ゲスト
(ka0000)
悪に強きは、善にも……?
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/09/10 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/09/19 07:30
オープニング
折れた柳の枝に、ほつれた自分のスカートから解いて取り出した絹糸を取り付けて作った簡単な釣竿で、池のほとりに座っているのは旧帝国の皇女クリームヒルトであった。
しかし、それはよくよく見なければわからないほどであった。パッと見た限りでは貧乏人の娘だと思ったことであろう。
事実、道行く人々はそれがクリームヒルトだとは気付かずそのまま通り過ぎたり、もしくは「何が釣れますか?」と茶化すように話しかける者がほとんどだった。クリームヒルトはほとんど微笑んで会釈するだけで、後はまるで時が止まったかのように日が暮れるまでただただずっとそこに座り続けていた。
「まあ。もしかしてクリームヒルト様?」
そんな彼女を名前を正確に言い当てた声の主に至り、ようやくクリームヒルトは頭を巡らせた。
身なりの良い女だった。やや旧式な衣装に結い上げた髪は一世代前の貴族のようだった。肩にパルムを乗せているのがなんとも道楽者のイメージだ。
「わたくしはアミエル。小さい時にバルトアンデルスで一度お目通りさせていただきましたのよ」
アミエルと名乗った女の自己紹介にクリームヒルトはしばし驚いた顔をしたが、過去の自分と比較されていることに気付いて、若干恥ずかしそうに顔を伏せて釣りに戻った。
「こんなところで釣りなんて、お姫様なら食べ飽きるほどのお魚があるのでは?」
「そんなことないわ。革命で城を追われた人間ですもの。まともな料理より野草を食べて暮らした生活の方が長いくらいよ」
クリームヒルトは苦笑いをしつつ、空の魚籠をそっとアミエルに見えないように自らの身体の陰に隠したのはせめてもの恥じらいであろうか。
「まあ。なんということでしょう。クリームヒルト様は帝国地方の人々のためにお金を出していたというのに?」
「アウグストという男が財布を握ってたんだけどね。結局どこにあるか分からずじまいで死んでしまったわ。私は財布も持っていないし、お金の稼ぎ方を教えてもらったこともないもの。今の私は無一文。漂泊の旅人といえば聞こえはいいかしら。浮浪者とは紙一重」
自嘲するようにクリームヒルトはそう言うと、アミエルは心配したのか興味がわいたのかその横について座った。
「ねぇ、クリームヒルト様。よろしければわたくしの家に御出でになりません? もっとお話がしたいと思いますわ」
「いいわね。私も話したいと思っていたのよ」
クリームヒルトはそう言うと、池に伸ばしていた釣り糸を引き上げた。その先には小石がつながっているだけで、仕掛けも釣り針もない。
その糸の先を見てアミエルは怪訝な顔をした。
「その釣竿で、何が釣れますの?」
「アミィっていう大物よ?」
クリームヒルトはにっこり笑い、怪訝な顔をする彼女の名前を言い当てた。
そこまで来て、ようやく自分が待ち受けられていたと気づき距離を取ろうとしたアミィであったが、クリームヒルトは即座に竿を振って彼女にその糸を絡ませて行動を阻害した後、一気に飛びかかって彼女を押さえつけた。
「ヴルツァライヒがそのままわたしを放っておくはずないって思ってたわ」
「な、な、な……」
「アウグストがお金を握っていた上にその在り処がわからないわたしは放っておいたら、きっと貧乏と空腹に耐えかねて理想より甘いエサに食いつくと思ったのよね? そして義理と人情で徐々に縛れば第二のヒルデガルドを作り出せる、とか?」
アミィは言葉を失ったことからそれは図星であることはクリームヒルトにもよく理解できた。
だが、逃亡生活を続けていた彼女にとっては多少の極貧生活など苦しくもない。高い理想では腹は膨れないと言われるが、彼女はそれで空腹を耐え抜く生活を続けてきたのだから。
「あたしをどうするつもり?」
仰々しい喋りを止めたアミィの言葉を聞いてクリームヒルトは微笑んだ。
「わたしの活動を手伝ってほしいのよ。貴女は知恵がよく回る人だと聞いたわ。人を使うのも上手だって。わたしよりもずっと賢くて色んな作戦を考えることができる。帝国の人々を助けるためにその力、貸してほしいのよ」
「はぁ!?」
その発言にアミィは目を丸くした。
