ゲスト
(ka0000)
狙われた密売人
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/08/03 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/08/12 19:00
オープニング
●
ここは同盟領。極彩色の街「ヴァリオス」の一角。
「さ、これでいいわ」
フィッティングルームから出てきた家出娘のアムは、以前のアムアリス=マッケレルとは別人のようだった。
「そこまでせずとも……」
思わず呟くモータル。が、アムに呆れられた。
「はーっ、ダメね。これから私も加わって旅するのよ? 長い髪は邪魔だし、良家のお嬢様風の娘が一緒だと何かと都合が悪いでしょ?」
ね? と闇の密売人「ベンド」を見るアム。その姿は長かった紫色の髪をバッサリと 切り、半ズボンに半そでシャツという少年のような姿だった。もちろん、足運びの様子や骨格を見れば女性にしか見えないが。
「ま、目立ちすぎるのは都合が悪いな」
「ほら見なさい」
「それでも十分目立つ気が……」
「何ですって?」
モータル、余計なひと言を口にしてアムに睨まれた。彼としては、あっさりとそれまでの姿を捨ててしまうことのできる彼女を尊敬した。半面、このとげとげした感じは苦手なタイプで好きになれないな、と顔をしかめる。
「我々としては足手まといになるのが一番の心配事です。お嬢様は深窓のご令嬢とは違うのでご安心ください。もちろん、場合によっては着飾りますので……」
「その時はせいぜい、私を利用するがいいわ」
執事のバモスが割って入り説明する途中、アムが話を取り替えしてツンと薄い胸を反らす。髪を払う風な手つきをしたが、空振りしたときだけは少し寂しそうな顔をした。むしろモータルはその様子を見てほっと和むのだったが。
「ほな、ヴァリオスを出る前に、ここの良さを堪能しよか」
ベンドの声で一行は、高級料理店へと移動しランチをすることに。
「ベンド様ですね。お待ちしておりました、こちらへ」
給仕男性にうやうやしくテーブルに案内された。田舎者のモータルだけ、慣れないようにきょろきょろ。
で、着席した後。
「おや、マダム。今度の宝石も素晴らしいですね」
「本当。いつも取り替えてお洒落ですこと」
「流行には敏感でございますから、おほほほ……」
近くの席に座った紳士と淑女がそんな会話をしていた。
「……モータル。いつかわしに、『どんな商売をしているのか』と聞いたことがあったろ?」
「え? はい」
いきなりベンドに言われかしこまるモータル。ちょい、と指を曲げて顔を近付かせてひそひそ声で続ける。
「あの女性のしとる宝石はみな、元盗品や」
「えええっ!」
がた、と思わず立ち上がりそうになってしまうモータル。そこをアムがぺしりと叩く。
「馬鹿、声が大きい」
眉を吊り上げるアムの背後ではバモスが「すいません何でもないんですよ」と周りをなだめていた。
モータル、周囲が落ち着いたのを見計らって身を乗り出し、ひそひそ声で聞いてみた。
「どうしてそんなことが分かるんです?」
「わしの客や」
ベンド、ひひひとひそみ笑い。
「盗品や強奪品をわしが安く買い取るやろ? それを転売すると『以前の持ち主も分からない品』扱いされて買い叩かれる。せやけど、あのマダムのような人にまずは身に着けてもらい『気に入らなかったから返品された』とすれば次に買う客も気後れせずに真っ当な値段を出してくれる、というわけや」
「あの人、それを知ってるんですか?」
「知るわけない。ちゅうか、知らせちゃあかん。……あの客は、宝石をとっかえひっかえして自分の価値を高めよんや。自分を良ぅ見せてええ商売しようとしてな。それを邪魔したらあかん」
どうやらベンド、モータルに商売を教えようとしているらしい。
それはそれとして、料理は素晴らしく、モータルも気を取り直して高級店の味を堪能するのだった。
しばらくすると男性給仕がやって来てひそひそ声で話した。
「お客様、失礼ですがこれからの予定は?」
「ん? 街を出るだけやが」
「では、ならず者にお気を付けください」
「分かった。……いつものように頼む」
「かしこまりました」
それだけのやり取りで給仕は下がった。
「どうしたの?」
「緊急でハンター雇ぅた。街を出るまでにならず者に狙われるそうやな」
聞いたアムに涼しそうに答えるベンド。
「ええっ? どうして……」
「恨むモンもおるちゅうこっちゃ。……ま、この店みたく味方もぎょうさんおるが。とにかく、雇ぅたハンターがこの付近に駆けつけるにはもうちょいかかるやろ。しばらくゆっくりするで」
モータルに言い聞かせ、食後のデザートを頼むベンドだった。
というわけで、ベンド商会一行が一頭立ての荷馬車に乗って午後の街を出るまでそれとなく護衛する者、求ム。
