ゲスト
(ka0000)
珈琲サロンとぱぁずと移送
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/08/08 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/08/17 15:00
オープニング
●
いらっしゃい、あら、お久しぶり。
あの子? ふふ、うちの新入りのウェイトレス。可愛いでしょ? 私の妹なのよ。
それより、そんな顔して、どうかしたの?
珈琲サロンとぱぁずは今日も賑やかなランチと、ティータイムを終え、店長代理のユリアは客の引いた店の床にモップを掛けている。
長く勤める店員のローレンツ、ユリアや常連客からは、ロロさんと親しまれる老齢の彼は、濯いだカップを拭って棚に片付けている。
新しくこの店に迎えられた若いウェイトレスのモニカは、テーブルを拭き終えるとバケツに水を汲んで表の窓を拭きに向かった。
「ユリアさん! 今日、すっごく良い天気ですねー」
「ええ……アイスコーヒー、多めに準備した方が良さそうね」
昼下がりを越えてまだ眩しい日の差す店内。
りんごん、ドアのベルを鳴らしたモニカとすれ違いに、1人の客が訪れた。
「いらっしゃいませ。今、空いてるんで、お好きなお席、どこでもどうぞー」
ドアを支えながらモニカが言う。モニカを見たその客は酷く窶れた顔をしていた。
客の男はカウンターに座り、珈琲を一杯注文する。
「どうしたの、浮かない顔をして」
ローレンツの煎れた珈琲を運びながらユリアが尋ねる。
「……ああ、……ユリアちゃんなら、話してもいいかな、ここ常連のハンターもいるんだろう?」
「そう、ね。ご贔屓にして貰って、嬉しい限りだわ。悩みごと? 危ないお仕事なら、ハンターオフィスに行った方が良いかもしれないわ」
男は、貨物の運送を生業としている。満載の荷車をフマーレの端から端へと走らせるのが主な仕事だが、稀にフマーレの外へも向かうことがある。農業のジェオルジ、極彩色のヴァリオス、そして。
「ポルトワールへの仕事が入ったんだ。急な仕事でね」
「あら、ポルトワール。良いところじゃない? でも、海には気をつけて。とても恐ろしい場所だから」
カウンターの中に飾られた罅の入ったゴーグルはユリアの夫だった男の形見、そろそろ彼を亡くして一年になる。黒いドレスを翻してユリアは口許だけで微笑んだ。
「そうだな……」
●
男は珈琲を啜りながら語る。
依頼されたのはある布の移送、それは特別な布で、軍装程度に強度が有り且つ炎を防いでくれるらしい。
その実用に向けての試験がポルトワールで行われる。何でも、水が弱点らしいから、とか何とかと。
詳細は聞いていないが、とにかくその布を試験場まで運ぶこと、が、今回の依頼だ。
その程度ならなんと言うことは無い、これまでも重要な書類や貴重な宝石、複雑で脆弱な魔導機の類いも運んできた。しかし。
「その布を追った歪虚がいるらしくってね」
当初自力で運ぶ予定だった依頼人が、その歪虚に怪我を負わされた為、男に依頼が来たという。
「あのー、その歪虚って、この前退治されたヤツじゃないですか?」
窓を半分拭き終えたモニカが、バケツの水を替えに戻ってきた。
「号外に載ってましたよ。この辺じゃ無いんで、小っちゃい記事でしたけど。どっかで部品泥棒って騒がれてた歪虚みたいで……」
撃退されたのなら、それが襲ってくることは無いだろう。だが騒がされた他の歪虚や雑魔、聞きつけた亜人が出てこないとも限らない。
道中の安全に越したことは無いから、と、とぱぁずの奥の大きな机に貼られた地図にピンがまた一つ立てられた。
出発の日、男とハンターを見送りに来たユリアはその男の手を握って、泣き出しそうな顔で必死に何かを言っている青年を見た。
青年はエンリコと言い、この布に関わる紡績工場で働いている今回の依頼人らしい。
危険な仕事を頼んで済まない、大事なものだから無事に、あなたも無事で届けてくれ。と、そう言っているようだ。あまりの必死さに男が思わず肩を竦めた。
エンリコは首と頭に包帯が、腕と脚に添え木が宛てられ杖を突いている。付き添いらしい初老の男が、こちらへ会釈を、ユリアがそれに応えて微笑むと、偶然その微笑みを見たエンリコの頬が赤く染まった。
●※※※
ユリアは見送りから帰ってクッキーを焼く。店に並べている物で、割と好評だ。店内には客が1人。ローレンツもモニカも出払っている。
客は黒髪を結い上げ華やかな着物を纏った若い女、硝子玉のような青い瞳にうっそりとした笑み。
「珈琲、一杯頂ける?」
「はい、すぐに」
店の中、挽き立ての豆の香りが広がっていく。
いらっしゃい、あら、お久しぶり。
あの子? ふふ、うちの新入りのウェイトレス。可愛いでしょ? 私の妹なのよ。
それより、そんな顔して、どうかしたの?
