ゲスト
(ka0000)
【蒼祭】インタビューwithロッソ
マスター:西尾厚哉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/09/20 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/09/29 19:00
オープニング
「いい眺めだなあ……」
ノア・ベンカーの嬉しそうな顔を見ると、連れて来てあげて正解だったのかな、とピア・ファティ(kz0142)は思う。
ここはバルトアンデルスから2時間ほど離れた町、フェーヴス・ビーネ。
その町の広場の真ん中に建つ大きな時計塔。
生活用水である地下水を汲み上げる役目を担う時計塔の保守管理を、ピアはハンターの口添えもあって引き受けることになった。
祖父は錬金術師、自身は機導師、という部分で町長もピアが専属になってくれるのは有難いと思ったようだ。
何よりちょいと作業料がお安くなりそうだし? というのも本音の部分。
普段は町のベル時計店に住み込みで働くことになっているピアだが、懐事情はとほほな感じなので有難い話だ。
ただ、腐れ縁でちょくちょくピアの顔を見に来る新聞記者のノアが何度も「俺も時計塔の中に入りたい!」とせがむのには閉口した。
「だめですって。時計塔はすごく厳重な管理なんです」
ピアが言えば
「分かってるって。絶対口外しないし、カメラも持って行かない。もちろん記事にもしない」
ノアは懇願する。
「俺、高いとこ、好きなんだ。一度でいいからあの見晴台の景色眺めてみたい!」
とうとう根負けして、ピアは内緒ですよときつく言い渡して連れて行くことにした。
「ねえ、ピアちゃん」
ご満悦な表情で遠くを眺めながらノアは言う。
「俺と一泊旅行する気ない?」
「はぁ?」
何をいきなり、と思うより先にピアは数歩飛び退っていた。
「あの……銃は収めてくれる?」
「あ、すみません……」
いやぁ、銃まで抜いていたとは。
「というか、何ですか、旅行って藪から棒に」
うろろと警戒オーラを立ち昇らせてピアは言う。
「ロッソ祭だよ。行くなら一泊くらいしたいじゃない」
ノアは胸のポケットから煙草を取り出した。
「あっ、禁煙ですっ」
ちぇ、とノアは煙草をしまってピアの顔を見る。
「サルヴァトーレ・ロッソで祭があるんだよ。あそこにいる民間人はクリムゾンウエスト人との接触が薄いからね、この機に仲良くしましょうってやつ。まあ、ロッソを連合軍戦力に組み入れるってのがそもそもの目的みたいだけど。乗ってる民間人、クリムゾンウエストでも受け入れないといけないわけだし」
ロッソ祭……そんなのがあるんだ。
「誰でも入れるんですか?」
「そりゃ、祭だからね」
サルヴァトーレ・ロッソ。
大きな宇宙戦艦。リゼリオにだけ停泊する船。兵器、機械設備、居住空間、ええとええと後は何だっけ?
うわー……見てみたーい……
「ダニエル・ラーゲンベックかジョン・スミスにインタビューしたいんだ。すごいスクープだぜぇ?」
ノアはうっとりと夢見心地に空を仰ぎ見る。
「そんなの、できるんですか?」
ピアでも、2人の名前くらいは知っている。帝国の一介の新聞記者であるノアのインタビューにおいそれと応じてくれるとはとても思えない。
「だからピアちゃんを誘ってんの」
ノアはピアを指差し、にかっと笑う。
「ハンターズ・ソサエティはロッソとは同じような立場だ。ハンターの後押しがありゃアポイントもすんなり、重い口も開いてくれそうな気がす……」
「無理です」
「え……?」
ノアは振り上げていた右手の人差し指を暫く硬直させ、そのあと空中でぐるんぐるん回す。
「……どして?」
「私、話し、うまくできないですもん」
それ、自慢? と思えるほどピアはきっぱり言う。
「ピアちゃんがインタビューしなくてもいいんだよ? 一番最初に口利きしてくれればあとは……」
「無理です。私が得意なことって機械修理とか一杯食べることくらい。じゃ、そゆことで」
さっさと背を向けて見晴台から降りようとするピアの腕をノアは掴んだ。
「ま、待ってよ、じゃ、ハンター集めてよ、ピアちゃんが。それならいいだろ?」
「……私、お金ないです」
「水臭いなあ。そう言うのは俺が出すってば」
「ノアさんがお金出すとろくなことない気がする」
「やだなあ、気のせいだよ」
あっはっはと笑い、ノアはずいっと顔を寄せる。
