ゲスト
(ka0000)
【聖呪】世の中は『厳しさ』に溢れている
マスター:赤山優牙

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/09/15 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/09/29 22:00
オープニング
●厳しさを知った男
「命があっただけでも、もうけもんだよ、あんた」
駆け付けた兵士が、男性にそんな言葉をかけた。
男性は恐怖で震えながら、兵士の言葉に頷く。
「あ、あ、ありがとう」
男性は行商人だった。
王都から商品を満載した馬車でウィーダの街に向かっていたのだが、向かっている途中で亜人の襲撃にあったのだ。
間一髪、巡回中だった兵士達に救われたが、商品を満載した馬車は亜人に奪われたのだ。
「ただ、奪われた馬車に関しては、どうしようもない。悪いが、諦めてくれ」
申し訳なさそうに兵士は告げると去って行った。
ウィーダの街にポツンと残された男性は茫然とするのみだ。
なんせ、全資産は、馬車にあったのだから。文字通り、無一文とはこの事。
「ど、ど、どうすりゃいいんだ……」
慌ただしい街中で、男性は空を仰いだ。
男性は元々、王国西部の小さい村で農家をやっていた。ところが、昨年、歪虚の襲来により農地も家も放棄して王都に避難した。
避難先でなんとか仕事をみつけ、コツコツ溜めたお金を元に、行商を始めたと思ったら、これだ。
「な、な、なんで、なんで、こんなにも『厳しい』世の中なんだ」
ポツポツポツと雨が降って来た。
もちろん、宿に泊まるお金もないし、傘を持っているわけでもない。
「ひでぇよ……」
男性は全身を濡らしながら、呪詛にも似た言葉を発した。
●不幸な男
移転を手伝う住み込みの仕事についた男性だったが、この男性には厳しい話しだった。
農家で鍛えた身体は、避難生活ですっかり衰えてしまったようで、肉体労働についていけなかったのだ。
「む、む、むりだぁ!」
ついに男性は仕事を放棄して逃げ出した。
だが、行き先があるわけでもない。ウィーダの街と移転先の街の間は、比較的安全なのだが、それ以外は、今や亜人騒ぎで危険な状態だ。
「なんで……なんで、世の中は、こんなに厳しいんだよぉ!」
男性は叫んだ。
周りが羨ましかった。こんなに厳しいのは自分ぐらいだ。
なのに、自分だけが酷い仕打ちを受けている。
「これもそれも、悪いのは亜人だ! あの化け物さえいなければ!」
ヤケクソになって、地面に転がっている石を思いっきり、蹴り飛ばした。
思ったより、ポーンと飛んでいく石は――路地の壁に当たると、その先を通りがかった一団の人にぶつかる。
「あ? なんだ、おめぇは!」
「ひ、ひぃぃぃ! ご、ごめんなさいぃぃぃ!」
「ごめんで済めば、衛兵はいらねぇんだよ!」
男性にとって不運だったとすれば、その相手が強面の集団だったという事だろう。
●ノゾミを叶える者
「うぅ……。たかが、石が当たった……位で……」
男性はボロ雑巾の様に地面に転がっていた。
ボコボコに殴られ、蹴られ、慰謝料と称して、わずかに稼いだお金を取られる。
自分には精霊の加護は無いのか。エクラはいったい、何をしているのか。
「亜人だ! 全ては亜人が悪いんだ!」
行商の邪魔さえされなければ、こんな、惨めな事になっていなかったのに!