珈琲サロンとぱぁずは今日も賑やかなランチと、ティータイムを終え、店長代理のユリアは客の引いた店の床にモップを掛けている。
長く勤める店員のローレンツ、ユリアや常連客からは、ロロさんと親しまれる老齢の彼は、濯いだカップを拭って棚に片付けている。
新しくこの店に迎えられた若いウェイトレスのモニカは、テーブルを拭き終えるとバケツに水を汲んで表の窓を拭きに向かった。
「ユリアさん! 今日、すっごく良い天気ですねー」
「ええ……アイスコーヒー、多めに準備した方が良さそうね」
昼下がりを越えてまだ眩しい日の差す店内。
りんごん、ドアのベルを鳴らしたモニカとすれ違いに、1人の客が訪れた。
「いらっしゃいませ。今、空いてるんで、お好きなお席、どこでもどうぞー」
ドアを支えながらモニカが言う。モニカを見たその客は酷く窶れた顔をしていた。
客の男はカウンターに座り、珈琲を一杯注文する。
「どうしたの、浮かない顔をして」
ローレンツの煎れた珈琲を運びながらユリアが尋ねる。
「……ああ、……ユリアちゃんなら、話してもいいかな、ここ常連のハンターもいるんだろう?」
「そう、ね。ご贔屓にして貰って、嬉しい限りだわ。悩みごと? 危ないお仕事なら、ハンターオフィスに行った方が良いかもしれないわ」
男は、貨物の運送を生業としている。満載の荷車をフマーレの端から端へと走らせるのが主な仕事だが、稀にフマーレの外へも向かうことがある。農業のジェオルジ、極彩色のヴァリオス、そして。
「ポルトワールへの仕事が入ったんだ。急な仕事でね」
「あら、ポルトワール。良いところじゃない? でも、海には気をつけて。とても恐ろしい場所だから」
カウンターの中に飾られた罅の入ったゴーグルはユリアの夫だった男の形見、そろそろ彼を亡くして一年になる。黒いドレスを翻してユリアは口許だけで微笑んだ。
「そうだな……」
●
男は珈琲を啜りながら語る。
依頼されたのはある布の移送、それは特別な布で、軍装程度に強度が有り且つ炎を防いでくれるらしい。
その実用に向けての試験がポルトワールで行われる。何でも、水が弱点らしいから、とか何とかと。
詳細は聞いていないが、とにかくその布を試験場まで運ぶこと、が、今回の依頼だ。
その程度ならなんと言うことは無い、これまでも重要な書類や貴重な宝石、複雑で脆弱な魔導機の類いも運んできた。しかし。
「その布を追った歪虚がいるらしくってね」
当初自力で運ぶ予定だった依頼人が、その歪虚に怪我を負わされた為、男に依頼が来たという。
「あのー、その歪虚って、この前退治されたヤツじゃないですか?」
窓を半分拭き終えたモニカが、バケツの水を替えに戻ってきた。
「号外に載ってましたよ。この辺じゃ無いんで、小っちゃい記事でしたけど。どっかで部品泥棒って騒がれてた歪虚みたいで……」
撃退されたのなら、それが襲ってくることは無いだろう。だが騒がされた他の歪虚や雑魔、聞きつけた亜人が出てこないとも限らない。
道中の安全に越したことは無いから、と、とぱぁずの奥の大きな机に貼られた地図にピンがまた一つ立てられた。
出発の日、男とハンターを見送りに来たユリアはその男の手を握って、泣き出しそうな顔で必死に何かを言っている青年を見た。
青年はエンリコと言い、この布に関わる紡績工場で働いている今回の依頼人らしい。
危険な仕事を頼んで済まない、大事なものだから無事に、あなたも無事で届けてくれ。と、そう言っているようだ。あまりの必死さに男が思わず肩を竦めた。
エンリコは首と頭に包帯が、腕と脚に添え木が宛てられ杖を突いている。付き添いらしい初老の男が、こちらへ会釈を、ユリアがそれに応えて微笑むと、偶然その微笑みを見たエンリコの頬が赤く染まった。
●※※※
ユリアは見送りから帰ってクッキーを焼く。店に並べている物で、割と好評だ。店内には客が1人。ローレンツもモニカも出払っている。