「一生懸命記憶を手繰ったけれど、アミィもアミエルも旧帝国貴族の子女にはいないし顔も体も帝国系じゃないわ。という事は、帝国の人間じゃない。なのにヴルツァライヒに加担するのは……愉快犯かなと思ったんだけど。過去のしがらみのない貴女ならと思ったの。帝国の人を喜んでもらいたいの。だけどわたしにはそんな頭はないし、武力もない。お願い。力を貸して欲しいの!」
「ばっかじゃない? そんな面白味のない活動なんてお断り~っ。あたしはね、人をきりきり舞いさせるのが楽しいの!」
「うん、そう言うと思った。だけどね。わたしも諦めないよ」
クリームヒルトはにっこり笑った。その笑顔は恐ろしくも見える。
それもそうだ。彼女が空腹に耐えてでもこの瞬間のためにハンターと共にこの瞬間を待っていたのだから。
しかし、それはよくよく見なければわからないほどであった。パッと見た限りでは貧乏人の娘だと思ったことであろう。
事実、道行く人々はそれがクリームヒルトだとは気付かずそのまま通り過ぎたり、もしくは「何が釣れますか?」と茶化すように話しかける者がほとんどだった。クリームヒルトはほとんど微笑んで会釈するだけで、後はまるで時が止まったかのように日が暮れるまでただただずっとそこに座り続けていた。
「まあ。もしかしてクリームヒルト様?」
そんな彼女を名前を正確に言い当てた声の主に至り、ようやくクリームヒルトは頭を巡らせた。
身なりの良い女だった。やや旧式な衣装に結い上げた髪は一世代前の貴族のようだった。肩にパルムを乗せているのがなんとも道楽者のイメージだ。
「わたくしはアミエル。小さい時にバルトアンデルスで一度お目通りさせていただきましたのよ」
アミエルと名乗った女の自己紹介にクリームヒルトはしばし驚いた顔をしたが、過去の自分と比較されていることに気付いて、若干恥ずかしそうに顔を伏せて釣りに戻った。
「こんなところで釣りなんて、お姫様なら食べ飽きるほどのお魚があるのでは?」
「そんなことないわ。革命で城を追われた人間ですもの。まともな料理より野草を食べて暮らした生活の方が長いくらいよ」
クリームヒルトは苦笑いをしつつ、空の魚籠をそっとアミエルに見えないように自らの身体の陰に隠したのはせめてもの恥じらいであろうか。
「まあ。なんということでしょう。クリームヒルト様は帝国地方の人々のためにお金を出していたというのに?」
「アウグストという男が財布を握ってたんだけどね。結局どこにあるか分からずじまいで死んでしまったわ。私は財布も持っていないし、お金の稼ぎ方を教えてもらったこともないもの。今の私は無一文。漂泊の旅人といえば聞こえはいいかしら。浮浪者とは紙一重」
自嘲するようにクリームヒルトはそう言うと、アミエルは心配したのか興味がわいたのかその横について座った。
「ねぇ、クリームヒルト様。よろしければわたくしの家に御出でになりません? もっとお話がしたいと思いますわ」
「いいわね。私も話したいと思っていたのよ」
クリームヒルトはそう言うと、池に伸ばしていた釣り糸を引き上げた。その先には小石がつながっているだけで、仕掛けも釣り針もない。
その糸の先を見てアミエルは怪訝な顔をした。
「その釣竿で、何が釣れますの?」
「アミィっていう大物よ?」
クリームヒルトはにっこり笑い、怪訝な顔をする彼女の名前を言い当てた。
そこまで来て、ようやく自分が待ち受けられていたと気づき距離を取ろうとしたアミィであったが、クリームヒルトは即座に竿を振って彼女にその糸を絡ませて行動を阻害した後、一気に飛びかかって彼女を押さえつけた。
「ヴルツァライヒがそのままわたしを放っておくはずないって思ってたわ」
「な、な、な……」
「アウグストがお金を握っていた上にその在り処がわからないわたしは放っておいたら、きっと貧乏と空腹に耐えかねて理想より甘いエサに食いつくと思ったのよね? そして義理と人情で徐々に縛れば第二のヒルデガルドを作り出せる、とか?」
アミィは言葉を失ったことからそれは図星であることはクリームヒルトにもよく理解できた。
だが、逃亡生活を続けていた彼女にとっては多少の極貧生活など苦しくもない。高い理想では腹は膨れないと言われるが、彼女はそれで空腹を耐え抜く生活を続けてきたのだから。
「あたしをどうするつもり?」
仰々しい喋りを止めたアミィの言葉を聞いてクリームヒルトは微笑んだ。
