ゲスト
(ka0000)
【深棲】大海の捕食者たち
マスター:えーてる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/25 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/08/03 19:00
オープニング
小型船が数隻、港へ向けて全速力で進んでいた。
「全員急げ! 港まで帰るぞ!」
「おやっさん、来ます!」
「相手をするな! 身を屈めてやり過ごせ!」
言うが早いか、それは海面から飛び出してきた。鮫にも似た雑魔がだ。
数匹群れを成して襲いかかるそれらに、漁師たちはパニックに陥った。
「くそっ、なんだってこんなとこに!」
バチン! と頭上で鋭く閉じる顎に肝を冷やしながら、リーダーは悪態をついた。
彼らはいつもどおりに沿岸まで漁をしにきた。仕掛けた網を回収し、その網がいくつも食い破られていることに気付いた段階で、リーダーは撤退を叫んだ。それでも遅かった。
辺りの魚は雑魔が全て食い荒らしていた。それに飽きたらず、奴らは水中から飛び出し船上の漁師たちへと襲いかかったのだ。
鮫の胴体に、タコの腕を尾のように垂らし、トビウオの翼のようなヒレを持つ、異形の雑魔。
今まで誰も欠けずにここまでこれたのは幸運でしかなかった。
「うわああっ!? 来るな、来るなぁ!」
「ジャック慌てるな! 蹴落とせ!」
船上で鮫の巨体が暴れ回り、その鋭利でおぞましい顎を何度も閉じて、執拗に漁師を狙っていた。船が危うい揺れを繰り返し、舵がブレる。
リーダーの言葉に男は必死で足を動かし、いくつかの撒き餌や漁獲した魚と共にそれを水中へと蹴落とした。素早く軌道を修正した小型船は、どうにか転覆せずに済んだようだった。
「ジャック、大丈夫か!」
「はぁーっ、はぁーっ……えぇ、なんとか大丈夫っすよ」
「他に被害は!」
「マルクが肩をやられました!」
「う、腕、俺の腕が……!」
呻く漁師の遥か向こうで、ひたすらに咀嚼された後に吐き捨てられた腕が、ぷかりと浮かんだ。
奴らの噛み付きは食事行動ではない。奴らはただ、物を噛んで引き裂くことだけが存在意義なのだ。だから捕らえた獲物は吐き捨てるし、また腹が満たされることもない。
「狂ってやがる……!」
被害が大きい。このまま襲われていたのでは保たない。リーダーは必死にどうするかを考えるが、妙案は思い浮かばなかった。
「リーダー、あれを!」
その時、一人の漁師が先程蹴落とされた雑魔の辺りを指差した。
蹴落とされた撒き餌や魚に雑魔が群がり、その進軍が遅れていた。所詮は獣、目の前に餌があるなら食いつかずにはいられないのだろう。
「――こいつぁいい。ジャック、よくやった!」
「へっ?」
「お前ら! 魚も餌も丸ごと海にぶち撒けろ!」
反応は即座にあった。
海中へと落とされた餌へと一斉に群がる雑魔たち。注意は明らかに漁師から魚や餌へと移っており、追跡はそれらを食いつくすまで中断された。
「今のうちに帰るぞ! こいつらのことを伝えなきゃならん!」
漁師たちの歓声に大声で答え、リーダーは舵を切った。
雑魔討伐の依頼がハンターオフィスに届けられたのは、それから半日が過ぎた頃だった。
「今回の依頼は、沿岸海域に出現した雑魔の討伐になります」
メガネの麗しい受付嬢は、そう話を切り出した。
「鮫に似た形状の雑魔が、沿岸の漁場を荒らしているようです。個々の性能は決して高くありませんが、普段は水中にいるため、手出しがしづらくなっています。加えてそれなり以上の数の群れで行動しているようです」
目撃情報から類推された特徴は以下の通りだ。
鮫型であり、ヒレと牙を持つ肉食の雑魔。食料に対して見境なく直進していく。生前の食事行動の模倣のようで、物を噛み千切る行為自体に重点が置かれていると推測される。空腹を満たすわけではないため、牙による殺傷行為に終わりはない。
