ゲスト
(ka0000)
襲われた小さな集落
マスター:鳴海惣流

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/09/23 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/10/02 12:00
オープニング
●
「一体、何を考えているのだ!」
グラズヘイム王国フェルダー地方にあるラスリド領。中心に存在する街アクスウィルの領主の館に、怒声が響いた。
声の主はレイル・ミスカ・ラスリド。現当主ゲオルグ・ミスカ・ラスリド伯爵のひとり息子である。
見るからに屈強そうで強面の父親とは違い、二十歳になったばかりのレイルは優男といった感じだ。父親同様に剣を振るうだけであってそれなりの筋肉はあるが、決して隆々ではない。
父親で領主のゲオルグが遠征中で不在のため、息子のレイルが留守を任されている。そんなレイルに数日前、領地の隅にある小さな集落から助けを求める声が届いた。
集落からやってきた青年は目通りが叶うなり、レイルへ助けてほしいと懇願した。集落の近くに、これまでとは違う狼がうろつきだしたらしい。
明らかに集落を狙っていて、恐怖を覚えた住民は若い男性を中心に退治へ乗り出した。ところが相手は普通の狼と違い、簡単に追い払うどころか、住民側が大怪我を負わされた。
幸いにして死傷者はまだ出ていないが、このままでは時間の問題。様子を見ているようだった狼も、住民が脅威にならないと知って、さらに敵意を剥き出しにしてくるようになった。
自分たちだけでは手に負えない。そう判断した集落の長は、ひとりの若者へ指示を出した。領主に現状を報告し、助けを求めてきてほしいと。
話を聞き終えたレイルは、集落の若者を下がらせるなり、遠征中の父親へ伝令を向かわせた。
正義感の強いレイルだけに、すぐにでも出兵したいと許可を求めた。
魔獣が多く生息するフェルダー地方に領地があるだけに、ラスリド領の私兵団はどこに出しても恥ずかしくないと自慢できるレベルだった。
大半がラスリド伯爵であるレイルの父親のゲオルグに同行してるとはいえ、残っている兵だけでも魔獣退治などの案件であれば十分に対処可能だ。
しかし、つい先ほど伝令から戻ってきた兵士は、レイルに駄目だという言葉を告げた。現領主のゲオルグから預かってきた返答だ。
「父上は領民を見捨てるおつもりか!」
「伯爵閣下は小さな集落のために、アクスウィルの街を危険に晒すわけにはいかないそうです」
理解はできる。レイルが出兵してる間に、アクスウィルが魔獣などに襲われれば対処が難しくなるからだ。
しかし、納得はできない。血が出そうなほど、レイルは下唇を強く噛む。
現領主が許可を出さなかった以上、どんなにレイルが喚いても兵は動かない。領主の息子で、留守中を任されていてもだ。
「狼程度なら、頑張れば住民たちでも対処できるのではないでしょうか」
伝令役を務めてくれた兵士が言った。フェルダー地方では魔獣と遭遇する機会もそれなりにあるため、小さな集落であろうとも男性の若者は戦闘訓練を受けているケースが多い。
「お前はその場にいなかったから、陳情に来た者の話を聞いてないのだな。どうやら、通常の狼とは違うようだ。退治に出向いた若者たちの大半が重傷を負ったと言っていた」
「まさか、集落を狙っている狼は歪虚……」
「可能性は高いだろうな。ゆえに父上も、兵を出せないと考えたのかもしれぬが」
狼が歪虚だとすれば、少数の兵士を派遣したところで解決は難しい。当主の遠征中に、それなりの規模の隊を編成すれば、領民の大多数が暮らすアクスウィルの街が無防備になる。
「……心苦しいですが、陳情に来た集落の者には涙を呑んでもらうよりありませんな……」
「父上ならばそこで頷くのだろうが、生憎と私は違う」
「なっ――!?」
兵士が驚きの声を上げる。
「心配せずとも父上には逆らわぬ。だが、問題を捨て置きもせぬ」
確かな決意とともに、レイルは腰を下ろしていた椅子から立ち上がる。
父親より預かった領主の席で、安穏と過ごすには自分はまだ若すぎる。
黙っていられぬというのなら、若さに任せて暴走してみるのもいいだろう。
「父上はどうお考えかわからぬが、私にとっての領地とは民だ。土地を奪われようとも、民さえいればいくらでもやり直せる。したがって、ひとりの民とも見捨てはしない」
