「ただいま帰りました」
 夕刻。仲のよい友人たちと遊んでから家に帰ってきた、9歳の少年ミッシェルは、いつもなら玄関を入るとすぐに聞こえるはずの、3歳の妹とメイドからの「お帰り」の言葉が聞こえないことを不思議に思いながら、立派な扉を開いて家の中に入った。
 彼の両親は、このあたりにすむ人々の例に漏れず、港での貿易で財を成した商人だった。生まれは王国の方らしく、ミッシェルも妹のシャルロットも、王国風の名前だ。食料品と酒類を中心にあつかう商人である両親は堅実な商売で評判ではあったが、外国からやってきて一代で財を得た彼らに対する風当たりは決して弱くはない。
 ミッシェルに対しても、周囲からのやっかみの声は聞こえないではなかった。だが彼の持ち前の優しい心と、彼が友人に恵まれたおかげもあって、ひねくれることもなく育ってきたのだった。
 その両親は、今は二人で外国に買い付けに行っていて長期間不在にしている。彼らの留守中には、大きな屋敷に、30代のメイド兼ベビーシッターの女性が一人と、子ども達二人の、三人で暮らしているのだった。
「ただいま~、シャル、アニータさん、いないの?」
 相変わらずしーんとした屋敷の中は、一人で過ごすには広すぎる。ちょっとばかり怖くなって、ミッシェルは大きな声を上げてみた。
 この時間なら、メイドのアニータは夕食の支度をしているはずだ。もしかしたら、料理に夢中で気がついていないだけなのかもしれない。そう自分に言い聞かせて、ミッシェルは調理場に向かった。
「……ミッシェル坊ちゃん……」
 廊下を歩いている途中で、調理場の奥からアニータの声が聞こえてきて、ミッシェルはほっと胸をなで下ろす。なんだ、やっぱり聞こえていなかっただけなんだ。シャルロットはどうしたのかな? いつも、ミッシェルが帰ってくるといちばんに駆けつけて、飛びついてくるのに。
 少し小走りになって廊下を進み、調理場の扉を開けたミッシェルは――言葉を失った。
 目の前には、荒らされた様子の調理場。そして、床に横たわるアニータの姿。よく見れば、怪我をしているのか、口の端からわずかに血を流している。
「ごめんなさい……お嬢ちゃんが……シャルロット様が……」
 アニータが、嗚咽をこらえながら声を絞り出している。
「シャルロット様が、さらわれました」

●黒猫少年探偵団
「みんな、助けて……!」
 動転したミッシェルが真っ先に向かったのは、彼の親友たちがたまり場にしている空き地だった。さっき別れたばかりの、彼の親友たち、「黒猫少年探偵団」のメンバーたちは、まだそこにいるはずだ。
「ミッシェル、いったいどうしたんだ?」
 泣きじゃくるミッシェルの様子にただならぬものを感じ取り、鋭い口調で尋ねたのは、「黒猫少年探偵団」の最年長にしてリーダー、カイトだ。
「とりあえず、おちついて」
 ミッシェルに駆け寄って、「黒猫少年探偵団」の紅一点、ルーチェがその背をさする。
「だれかに泣かされたのか? オレが行って、ぶっ飛ばしてやる!」
 力じまんのガンタが、拳を振り上げる。
「シャルが……シャルが……」
 しゃくり上げるミッシェルがたどたどしく状況を告げると、みんなの表情がみるみる険しくなった。
「ガンタとルーチェ、大人を呼んできて、すぐにミッシェルの家に向かうんだ。アニータさんの手当をしなくちゃ。ミッシェル、オレたちは、一緒に行こう。歩けるな?」
 カイトがてきぱきと指示をし始める。
「……どこへ?」
 両手で乱暴に涙をぬぐったミッシェルがぐちゃぐちゃの顔をカイトに向ける。
「ハンターオフィスだ!」

解説

【目的】
ミッシェルの妹シャルロット(3歳)を無事に救出すること。

・アニータさんは、もみ合いになったときに少し殴られただけで、軽傷。彼女の話によれば、3歳のシャルロットは、3人組の日焼けした屈強な男たちさらわれたとのこと。
・男たちは「コルノ盗賊団」を名乗り、「3日後の日没までに、港の外れにある倉庫街の指定した倉庫に、家族の者が身代金をもってくれば、シャルロットのことは解放してやる」とアニータに告げたという。(指定の倉庫は、倉庫街の中でももっとも人気のないあたりにある)両親が不在にしていることは、知らない様子だった。
・コルノ盗賊団は、コルノという名のリーダーに率いられた総勢15人ほどの金目当ての犯罪集団で、殺人を犯すほどの悪人ではないが、劣勢になるとシャルロットの解放を条件に逃走しようとするだろう。
・ミッシェルとシャルロットの両親は、魔導伝話で連絡を取ることはできるが、すぐに駆けつけることはできない距離にいる。身代金が必要なら、両親がすぐに用立てる(ポルトワールにいる友人を通して、ミッシェルに渡す)。

●黒猫少年探偵団メンバー
多摩川カイト(11)……リアルブルー出身の少年。両親はハンターらしい。リーダー格で、黒縁めがねがトレードマーク。
ミッシェル・ブラン(9)……ひょろくて心の優しい男の子。親は王国の出身で、お金持ちらしい。
ガンタ・ジーノ(10)……三度のメシが何より好きな、ちょっとぽっちゃりな男の子。力じまん。
ルーチェ・アモーレ(10)……黒猫少年探偵団の紅一点の美少女。おばけが嫌い。

マスターより

今回の「黒猫少年探偵団」は、シリアスなお話です。強がっていてもあくまで子どもですので、ミッシェルたち「黒猫少年探偵団」のフォローもぜひよろしくお願いします。
もちろん今回も、今までのシナリオに参加していなくても、問題なく参加していただけます。
また、シナリオの構造はシンプルですので、初心者の方も大歓迎です。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/08/04 00:59

参加者一覧

  • 笛の音が奏でるハーモニー
    エティ・メルヴィル(ka3732
    エルフ|12才|女性|機導師
  • 感謝のうた
    霧雨 悠月(ka4130
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士

  • 耀華(ka4866
    人間(紅)|16才|女性|舞刀士

  • ヨルムガンド(ka5168
    人間(紅)|22才|男性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 【相談】
ヨルムガンド(ka5168
人間(クリムゾンウェスト)|22才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2015/07/26 20:55:12
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/07/25 22:53:46