ゲスト
(ka0000)
氷弾
マスター:湖欄黒江

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/08/14 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/08/23 12:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●
ゾンネンシュトラール帝国北部、某所――
広大な針葉樹林帯を切り拓いて、か細い車両輸送路が辺境領へと伸びる。
その途上では現在、帝国軍の手によって、
付近で発見された正体不明の巨石の移送作業が進行中だった。
巨石は約2か月前、針葉樹林の只中に突如発生した、小規模なマテリアル汚染の発生源と考えられた。
発生時、周囲は歪虚化したゴブリンの戦士団が徘徊しており、
派遣されたハンターがこれを討伐、ようやく現地調査へとこぎつけたのだが、
「巨石表面に刻み込まれた紋様については、一部資料との照合の結果、
北部辺境領成立以前、当地に生息していたコボルドないしゴブリンの亜人文明遺跡と推測される。
この紋様は今なお魔術的機能を維持しており、
汚染が発見される直前まで、何らかの理由で休眠状態にあったものと思われる。
また、汚染発生時期から推察するに、
辺境での聖地リタ・ティト奪還作戦の前後、帝国軍輸送部隊を襲撃した歪虚戦力との関連が強く疑われる。
しかし、巨石の具体的な機能、その建設目的は一切不明。
より詳細な分析が急がれる上、当地における汚染拡散の懸念もあり、
移動調査班は巨石の解体による一時的機能停止、及び帝都への移送手続きをここに要請する」。
要請は受け入れられた。
巨石はワルプルギス錬魔院移動調査班の監督の下、四片に分割され、
魔導トラックにて帝都へ運ばれる手筈となった。
●
某日深夜、帝国軍の野営地にて。
陣形を組んだ機械化ゾンビ・エルトヌスの部隊が、兵士もろとも天幕を焼く。
彼らが携える長槍の柄には、魔法の火炎を噴き出す機導兵器が装着されていた。
その威力は絶大で、5メートルは離れた敵を、簡単に焼き殺すことができる。
それでもなお、屈強の帝国軍兵士たちは果敢に抵抗を試みる。
ゾンビたちの動きは鈍い。一旦、火炎放射の射程から逃れてしまえば、
「魔導銃のほうが有利だ。怯むな」
下士官の命令で、兵たちが魔導銃の一斉射撃を行う。
弾丸の大半は、敵が掲げた巨大な盾に阻まれてしまうが、
何発かは防御の隙間を縫い、手足に命中して僅かながらも進軍を遅らせる。
「時間を稼げば良い。負傷者を運び出し、最低限の物資と共に車両へ乗せる。撤退だ!」
野営部隊の目的は、巨石輸送の中継ぎだ。歪虚相手に消耗戦を続ける意味はない。
一刻も早く撤退を完了させ、戦闘部隊やハンターに事後を引き継がねば。
「車両準備、まだか!?」
●
突如、きいぃん、という高音が、立膝で銃を構えた兵たちの耳をつんざく。
「何の音っ」
問いかけた下士官の頭部が、弾けて消えた。
驚き振り返った部下たちも、雨あられと降り注ぐ散弾に次々引き裂かれた。
弾丸は、エルトヌス分隊の背後から発射された。
身長2メートル強、白銀の鎧に全身を包んだ『何か』が、
細長い柄を持つ大筒を右手で軽々と差し伸ばし、エルトヌスの肩に固定用の鉤を引っかけ、撃ってみせた。
発射の度、どすん、と重たい砲声が辺りに響く。
連射を生き延びた兵士ふたりが、銃を捨てて逃亡を始めた。
しかし片方が、突然脚を押さえて、その場に転がってしまう。
見れば、散弾を食った小さな銃創から、白い霜のようなものがじわじわと肌に広がっている。
焼けつくような痛みで、とても立ち上がることができない。
それでも手で土を掻き、這い進もうとする兵士を見て、
『頑張るなァ、生肉』
あの高音と共に、白銀の鎧がけたけたと笑い声を上げる。
『でも、こりゃァ駄目だな。怪我をすりゃ痛い、手足は簡単に千切れて戻らない、血を流し過ぎると死んじまう。
脆い、本当に脆いもんだよ。肉って奴は……君も卒業してみるかいッ』
戦乙女の兜を模した、頭部の大きな羽根飾りが声に共鳴して、きぃんと鳴った。
耳障りな高音に耐えつつ聞き入る者があれば、声の主が『女性』であるとも分かったろう。
だが、脚を負傷した兵士はそんなことに思い至る余裕もなく、
『身体はナマでも心はハガネ、それが精鋭無比の帝国軍兵士ってモンだろうええッ!?』
再び放たれた散弾が、兵士をばらばらにして吹き飛ばす。
地面に残された血溜まりは、瞬く間に表面から霜が張って、赤い氷へ変わっていく。
(デュラハン!)
