ゲスト
(ka0000)
光り輝く宝石が
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/26 09:00
- リプレイ完成予定
- 2014/08/04 09:00
オープニング
●
日も落ちた頃、仄暗い洞窟の中、カンテラを揺らして進む小さな影が3つ。
雑魔が出たため禁足地とされた山の中腹に、その洞窟は崩れかけた入り口を開けている。
3人の少年はその洞窟の中を、入り口を振り返りながら慎重に歩いていた。
――洞窟の奥には光輝く宝石がある――
そんな噂話に乗せられて、大人の目を盗み忍び込んだ。
カンテラの光が何かの影を照らした。
先頭を歩いていた少年、トリィは足を止める。
「今、何か……」
何かが見えた。
それは彼の脚ほどの太さで、身の丈の数倍の長さを持ち、骨を感じさせないしなやかな動きで空間を薙いだ。
「何もいないみたいだぜ」
二番目を歩く少年、サンクが覗き込んだが、暗がりの為か、それとも既に引っ込んでしまったのか、そこには何も見えなかった。
「もう帰ろう……あまり奥に行くと……戻れなくなっても、大変だし……さ」
三番目に着いてきた少年、スエミは、何度も後ろを振り返り、入り口を確認しながら、先へ先へと進んでしまいそうな2人を呼び止める。
「平気平気」
サンクは言う。トリィは何も答えずにカンテラを持つ腕を伸ばして奥を覗き込んだ。
「なっ。大丈夫だろ」
トリィの肩をサンクが叩いた。
「……うん、見間違いだったのかな?……何も、見えな――――っ」
トリィの体が太い触手に弾かれて、柔らかい体が尖った石の壁に打ち付けられる鈍く生々しい音と、彼が放り出したカンテラの転がるカランカランと乾いた音が響いた。
地面に広がった油を燃やし、照らし出されたのは巨大な蛾、腹から二本の触手を鞭のように撓らせた異形の生き物だった。
サンクとスエミは、長く伸びた自分の影を追いながら、入り口へ走った。
触手が背中を掠める感触に追われながら、洞窟から逃げ出した2人は暗い入り口を振り返った。
トリィは、どうなってしまっただろうか。
サンクが足下に落ちていた石を拾う。
「助けに、行かねーと……」
「ま、待ってよ。危ないよ……お、おとな、の、人……呼んでこよう、ね……」
「ばか、そんなコトしたら、バレちまうだろ」
スエミの制止を振り切って、サンクはポケットに入るだけの石を詰めて、トリィの投げ出したカンテラを頼りに戻った。
スエミはぐずと鼻を啜り、涙を擦って山を下りた。
助けを呼ばなければと走る小さな体が、ぽふ、と、とある案内人にぶつかった。
●
それは、昼下がりのこと。
村長はすっかり冷めたお茶を前に案内人に向かって重い口を開いた。
この村外れを少し行った山の中腹に洞窟がある。そこには雑魔が住み着いている。
元々それは雑魔か何かも分からないただの光るだけの大ぶりの蛾で、村人は無害だと決め込んで放って置こうとする者もいた。
少し経って覗いたら、それは大きく育っていた。人の子どもの大きさくらいだったという。
村人が数人で駆除に出向いたところ、暴れるでもなく倒れて土塊になって消えたらしい。
「それがまた出てきたんで、昨日若いのが、銃を持って向かったんだが……」
そこにいたのは以前より、一、二回り大きくなった光る蛾だけではなく、その蛾の側に控えて鞭のような触手を揺らす大きな蛾、これも人の大人ほどの大きさはあったという。
「つまり、その2匹を駆除したら良いんですね? 虫退治ですか?」
虫退治、人間ほどの大きさの蛾を、それも光ったり、腹から鞭を生やしたものを、ただの虫と呼べるものかと村長は首を捻る。
「おやっさん! ウチのかみさんが、どっかの子供らが3人、禁足の洞窟に行くの見たってよぉ」
村長の家に飛び込んできた男がいた。黄昏に霞む後ろ姿でそれが誰かは分からなかったが、子供が3人連れだって、話に出ていた洞窟へ向かったという。
更に別の男も尋ねてきた。彼の息子が友人からこんな話を聞いたという。
――洞窟の奥には光輝く宝石がある――
「それ、宝石じゃなくって、虫ですからーっ」
案内人は、至急招集したハンターを先導し、手元で小さなカンテラを揺らしながら洞窟へ走った。
暗い夜道、案内人の腹に小さな体がぶつかった。
●
案内人を先頭にスエミとハンター達は洞窟へ向かって山道に入る。暗がりの中を進み、数歩の先に更に暗い口を開ける洞窟が見える。
「どうして駆除するまで待てなかったんですか……」
