ゲスト
(ka0000)
救世主サマ
マスター:ぴえーる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/09/13 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/09/22 09:00
オープニング
●森の中
「だ、誰か助けて……」
村から少し外れた森の中、一人の農夫は一匹のコボルトを前にして、尻もちをついたまま恐怖にひきつった表情を浮かべていた。
男とて、森の奥に近づくとコボルトが巣食っていたことは知っていたのだが、それがいざ自分の身に降りかかるまではどこか他人事のように考えていた。
――その結果がこれだ。
コボルトは銀色に煌めく短剣を右手で握りしめて、鋭い目つきで男を見下ろしていた。
興奮したように口の端に涎を溜めたコボルトは、次の瞬間男の脳天目がけて短剣を振り落とした。
「――ひっ」
恐怖のあまり引きつった声を漏らした男だが、コボルトの短剣が男の脳天を突き刺すことはなかった。
「ねえ、大丈夫?」
そう言って、手を伸ばしてきた彼女の姿は太陽に照らされていたことも相まって、救いを差し伸べてくれる女神様に見えた。
そして、コボルトをやっつけたのが彼女であると、男が気付いたのは、それから数秒後のことであった。
●救世主の正体
「う~ん、やっぱりいつ来ても、別荘は空気が新鮮でおいしいっ。人助けもできたし、気分は最高ねっ」
コボルトをやっつけたセリカ・アリエールは、肺一杯に空気をため込んで、太陽を全身で浴びながら大きく伸びをした。新鮮な田舎の空気は、人助けをしたことで、いつもの数倍以上も爽やかに感じられる。
普段は都会の箱入りお嬢さまとして両親に大切に育てられているセリカだが、その正体は覚醒者であり、今日は厳しい親の元を離れて、田舎にあるアリエール家所有の別荘に遊びに来ていた。
本人としては、せっかく覚醒者になったのだから、覚醒者として力を磨いていきたいという思いがあるだが、親の方針でそれは許されていない。そのため鬱憤が溜まる毎日が続いていた。
周囲の緑と太陽の光がセリカの全身に降り注ぎ、自然と気分も高揚する。いつもの窮屈な生活から解放されたのだからなおさらだ。
「お嬢さま。お言葉ですが、いくら母様と父様の目がないからと言って、あのような無茶はこれっきりでお願いします」
彼女の隣に付き従う老齢の執事が、銀縁の眼鏡を光らせて言う。
「もうわかってるってば。せっかく色んなしがらみから解放されたんだから、小言は後にしてよね」
手をひらひらとさせて執事をあしらうお嬢さま。
別荘へ向かう道すがら、セリカ達はたまたま男がコボルトに襲われている現場に遭遇した。
普段からお転婆で腕っ節に自信があるセリカが、その現場を見つけるや否やすぐさまコボルトへと接近し、男が襲われる直前に一撃でコボルトを仕留めてみせたのだった。
その余韻は、森を抜けた先の村の中にある別荘にたどり着いてからも残ったままであり、セリカはまたああいう場面に遭遇できないものかとうずうずしていた。
そんな彼女を見て、執事のタックは内心で嫌な予感を覚えていた。
――そして、当然のようにその嫌な予感は当たるのであった。
●コボルトに悩まされる村人
「我々を救って下さい」
アリエール家の別荘の玄関の前で頭を下げているのは、昨日セリカに命を救われた男である。
さらにその後ろには彼だけでなく、数人の男が神妙な面持ちで並んでいる。
「えーっと、いきなりどうしたのかな……?」
大の大人が、まだ幼さを残している少女に頭を下げるという光景は傍から見ても異様である。当の本人のセリカも困惑の表情を浮かべるしかできない状況であり、執事のタックはいぶかしげな表情でセリカの後ろから男達を眺めている。
「実は――」
男は俯いたまま、低い声で切り出した。
男の話を要約すると、村付近に出現するコボルトは昨日セリカがやっつけた一体だけでなく、森の奥のほうに集まっているとのことである。これまではよほど森の奥まで行かなければ遭遇することも襲われることもなかったため、刺激しないように放置していたのだが、昨日、男が襲われたことで、本格的に村全体でコボルト退治へと方針を固めたという。
その話を聞いて、真っ先に言葉を発したのはタックだった。
「お嬢さま、お言葉ですが、コボルトの退治はハンターに任せるべきです。お嬢さまが腕っ節に自信を持っていることは理解しておりますが、それでもコボルトの巣に飛び込むなんてあまりに危険です」
「む~、それはわかってるけど。アリエール家の人間が困っている人間を見捨てろって言うの?」
唇を尖らせて反論するセリカ。
「お嬢さまの気持ち、理解しました。しかし一人というのは危険です。ここは本業であるハンターにお願いして、お嬢さまが彼らの案内役としてついていくということでどうでしょうか?」
「う~ん、それならまあいっか」
セリカは心から納得している様子ではなさそうだったが、タックはセリカに話の主導権を渡すことなく、このまま話を進めることにした。
「というわけですので、ギルドに依頼を出します。詳しい状況を教えて下さい。私のほうから依頼を出しておきます」
