ゲスト
(ka0000)
【聖呪】遠く離れた場所で
マスター:秋風落葉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 6~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/08/01 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/08/10 15:00
オープニング
●間に合わなかった
草原を駆けるゴブリンの群れ。
人間達がその光景を目にしたら、さぞや驚くに違いない。
なぜならば彼らの中には、魔導銃と呼ばれる武器を持つ者が多数いたからだ。
そして先頭でリトルラプターに跨り、その群れを指揮する者。
名をデルギンという。
彼が率いる亜人達は銃を持つ者、あるいは剣や槍を持つ者、様々であったが、ゴブリンにしては統制のとれた動きで行軍していた。
亜人の数は三桁をゆうに超える。これだけの人数が集まり、武器を手にして行進する目的は一つだ。そう、戦場に行くのである。
しかし、ある丘の上にさしかかった時、リーダーであるデルギンはリトルラプターを停止させた。背後の亜人達もそれにならう。配下達の様子を顧みることなく、デルギンは一点を凝視していた。
はるか遠くの空に、天へとたなびく煙が見える。デルギンはその煙のせいで足を止めたのだ。やや遅れて配下のゴブリン達もそれに気づく。とはいえ、煙があがっている理由までが分かる者はデルギンを含めた数人だ。
グラズヘイム王国北部ルサスール領。その北端にある町、オーレフェルト。ホロム・ゴブリンと呼ばれる者達が、人間の領土への侵攻の足がかりとしてこの町を襲撃したのだ。立ち上る煙は彼らの侵攻の証でもある。ここからでは現在の戦況など分かるはずもないが、おそらく分水嶺を迎えている頃だろう。デルギン達はその侵攻作戦に参加するつもりだったのだが……。
遠目に見える煙は、デルギン達がこの戦いに参加できなかったことを示していた。そう、彼らは作戦時間に間に合わなかったのだ。
――先日、デルギンの一派は人間達を襲撃し、数多の魔導銃を手に入れた。しかし、その際突如現れた新手の追撃により、一部の魔導銃を奪い返され、また、魔導銃を操ることのできる兵をも失うという出来事があった。
その為、魔導銃に適正のある個体の選出、ならびに軍の再編成に時間がとられ、この侵攻作戦に参加できない結果になってしまったというわけだ。
(ハンター……まったく忌々しい存在だ)
デルギンは遠くに見える煙から目を逸らさず、憎憎しげに心の中で呟いた。
自分の直属の部下や、頭数合わせに集めた者達の視線が自分の後頭部に突き刺さっていることが分かる。ようやく意識を現実へと引き戻したデルギンは後ろを振り向いた。
彼の視線の先には疲労の色が隠せないゴブリンの一団があった。リトルラプターに跨る者はデルギンを含めたわずかな人数しかおらず、それが行軍の遅れの一因となったことは否めない。
(もはや急いでも戦いには間に合うまい)
デルギンはそう判断した。仮に間に合ったとしても、それは兵達を先ほど以上に走らせた結果であろう。それでは戦場にたどり着いた時に大した戦力にはなれまい。魔導銃を扱える者がいるとはいえ、軍の大半は剣で戦う者達なのだ。
「よく聞け。予定が変わった」
デルギンは配下を見渡し、目的地が変わったことを告げる。顔を見合わせるゴブリン。ほとんどのゴブリンはあくまで人間たちを襲撃するということしか知らされておらず、どこに向かっているかも実は理解していなかったが。
突然の進路変更を言い渡したデルギンに、一体のゴブリンが己のリトルラプターを寄せた。彼はデルギンの側近にあたり、もちろん先の煙の意味も、ここで進路を変えることの意味も理解していた。
「ヤクソクをヤブルコトにナル……イイノカ?」
囁く配下に、デルギンはこともなげに答えた。
「かまわぬ。別にワシらは他の部族に隷属している訳でもない。元々共闘関係にすぎぬのだ」
「ワカッタ。サスガはデルギン。あのゴブリンがコワクナイノダナ……」
亜人族による人間の領域への侵攻。その中心には王を自負する一人のゴブリンがいる。オーレフェルトへの襲撃ももちろん彼の意図によるものであろう。
ゴブリンの王と目されるその存在とも対等であろうとするデルギンの姿に、部下は感銘を受けたようだった。デルギンは不敵に笑う。
「当然だ。では後ろの同胞達にも伝達しろ」
「アア」
配下のゴブリンは騎乗するトカゲの首を巡らし、駆けて行く。デルギンは部下を見送り、そっと心の中で呟いた。
(とはいえ、点数稼ぎはしておく必要があるな……)
ゴブリンの王のことが全く怖くないわけではないデルギンであった。
デルギンを含む亜人の群れはやがてオーレフェルトへの道をそれ、いずこかへと行軍しだした。
●埋め合わせ
一夜を野で過ごした後、再び行軍を続けているゴブリン達。その主であるデルギンは騎乗するリトルラプターの足をとめ、振り向いた。
「同胞達よ。聞け。この先にニンゲン達の住処があるはずだ」
デルギンの言葉にゴブリン達はざわつく。
――予定が変わったという話だが、やはりニンゲンとは戦うのか?