「し、しかし、レイル様! 伯爵閣下のご命令で、私兵団を派遣するのはできないのですよ!?」
「耳元で怒鳴らなくとも、承知している。兵を出すつもりはない。私がひとりで出撃するのだからな」
「しょ、正気ですか!? レイル様は留守を任されてる身なのですよ!? 小さな集落のわずかな民のために、危険な真似をするなど理解できません!」
「そうか。だが私にとっては、民のために危険な真似をできない貴族の方がよほど理解できないのだ。誰かに許可を貰う必要などない。代理とはいえ、ラスリド領を預かる身として、己の責務を全うするだけだ」
身支度を整えて領主の部屋を出ようとするレイルを、伝令役を務めてくれた兵士が慌てて制止する。
「レイル様おひとりでどうなさるおつもりですか!」
「……私とて自害をしたいわけではない。兵を動かせぬというのであれば、ハンターに助力を求めればいい」
「確かにハンターであれば下手な兵士よりも戦力になりますが、それも通常の場合の話! お忘れですか、現在は伯爵閣下も遠征している戦闘が行われている最中なのです。動けるハンターの数は限られているはず……!」
「何もしないよりはいい。アクスウィルの戦力を減らさず、集落を救うにはこれしかない。私は依頼を出しに行く。留守は任せたぞ」
●
ハンターズソサエティに出された依頼は、歪虚と思われる狼の退治。正確な数は不明だが、十匹近くはいると思われる。
狼が狙う小さな集落は今も脅威に晒されている。住民は頑丈な村長の家へ避難しており、かろうじて動ける自警団が守っている。
狼が歪虚であれば、覚醒者でもない自警団が住民の避難した村長宅を守り切れるはずがない。ラスリド領内の出来事だが、領主の私兵団の派遣は期待できない。
ラスリド領内アクスウィルの街で合流し、レイル・ミスカ・ラスリドとともに小さな集落へ急行する。
ひと息で依頼の説明を終えた担当者が息を吐く。
「狼といっても相手は恐らく歪虚です。退治に加えて住民の安全確保も依頼に入りますので、十分な準備をして向かってください」
「一体、何を考えているのだ!」
グラズヘイム王国フェルダー地方にあるラスリド領。中心に存在する街アクスウィルの領主の館に、怒声が響いた。
声の主はレイル・ミスカ・ラスリド。現当主ゲオルグ・ミスカ・ラスリド伯爵のひとり息子である。
見るからに屈強そうで強面の父親とは違い、二十歳になったばかりのレイルは優男といった感じだ。父親同様に剣を振るうだけであってそれなりの筋肉はあるが、決して隆々ではない。
父親で領主のゲオルグが遠征中で不在のため、息子のレイルが留守を任されている。そんなレイルに数日前、領地の隅にある小さな集落から助けを求める声が届いた。
集落からやってきた青年は目通りが叶うなり、レイルへ助けてほしいと懇願した。集落の近くに、これまでとは違う狼がうろつきだしたらしい。
明らかに集落を狙っていて、恐怖を覚えた住民は若い男性を中心に退治へ乗り出した。ところが相手は普通の狼と違い、簡単に追い払うどころか、住民側が大怪我を負わされた。
幸いにして死傷者はまだ出ていないが、このままでは時間の問題。様子を見ているようだった狼も、住民が脅威にならないと知って、さらに敵意を剥き出しにしてくるようになった。
自分たちだけでは手に負えない。そう判断した集落の長は、ひとりの若者へ指示を出した。領主に現状を報告し、助けを求めてきてほしいと。
話を聞き終えたレイルは、集落の若者を下がらせるなり、遠征中の父親へ伝令を向かわせた。
正義感の強いレイルだけに、すぐにでも出兵したいと許可を求めた。
魔獣が多く生息するフェルダー地方に領地があるだけに、ラスリド領の私兵団はどこに出しても恥ずかしくないと自慢できるレベルだった。
大半がラスリド伯爵であるレイルの父親のゲオルグに同行してるとはいえ、残っている兵だけでも魔獣退治などの案件であれば十分に対処可能だ。
しかし、つい先ほど伝令から戻ってきた兵士は、レイルに駄目だという言葉を告げた。現領主のゲオルグから預かってきた返答だ。
「父上は領民を見捨てるおつもりか!」
「伯爵閣下は小さな集落のために、アクスウィルの街を危険に晒すわけにはいかないそうです」
理解はできる。レイルが出兵してる間に、アクスウィルが魔獣などに襲われれば対処が難しくなるからだ。
しかし、納得はできない。血が出そうなほど、レイルは下唇を強く噛む。