今更行っても詮無いことだが、2人の少年は、恐らく。
「とにかく、君は見たこと全部、洗いざらいに話して下さいよ」
カンテラの火が揺れる。その光を見て、少年はぽつりと、明るかった、と呟いた。
「逃げる時に、後ろから、光が当たっていました。眩しかった……あと、長い何かで、吹き飛ばされたみたいになって……それで、壁に……」
要領を得ない言葉が、しかし、洞窟を覗けば見て取れた。
中を覗ったその先。
トリィを助けに戻ったサンクの小さな体が、村長の話通り巨大な蛾の、腹から伸びた太い触手に弾かれた。
日も落ちた頃、仄暗い洞窟の中、カンテラを揺らして進む小さな影が3つ。
雑魔が出たため禁足地とされた山の中腹に、その洞窟は崩れかけた入り口を開けている。
3人の少年はその洞窟の中を、入り口を振り返りながら慎重に歩いていた。
――洞窟の奥には光輝く宝石がある――
そんな噂話に乗せられて、大人の目を盗み忍び込んだ。
カンテラの光が何かの影を照らした。
先頭を歩いていた少年、トリィは足を止める。
「今、何か……」
何かが見えた。
それは彼の脚ほどの太さで、身の丈の数倍の長さを持ち、骨を感じさせないしなやかな動きで空間を薙いだ。
「何もいないみたいだぜ」
二番目を歩く少年、サンクが覗き込んだが、暗がりの為か、それとも既に引っ込んでしまったのか、そこには何も見えなかった。
「もう帰ろう……あまり奥に行くと……戻れなくなっても、大変だし……さ」
三番目に着いてきた少年、スエミは、何度も後ろを振り返り、入り口を確認しながら、先へ先へと進んでしまいそうな2人を呼び止める。
「平気平気」
サンクは言う。トリィは何も答えずにカンテラを持つ腕を伸ばして奥を覗き込んだ。
「なっ。大丈夫だろ」
トリィの肩をサンクが叩いた。
「……うん、見間違いだったのかな?……何も、見えな――――っ」
トリィの体が太い触手に弾かれて、柔らかい体が尖った石の壁に打ち付けられる鈍く生々しい音と、彼が放り出したカンテラの転がるカランカランと乾いた音が響いた。
地面に広がった油を燃やし、照らし出されたのは巨大な蛾、腹から二本の触手を鞭のように撓らせた異形の生き物だった。
サンクとスエミは、長く伸びた自分の影を追いながら、入り口へ走った。
触手が背中を掠める感触に追われながら、洞窟から逃げ出した2人は暗い入り口を振り返った。
トリィは、どうなってしまっただろうか。
サンクが足下に落ちていた石を拾う。
「助けに、行かねーと……」
「ま、待ってよ。危ないよ……お、おとな、の、人……呼んでこよう、ね……」
「ばか、そんなコトしたら、バレちまうだろ」
スエミの制止を振り切って、サンクはポケットに入るだけの石を詰めて、トリィの投げ出したカンテラを頼りに戻った。
スエミはぐずと鼻を啜り、涙を擦って山を下りた。
助けを呼ばなければと走る小さな体が、ぽふ、と、とある案内人にぶつかった。
●
それは、昼下がりのこと。
村長はすっかり冷めたお茶を前に案内人に向かって重い口を開いた。
この村外れを少し行った山の中腹に洞窟がある。そこには雑魔が住み着いている。
元々それは雑魔か何かも分からないただの光るだけの大ぶりの蛾で、村人は無害だと決め込んで放って置こうとする者もいた。
少し経って覗いたら、それは大きく育っていた。人の子どもの大きさくらいだったという。
村人が数人で駆除に出向いたところ、暴れるでもなく倒れて土塊になって消えたらしい。
「それがまた出てきたんで、昨日若いのが、銃を持って向かったんだが……」
そこにいたのは以前より、一、二回り大きくなった光る蛾だけではなく、その蛾の側に控えて鞭のような触手を揺らす大きな蛾、これも人の大人ほどの大きさはあったという。
「つまり、その2匹を駆除したら良いんですね? 虫退治ですか?」
虫退治、人間ほどの大きさの蛾を、それも光ったり、腹から鞭を生やしたものを、ただの虫と呼べるものかと村長は首を捻る。
「おやっさん! ウチのかみさんが、どっかの子供らが3人、禁足の洞窟に行くの見たってよぉ」
村長の家に飛び込んできた男がいた。黄昏に霞む後ろ姿でそれが誰かは分からなかったが、子供が3人連れだって、話に出ていた洞窟へ向かったという。
更に別の男も尋ねてきた。彼の息子が友人からこんな話を聞いたという。
――洞窟の奥には光輝く宝石がある――
「それ、宝石じゃなくって、虫ですからーっ」
案内人は、至急招集したハンターを先導し、手元で小さなカンテラを揺らしながら洞窟へ走った。