「わたしの活動を手伝ってほしいのよ。貴女は知恵がよく回る人だと聞いたわ。人を使うのも上手だって。わたしよりもずっと賢くて色んな作戦を考えることができる。帝国の人々を助けるためにその力、貸してほしいのよ」
「はぁ!?」
その発言にアミィは目を丸くした。
「一生懸命記憶を手繰ったけれど、アミィもアミエルも旧帝国貴族の子女にはいないし顔も体も帝国系じゃないわ。という事は、帝国の人間じゃない。なのにヴルツァライヒに加担するのは……愉快犯かなと思ったんだけど。過去のしがらみのない貴女ならと思ったの。帝国の人を喜んでもらいたいの。だけどわたしにはそんな頭はないし、武力もない。お願い。力を貸して欲しいの!」
「ばっかじゃない? そんな面白味のない活動なんてお断り~っ。あたしはね、人をきりきり舞いさせるのが楽しいの!」
「うん、そう言うと思った。だけどね。わたしも諦めないよ」
クリームヒルトはにっこり笑った。その笑顔は恐ろしくも見える。
それもそうだ。彼女が空腹に耐えてでもこの瞬間のためにハンターと共にこの瞬間を待っていたのだから。
解説
クリームヒルトは帝国の人々(主に貧富が激しい地方)を旧帝国皇族の一人として支援する為に活動を開始するにあたり、参謀役としてヴルツァライヒのアミィを登用しようと考え、彼女を捕まえることに成功しました。
これより説得作業を行いますので、そのお手伝いをお願いします。
●目標
アミィの説得
●成功段階
どれだけ心服してくれるかの目安になります。
大成功は無条件でしかも全面協力を約束。
普通で、仕事上の契約として働く程度。
失敗以下は、裏切る気でいます。今後のシナリオで注意すべきことが増えます。
交渉系スキルが役に立ちます。
●アミィについて
『人形使い』アミィ。人間、女、20代半ば
変装や偽造などを使って人や組織を仲違いさせたり、陥れたりするのが得意な女性です。
享楽的で悪戯好き。
帝国に突き出したら即座に捕まるレベルのことをいくつかやってます。
パルムを連れています。名前はアーシェ。一緒に捕まってます。
●その他
NPCとしてクリームヒルトが同行しますので、アミィへの雇用条件やその他質問等はそちらでお願いします。
これより説得作業を行いますので、そのお手伝いをお願いします。
●目標
アミィの説得
●成功段階
どれだけ心服してくれるかの目安になります。
大成功は無条件でしかも全面協力を約束。
普通で、仕事上の契約として働く程度。
失敗以下は、裏切る気でいます。今後のシナリオで注意すべきことが増えます。
交渉系スキルが役に立ちます。
●アミィについて
『人形使い』アミィ。人間、女、20代半ば
変装や偽造などを使って人や組織を仲違いさせたり、陥れたりするのが得意な女性です。
享楽的で悪戯好き。
帝国に突き出したら即座に捕まるレベルのことをいくつかやってます。
パルムを連れています。名前はアーシェ。一緒に捕まってます。
●その他
NPCとしてクリームヒルトが同行しますので、アミィへの雇用条件やその他質問等はそちらでお願いします。
マスターより
クリームヒルトとしてはハンターに信頼してますのでこれからの活動を皆様と協力すればいいんですが
1から10までハンターとずっと一緒ではできないこともあるというマスターの下心もあり。
アミィへの交渉がメインですが、同時にクリームヒルトにこれからどんな活動をしてほしいかを具体的にリクエストできる場でもあります。
シナリオの方向性を皆で決めていきたいなと思います。
1から10までハンターとずっと一緒ではできないこともあるというマスターの下心もあり。
アミィへの交渉がメインですが、同時にクリームヒルトにこれからどんな活動をしてほしいかを具体的にリクエストできる場でもあります。
シナリオの方向性を皆で決めていきたいなと思います。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/09/12 04:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/08/30 20:18:36 |
|
![]() |
説得作業のお手伝い 無限 馨(ka0544) 人間(リアルブルー)|22才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/09/13 22:27:54 |