口々にそういった質問が生まれ、デルギンは鷹揚に頷いた。
「今からその村を奪い取る。『肉』隊と『骨』隊。お前達にやってもらう」
指名を受けたゴブリンの部隊がデルギンの前へとやって来る。『肉』隊のリーダーらしきゴブリンが口を開いた。
「ジュウをツカッテもイイノカ?」
「もちろんだ。お前達の訓練も兼ねておるからな。存分に撃ってくるがいい。リロードは忘れてはならぬぞ」
「ワカッタ。オレたちデルギンのヤクにタツ」
魔導銃を持つゴブリン達は得物を天にかかげ、歓声をあげた。意気込む彼らを笑顔で見つめ、デルギンは言い添える。
「今回はワシが指揮するまでもないであろう。お前達に任せるぞ」
この時デルギンは知らなかった。村の中に、彼が忌み嫌うハンター達が滞在していることを……。
草原を駆けるゴブリンの群れ。
人間達がその光景を目にしたら、さぞや驚くに違いない。
なぜならば彼らの中には、魔導銃と呼ばれる武器を持つ者が多数いたからだ。
そして先頭でリトルラプターに跨り、その群れを指揮する者。
名をデルギンという。
彼が率いる亜人達は銃を持つ者、あるいは剣や槍を持つ者、様々であったが、ゴブリンにしては統制のとれた動きで行軍していた。
亜人の数は三桁をゆうに超える。これだけの人数が集まり、武器を手にして行進する目的は一つだ。そう、戦場に行くのである。
しかし、ある丘の上にさしかかった時、リーダーであるデルギンはリトルラプターを停止させた。背後の亜人達もそれにならう。配下達の様子を顧みることなく、デルギンは一点を凝視していた。
はるか遠くの空に、天へとたなびく煙が見える。デルギンはその煙のせいで足を止めたのだ。やや遅れて配下のゴブリン達もそれに気づく。とはいえ、煙があがっている理由までが分かる者はデルギンを含めた数人だ。
グラズヘイム王国北部ルサスール領。その北端にある町、オーレフェルト。ホロム・ゴブリンと呼ばれる者達が、人間の領土への侵攻の足がかりとしてこの町を襲撃したのだ。立ち上る煙は彼らの侵攻の証でもある。ここからでは現在の戦況など分かるはずもないが、おそらく分水嶺を迎えている頃だろう。デルギン達はその侵攻作戦に参加するつもりだったのだが……。
遠目に見える煙は、デルギン達がこの戦いに参加できなかったことを示していた。そう、彼らは作戦時間に間に合わなかったのだ。
――先日、デルギンの一派は人間達を襲撃し、数多の魔導銃を手に入れた。しかし、その際突如現れた新手の追撃により、一部の魔導銃を奪い返され、また、魔導銃を操ることのできる兵をも失うという出来事があった。
その為、魔導銃に適正のある個体の選出、ならびに軍の再編成に時間がとられ、この侵攻作戦に参加できない結果になってしまったというわけだ。
(ハンター……まったく忌々しい存在だ)
デルギンは遠くに見える煙から目を逸らさず、憎憎しげに心の中で呟いた。
自分の直属の部下や、頭数合わせに集めた者達の視線が自分の後頭部に突き刺さっていることが分かる。ようやく意識を現実へと引き戻したデルギンは後ろを振り向いた。
彼の視線の先には疲労の色が隠せないゴブリンの一団があった。リトルラプターに跨る者はデルギンを含めたわずかな人数しかおらず、それが行軍の遅れの一因となったことは否めない。
(もはや急いでも戦いには間に合うまい)
デルギンはそう判断した。仮に間に合ったとしても、それは兵達を先ほど以上に走らせた結果であろう。それでは戦場にたどり着いた時に大した戦力にはなれまい。魔導銃を扱える者がいるとはいえ、軍の大半は剣で戦う者達なのだ。
「よく聞け。予定が変わった」
デルギンは配下を見渡し、目的地が変わったことを告げる。顔を見合わせるゴブリン。ほとんどのゴブリンはあくまで人間たちを襲撃するということしか知らされておらず、どこに向かっているかも実は理解していなかったが。