ここは同盟領。極彩色の街「ヴァリオス」の一角。
「さ、これでいいわ」
フィッティングルームから出てきた家出娘のアムは、以前のアムアリス=マッケレルとは別人のようだった。
「そこまでせずとも……」
思わず呟くモータル。が、アムに呆れられた。
「はーっ、ダメね。これから私も加わって旅するのよ? 長い髪は邪魔だし、良家のお嬢様風の娘が一緒だと何かと都合が悪いでしょ?」
ね? と闇の密売人「ベンド」を見るアム。その姿は長かった紫色の髪をバッサリと 切り、半ズボンに半そでシャツという少年のような姿だった。もちろん、足運びの様子や骨格を見れば女性にしか見えないが。
「ま、目立ちすぎるのは都合が悪いな」
「ほら見なさい」
「それでも十分目立つ気が……」
「何ですって?」
モータル、余計なひと言を口にしてアムに睨まれた。彼としては、あっさりとそれまでの姿を捨ててしまうことのできる彼女を尊敬した。半面、このとげとげした感じは苦手なタイプで好きになれないな、と顔をしかめる。
「我々としては足手まといになるのが一番の心配事です。お嬢様は深窓のご令嬢とは違うのでご安心ください。もちろん、場合によっては着飾りますので……」
「その時はせいぜい、私を利用するがいいわ」
執事のバモスが割って入り説明する途中、アムが話を取り替えしてツンと薄い胸を反らす。髪を払う風な手つきをしたが、空振りしたときだけは少し寂しそうな顔をした。むしろモータルはその様子を見てほっと和むのだったが。
「ほな、ヴァリオスを出る前に、ここの良さを堪能しよか」
ベンドの声で一行は、高級料理店へと移動しランチをすることに。
「ベンド様ですね。お待ちしておりました、こちらへ」
給仕男性にうやうやしくテーブルに案内された。田舎者のモータルだけ、慣れないようにきょろきょろ。
で、着席した後。
「おや、マダム。今度の宝石も素晴らしいですね」
「本当。いつも取り替えてお洒落ですこと」
「流行には敏感でございますから、おほほほ……」
近くの席に座った紳士と淑女がそんな会話をしていた。
「……モータル。いつかわしに、『どんな商売をしているのか』と聞いたことがあったろ?」
「え? はい」
いきなりベンドに言われかしこまるモータル。ちょい、と指を曲げて顔を近付かせてひそひそ声で続ける。
「あの女性のしとる宝石はみな、元盗品や」
「えええっ!」
がた、と思わず立ち上がりそうになってしまうモータル。そこをアムがぺしりと叩く。
「馬鹿、声が大きい」
眉を吊り上げるアムの背後ではバモスが「すいません何でもないんですよ」と周りをなだめていた。
モータル、周囲が落ち着いたのを見計らって身を乗り出し、ひそひそ声で聞いてみた。
「どうしてそんなことが分かるんです?」
「わしの客や」
ベンド、ひひひとひそみ笑い。
「盗品や強奪品をわしが安く買い取るやろ? それを転売すると『以前の持ち主も分からない品』扱いされて買い叩かれる。せやけど、あのマダムのような人にまずは身に着けてもらい『気に入らなかったから返品された』とすれば次に買う客も気後れせずに真っ当な値段を出してくれる、というわけや」
「あの人、それを知ってるんですか?」
「知るわけない。ちゅうか、知らせちゃあかん。……あの客は、宝石をとっかえひっかえして自分の価値を高めよんや。自分を良ぅ見せてええ商売しようとしてな。それを邪魔したらあかん」
どうやらベンド、モータルに商売を教えようとしているらしい。
それはそれとして、料理は素晴らしく、モータルも気を取り直して高級店の味を堪能するのだった。
しばらくすると男性給仕がやって来てひそひそ声で話した。
「お客様、失礼ですがこれからの予定は?」
「ん? 街を出るだけやが」
「では、ならず者にお気を付けください」
「分かった。……いつものように頼む」
「かしこまりました」
それだけのやり取りで給仕は下がった。
「どうしたの?」
「緊急でハンター雇ぅた。街を出るまでにならず者に狙われるそうやな」
聞いたアムに涼しそうに答えるベンド。
「ええっ? どうして……」
「恨むモンもおるちゅうこっちゃ。……ま、この店みたく味方もぎょうさんおるが。とにかく、雇ぅたハンターがこの付近に駆けつけるにはもうちょいかかるやろ。しばらくゆっくりするで」
モータルに言い聞かせ、食後のデザートを頼むベンドだった。
というわけで、ベンド商会一行が一頭立ての荷馬車に乗って午後の街を出るまでそれとなく護衛する者、求ム。
解説
※この依頼のOPは連作となっていますが、あくまで単発の依頼です。これまでの要素は今回の依頼の達成度などには関係しません。
午後の極彩色の街「ヴァリオス」の外れから馬車で脱出するベンド商会をそれとなく援護してください。
狙われているのはベンドで、「ぼろ儲けしている(と噂される)ベンドの隠し財産」を聞き出そうとしている連中が誘拐しようとしているようですね。