逃げ延びた兵士が、ちょうど動き出す寸前の魔導トラックへ飛び乗った。
荷台には巨石の四分の一が鎮座し、その周囲に数名の負傷兵がしがみついている。
「兵長は!?」
「やられた。ゾンビだけじゃねぇ、デュラハンが指揮してやがる。
逃げるっきゃねぇぞ、さっさと飛ばせ!」
『何処行くんだよォ!?』
デュラハンの放つ散弾が、荷台の巨石をかすめた。砕けた石の欠片が兵士たちに降りかかる。
『……って、いけねェ。アレぶっ壊しちゃいけないんだったネーしょうがないよネー』
デュラハンは言いつつ、大筒の鉤でエルトヌスを面白半分に引っ張り弄ぶ。
その間に、車両1台が野営地を離脱してしまった。走り去る車両を見送り、
『まァ後3つもあンだし、良いっしょ? ねェ。そこオラァ!』
残り3台の車両へ走る兵士を、使っていなかった左手の大筒で撃った。
何人かがまとめて粉々にされ、痛みに呻く負傷者たちへは、エルトヌスの分隊が迫っていく。
火炎放射の轟音と悲鳴、その合間に、
『預かりモンのお腐れ肉、思ったよか使えっけど、鈍いのがホント難だよな。
やっぱひとりで来れば良かった? でもなァ、ゼンゼとランツェが生肉どもにやられたそーだし』
羽根飾りを小刻みに震わせて、独り言を呟くデュラハン。
『……どんなモンかなァ、ちょーっと待ってみっか。うん、ちょーっとだけ……』
兵士全員を殺戮してなお、デュラハンと剣機の一群は野営地に留まり続けた。
巨石の回収を待つ為。そして、ハンターたちを待つ為に。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●
ゾンネンシュトラール帝国北部、某所――
広大な針葉樹林帯を切り拓いて、か細い車両輸送路が辺境領へと伸びる。
その途上では現在、帝国軍の手によって、
付近で発見された正体不明の巨石の移送作業が進行中だった。
巨石は約2か月前、針葉樹林の只中に突如発生した、小規模なマテリアル汚染の発生源と考えられた。
発生時、周囲は歪虚化したゴブリンの戦士団が徘徊しており、
派遣されたハンターがこれを討伐、ようやく現地調査へとこぎつけたのだが、
「巨石表面に刻み込まれた紋様については、一部資料との照合の結果、
北部辺境領成立以前、当地に生息していたコボルドないしゴブリンの亜人文明遺跡と推測される。
この紋様は今なお魔術的機能を維持しており、
汚染が発見される直前まで、何らかの理由で休眠状態にあったものと思われる。
また、汚染発生時期から推察するに、
辺境での聖地リタ・ティト奪還作戦の前後、帝国軍輸送部隊を襲撃した歪虚戦力との関連が強く疑われる。
しかし、巨石の具体的な機能、その建設目的は一切不明。
より詳細な分析が急がれる上、当地における汚染拡散の懸念もあり、
移動調査班は巨石の解体による一時的機能停止、及び帝都への移送手続きをここに要請する」。