突然の進路変更を言い渡したデルギンに、一体のゴブリンが己のリトルラプターを寄せた。彼はデルギンの側近にあたり、もちろん先の煙の意味も、ここで進路を変えることの意味も理解していた。
「ヤクソクをヤブルコトにナル……イイノカ?」
囁く配下に、デルギンはこともなげに答えた。
「かまわぬ。別にワシらは他の部族に隷属している訳でもない。元々共闘関係にすぎぬのだ」
「ワカッタ。サスガはデルギン。あのゴブリンがコワクナイノダナ……」
亜人族による人間の領域への侵攻。その中心には王を自負する一人のゴブリンがいる。オーレフェルトへの襲撃ももちろん彼の意図によるものであろう。
ゴブリンの王と目されるその存在とも対等であろうとするデルギンの姿に、部下は感銘を受けたようだった。デルギンは不敵に笑う。
「当然だ。では後ろの同胞達にも伝達しろ」
「アア」
配下のゴブリンは騎乗するトカゲの首を巡らし、駆けて行く。デルギンは部下を見送り、そっと心の中で呟いた。
(とはいえ、点数稼ぎはしておく必要があるな……)
ゴブリンの王のことが全く怖くないわけではないデルギンであった。
デルギンを含む亜人の群れはやがてオーレフェルトへの道をそれ、いずこかへと行軍しだした。
●埋め合わせ
一夜を野で過ごした後、再び行軍を続けているゴブリン達。その主であるデルギンは騎乗するリトルラプターの足をとめ、振り向いた。
「同胞達よ。聞け。この先にニンゲン達の住処があるはずだ」
デルギンの言葉にゴブリン達はざわつく。
――予定が変わったという話だが、やはりニンゲンとは戦うのか?
口々にそういった質問が生まれ、デルギンは鷹揚に頷いた。
「今からその村を奪い取る。『肉』隊と『骨』隊。お前達にやってもらう」
指名を受けたゴブリンの部隊がデルギンの前へとやって来る。『肉』隊のリーダーらしきゴブリンが口を開いた。
「ジュウをツカッテもイイノカ?」
「もちろんだ。お前達の訓練も兼ねておるからな。存分に撃ってくるがいい。リロードは忘れてはならぬぞ」
「ワカッタ。オレたちデルギンのヤクにタツ」
魔導銃を持つゴブリン達は得物を天にかかげ、歓声をあげた。意気込む彼らを笑顔で見つめ、デルギンは言い添える。
「今回はワシが指揮するまでもないであろう。お前達に任せるぞ」
この時デルギンは知らなかった。村の中に、彼が忌み嫌うハンター達が滞在していることを……。
解説
皆さんはオーレフェルトの町からやや離れた、とある村にいます。
その村の中に突然激しい鐘の音が何度も響きわたり、周囲がざわめきだしました。
鐘の音は敵の襲撃を知らせる合図であり、敵の正体がゴブリンであることが周知されます。
村の中の戦える者達(一般人)が武器を持って走りだしますが……という状況です。
押し寄せてくるゴブリン達は50体います。
遠目にはまだ無数のゴブリンが見えますが、攻撃に参加するつもりはないようです。デルギンもそこにいます。
なお、襲撃が起きた際、ハンターの皆さんは全員村の中にいます。
村と村人への被害を極力抑えつつ、襲撃をかけてくる50体のゴブリンの殲滅、または撃退が今回の依頼の目的になります。
以下、簡易マップになります。
~~~~~外側~~~~~~
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穴 穴 穴
============
人人 家 人人 家
~~~~~村側~~~~~
=……柵です。木で組んだ粗末なもので、あくまで通行を少し阻害する程度のものです。隠れて銃弾を防ぐ役には立たないでしょう。
穴……亜人などの襲撃に備えて村人が作っていた落とし穴がこのあたりにあります。ぱっと見ただけではしかけに気付かないでしょう。ハンター達は知っていても構いません(村人から聞いていた、直感で分かる、など、特に理由は問いません)。