水面からのジャンプで小型船を飛び越えられるほどの距離と高さを出せる。これにより水上の獲物に対しても攻撃が可能。そうでありながら、普段はこちらの手の届かない水中へと身を潜めている。
少なくない人数が怪我を負い、漁師たちはほうぼうの体で港へと逃げ帰ってきた様子。
「何よりの問題は、これら雑魔の縄張りは優れた漁場にあるという点です。このまま雑魔の占拠を許した場合、沿岸・沖合漁業に大きな影響が予想されます。また周辺区域の魚を狩り尽くした後には移動することが予想されますが、そこからどこへ向かうかは不明です。被害拡大の前に、早急な対処が求められています」
そこで討伐の方法ですが、と受付嬢はメガネを押し上げた。
「漁師組合から、小型船を三隻借り受ける手筈となっております。動力は一般人でも操作可能な機導装置ですから、皆様にも操縦は可能でしょう。これにより件の海域まで出た後、撒き餌によって敵を海上におびき寄せ、討伐するというのがこちらが提示するプランとなります」
付け加えるように机に置かれた書類には、雑魔は単純により簡単な食料へと群がる性質があるとの目撃情報が書き記されていた。即ち、水上と水中では水中の獲物を優先的に狙う。
「ですが小型船では撒き餌を積み込める量にも限界があります。一隻につき二回分の撒き餌が限度でしょう。撒き餌一度に対して五匹程度が寄ってくるようですので、一度ごとに確実な殲滅を推奨します」
そこまで語り終えると、受付嬢は追加の書類を机に置いて一礼した。
「対処を間違えなければ難しい依頼ではありません。受注するならば、こちらに署名をお願い致します」
「全員急げ! 港まで帰るぞ!」
「おやっさん、来ます!」
「相手をするな! 身を屈めてやり過ごせ!」
言うが早いか、それは海面から飛び出してきた。鮫にも似た雑魔がだ。
数匹群れを成して襲いかかるそれらに、漁師たちはパニックに陥った。
「くそっ、なんだってこんなとこに!」
バチン! と頭上で鋭く閉じる顎に肝を冷やしながら、リーダーは悪態をついた。
彼らはいつもどおりに沿岸まで漁をしにきた。仕掛けた網を回収し、その網がいくつも食い破られていることに気付いた段階で、リーダーは撤退を叫んだ。それでも遅かった。
辺りの魚は雑魔が全て食い荒らしていた。それに飽きたらず、奴らは水中から飛び出し船上の漁師たちへと襲いかかったのだ。
鮫の胴体に、タコの腕を尾のように垂らし、トビウオの翼のようなヒレを持つ、異形の雑魔。
今まで誰も欠けずにここまでこれたのは幸運でしかなかった。
「うわああっ!? 来るな、来るなぁ!」
「ジャック慌てるな! 蹴落とせ!」
船上で鮫の巨体が暴れ回り、その鋭利でおぞましい顎を何度も閉じて、執拗に漁師を狙っていた。船が危うい揺れを繰り返し、舵がブレる。
リーダーの言葉に男は必死で足を動かし、いくつかの撒き餌や漁獲した魚と共にそれを水中へと蹴落とした。素早く軌道を修正した小型船は、どうにか転覆せずに済んだようだった。
「ジャック、大丈夫か!」
「はぁーっ、はぁーっ……えぇ、なんとか大丈夫っすよ」
「他に被害は!」
「マルクが肩をやられました!」
「う、腕、俺の腕が……!」
呻く漁師の遥か向こうで、ひたすらに咀嚼された後に吐き捨てられた腕が、ぷかりと浮かんだ。
奴らの噛み付きは食事行動ではない。奴らはただ、物を噛んで引き裂くことだけが存在意義なのだ。だから捕らえた獲物は吐き捨てるし、また腹が満たされることもない。
「狂ってやがる……!」
被害が大きい。このまま襲われていたのでは保たない。リーダーは必死にどうするかを考えるが、妙案は思い浮かばなかった。
「リーダー、あれを!」
その時、一人の漁師が先程蹴落とされた雑魔の辺りを指差した。
蹴落とされた撒き餌や魚に雑魔が群がり、その進軍が遅れていた。所詮は獣、目の前に餌があるなら食いつかずにはいられないのだろう。