男達は安堵の表情を浮かべて、コボルトの情報を話し始めたのだった。
●ギルドにて
「今回の任務は、村近くに発生しているコボルトの殲滅です」
そこで一旦言葉を切って、受付は集まったハンターの顔を見渡す。
「ただ、今回はハンターではない一般人の女性が同行することとなり、同行する女性についてなのですが、依頼人からメッセージを預かっております」
『お転婆がすぎるお嬢さまですが、ハンターの皆様には劣るとは言え、腕っ節は本物です。本人が納得する程度に活躍の場を与えていただければ本人も喜ぶことでしょう。無茶なお願いなのは承知ですが、どうかよろしくお願いいたします』
「以上になります。それではよろしくお願いいたします」
「だ、誰か助けて……」
村から少し外れた森の中、一人の農夫は一匹のコボルトを前にして、尻もちをついたまま恐怖にひきつった表情を浮かべていた。
男とて、森の奥に近づくとコボルトが巣食っていたことは知っていたのだが、それがいざ自分の身に降りかかるまではどこか他人事のように考えていた。
――その結果がこれだ。
コボルトは銀色に煌めく短剣を右手で握りしめて、鋭い目つきで男を見下ろしていた。
興奮したように口の端に涎を溜めたコボルトは、次の瞬間男の脳天目がけて短剣を振り落とした。
「――ひっ」
恐怖のあまり引きつった声を漏らした男だが、コボルトの短剣が男の脳天を突き刺すことはなかった。
「ねえ、大丈夫?」
そう言って、手を伸ばしてきた彼女の姿は太陽に照らされていたことも相まって、救いを差し伸べてくれる女神様に見えた。
そして、コボルトをやっつけたのが彼女であると、男が気付いたのは、それから数秒後のことであった。
●救世主の正体
「う~ん、やっぱりいつ来ても、別荘は空気が新鮮でおいしいっ。人助けもできたし、気分は最高ねっ」
コボルトをやっつけたセリカ・アリエールは、肺一杯に空気をため込んで、太陽を全身で浴びながら大きく伸びをした。新鮮な田舎の空気は、人助けをしたことで、いつもの数倍以上も爽やかに感じられる。
普段は都会の箱入りお嬢さまとして両親に大切に育てられているセリカだが、その正体は覚醒者であり、今日は厳しい親の元を離れて、田舎にあるアリエール家所有の別荘に遊びに来ていた。
本人としては、せっかく覚醒者になったのだから、覚醒者として力を磨いていきたいという思いがあるだが、親の方針でそれは許されていない。そのため鬱憤が溜まる毎日が続いていた。
周囲の緑と太陽の光がセリカの全身に降り注ぎ、自然と気分も高揚する。いつもの窮屈な生活から解放されたのだからなおさらだ。
「お嬢さま。お言葉ですが、いくら母様と父様の目がないからと言って、あのような無茶はこれっきりでお願いします」
彼女の隣に付き従う老齢の執事が、銀縁の眼鏡を光らせて言う。
「もうわかってるってば。せっかく色んなしがらみから解放されたんだから、小言は後にしてよね」
手をひらひらとさせて執事をあしらうお嬢さま。
別荘へ向かう道すがら、セリカ達はたまたま男がコボルトに襲われている現場に遭遇した。
普段からお転婆で腕っ節に自信があるセリカが、その現場を見つけるや否やすぐさまコボルトへと接近し、男が襲われる直前に一撃でコボルトを仕留めてみせたのだった。
その余韻は、森を抜けた先の村の中にある別荘にたどり着いてからも残ったままであり、セリカはまたああいう場面に遭遇できないものかとうずうずしていた。
そんな彼女を見て、執事のタックは内心で嫌な予感を覚えていた。
――そして、当然のようにその嫌な予感は当たるのであった。
●コボルトに悩まされる村人
「我々を救って下さい」
アリエール家の別荘の玄関の前で頭を下げているのは、昨日セリカに命を救われた男である。
さらにその後ろには彼だけでなく、数人の男が神妙な面持ちで並んでいる。
「えーっと、いきなりどうしたのかな……?」
大の大人が、まだ幼さを残している少女に頭を下げるという光景は傍から見ても異様である。当の本人のセリカも困惑の表情を浮かべるしかできない状況であり、執事のタックはいぶかしげな表情でセリカの後ろから男達を眺めている。
「実は――」
男は俯いたまま、低い声で切り出した。
男の話を要約すると、村付近に出現するコボルトは昨日セリカがやっつけた一体だけでなく、森の奥のほうに集まっているとのことである。これまではよほど森の奥まで行かなければ遭遇することも襲われることもなかったため、刺激しないように放置していたのだが、昨日、男が襲われたことで、本格的に村全体でコボルト退治へと方針を固めたという。
その話を聞いて、真っ先に言葉を発したのはタックだった。
「お嬢さま、お言葉ですが、コボルトの退治はハンターに任せるべきです。お嬢さまが腕っ節に自信を持っていることは理解しておりますが、それでもコボルトの巣に飛び込むなんてあまりに危険です」
「む~、それはわかってるけど。アリエール家の人間が困っている人間を見捨てろって言うの?」
唇を尖らせて反論するセリカ。
「お嬢さまの気持ち、理解しました。しかし一人というのは危険です。ここは本業であるハンターにお願いして、お嬢さまが彼らの案内役としてついていくということでどうでしょうか?」