ベンドもまあ狙われたのがこれが最初というわけではないので、慌てず堂々と一番大きな通りを通って街を出る予定です。狙った連中たちも当然、事が大きくなることを嫌うので雇ったならず者にこっそりと誘拐するよう指示しています。
上記をまとめると
・暗殺はなく、あくまでベンドの誘拐が目的
・事を荒立てると本当に手荒くなって警護失敗や死人が出る可能性も
・依頼主のベンドは、周りに結構いる一般人から「え? 何かあったの?」と感じる程度までで納めてほしい
な感じ。
依頼した時点で、ベンドと顔を合わせ打ち合わせをする余裕はありません。
食事を終えると一頭立ての幌なし馬車で大通りを行き町の外を目指します。
荷台にモータル、アム、バモスが乗りベンドが御者となります。彼らの援護は全くありません。騒ぎに関わらないスタンスです。
参加者はそれとなく通りの一般人に紛れたり商売人に変装し、この馬車を何もなかったように通すのが任務となります。
誘拐しようとするならず者は、二人組以下でさまざまな手段で誘拐にトライしてきます。馬車に随行して警護はできないため、通りをA・B・C・Dと四分割して警備し、持ち場のエリアで誘拐されないよう、馬車を無事通過させてください。
スパイのような影の仕事となりますが、モータルたちは無事に通過するときっと視線で感謝するでしょう。
午後の極彩色の街「ヴァリオス」の外れから馬車で脱出するベンド商会をそれとなく援護してください。
狙われているのはベンドで、「ぼろ儲けしている(と噂される)ベンドの隠し財産」を聞き出そうとしている連中が誘拐しようとしているようですね。
ベンドもまあ狙われたのがこれが最初というわけではないので、慌てず堂々と一番大きな通りを通って街を出る予定です。狙った連中たちも当然、事が大きくなることを嫌うので雇ったならず者にこっそりと誘拐するよう指示しています。
上記をまとめると
・暗殺はなく、あくまでベンドの誘拐が目的
・事を荒立てると本当に手荒くなって警護失敗や死人が出る可能性も
・依頼主のベンドは、周りに結構いる一般人から「え? 何かあったの?」と感じる程度までで納めてほしい
な感じ。
依頼した時点で、ベンドと顔を合わせ打ち合わせをする余裕はありません。
食事を終えると一頭立ての幌なし馬車で大通りを行き町の外を目指します。
荷台にモータル、アム、バモスが乗りベンドが御者となります。彼らの援護は全くありません。騒ぎに関わらないスタンスです。
参加者はそれとなく通りの一般人に紛れたり商売人に変装し、この馬車を何もなかったように通すのが任務となります。
誘拐しようとするならず者は、二人組以下でさまざまな手段で誘拐にトライしてきます。馬車に随行して警護はできないため、通りをA・B・C・Dと四分割して警備し、持ち場のエリアで誘拐されないよう、馬車を無事通過させてください。
スパイのような影の仕事となりますが、モータルたちは無事に通過するときっと視線で感謝するでしょう。
マスターより
まだ寝ないならこんばんは、深夜真世です。
前回のお話の大成功はアムをかなり刺激したようで、ごらんのとおり気合を入れて合流です。手広くカバーした捜索に感心したようですね。
で、今回。ベンドの方はいろいろあるようで狙われてます。
襲ってくるのは覚醒者ではない一般人のチンピラです。取り押さえるまでの、一般人に紛れての警備や警戒の目の付け所が見せ場となるでしょう。
ぜひ、PC様の特徴を出して、もしくはせっかくなのでこんな変装を、みたいな感じで街頭に溶け込み、警戒してください。
では、いざ密やかに、よろしくお願いします。
前回のお話の大成功はアムをかなり刺激したようで、ごらんのとおり気合を入れて合流です。手広くカバーした捜索に感心したようですね。
で、今回。ベンドの方はいろいろあるようで狙われてます。
襲ってくるのは覚醒者ではない一般人のチンピラです。取り押さえるまでの、一般人に紛れての警備や警戒の目の付け所が見せ場となるでしょう。
ぜひ、PC様の特徴を出して、もしくはせっかくなのでこんな変装を、みたいな感じで街頭に溶け込み、警戒してください。
では、いざ密やかに、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/08/10 20:46
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ジャック・エルギン(ka1522) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/08/03 18:45:43 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/08/01 23:57:27 |