「――こいつぁいい。ジャック、よくやった!」
「へっ?」
「お前ら! 魚も餌も丸ごと海にぶち撒けろ!」
反応は即座にあった。
海中へと落とされた餌へと一斉に群がる雑魔たち。注意は明らかに漁師から魚や餌へと移っており、追跡はそれらを食いつくすまで中断された。
「今のうちに帰るぞ! こいつらのことを伝えなきゃならん!」
漁師たちの歓声に大声で答え、リーダーは舵を切った。
雑魔討伐の依頼がハンターオフィスに届けられたのは、それから半日が過ぎた頃だった。
「今回の依頼は、沿岸海域に出現した雑魔の討伐になります」
メガネの麗しい受付嬢は、そう話を切り出した。
「鮫に似た形状の雑魔が、沿岸の漁場を荒らしているようです。個々の性能は決して高くありませんが、普段は水中にいるため、手出しがしづらくなっています。加えてそれなり以上の数の群れで行動しているようです」
目撃情報から類推された特徴は以下の通りだ。
鮫型であり、ヒレと牙を持つ肉食の雑魔。食料に対して見境なく直進していく。生前の食事行動の模倣のようで、物を噛み千切る行為自体に重点が置かれていると推測される。空腹を満たすわけではないため、牙による殺傷行為に終わりはない。
水面からのジャンプで小型船を飛び越えられるほどの距離と高さを出せる。これにより水上の獲物に対しても攻撃が可能。そうでありながら、普段はこちらの手の届かない水中へと身を潜めている。
少なくない人数が怪我を負い、漁師たちはほうぼうの体で港へと逃げ帰ってきた様子。
「何よりの問題は、これら雑魔の縄張りは優れた漁場にあるという点です。このまま雑魔の占拠を許した場合、沿岸・沖合漁業に大きな影響が予想されます。また周辺区域の魚を狩り尽くした後には移動することが予想されますが、そこからどこへ向かうかは不明です。被害拡大の前に、早急な対処が求められています」
そこで討伐の方法ですが、と受付嬢はメガネを押し上げた。
「漁師組合から、小型船を三隻借り受ける手筈となっております。動力は一般人でも操作可能な機導装置ですから、皆様にも操縦は可能でしょう。これにより件の海域まで出た後、撒き餌によって敵を海上におびき寄せ、討伐するというのがこちらが提示するプランとなります」
付け加えるように机に置かれた書類には、雑魔は単純により簡単な食料へと群がる性質があるとの目撃情報が書き記されていた。即ち、水上と水中では水中の獲物を優先的に狙う。
「ですが小型船では撒き餌を積み込める量にも限界があります。一隻につき二回分の撒き餌が限度でしょう。撒き餌一度に対して五匹程度が寄ってくるようですので、一度ごとに確実な殲滅を推奨します」
そこまで語り終えると、受付嬢は追加の書類を机に置いて一礼した。
「対処を間違えなければ難しい依頼ではありません。受注するならば、こちらに署名をお願い致します」
解説
・目標
鮫型雑魔の全滅
・戦場情報
足場の限定された戦場です。
三×一マス分のスクエアを持つ船が三つ、三マス分の距離を開けて並列されています。PCの配置位置は船上であれば自由です。
移動力さえ足りていれば、船から船へ飛び移ることが可能です。水中に落ちた場合は水中戦闘ルールが適用されます。
船の移動も可能です。その場合はPC一人がメインアクションを消費する必要があり、船の移動力は三となります。
船上でのみメインアクションを消費して撒き餌を行うことが出来ます。
撒き餌を行ったマスへ向けて、最も近い五体の雑魔がサブアクションで移動し、水面へ浮上します。
彼らは次のメインアクションを食事のために消費します。
撒き餌は船一つに二回分積まれています。
・敵情報
鮫型雑魔十五体
鮫とトビウオと軟体生物が合わさったような雑魔です。
速度は遅く、耐久力は低く回避能力も低いため、倒すこと自体は難しくありません。ハンターの平均的な攻撃力ならば二発で倒すことが出来るでしょう。