要請は受け入れられた。
巨石はワルプルギス錬魔院移動調査班の監督の下、四片に分割され、
魔導トラックにて帝都へ運ばれる手筈となった。
●
某日深夜、帝国軍の野営地にて。
陣形を組んだ機械化ゾンビ・エルトヌスの部隊が、兵士もろとも天幕を焼く。
彼らが携える長槍の柄には、魔法の火炎を噴き出す機導兵器が装着されていた。
その威力は絶大で、5メートルは離れた敵を、簡単に焼き殺すことができる。
それでもなお、屈強の帝国軍兵士たちは果敢に抵抗を試みる。
ゾンビたちの動きは鈍い。一旦、火炎放射の射程から逃れてしまえば、
「魔導銃のほうが有利だ。怯むな」
下士官の命令で、兵たちが魔導銃の一斉射撃を行う。
弾丸の大半は、敵が掲げた巨大な盾に阻まれてしまうが、
何発かは防御の隙間を縫い、手足に命中して僅かながらも進軍を遅らせる。
「時間を稼げば良い。負傷者を運び出し、最低限の物資と共に車両へ乗せる。撤退だ!」
野営部隊の目的は、巨石輸送の中継ぎだ。歪虚相手に消耗戦を続ける意味はない。
一刻も早く撤退を完了させ、戦闘部隊やハンターに事後を引き継がねば。
「車両準備、まだか!?」
●
突如、きいぃん、という高音が、立膝で銃を構えた兵たちの耳をつんざく。
「何の音っ」
問いかけた下士官の頭部が、弾けて消えた。
驚き振り返った部下たちも、雨あられと降り注ぐ散弾に次々引き裂かれた。
弾丸は、エルトヌス分隊の背後から発射された。
身長2メートル強、白銀の鎧に全身を包んだ『何か』が、
細長い柄を持つ大筒を右手で軽々と差し伸ばし、エルトヌスの肩に固定用の鉤を引っかけ、撃ってみせた。
発射の度、どすん、と重たい砲声が辺りに響く。
連射を生き延びた兵士ふたりが、銃を捨てて逃亡を始めた。
しかし片方が、突然脚を押さえて、その場に転がってしまう。
見れば、散弾を食った小さな銃創から、白い霜のようなものがじわじわと肌に広がっている。
焼けつくような痛みで、とても立ち上がることができない。
それでも手で土を掻き、這い進もうとする兵士を見て、
『頑張るなァ、生肉』
あの高音と共に、白銀の鎧がけたけたと笑い声を上げる。
『でも、こりゃァ駄目だな。怪我をすりゃ痛い、手足は簡単に千切れて戻らない、血を流し過ぎると死んじまう。
脆い、本当に脆いもんだよ。肉って奴は……君も卒業してみるかいッ』
戦乙女の兜を模した、頭部の大きな羽根飾りが声に共鳴して、きぃんと鳴った。
耳障りな高音に耐えつつ聞き入る者があれば、声の主が『女性』であるとも分かったろう。
だが、脚を負傷した兵士はそんなことに思い至る余裕もなく、
『身体はナマでも心はハガネ、それが精鋭無比の帝国軍兵士ってモンだろうええッ!?』
再び放たれた散弾が、兵士をばらばらにして吹き飛ばす。
地面に残された血溜まりは、瞬く間に表面から霜が張って、赤い氷へ変わっていく。
(デュラハン!)