現領主が許可を出さなかった以上、どんなにレイルが喚いても兵は動かない。領主の息子で、留守中を任されていてもだ。
「狼程度なら、頑張れば住民たちでも対処できるのではないでしょうか」
伝令役を務めてくれた兵士が言った。フェルダー地方では魔獣と遭遇する機会もそれなりにあるため、小さな集落であろうとも男性の若者は戦闘訓練を受けているケースが多い。
「お前はその場にいなかったから、陳情に来た者の話を聞いてないのだな。どうやら、通常の狼とは違うようだ。退治に出向いた若者たちの大半が重傷を負ったと言っていた」
「まさか、集落を狙っている狼は歪虚……」
「可能性は高いだろうな。ゆえに父上も、兵を出せないと考えたのかもしれぬが」
狼が歪虚だとすれば、少数の兵士を派遣したところで解決は難しい。当主の遠征中に、それなりの規模の隊を編成すれば、領民の大多数が暮らすアクスウィルの街が無防備になる。
「……心苦しいですが、陳情に来た集落の者には涙を呑んでもらうよりありませんな……」
「父上ならばそこで頷くのだろうが、生憎と私は違う」
「なっ――!?」
兵士が驚きの声を上げる。
「心配せずとも父上には逆らわぬ。だが、問題を捨て置きもせぬ」
確かな決意とともに、レイルは腰を下ろしていた椅子から立ち上がる。
父親より預かった領主の席で、安穏と過ごすには自分はまだ若すぎる。
黙っていられぬというのなら、若さに任せて暴走してみるのもいいだろう。
「父上はどうお考えかわからぬが、私にとっての領地とは民だ。土地を奪われようとも、民さえいればいくらでもやり直せる。したがって、ひとりの民とも見捨てはしない」
「し、しかし、レイル様! 伯爵閣下のご命令で、私兵団を派遣するのはできないのですよ!?」
「耳元で怒鳴らなくとも、承知している。兵を出すつもりはない。私がひとりで出撃するのだからな」
「しょ、正気ですか!? レイル様は留守を任されてる身なのですよ!? 小さな集落のわずかな民のために、危険な真似をするなど理解できません!」
「そうか。だが私にとっては、民のために危険な真似をできない貴族の方がよほど理解できないのだ。誰かに許可を貰う必要などない。代理とはいえ、ラスリド領を預かる身として、己の責務を全うするだけだ」
身支度を整えて領主の部屋を出ようとするレイルを、伝令役を務めてくれた兵士が慌てて制止する。
「レイル様おひとりでどうなさるおつもりですか!」
「……私とて自害をしたいわけではない。兵を動かせぬというのであれば、ハンターに助力を求めればいい」
「確かにハンターであれば下手な兵士よりも戦力になりますが、それも通常の場合の話! お忘れですか、現在は伯爵閣下も遠征している戦闘が行われている最中なのです。動けるハンターの数は限られているはず……!」
「何もしないよりはいい。アクスウィルの戦力を減らさず、集落を救うにはこれしかない。私は依頼を出しに行く。留守は任せたぞ」
●
ハンターズソサエティに出された依頼は、歪虚と思われる狼の退治。正確な数は不明だが、十匹近くはいると思われる。
狼が狙う小さな集落は今も脅威に晒されている。住民は頑丈な村長の家へ避難しており、かろうじて動ける自警団が守っている。
狼が歪虚であれば、覚醒者でもない自警団が住民の避難した村長宅を守り切れるはずがない。ラスリド領内の出来事だが、領主の私兵団の派遣は期待できない。
ラスリド領内アクスウィルの街で合流し、レイル・ミスカ・ラスリドとともに小さな集落へ急行する。
ひと息で依頼の説明を終えた担当者が息を吐く。
「狼といっても相手は恐らく歪虚です。退治に加えて住民の安全確保も依頼に入りますので、十分な準備をして向かってください」
解説
●目的
狼歪虚の殲滅
●簡易map
ABCDEFJHI
1□□□自村自□□□ 1マス=4sq 移動力4で1マス進む計算。
2□□□□自□□□□ 村=村長宅
3□□□□□□□□□ 自=自警団
4□□□狼狼狼□□□
5□□狼□狼□狼□□ 狼=狼歪虚
6□□□狼□狼□□□
7□□□□□□□□□ 初=ハンターの初期位置
8□□□□初□□□□ 味=味方。レイルの初期位置
9□□□□味□□□□
●味方情報
村=村長宅には住民十数名が避難中。戦うことは不可。
自=自警団は全員がロングソードと草鎧を装備中。生命力50。敵の攻撃を二回食らうと戦闘不能に陥る。村長宅を守っているため、その場で防御&待機を行う。ハンターが接近して指示を出せば、従ってくれる。