男性は悔し泣きしながら、ただただ、横たわっていた。
その時……誰かが近付いてきた。
少女だった。ふわゆるくるくるの緑髪を揺らしていた。
暗い青を基調としたドレス。可愛らしい顔立ちはしているのだが、人形のように無表情な雰囲気を放っている。
どこかの貴族の娘……ではないようだと男性は思った。
腕に、魔導仕掛けのガントレットを装着しているのが見えたからだ。覚醒者なのだろう。
「な、な、なんだよ!」
男性は叫んだ。
ただならぬ不安を感じたから。
「貴方の願い、叶える事、できますよ」
緑髪の少女が口にした言葉に、男性は驚いた。
「あ、あ、亜人を、亜人を倒したい!」
「貴方自身がどうなっても?」
「そ、そうだ! どうせ、このまま死ぬなら、亜人に一矢報いたい!」
転がったまま懇願する男性に少女は手を差し伸べる。
「それなら、とっておきの方法が在りますよ」
少女は……微笑を浮かべていた。
●ウィーダの街郊外にて
戦闘の経過は予想通り進んでいた。
ウィーダの街に深く入り込んだ亜人共は、組織的な動きを失い、我先へと慌てて山へと戻って行く。
騎馬隊を主体とするウィーダの街の兵士達は、混乱する亜人を切り捨てていくだけだ。慈悲はいらない。ここで打ち漏らした亜人は必ず、後で障害となる事をウィーダの街の兵士達はよく知っていた。
「領主様! 逃げる亜人共の一角で、雑魔が出現しました!」
兵士の報告に領主は眉間に皺を寄せる。
今は大事な追撃戦の途中だ。こんな所で雑魔の相手をしている暇はない。
「何事だ」
「一般人と思われる人物が、戦場に紛れこんだと思ったら、突然……」
兵士が言うには、その一般人は手に持っていた壺を、亜人に投げつけたと思ったら、壺の中からスライムが現れたというのだ。
亜人も一般人も共にスライムに飲み込まれ……次々と犠牲者を飲み込んで膨らんでいく雑魔に手がつけられなくなったという。
「そんなものは放置しておけ! ともかく、亜人を追撃するのだ!」
領主は力強く、兵士に命令した。
追撃が中途半端に終わっては、作戦の意味がない。領主は別の兵士を呼んだ。
「ハンター達に伝えるのだ。急ぎ、雑魔を討伐せよ、と!」
「命があっただけでも、もうけもんだよ、あんた」
駆け付けた兵士が、男性にそんな言葉をかけた。
男性は恐怖で震えながら、兵士の言葉に頷く。
「あ、あ、ありがとう」
男性は行商人だった。
王都から商品を満載した馬車でウィーダの街に向かっていたのだが、向かっている途中で亜人の襲撃にあったのだ。
間一髪、巡回中だった兵士達に救われたが、商品を満載した馬車は亜人に奪われたのだ。
「ただ、奪われた馬車に関しては、どうしようもない。悪いが、諦めてくれ」
申し訳なさそうに兵士は告げると去って行った。
ウィーダの街にポツンと残された男性は茫然とするのみだ。
なんせ、全資産は、馬車にあったのだから。文字通り、無一文とはこの事。
「ど、ど、どうすりゃいいんだ……」
慌ただしい街中で、男性は空を仰いだ。
男性は元々、王国西部の小さい村で農家をやっていた。ところが、昨年、歪虚の襲来により農地も家も放棄して王都に避難した。
避難先でなんとか仕事をみつけ、コツコツ溜めたお金を元に、行商を始めたと思ったら、これだ。
「な、な、なんで、なんで、こんなにも『厳しい』世の中なんだ」
ポツポツポツと雨が降って来た。
もちろん、宿に泊まるお金もないし、傘を持っているわけでもない。
「ひでぇよ……」
男性は全身を濡らしながら、呪詛にも似た言葉を発した。
●不幸な男
移転を手伝う住み込みの仕事についた男性だったが、この男性には厳しい話しだった。
農家で鍛えた身体は、避難生活ですっかり衰えてしまったようで、肉体労働についていけなかったのだ。
「む、む、むりだぁ!」
ついに男性は仕事を放棄して逃げ出した。
だが、行き先があるわけでもない。ウィーダの街と移転先の街の間は、比較的安全なのだが、それ以外は、今や亜人騒ぎで危険な状態だ。
「なんで……なんで、世の中は、こんなに厳しいんだよぉ!」
男性は叫んだ。
周りが羨ましかった。こんなに厳しいのは自分ぐらいだ。
なのに、自分だけが酷い仕打ちを受けている。
「これもそれも、悪いのは亜人だ! あの化け物さえいなければ!」
ヤケクソになって、地面に転がっている石を思いっきり、蹴り飛ばした。
思ったより、ポーンと飛んでいく石は――路地の壁に当たると、その先を通りがかった一団の人にぶつかる。
「あ? なんだ、おめぇは!」
「ひ、ひぃぃぃ! ご、ごめんなさいぃぃぃ!」
「ごめんで済めば、衛兵はいらねぇんだよ!」
男性にとって不運だったとすれば、その相手が強面の集団だったという事だろう。
●ノゾミを叶える者
「うぅ……。たかが、石が当たった……位で……」
男性はボロ雑巾の様に地面に転がっていた。
ボコボコに殴られ、蹴られ、慰謝料と称して、わずかに稼いだお金を取られる。
自分には精霊の加護は無いのか。エクラはいったい、何をしているのか。
「亜人だ! 全ては亜人が悪いんだ!」
行商の邪魔さえされなければ、こんな、惨めな事になっていなかったのに!