逃げ延びた兵士が、ちょうど動き出す寸前の魔導トラックへ飛び乗った。
荷台には巨石の四分の一が鎮座し、その周囲に数名の負傷兵がしがみついている。
「兵長は!?」
「やられた。ゾンビだけじゃねぇ、デュラハンが指揮してやがる。
逃げるっきゃねぇぞ、さっさと飛ばせ!」
『何処行くんだよォ!?』
デュラハンの放つ散弾が、荷台の巨石をかすめた。砕けた石の欠片が兵士たちに降りかかる。
『……って、いけねェ。アレぶっ壊しちゃいけないんだったネーしょうがないよネー』
デュラハンは言いつつ、大筒の鉤でエルトヌスを面白半分に引っ張り弄ぶ。
その間に、車両1台が野営地を離脱してしまった。走り去る車両を見送り、
『まァ後3つもあンだし、良いっしょ? ねェ。そこオラァ!』
残り3台の車両へ走る兵士を、使っていなかった左手の大筒で撃った。
何人かがまとめて粉々にされ、痛みに呻く負傷者たちへは、エルトヌスの分隊が迫っていく。
火炎放射の轟音と悲鳴、その合間に、
『預かりモンのお腐れ肉、思ったよか使えっけど、鈍いのがホント難だよな。
やっぱひとりで来れば良かった? でもなァ、ゼンゼとランツェが生肉どもにやられたそーだし』
羽根飾りを小刻みに震わせて、独り言を呟くデュラハン。
『……どんなモンかなァ、ちょーっと待ってみっか。うん、ちょーっとだけ……』
兵士全員を殺戮してなお、デュラハンと剣機の一群は野営地に留まり続けた。
巨石の回収を待つ為。そして、ハンターたちを待つ為に。
解説
今回の依頼の目的は、帝国軍野営地を占拠した歪虚の一団を撃退することです。
歪虚の目的は、帝国軍が回収・移送中の亜人遺跡の一部と思われます。
野営地からの敵戦力排除に失敗した場合、
現場に残された亜人遺跡が持ち去られてしまう恐れもあります。
敵戦力は以下、
●デュラハン×1
指揮官と思しきデュラハン型の暴食の歪虚。
手持ちの火砲2門は散弾による範囲攻撃。着弾時に魔法の霜を発生させる(水属性・継続ダメージ)。
その他、未知の武装や能力を保持している可能性もある。
●エルトヌス×20
ゾンビ型の量産型剣機。
今回確認された個体は重装型で、大盾と火炎放射器(魔法攻撃扱い・火属性)付き長槍を装備。
5体ずつで陣形を組み、デュラハンの前方と左右に配置。
歪虚の目的は、帝国軍が回収・移送中の亜人遺跡の一部と思われます。
野営地からの敵戦力排除に失敗した場合、
現場に残された亜人遺跡が持ち去られてしまう恐れもあります。
敵戦力は以下、
●デュラハン×1
指揮官と思しきデュラハン型の暴食の歪虚。
手持ちの火砲2門は散弾による範囲攻撃。着弾時に魔法の霜を発生させる(水属性・継続ダメージ)。
その他、未知の武装や能力を保持している可能性もある。
●エルトヌス×20
ゾンビ型の量産型剣機。
今回確認された個体は重装型で、大盾と火炎放射器(魔法攻撃扱い・火属性)付き長槍を装備。
5体ずつで陣形を組み、デュラハンの前方と左右に配置。
マスターより
帝国軍野営地を襲った、謎のデュラハンと剣機軍団。
今回の依頼そのものは純然たる戦闘シナリオですが、
彼らの狙いである巨石について詳しく知りたい方がいらっしゃいましたら、
ショートシナリオ『鬼門』(2015/06/10公開)をご参照頂ければと思います。
今回は緊急任務ということで、敵戦力に対して少数のハンターで当たらねばなりません。
加えて、エルトヌスを指揮するデュラハンの実力は未知数。
ハンター側の準備と連携が不十分では、たちまち押し潰されてしまうでしょう。
ご健闘を、お祈り申し上げます。
今回の依頼そのものは純然たる戦闘シナリオですが、
彼らの狙いである巨石について詳しく知りたい方がいらっしゃいましたら、
ショートシナリオ『鬼門』(2015/06/10公開)をご参照頂ければと思います。
今回は緊急任務ということで、敵戦力に対して少数のハンターで当たらねばなりません。
加えて、エルトヌスを指揮するデュラハンの実力は未知数。
ハンター側の準備と連携が不十分では、たちまち押し潰されてしまうでしょう。
ご健闘を、お祈り申し上げます。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/08/21 02:26
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 クリスティン・ガフ(ka1090) 人間(クリムゾンウェスト)|19才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/08/14 10:41:32 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/08/10 14:41:44 |