「う~ん、それならまあいっか」
セリカは心から納得している様子ではなさそうだったが、タックはセリカに話の主導権を渡すことなく、このまま話を進めることにした。
「というわけですので、ギルドに依頼を出します。詳しい状況を教えて下さい。私のほうから依頼を出しておきます」
男達は安堵の表情を浮かべて、コボルトの情報を話し始めたのだった。
●ギルドにて
「今回の任務は、村近くに発生しているコボルトの殲滅です」
そこで一旦言葉を切って、受付は集まったハンターの顔を見渡す。
「ただ、今回はハンターではない一般人の女性が同行することとなり、同行する女性についてなのですが、依頼人からメッセージを預かっております」
『お転婆がすぎるお嬢さまですが、ハンターの皆様には劣るとは言え、腕っ節は本物です。本人が納得する程度に活躍の場を与えていただければ本人も喜ぶことでしょう。無茶なお願いなのは承知ですが、どうかよろしくお願いいたします』
「以上になります。それではよろしくお願いいたします」
解説
・必ずしも一回の戦闘ですべてのコボルトを全滅させる必要はありませんが、村の平和を守るためにもコボルトの殲滅は避けては通れません。
・集団相手には厳しいかもしれませんが、いちおう覚醒者であるセリカもタイマンならばコボルトと渡り合えるだけの力は持っています。守るばかりではなく、いざというときは彼女の力を借りるというのも必要ですし、タックからの依頼の一部である彼女を立てるという内容を満たす必要があります。
・上記の話に加えて、コボルトの殲滅は第一優先事項ですが、向こう見ずなセリカに戦闘の危険さを伝えるのも大切なことだと思います。そのために、敢えて彼女自身に戦闘の危険さを身を以て味わってもらうのも戦闘を家業とするハンターとしての示しに繋がることもあるでしょう。
・今回出現するコボルト単体の戦闘能力はさほどでもないが、集団戦闘になるということを忘れずに。コボルト全員が同じ戦闘力とは限りません。
・ただしコボルトのたちの武器は、セリカが倒したコボルトと同じように短剣のみを所持しています。飛び道具の類の所持はありません。
・集団を作るとなると、必ずそれを治める存在というものが出てきます。その存在にも注意を払いましょう。
・集団相手には厳しいかもしれませんが、いちおう覚醒者であるセリカもタイマンならばコボルトと渡り合えるだけの力は持っています。守るばかりではなく、いざというときは彼女の力を借りるというのも必要ですし、タックからの依頼の一部である彼女を立てるという内容を満たす必要があります。
・上記の話に加えて、コボルトの殲滅は第一優先事項ですが、向こう見ずなセリカに戦闘の危険さを伝えるのも大切なことだと思います。そのために、敢えて彼女自身に戦闘の危険さを身を以て味わってもらうのも戦闘を家業とするハンターとしての示しに繋がることもあるでしょう。
・今回出現するコボルト単体の戦闘能力はさほどでもないが、集団戦闘になるということを忘れずに。コボルト全員が同じ戦闘力とは限りません。
・ただしコボルトのたちの武器は、セリカが倒したコボルトと同じように短剣のみを所持しています。飛び道具の類の所持はありません。
・集団を作るとなると、必ずそれを治める存在というものが出てきます。その存在にも注意を払いましょう。
マスターより
みなさんこんにちは。ぴえーると申します。
今回の任務はオーソドックスにコボルトの殲滅です。
時間制限も特にありませんので、個々の力、あるいは仲間との連携を取って、村人達の脅威を取り除いて下さい。
ただやはり普通の任務と違うのは同行者の存在です。戦闘に関しては素人だけど、覚醒者であり素人にしては腕が立つセリカという少女をどのように扱うのか、そのへんも問題になってくるところですね。
それでは挨拶はこのあたりにして、みなさんのご武運をお祈りしております。
今回の任務はオーソドックスにコボルトの殲滅です。
時間制限も特にありませんので、個々の力、あるいは仲間との連携を取って、村人達の脅威を取り除いて下さい。
ただやはり普通の任務と違うのは同行者の存在です。戦闘に関しては素人だけど、覚醒者であり素人にしては腕が立つセリカという少女をどのように扱うのか、そのへんも問題になってくるところですね。
それでは挨拶はこのあたりにして、みなさんのご武運をお祈りしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/09/18 00:59
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/09/11 09:21:10 |
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相談卓 守屋 昭二(ka5069) 人間(リアルブルー)|92才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2015/09/13 00:33:22 |