水中での移動力は常に五、地上での移動力は常にゼロです。
敵は普段はこちらの攻撃の届かない海中に潜んでいます。
大まかな位置は確認出来ますが、射程外と考えてください。
非常に高い威力の飛びかかり噛み付き攻撃を主とします。
五マスの移動を行いながらの単体攻撃となります。射線上に複数の対象がいた場合もそのうち一人だけに攻撃します。
また、攻撃対象をなるべく飛びかかり移動の三マス目に捉えるようにして攻撃してきます。
攻撃を受けた場合、一定確率で落船します。
何らかの理由で船上にいる場合、平均的な威力の暴れる攻撃を行います。
近接範囲全周囲への攻撃です。攻撃を行った後、ランダムに一マス移動します。
・アドバイス
撒き餌を使わなくても、船上に誘き出せば攻撃は可能です。
鮫型雑魔の全滅
・戦場情報
足場の限定された戦場です。
三×一マス分のスクエアを持つ船が三つ、三マス分の距離を開けて並列されています。PCの配置位置は船上であれば自由です。
移動力さえ足りていれば、船から船へ飛び移ることが可能です。水中に落ちた場合は水中戦闘ルールが適用されます。
船の移動も可能です。その場合はPC一人がメインアクションを消費する必要があり、船の移動力は三となります。
船上でのみメインアクションを消費して撒き餌を行うことが出来ます。
撒き餌を行ったマスへ向けて、最も近い五体の雑魔がサブアクションで移動し、水面へ浮上します。
彼らは次のメインアクションを食事のために消費します。
撒き餌は船一つに二回分積まれています。
・敵情報
鮫型雑魔十五体
鮫とトビウオと軟体生物が合わさったような雑魔です。
速度は遅く、耐久力は低く回避能力も低いため、倒すこと自体は難しくありません。ハンターの平均的な攻撃力ならば二発で倒すことが出来るでしょう。
水中での移動力は常に五、地上での移動力は常にゼロです。
敵は普段はこちらの攻撃の届かない海中に潜んでいます。
大まかな位置は確認出来ますが、射程外と考えてください。
非常に高い威力の飛びかかり噛み付き攻撃を主とします。
五マスの移動を行いながらの単体攻撃となります。射線上に複数の対象がいた場合もそのうち一人だけに攻撃します。
また、攻撃対象をなるべく飛びかかり移動の三マス目に捉えるようにして攻撃してきます。
攻撃を受けた場合、一定確率で落船します。
何らかの理由で船上にいる場合、平均的な威力の暴れる攻撃を行います。
近接範囲全周囲への攻撃です。攻撃を行った後、ランダムに一マス移動します。
・アドバイス
撒き餌を使わなくても、船上に誘き出せば攻撃は可能です。
マスターより
初めまして。この度マスター業務に参加いたしました、えーてると申します。
よろしくお願い致します。
今依頼についてはオープニングと解説の通りです。攻撃の届かぬ水中の敵を上手く誘き出して、残さず殲滅してください。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしております。
よろしくお願い致します。
今依頼についてはオープニングと解説の通りです。攻撃の届かぬ水中の敵を上手く誘き出して、残さず殲滅してください。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/08/02 20:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 神楽(ka2032) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/07/25 07:17:14 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/23 19:34:41 |