「ロッソ祭に行けばさ、こっちじゃ食えない旨いもんあるかもしれないぜ?」
ぴくっ……
「ロッソの中、見たくない? インタビューが成功すればさ、いろいろ見せてもらえるかもしれないぜぇ? ピアちゃんの好きな機械いーっぱい」
ぴくぴくっ……
気持ちは最早、鼻面に人参ぶら下げられたお馬さん。
「へ……ヘルマンさんに相談しないと。お店のお仕事お休みすることになるし」
ピアは骨抜きになって答えたのだった。
ところが。
「いかん、いかん!」
ベル時計店のヘルマンは猛反対。
「父さん、ピアさんにだってお休みは必要だよ」
息子のテオがとりなすが、ヘルマンは鬼の形相。がしっとピアの腕を両側から掴む。
「ピア、お前はまだ嫁入り前の娘だぞ? そのことがわかってるのか? あの男と一泊だと? 危険極まりない! 妙なことをされたらどうするんだ!」
み、妙なこと……? そりゃ、まあ、ちょっとは警戒したけど……
「お前はまだ男の恐ろしさを知らん。結婚するまでは清く正しくだ!」
鼻息を噴き出すヘルマン。
「あ、あの、2人きりじゃなくて、ハンターの皆さんと行きますから……」
「じゃあ、しっかり守ってもらえ! 貞操は護らねばならん!」
「て……貞操……」
……すごい言葉。
ヘルマンはポケットをがさごそ探り、ありったけをピアに握らせた。
「いいか、買い食いする時、生ものは避けるんだぞ。夜はあの男が手を出さんよう、ちゃんと見張ってもらえ。わかったな!」
ヘルマンにはノアが野獣としか思えないらしかった。
――― 補足事項
●ロッソ祭について
サルヴァトーレ・ロッソ内で行われるリアルブルー人とクリムゾンウエスト人との交流のためのお祭です。
いわゆるよくあるお祭の様相で、出店、イベント・アトラクション、街角演説、展示会、等々で盛り上がります。
宿泊施設は居住区の決まった場所にある集合住宅の空き室などを使ってもらう形となります。
ノア・ベンカーの嬉しそうな顔を見ると、連れて来てあげて正解だったのかな、とピア・ファティ(kz0142)は思う。
ここはバルトアンデルスから2時間ほど離れた町、フェーヴス・ビーネ。
その町の広場の真ん中に建つ大きな時計塔。
生活用水である地下水を汲み上げる役目を担う時計塔の保守管理を、ピアはハンターの口添えもあって引き受けることになった。
祖父は錬金術師、自身は機導師、という部分で町長もピアが専属になってくれるのは有難いと思ったようだ。
何よりちょいと作業料がお安くなりそうだし? というのも本音の部分。
普段は町のベル時計店に住み込みで働くことになっているピアだが、懐事情はとほほな感じなので有難い話だ。
ただ、腐れ縁でちょくちょくピアの顔を見に来る新聞記者のノアが何度も「俺も時計塔の中に入りたい!」とせがむのには閉口した。
「だめですって。時計塔はすごく厳重な管理なんです」
ピアが言えば
「分かってるって。絶対口外しないし、カメラも持って行かない。もちろん記事にもしない」
ノアは懇願する。
「俺、高いとこ、好きなんだ。一度でいいからあの見晴台の景色眺めてみたい!」
とうとう根負けして、ピアは内緒ですよときつく言い渡して連れて行くことにした。
「ねえ、ピアちゃん」
ご満悦な表情で遠くを眺めながらノアは言う。
「俺と一泊旅行する気ない?」
「はぁ?」
何をいきなり、と思うより先にピアは数歩飛び退っていた。
「あの……銃は収めてくれる?」
「あ、すみません……」
いやぁ、銃まで抜いていたとは。
「というか、何ですか、旅行って藪から棒に」
うろろと警戒オーラを立ち昇らせてピアは言う。
「ロッソ祭だよ。行くなら一泊くらいしたいじゃない」
ノアは胸のポケットから煙草を取り出した。
「あっ、禁煙ですっ」
ちぇ、とノアは煙草をしまってピアの顔を見る。
「サルヴァトーレ・ロッソで祭があるんだよ。あそこにいる民間人はクリムゾンウエスト人との接触が薄いからね、この機に仲良くしましょうってやつ。まあ、ロッソを連合軍戦力に組み入れるってのがそもそもの目的みたいだけど。乗ってる民間人、クリムゾンウエストでも受け入れないといけないわけだし」
ロッソ祭……そんなのがあるんだ。
「誰でも入れるんですか?」
「そりゃ、祭だからね」
サルヴァトーレ・ロッソ。
大きな宇宙戦艦。リゼリオにだけ停泊する船。兵器、機械設備、居住空間、ええとええと後は何だっけ?
