• 東征
  • 戦闘

【東征】少年、妖怪欲して恫喝される

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/08/12 15:00
リプレイ完成予定
2015/08/21 15:00

オープニング

●お出かけ
 嫉妬の歪虚であるプエル(kz0127)は新しい服を着せてもらって、機嫌よくエトファリカの大地を歩き回る。水干と言われる服は、グラズヘイムでは見ないものであり、袖がひらひらと動くのが面白かった。
 人間のふりをしていないと面倒だということで、極力肌は隠す。白いタイツと手袋、顔を隠すために薄衣をかぶった。
 大剣もきちんと持たされる。
 結界が怖いけれども、問題ないあたりを教えてもらって見て回る。丘の上から見下ろすと小さな砦が見え、対妖怪のためにハンターが詰めていると聞いていたと思い出す。
「気持ちいいなぁ」
 そよそよと吹く風にプエルは目を細くして微笑む。
「歌おう!」
 最近歌えるような状況がなかったので、久しぶりだった。
 澄んだ歌声が響き渡る。歪虚が歌っていると知らなければ、人間でも聞き惚れそうなものだった。

●モフリ
 一通り歌って満足したプエルは、枯れ木の側に直径30センチくらいの、綿埃のようなものを見つける。
「う、うわぁぁぁぁ」
 プエルは紫色の目をキラキラさせて、それを見つめる。
「おいで、おいで」
 袖に隠してあったブラシを取り出し、しゃがむ。
 綿埃のような妖怪は毛の中に足があるらしく、とぼとぼと歩いてやってきた。
 一つ目の動物にも見える。
 ブラッシングをすると妖怪は嬉しそうにプエルにすり寄る。
「可愛い」
 プエルは妖怪を抱きかかえる。抵抗しないので怒っていないだろうと判断していた。
「ねえ、うちにこない?」
 妖怪は問いかけに特に返事はしない。
「帰ろう」
 良い収穫だとプエルは微笑み、名前はモフリにしようと決める。
「きゅきゅきゅーーーーーーーーーーーんん」
 甲高い声で妖怪が鳴いた。
「え? ええ?」
 プエルは困惑して妖怪を見つめる。妖怪は特に変わった様子を見せない。
「別にいいんだよね、連れて行っても?」
 歩き始めたプエルは見た、大きな妖怪の姿を。
『おうおう、わしのシマで何しとんじゃー』
 プエルはすごまれた瞬間、くしゅと顔を歪める。
「な、何って? 歌って、この子を余、モフリのペットにするんだ」
『おうおう、なに勝手なことぬかしとんじゃー』
 もう一匹にすごまれ、プエルはまた小さくなる。腕に抱いた妖怪をきゅっと抱きしめる。
『西から来た奴はひ弱じゃの』
『それ、うちの期待の星じゃ、置いていけ』
『そうすれば、ひ弱なお前さんは放置しておく』
 妖怪二匹、プエルより大きな毛玉であり、近くですごまれるとより巨大で怖い。色合いが強烈で黒と黄の縞模様で威圧してくる。毛の間にはいくつか顔があり、キメラ状態ということをうかがわせる。
「えぐっ」
 プエルは涙をのみ込む。
(怖いよ、怖いよ……レチタティーヴォ様)
『何泣いとんじゃー』
『わしらが悪いことしたようで気分悪いわー』
「よ、余は泣いておらぬ!」
 妖怪は抱えたまま、片手で頬をぬぐう。
『それ置いてとっとと消えろ』
「い、嫌だ」
 プエルは駆けだした。
『おい、こっちが下手に出てればいい気になりおって』
『野郎ども、あの人形を食い殺せ』
 号令の下、プエルを追い掛け走り出した。