暗い夜道、案内人の腹に小さな体がぶつかった。
●
案内人を先頭にスエミとハンター達は洞窟へ向かって山道に入る。暗がりの中を進み、数歩の先に更に暗い口を開ける洞窟が見える。
「どうして駆除するまで待てなかったんですか……」
今更行っても詮無いことだが、2人の少年は、恐らく。
「とにかく、君は見たこと全部、洗いざらいに話して下さいよ」
カンテラの火が揺れる。その光を見て、少年はぽつりと、明るかった、と呟いた。
「逃げる時に、後ろから、光が当たっていました。眩しかった……あと、長い何かで、吹き飛ばされたみたいになって……それで、壁に……」
要領を得ない言葉が、しかし、洞窟を覗けば見て取れた。
中を覗ったその先。
トリィを助けに戻ったサンクの小さな体が、村長の話通り巨大な蛾の、腹から伸びた太い触手に弾かれた。
解説
エネミー
光る蛾 淡く発光しているだけの大きな蛾です。時折、目を眩ませるほど強く発光するようです。
鞭の蛾 腹部より鞭のような触手を2本生やしています。
触手で突き飛ばしたり弾いたりして、動くものを近くにいるものから順に排除しようとします。
いずれも、大きく、洞窟内で回避行動を取ることは出来ませんが、羽は頑丈なようです。
また、鞭の蛾は光る蛾を庇うことがあります。
地形:真っ暗な洞窟
幅は4人並んで歩くことが出来て、3人が並んで戦える程度です。
奥行きは暗闇の為、入り口からは見通せません。
敵味方とも遮蔽となるものはありませんが、光源が無ければ周囲は非常に見えづらくなります。
配置
現在、全員で入り口に集合しています。エネミーには、まだ気付かれていません。
洞窟内は奥の方から、光る蛾、トリィ、鞭の蛾、サンクの順に並んでいます。
サンクは入り口から30メートルほど進んだところに倒れています。
その他
トリィ 怪我をして気絶しています。カンテラは燃え尽きました。
サンク 怪我をして気絶しています。石は投げ尽くしました。
2人とも、目覚めれば動くことはありますが、怪我のため、自力での逃走は不可能です。
スエミ 友人2人の安否を気にしています。
案内人 小さなカンテラを構えています。
非武装ですが、洞窟内に連れて行かなければ蛾の攻撃対象にはなりません。
光る蛾 淡く発光しているだけの大きな蛾です。時折、目を眩ませるほど強く発光するようです。
鞭の蛾 腹部より鞭のような触手を2本生やしています。
触手で突き飛ばしたり弾いたりして、動くものを近くにいるものから順に排除しようとします。
いずれも、大きく、洞窟内で回避行動を取ることは出来ませんが、羽は頑丈なようです。
また、鞭の蛾は光る蛾を庇うことがあります。
地形:真っ暗な洞窟
幅は4人並んで歩くことが出来て、3人が並んで戦える程度です。
奥行きは暗闇の為、入り口からは見通せません。
敵味方とも遮蔽となるものはありませんが、光源が無ければ周囲は非常に見えづらくなります。
配置
現在、全員で入り口に集合しています。エネミーには、まだ気付かれていません。
洞窟内は奥の方から、光る蛾、トリィ、鞭の蛾、サンクの順に並んでいます。
サンクは入り口から30メートルほど進んだところに倒れています。
その他
トリィ 怪我をして気絶しています。カンテラは燃え尽きました。
サンク 怪我をして気絶しています。石は投げ尽くしました。
2人とも、目覚めれば動くことはありますが、怪我のため、自力での逃走は不可能です。
スエミ 友人2人の安否を気にしています。
案内人 小さなカンテラを構えています。
非武装ですが、洞窟内に連れて行かなければ蛾の攻撃対象にはなりません。
マスターより
蛾は、嫌いです。
子供に気をつけて駆除して下さい。
よろしくお願いします。
子供に気をつけて駆除して下さい。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/30 21:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/22 01:03:26 |
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相談卓 クロ・トゥインクル(ka1468) 人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/07/24 20:11:29 |