うわー……見てみたーい……
「ダニエル・ラーゲンベックかジョン・スミスにインタビューしたいんだ。すごいスクープだぜぇ?」
ノアはうっとりと夢見心地に空を仰ぎ見る。
「そんなの、できるんですか?」
ピアでも、2人の名前くらいは知っている。帝国の一介の新聞記者であるノアのインタビューにおいそれと応じてくれるとはとても思えない。
「だからピアちゃんを誘ってんの」
ノアはピアを指差し、にかっと笑う。
「ハンターズ・ソサエティはロッソとは同じような立場だ。ハンターの後押しがありゃアポイントもすんなり、重い口も開いてくれそうな気がす……」
「無理です」
「え……?」
ノアは振り上げていた右手の人差し指を暫く硬直させ、そのあと空中でぐるんぐるん回す。
「……どして?」
「私、話し、うまくできないですもん」
それ、自慢? と思えるほどピアはきっぱり言う。
「ピアちゃんがインタビューしなくてもいいんだよ? 一番最初に口利きしてくれればあとは……」
「無理です。私が得意なことって機械修理とか一杯食べることくらい。じゃ、そゆことで」
さっさと背を向けて見晴台から降りようとするピアの腕をノアは掴んだ。
「ま、待ってよ、じゃ、ハンター集めてよ、ピアちゃんが。それならいいだろ?」
「……私、お金ないです」
「水臭いなあ。そう言うのは俺が出すってば」
「ノアさんがお金出すとろくなことない気がする」
「やだなあ、気のせいだよ」
あっはっはと笑い、ノアはずいっと顔を寄せる。
「ロッソ祭に行けばさ、こっちじゃ食えない旨いもんあるかもしれないぜ?」
ぴくっ……
「ロッソの中、見たくない? インタビューが成功すればさ、いろいろ見せてもらえるかもしれないぜぇ? ピアちゃんの好きな機械いーっぱい」
ぴくぴくっ……
気持ちは最早、鼻面に人参ぶら下げられたお馬さん。
「へ……ヘルマンさんに相談しないと。お店のお仕事お休みすることになるし」
ピアは骨抜きになって答えたのだった。
ところが。
「いかん、いかん!」
ベル時計店のヘルマンは猛反対。
「父さん、ピアさんにだってお休みは必要だよ」
息子のテオがとりなすが、ヘルマンは鬼の形相。がしっとピアの腕を両側から掴む。
「ピア、お前はまだ嫁入り前の娘だぞ? そのことがわかってるのか? あの男と一泊だと? 危険極まりない! 妙なことをされたらどうするんだ!」
み、妙なこと……? そりゃ、まあ、ちょっとは警戒したけど……
「お前はまだ男の恐ろしさを知らん。結婚するまでは清く正しくだ!」
鼻息を噴き出すヘルマン。
「あ、あの、2人きりじゃなくて、ハンターの皆さんと行きますから……」
「じゃあ、しっかり守ってもらえ! 貞操は護らねばならん!」
「て……貞操……」
……すごい言葉。
ヘルマンはポケットをがさごそ探り、ありったけをピアに握らせた。
「いいか、買い食いする時、生ものは避けるんだぞ。夜はあの男が手を出さんよう、ちゃんと見張ってもらえ。わかったな!」
ヘルマンにはノアが野獣としか思えないらしかった。
――― 補足事項
●ロッソ祭について
サルヴァトーレ・ロッソ内で行われるリアルブルー人とクリムゾンウエスト人との交流のためのお祭です。
いわゆるよくあるお祭の様相で、出店、イベント・アトラクション、街角演説、展示会、等々で盛り上がります。
宿泊施設は居住区の決まった場所にある集合住宅の空き室などを使ってもらう形となります。
解説
●ピア・ファティ、ノア・ベンカーと一緒にロッソ祭に行き、ダニエル・ラーゲンベックとジョン・スミスにインタビューします。
どちらか片方だけでも構いません。一泊二日の行程です。宿泊はロッソ内となります。
●ジョン・スミスが秘書官となりますので、まずはそちらと交渉し、時間や場所を決めてください。
ある程度想定内のことなので無碍に断られることはありませんが、今回はハンターズ・ソサエティもウィルヘルミナも関与しない、ノアの個人的な取材ですのであまり気負わず話してもらうことが大切です。所要時間は1~2時間ほどで。