男性は悔し泣きしながら、ただただ、横たわっていた。
その時……誰かが近付いてきた。
少女だった。ふわゆるくるくるの緑髪を揺らしていた。
暗い青を基調としたドレス。可愛らしい顔立ちはしているのだが、人形のように無表情な雰囲気を放っている。
どこかの貴族の娘……ではないようだと男性は思った。
腕に、魔導仕掛けのガントレットを装着しているのが見えたからだ。覚醒者なのだろう。
「な、な、なんだよ!」
男性は叫んだ。
ただならぬ不安を感じたから。
「貴方の願い、叶える事、できますよ」
緑髪の少女が口にした言葉に、男性は驚いた。
「あ、あ、亜人を、亜人を倒したい!」
「貴方自身がどうなっても?」
「そ、そうだ! どうせ、このまま死ぬなら、亜人に一矢報いたい!」
転がったまま懇願する男性に少女は手を差し伸べる。
「それなら、とっておきの方法が在りますよ」
少女は……微笑を浮かべていた。
●ウィーダの街郊外にて
戦闘の経過は予想通り進んでいた。
ウィーダの街に深く入り込んだ亜人共は、組織的な動きを失い、我先へと慌てて山へと戻って行く。
騎馬隊を主体とするウィーダの街の兵士達は、混乱する亜人を切り捨てていくだけだ。慈悲はいらない。ここで打ち漏らした亜人は必ず、後で障害となる事をウィーダの街の兵士達はよく知っていた。
「領主様! 逃げる亜人共の一角で、雑魔が出現しました!」
兵士の報告に領主は眉間に皺を寄せる。
今は大事な追撃戦の途中だ。こんな所で雑魔の相手をしている暇はない。
「何事だ」
「一般人と思われる人物が、戦場に紛れこんだと思ったら、突然……」
兵士が言うには、その一般人は手に持っていた壺を、亜人に投げつけたと思ったら、壺の中からスライムが現れたというのだ。
亜人も一般人も共にスライムに飲み込まれ……次々と犠牲者を飲み込んで膨らんでいく雑魔に手がつけられなくなったという。
「そんなものは放置しておけ! ともかく、亜人を追撃するのだ!」
領主は力強く、兵士に命令した。
追撃が中途半端に終わっては、作戦の意味がない。領主は別の兵士を呼んだ。
「ハンター達に伝えるのだ。急ぎ、雑魔を討伐せよ、と!」
解説
●目的
敗走する亜人500体への追撃
●内容
障害となっている雑魔を速やかに討伐し、亜人を追撃する。
●地形
ウィーダの街郊外は荒地となっています。
●状況
ハンター達は追撃戦に加わっている依頼の最中でした。
その為、生命力は10%減少し、スキルセットの内、一番上は使いきっている状態です。
リプレイ開始は雑魔と対峙する所から始まります。
逃げる亜人達の最後尾は10スクエア離れています。
●雑魔
スライム状の雑魔ですが、今は亜人達を飲み込んでサイズ2程の大きさになっています。
酸を射出し、触手のようなものを打ち出してきます。知能は無きに等しいです。
●『厳しさ』に押しつぶされた男性
傷ついた状態で雑魔付近で倒れています。既に手遅れで数ラウンド後には息絶えます。
回復手段等は意味を成しませんが、会話は可能です。
●兵士達
非覚醒者。騎兵と歩兵、それぞれ数十人ずついます。亜人との戦闘に集中しています。協力や掩護は望めません。
●亜人
普通のゴブリン。軍師騎士の罠にハマって、恐慌状態に陥り、ただ逃げる事のみに集中しています。基本の移動力1。
逃げられないと悟ると、自暴自棄になって反撃してきます。
●時間制限
亜人達が森深い山の中に撤退するまで、1000スクエアあります。