狼歪虚に倒されると死亡する。
味=レイルは貴族領主の息子らしく装備一式を所持しているが、覚醒者ではない。生命力は65。自警団より強く、一対一なら狼歪虚相手でもなんとか勝てる実力がある。
狼歪虚に倒されると死亡する。
●敵情報
狼=狼タイプの歪虚。雑魔でそれなりに強い。駆け出しのハンターでも一対一なら十分に対処可能。囲まれると、さすがに厳しい。
牙と爪で攻撃する。俊敏性に優れる。音に敏感。人間を狙ってるのであり、何が何でも自警団や村長宅を狙うというわけでもない。とはいえ前にいる三匹はすでに、自警団や村長宅に狙いを定めてしまっています。
map上で村長宅に重なった次のラウンドで、家が破壊される。中の住民も犠牲になる。村長宅に重なっても、次ラウンドに到達する前に排除できれば破壊されずに済む。
敵を見れば向かってくるため、逃げたりする心配は不要です。遠距離攻撃はありません。援軍もありません。
●成功条件
成功=村長宅を破壊されずに狼歪虚を殲滅する。
普通=村長宅を破壊されて、狼歪虚を殲滅する。
失敗=レイルの死亡or狼歪虚を殲滅できない。
狼歪虚の殲滅
●簡易map
ABCDEFJHI
1□□□自村自□□□ 1マス=4sq 移動力4で1マス進む計算。
2□□□□自□□□□ 村=村長宅
3□□□□□□□□□ 自=自警団
4□□□狼狼狼□□□
5□□狼□狼□狼□□ 狼=狼歪虚
6□□□狼□狼□□□
7□□□□□□□□□ 初=ハンターの初期位置
8□□□□初□□□□ 味=味方。レイルの初期位置
9□□□□味□□□□
●味方情報
村=村長宅には住民十数名が避難中。戦うことは不可。
自=自警団は全員がロングソードと草鎧を装備中。生命力50。敵の攻撃を二回食らうと戦闘不能に陥る。村長宅を守っているため、その場で防御&待機を行う。ハンターが接近して指示を出せば、従ってくれる。
狼歪虚に倒されると死亡する。
味=レイルは貴族領主の息子らしく装備一式を所持しているが、覚醒者ではない。生命力は65。自警団より強く、一対一なら狼歪虚相手でもなんとか勝てる実力がある。
狼歪虚に倒されると死亡する。
●敵情報
狼=狼タイプの歪虚。雑魔でそれなりに強い。駆け出しのハンターでも一対一なら十分に対処可能。囲まれると、さすがに厳しい。
牙と爪で攻撃する。俊敏性に優れる。音に敏感。人間を狙ってるのであり、何が何でも自警団や村長宅を狙うというわけでもない。とはいえ前にいる三匹はすでに、自警団や村長宅に狙いを定めてしまっています。
map上で村長宅に重なった次のラウンドで、家が破壊される。中の住民も犠牲になる。村長宅に重なっても、次ラウンドに到達する前に排除できれば破壊されずに済む。
敵を見れば向かってくるため、逃げたりする心配は不要です。遠距離攻撃はありません。援軍もありません。
●成功条件
成功=村長宅を破壊されずに狼歪虚を殲滅する。
普通=村長宅を破壊されて、狼歪虚を殲滅する。
失敗=レイルの死亡or狼歪虚を殲滅できない。
マスターより
お世話になっております、鳴海惣流です。
今回は狼歪虚に狙われた集落でのお話です。住民が犠牲になっても依頼達成は可能ですが、なるべくなら助けてあげてください。
大成功への条件は、犠牲者を出さないこと。これに尽きます。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
今回は狼歪虚に狙われた集落でのお話です。住民が犠牲になっても依頼達成は可能ですが、なるべくなら助けてあげてください。
大成功への条件は、犠牲者を出さないこと。これに尽きます。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/09/28 06:59
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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作戦、です。 八城雪(ka0146) 人間(リアルブルー)|18才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/09/23 22:27:26 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/09/21 03:24:45 |