●インタビューの質問内容は特に決まっていません。
ノアにとってはインタビューできたこと自体で記者としてはお手柄になりますので、直球で政治絡みなことは聞かないと思います。世間話程度でもよいのです。
答えてもらえるかどうかは分かりませんが、ハンターの側で聞いてみたいことがあればそれを出してもらっても構いません。
●インタビュー時以外は自由に過ごして構いません。
元リアルブルー出身の方などはお知り合いと待ち合わせて一緒に行動してもらって構いません。
また、インタビューが多人数ではないほうが良ければ特定外の方は自由行動をとってもらって構いません。
ロッソ祭を楽しんでくださいませ。
●自由行動時、ピアに付き合ってくださる方大募集。
彼女はクリムゾンウエスト出身なのでご存じの方はリアルブルーの食べ物や面白そうなものを教えてくださると喜ぶと思います。
ノア・ベンカーは格別にスケベな人ではありませんが、心配しているヘルマンのためにも誰かが傍にいてあげてください。
ピアやノアと絡んでくださる方はアドリブ満杯になる可能性大となります。
どちらか片方だけでも構いません。一泊二日の行程です。宿泊はロッソ内となります。
●ジョン・スミスが秘書官となりますので、まずはそちらと交渉し、時間や場所を決めてください。
ある程度想定内のことなので無碍に断られることはありませんが、今回はハンターズ・ソサエティもウィルヘルミナも関与しない、ノアの個人的な取材ですのであまり気負わず話してもらうことが大切です。所要時間は1~2時間ほどで。
●インタビューの質問内容は特に決まっていません。
ノアにとってはインタビューできたこと自体で記者としてはお手柄になりますので、直球で政治絡みなことは聞かないと思います。世間話程度でもよいのです。
答えてもらえるかどうかは分かりませんが、ハンターの側で聞いてみたいことがあればそれを出してもらっても構いません。
●インタビュー時以外は自由に過ごして構いません。
元リアルブルー出身の方などはお知り合いと待ち合わせて一緒に行動してもらって構いません。
また、インタビューが多人数ではないほうが良ければ特定外の方は自由行動をとってもらって構いません。
ロッソ祭を楽しんでくださいませ。
●自由行動時、ピアに付き合ってくださる方大募集。
彼女はクリムゾンウエスト出身なのでご存じの方はリアルブルーの食べ物や面白そうなものを教えてくださると喜ぶと思います。
ノア・ベンカーは格別にスケベな人ではありませんが、心配しているヘルマンのためにも誰かが傍にいてあげてください。
ピアやノアと絡んでくださる方はアドリブ満杯になる可能性大となります。
マスターより
皆さん、お世話になります。西尾厚哉です。
ピアが旅行すると何となく「修学旅行」という言葉が浮かんでしまう。
とりあえず、この人はぼーっとしているところがあるので浮かれると迷子になるかもしれないので気をつけてください。
それではよろしくお願いいたします。
ピアが旅行すると何となく「修学旅行」という言葉が浮かんでしまう。
とりあえず、この人はぼーっとしているところがあるので浮かれると迷子になるかもしれないので気をつけてください。
それではよろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/09/28 06:00
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/09/17 20:17:24 |
|
![]() |
インタヴューとお祭りと。 ルシオ・セレステ(ka0673) エルフ|21才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/09/20 02:15:57 |