客は黒髪を結い上げ華やかな着物を纏った若い女、硝子玉のような青い瞳にうっそりとした笑み。
「珈琲、一杯頂ける?」
「はい、すぐに」
店の中、挽き立ての豆の香りが広がっていく。
解説
目的 運送屋の護衛
●エネミー
ゴブリン×10
襤褸を纏って、棍棒で殴ったり、石を投げて攻撃します。
統率は取れていないようですが、
弱った相手を一斉に狙う傾向があるようです。
昼間は隠れていることもあります。
夜目が利きます。
●街道
開けた道、両サイドは茂みで、その奥は森。
4人程度は横に広がって戦うことが出来ます。
ゴブリンとの遭遇は、出発から数時間後となり、
夕方よりも早い時間に出れば日のある内に、
それ以降では夜に戦うことになります。
●その他
運送屋の男 護衛対象。指示には従いますが、戦闘は出来ません。襲われると逃げ出したり、暴れたりする可能性があります。
珈琲サロンとぱぁず 常連で賑わう商業区の喫茶店
ユリア 店長代理、妙齢の女性。夫と死別して実家に戻ったところ、怪我の勢いで隠居した祖父に、店を任されることになった模様。
モニカ ウェイトレス、ユリアよりも10程若い少女。元店長の隠居先で幼い弟とともに保護され、とぱぁずでの仕事を斡旋された。
ロロ ローレンツ・ロンベルグ。珈琲担当。元店長と同年代、ユリアやモニカを心配しているが、素直になれない。
阪井紡績リミテッド 東の工業区の外れに新しく出来た紡績工場
エンリコ 社員第一号の青年。布を運ぶ予定だったが、歪虚に遭遇した際に大怪我を負って断念。
阪井 社長、工場長。リアルブルー出身の壮年男性。遭遇の際は軽傷で済んだ。
●エネミー
ゴブリン×10
襤褸を纏って、棍棒で殴ったり、石を投げて攻撃します。
統率は取れていないようですが、
弱った相手を一斉に狙う傾向があるようです。
昼間は隠れていることもあります。
夜目が利きます。
●街道
開けた道、両サイドは茂みで、その奥は森。
4人程度は横に広がって戦うことが出来ます。
ゴブリンとの遭遇は、出発から数時間後となり、
夕方よりも早い時間に出れば日のある内に、
それ以降では夜に戦うことになります。
●その他
運送屋の男 護衛対象。指示には従いますが、戦闘は出来ません。襲われると逃げ出したり、暴れたりする可能性があります。
珈琲サロンとぱぁず 常連で賑わう商業区の喫茶店
ユリア 店長代理、妙齢の女性。夫と死別して実家に戻ったところ、怪我の勢いで隠居した祖父に、店を任されることになった模様。
モニカ ウェイトレス、ユリアよりも10程若い少女。元店長の隠居先で幼い弟とともに保護され、とぱぁずでの仕事を斡旋された。
ロロ ローレンツ・ロンベルグ。珈琲担当。元店長と同年代、ユリアやモニカを心配しているが、素直になれない。
阪井紡績リミテッド 東の工業区の外れに新しく出来た紡績工場
エンリコ 社員第一号の青年。布を運ぶ予定だったが、歪虚に遭遇した際に大怪我を負って断念。
阪井 社長、工場長。リアルブルー出身の壮年男性。遭遇の際は軽傷で済んだ。
マスターより
布を運ぶことになりました。
道中のゴブリンが騒がしいので、護衛よろしくお願いします。
道中のゴブリンが騒がしいので、護衛よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/08/17 19:38
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【相談卓】運送護衛 白水 燈夜(ka0236) 人間(リアルブルー)|21才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/08/05 22:19:14 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/08/05 05:28:23 |