便宜上、1000ラウンド分への移動ラウンド数になった時点で依頼終了とします。
●連動内容
<【聖呪】ウィーダの街の戦い>で、討伐されたゴブリン数が、当シナリオの達成度に直接影響します。
一定数の亜人を倒す事で、達成度が上がっていきます。逆に討伐数が少ないと失敗、大失敗もあり得ます。
敗走する亜人500体への追撃
●内容
障害となっている雑魔を速やかに討伐し、亜人を追撃する。
●地形
ウィーダの街郊外は荒地となっています。
●状況
ハンター達は追撃戦に加わっている依頼の最中でした。
その為、生命力は10%減少し、スキルセットの内、一番上は使いきっている状態です。
リプレイ開始は雑魔と対峙する所から始まります。
逃げる亜人達の最後尾は10スクエア離れています。
●雑魔
スライム状の雑魔ですが、今は亜人達を飲み込んでサイズ2程の大きさになっています。
酸を射出し、触手のようなものを打ち出してきます。知能は無きに等しいです。
●『厳しさ』に押しつぶされた男性
傷ついた状態で雑魔付近で倒れています。既に手遅れで数ラウンド後には息絶えます。
回復手段等は意味を成しませんが、会話は可能です。
●兵士達
非覚醒者。騎兵と歩兵、それぞれ数十人ずついます。亜人との戦闘に集中しています。協力や掩護は望めません。
●亜人
普通のゴブリン。軍師騎士の罠にハマって、恐慌状態に陥り、ただ逃げる事のみに集中しています。基本の移動力1。
逃げられないと悟ると、自暴自棄になって反撃してきます。
●時間制限
亜人達が森深い山の中に撤退するまで、1000スクエアあります。
便宜上、1000ラウンド分への移動ラウンド数になった時点で依頼終了とします。
●連動内容
<【聖呪】ウィーダの街の戦い>で、討伐されたゴブリン数が、当シナリオの達成度に直接影響します。
一定数の亜人を倒す事で、達成度が上がっていきます。逆に討伐数が少ないと失敗、大失敗もあり得ます。
マスターより
●ご挨拶
皆さん、こんばんわ! 世の中、色々とありますが、私は元気です。多分。
【ノゾミの大冒険 第6歩(話)】です。依頼名は副題になります。
●攻略のヒント
雑魔は倒さなきゃいけないわ、亜人は追いかけなきゃいけないわ、でも、緑髪の少女の行方も気になるわ……自らの能力、装備、そして、目的を達しようとする強い信念と仲間達が大切になってくると思います。
皆さん、こんばんわ! 世の中、色々とありますが、私は元気です。多分。
【ノゾミの大冒険 第6歩(話)】です。依頼名は副題になります。
●攻略のヒント
雑魔は倒さなきゃいけないわ、亜人は追いかけなきゃいけないわ、でも、緑髪の少女の行方も気になるわ……自らの能力、装備、そして、目的を達しようとする強い信念と仲間達が大切になってくると思います。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/09/23 01:02
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/09/11 19:20:43 |
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相談卓~世の中は『 』に溢れて Uisca=S=Amhran(ka0754) エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/09/15 20:43:01 |