• 無し

あおひかげ【2.5】

マスター:月宵

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/08/29 09:00
リプレイ完成予定
2015/09/07 09:00

オープニング

 イチヨ族の族長、サ・ナダはハンター達を集め、インデュー族の近況を報告した。
 祭はハンター達の立案したものを元に、着々と進んでいると言う。宣伝に関しても、船で積み荷を運ぶ際にその都度実行しているそうだ。

「ただ幾つか問題も残っていて、前回のプレゼンからの問題の解決をご依頼したいのです」
 今回は、形がそれなりに出来てきているので、それを実際に手伝う方式になるそうだ。

「先ずは一つ目、山車の装飾です」

 そう言って、山車全体像を書き記した紙をハンター達に渡す。既に原型は組上がっており、真ん中に車輪。先頭には馬にも龍にも似た歪虚の面が飾ってあった。
 側面に藍染め提灯、と言う案があったのだが。行進は昼に行われるため明かりが目立たず、別案が欲しい、と言うところだ。

「二つ目、屋台に出す甘味」
 屋台には、トルティーヤに似た、蒸し鳥や豆を巻いた食べ物を出店する。だが、これの味付けはどうも大人向きなのだ。
 昼間の行進に、子供の楽器演奏体験もあるので、子供向けの食事は必要だろう。

「それから、三つ目。此方は、インデュー族の族長アキエヴェ様直々のご依頼です」
 先二つの内容は、何となくハンター達も勘づいてはいた。しかし、最後の内容は殆どのハンターが初耳であった。申し訳なさげに、ナダは小声で喋った。

「族長兼、巫女代理アキエヴェに戦舞を教えてください」

●灯火
 族長アキエヴェは早朝ある場所を訪ねた。
 灯りも無いためか、日があるのにまだ薄暗く、ただ薄汚れた絹の染め物が中央に鎮座するだけの部屋。
 インデュー族集落にある小さな社。その社の管理者でもある祭司に、彼女は話を聞きに来た。

 それはあるハンターより提案された、前族長であり母、トゥューハの英霊に出来ないかと言うものだ。

「現段階では、ほぼ不可能です」
 確かに、彼女は英霊に値する物は持ち得ているだろう。だが、全体的に信仰が足りていないのだ。そう祭司は言い切る、なんとも残念そうに。
「アキエヴェ様の言う『集落の一部』が望む、では英霊化には全く足りていないでしょう」
 幾らかの時を隔て、信仰が根付けば、英霊化も可能になるかも知れない、そう冷静に彼は付け加えてもくれた。
「……話は終わりましたね。では、ここからは父として問いましょう……出来るのか?」

 核心につくような、私事用の低い声が娘、アキエヴェは言葉が詰まる。血縁だからこそ理解できる、相手の弱いところ。
「トハ、キミには基本的に藍染の技術や商いしか教えてなかったはずだ。戦舞なんて、見たことも無いだろう」

「……ハンターの方々に、依頼しご教示を願います」
 段々とか細くなる声色。穏やかである早朝の空気に剣呑な祭司の言葉が走る。
「半月期間があるとは言え、『アレ』が出来るか?」
「それは……」
 『アレ』とはハンター達が戦舞にて、見せ場として部族に披露した演出である。拍手喝采、民達に好評だった演出だ。今更、これをなしには出来ないだろう。皮肉なのかなんなのか、草案はハンターの一人と祭司であったりする。アキエヴェは自ら能力を実感し、言葉がしどろもどろにならざるを得ない。


「甘く考えているなら、袱紗でも顔に着けて。誰かに身代わりにでもして貰った方が有益だよ?」
「っ……そのお言葉。しっかり覚えておいて下さいませ、クソ親父殿」
 祭司は社の戸を潜り、柔和な笑みを浮かべるアキエヴェと、それに似つかない大袈裟な戸が閉じまる音を聴いた。わざとらしく徐々に消えていく足音に彼はこう呟く。

「……信じているよ『キミ』の力」
 と。


 アキエヴェは朝焼けの日に、目を伏せながら歩を進めると一つのハンターの言葉が頭を過ぎった。

 ――巫女の本質は犠牲だと、俺は教えられました――

 同時に否定するように、頭を横に振った。

(そんなはずは無い。母が犠牲なんて、そんなの認められない!)


「ああ、皆さん」
 ハンター達が各自の依頼内容を確認するな中、ナダは思い出したように彼らに告げた。余程大事なことらしく、珍しく真剣に語る。

「祭事の中身も大切ですが、外身……祭事の名前も考えておいてくださいね?」

解説

 ※今回のシナリオはシナリオ『あおひかげ【1】』・『あおひかげ【2】』と関係があります。
 ※今回のシナリオは、ダイス判定がある場合があります。

 今回の目的は、インデュー族の祭事の内容を煮詰める、です。
 内容は大きく分けて『山車の装飾』・『出店のレパートリー増加』・『族長アキエヴェの戦舞練習』になります。
 上記以外にも気になることがあれば、自由にお調べ下さい。他、『祭事の名前』も考えておいてください。

 ・煮詰める内容
 今回は、実物等を使い試すことが主な仕事になります。各内容に分かれることをおすすめします。

『山車の装飾』
 昼間に集落をパレードする山車。この側面に装飾、及び演出を考える。紅から蒼への変化が見えて、昼間で目立つものが望ましい。既に、山車の原型は出来ているので実際に飾ることが可能。

『出店メニュー増加』
 昼間に出す出店の料理。大人向けの肴や辛いものはあるが、子供向けの甘味や食事が欲しい。実際に調理場を借りて、作成、味見が可能。

『族長アキエヴェの戦舞練習』
 夜に漆黒の円舞台にて、行う戦舞の練習を手伝う。アキエヴェは今まで戦舞等の舞踊の経験はない。彼女自身はやる気だが、一般人である。

 ・インデュー族とは
 山の裾野に人口50人ほど集落を持つ部族。元々は違う部族より独立。その際に先頭に立っていたトゥューハは、後に族長となり。彼女の後を娘、アキエヴェが継いでいる。しかし、彼女にトゥューハ程の力はなく、部下の統率がイマイチ。
 トーテムは『火、特に蒼い火』であり、主な生産品として藍染がある。現在、トーテムである蒼い火よりも、トゥューハ・インデューの方に信仰が向いてしまっている。

マスターより

 こんにちは、月宵です。いよいよこのシリーズも佳境です。恐らく今度こそ、次の依頼で終わるでしょう。
 『アレ』はお祭りのその時まで。イチヨ族の皆さんも、手伝いをお願いする事も出来ます。後ちょっとです、突っ走りましょう!

 それでは、ご参加お待ちしております。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/09/06 07:24

参加者一覧

  • オールラウンドプレイヤー
    柊 真司(ka0705
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • 飽くなき探求者
    久延毘 大二郎(ka1771
    人間(蒼)|22才|男性|魔術師
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • は た ら け
    鵤(ka3319
    人間(蒼)|44才|男性|機導師
  • 唯一つ、その名を
    Holmes(ka3813
    ドワーフ|8才|女性|霊闘士
  • 重装鉄壁
    八雲 奏(ka4074
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • 咲き初めし白花
    ブリジット(ka4843
    人間(紅)|16才|女性|舞刀士
  • DTよ永遠に
    水流崎トミヲ(ka4852
    人間(蒼)|27才|男性|魔術師
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
久延毘 大二郎(ka1771
人間(リアルブルー)|22才|男性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/08/29 01:31:18
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/08/26 20:46:06