ゴ……ゴブリン5体に相当します。内1体が魔導銃を持っています。銃を扱うゴブリンは魔導銃の性能を100%引き出すことができ、リロードもサブアクションで行えます。銃を持っていないゴブリンは剣や槍で武装しています。
人……村人5人に相当します。内1人は弓を持っています。他の人は剣や槍を装備しています。覚醒者ではありません。
家……完全な障害物として利用できます。あまり攻撃をくらうと持たないかもしれませんが。
その村の中に突然激しい鐘の音が何度も響きわたり、周囲がざわめきだしました。
鐘の音は敵の襲撃を知らせる合図であり、敵の正体がゴブリンであることが周知されます。
村の中の戦える者達(一般人)が武器を持って走りだしますが……という状況です。
押し寄せてくるゴブリン達は50体います。
遠目にはまだ無数のゴブリンが見えますが、攻撃に参加するつもりはないようです。デルギンもそこにいます。
なお、襲撃が起きた際、ハンターの皆さんは全員村の中にいます。
村と村人への被害を極力抑えつつ、襲撃をかけてくる50体のゴブリンの殲滅、または撃退が今回の依頼の目的になります。
以下、簡易マップになります。
~~~~~外側~~~~~~
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穴 穴 穴
============
人人 家 人人 家
~~~~~村側~~~~~
=……柵です。木で組んだ粗末なもので、あくまで通行を少し阻害する程度のものです。隠れて銃弾を防ぐ役には立たないでしょう。
穴……亜人などの襲撃に備えて村人が作っていた落とし穴がこのあたりにあります。ぱっと見ただけではしかけに気付かないでしょう。ハンター達は知っていても構いません(村人から聞いていた、直感で分かる、など、特に理由は問いません)。
ゴ……ゴブリン5体に相当します。内1体が魔導銃を持っています。銃を扱うゴブリンは魔導銃の性能を100%引き出すことができ、リロードもサブアクションで行えます。銃を持っていないゴブリンは剣や槍で武装しています。
人……村人5人に相当します。内1人は弓を持っています。他の人は剣や槍を装備しています。覚醒者ではありません。
家……完全な障害物として利用できます。あまり攻撃をくらうと持たないかもしれませんが。
マスターより
こんにちは、こんばんは。秋風落葉(しゅうふうらくよう)です。
デルギンの部下のゴブリン達が村へと襲撃をかけてきました。ハンターがいなければあっさりとその手に落ちたでしょうが……ところがどっこい、というやつですね。
とはいえゴブリン達の一部は魔導銃を持っており、射撃が命中すると致命傷になりえます。
決して油断のならない相手です。
デルギンの部下のゴブリン達が村へと襲撃をかけてきました。ハンターがいなければあっさりとその手に落ちたでしょうが……ところがどっこい、というやつですね。
とはいえゴブリン達の一部は魔導銃を持っており、射撃が命中すると致命傷になりえます。
決して油断のならない相手です。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/08/06 17:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談卓 エラ・“dJehuty”・ベル(ka3142) 人間(リアルブルー)|30才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/08/01 12:32:49 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/29 13:49:43 |