●見張り
 砦は結界の外になり不安定なところであった。簡易的な砦で、建物はそれなりに大きくしっかりしているが、柵は竹や木を立て組んだ簡単な物だった。
 散発的に妖怪と戦うことがあっても大きな争いに発展はしていない。
 詰めている兵士の緊張感が途切れていると言って過言ではない。ハンターも定期的に入れ替えて詰めているため、安心感があるに違いなかった。
 それでも命を守るのは自分たちであり、見張りは重要だった。
「た、大変だ、男の子が妖怪に追われてこっちに来ている」
 砦の中に緊張が走る。
 見張りはさらに続ける。
「……男の子は手に妖怪持ってます」
「それ、捨てろよ!」
 見張り達は突っ込みをしても、相手に届くわけではないので砦で情報を共有するために話を伝える。
「入れてやる?」
「その妖怪を捨てさせないと」
「それより、なんでその妖怪を連れているんだ」
「干せば病気に効くとか」
 かってなことを言いながら見張りは見つめる。
「妖怪の数、大きいのが二体と妖怪として一番弱いのがたくさん」
「なあ、あの大きいのと男の子が抱えているの似てないか?」
「親子だったり?」
 乾いた笑いが漏れた。そもそも妖怪に親子関係はあるのだろうか?
「たまたまか……」
 溜息を洩らした。
 そうこうしているうちに走ってきた少年は近くまで来た。肌は焼かないようにしているのか、一切見せない。顔だって薄衣で隠れて見えていない。
 見張りたちは、少年の必死を感じ助けたくなってくる。
 あと20メートルくらい。
 コケッ……ビタン……ひゅるひゅるひゅる……。
 少年は転んだ。
 その手の妖怪は高く放り出される。放物線を描いて飛んだそれは、砦の中に向かって飛んでくる――。

●探し物
 プエルがいないことは気付いたエクエスは、心の中で悪態を一通りついて出かけることにした。
「馬があると便利ですねぇ」
 上手い具合に落ちていたため、馬っぽい雑魔を拾った。機嫌よくエクエスは出発した。

解説

 砦を守ってください。
 飛んでくる妖怪は1R中空にいるとします、狙ってOKです。

●簡易地図
□□□□□□□□柵柵柵柵柵柵柵
□□□□□□□□柵□□□□□□
妖妖□□□□□□柵□□□小□□
妖妖□□□□□□柵□□□□建建
妖妖□□□□□□柵□□□□建建
妖妖□□プ□□□門□□□□建建
妖妖□□□□□□柵□□□□建建
妖妖□□□□□□柵□□□□建建
妖妖□□□□□□柵□□□□□□
□□□□□□□□柵□□□□□□
□□□□□□□□柵柵柵柵柵柵柵
 ※一字分=10m×10m
 プ=プエル、妖=妖怪がいるあたり、建=建物、小=プエルが抱いていた妖怪の着地予定地
 見張り台は門の上にあります。
 柵内の右半分は左側を折り返した感じと思ってください。

 砦の兵士は35人くらいいますがあてにはならないです。

●敵勢力
 ・妖怪A×2
 サイズ2、黒と黄色の縞模様の毛玉。顔っぽい所にある目は逆三角で、常に怒っている様子。白い毛玉を取り戻したい。
 能力=爪と牙、強打、薙ぎ払いなど

 ・妖怪B×20くらい
 サイズ1、不定形なスライム状態に動物や人間などの顔や足など体の一部が埋まっている感じです。
 能力=軟体(受ける武器ダメージ半減)、強酸(射撃)、再生(生命力1/10回復)

 ・妖怪C
 サイズ1、プエルが抱きかかえていた白い毛玉。球に犬のような足が付いていると思っていただければ。
 砦内に落ちた場合、人間に対して攻撃を開始します。怒って火を噴き出します。火は近づくと暑いし火傷しますが、延焼はしないようです。

●NPC
 ・プエル
 基本的なことは関連NPCをご覧ください。
 転んだときに薄衣は外れるので「人間ではない」と分かります。
 「モフリ」をくれたら立ち去ると告げます。なお、妖怪Aたちよりは毛玉の妖怪に対しての執着はないです。

 ・エクエス
 嫉妬の歪虚でプエルの相方。
 なんか、運よく足を見つけました。プエル捜索中。

マスターより

 こんにちは。いろいろ考えていたらこうなりました。コメディ……ぽいですが、それなりに厳しいかもしれません。
 砦を守っていただければ、幸いです。ええ、それだけですね……。
 プエルは人間嫌いですが、人間には興味があります。上手くお願いすると利用することもできるかもしれません。
 では、皆様よろしくお願いします。

関連NPC

  • 憂悦孤唱
    プエル(kz0127
    歪虚|14才|男性|歪虚(ヴォイド)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/08/17 12:02

参加者一覧


  • バイオレット(ka0277
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 赤髪の勇士
    エヴァンス・カルヴィ(ka0639
    人間(紅)|29才|男性|闘狩人
  • オールラウンドプレイヤー
    柊 真司(ka0705
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • 絆の雷撃
    ヒースクリフ(ka1686
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • Rot Jaeger
    ステラ・レッドキャップ(ka5434
    人間(紅)|14才|男性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ステラ・レッドキャップ(ka5434
人間(クリムゾンウェスト)|14才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2015/08/12 13:25:19
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/08/12 01:37:43