ゲスト
(ka0000)
出会いと別れと新たなる旅立ちに
マスター:秋月雅哉

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在5人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/09/30 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/10/09 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●危機は去り、偲ばれるのは犠牲となった命たち
そっと色づき始めた木の葉に触れる。まだ落葉するには早いのか、触れた位でははらはらと舞うことはない。
この山は何度も戦いの舞台となった。
自分の価値観も、その戦いを経て大きく変わったと思う。
忌避していたこの世界に、今は少しだけ親しみを覚えられるようになったのは、戦いを共にし、そしてこの山で行われた催しごとで声をかけてくれたハンターの戦友たちのお陰だろう。
ほとんどすべての木々が枯れ果て、草木も立ち枯れ、動物たちは死に絶えた山を、かつて山を守護する精霊だったと伝えられていた存在がその命が消える間際、精霊としての力を取り戻し復活させた。
ジャイアントたちによって歪虚として祀られ、山に死をもたらす存在となったブリーキンダ・ベルと呼ばれた巨大な鹿の精霊は、最後の最後に歪虚としての戒めから抜け出し、山に命を返してくれた。
あのまま木々が立ち枯れたままだったら、動物も虫も息絶えたままだったら。この山は人の住むことのできない不毛の地と化していただろう。
意思の疎通は最後まで叶わなかった。歪虚としての巨大すぎる負のマテリアルにブリーキンダ・ベルは暴走していたし、精霊としての力を取り戻した後は命を返し、自分は天へと還った。
失われた祠。失われた御神刀。それより前の戦いで失った家族と呼べる狐の精霊。
失ったものは、確かに多かった。けれどそれ以上の物をこの山を通じて、自分は確かに受け取った。
「さて……ここもしばらく見納めか。いってくる、……」
御影 小夜子(kz0018)が呟いた名は彼女に寄り添って生きていた狐の精霊の名前だろうか。誰も拾うことのない声は風に溶けて消えていった。
●新たなる旅立ちの前に
「シュバルツエンド殿、神霊樹の若木を活用できるようにネットワークに組み込む手配をして頂き、感謝している」
「これも仕事だからね。若木とはいえ神霊樹のネットワークが増えるのはハンターにとっても有益だろうから気にしなくていいよ」
その後、べアルファレスの足取りはつかめたのかい、と問うたルカ・シュバルツエンド(kz0073)に小夜子は緩く首を振る。
「奴にはいろいろと返したい借りがあるからな、今度村で行われるブリーキンダ・ベルと、争いで犠牲になったまま戻らなかった命を慰撫する祭りに顔を出したら、私は一度山を下りようと思う」
そして叶うならソサエティと協力して自らを舞台演出家と称する歪虚を討ち取るための情報収集の旅に出たい。
そう告げた狐面の女性に銀髪の青年は青い目を瞬かせた。
「けれど山には愛着があるだろう、いいのかい?」
「全てを終えたら山に帰る。今のままべアルファレスが何もせずにいるとは思えないからな。その罪を贖わせずには、私の心が真に安らぐことはないだろう」
「……そうだね。水に流すには随分色々やらかしてくれたようだし。今日ここへ来たのはその報告かい?」
「それと鎮魂祭へハンターの方々を招待しようと思ってな。秋の花を摘んで川に流すんだそうだ。水は全てに通じているから、と」
あとはささやかだが楽の音を奏で、食事を楽しみ、夜は風船状の灯篭のような物を今度は川ではなく空へと放つのだという。
「鎮魂祭、という名目上あまり派手に騒ぐのは歓迎されないだろうが、日ごろの疲れを癒し、戦いの舞台になった山が元の生活を取り戻したことを視察する分にはいいのではないかと思う」
「そうかい、それなら僕の方からも声をかけさせてもらおうかな。べアルファレスに関わった人は、結構多いからね。皆村を案じていたんじゃないかな」
「来てくれれば村の人たちも喜ぶだろう。ぜひお願いする」
多くの犠牲を払った一つの物語は終わりを告げた。
世界を憎んでいたベルセルクの女性と、再生を遂げた村に新たな息吹が吹き込まれようとしている。
旅立ちと再生に祝福を、別れには健やかたれ、と杯を互いにかわし、いつかまたこの場所へ帰ることを誓って新たな物語は紡がれていく。
●危機は去り、偲ばれるのは犠牲となった命たち
そっと色づき始めた木の葉に触れる。まだ落葉するには早いのか、触れた位でははらはらと舞うことはない。
この山は何度も戦いの舞台となった。
自分の価値観も、その戦いを経て大きく変わったと思う。
忌避していたこの世界に、今は少しだけ親しみを覚えられるようになったのは、戦いを共にし、そしてこの山で行われた催しごとで声をかけてくれたハンターの戦友たちのお陰だろう。
ほとんどすべての木々が枯れ果て、草木も立ち枯れ、動物たちは死に絶えた山を、かつて山を守護する精霊だったと伝えられていた存在がその命が消える間際、精霊としての力を取り戻し復活させた。
ジャイアントたちによって歪虚として祀られ、山に死をもたらす存在となったブリーキンダ・ベルと呼ばれた巨大な鹿の精霊は、最後の最後に歪虚としての戒めから抜け出し、山に命を返してくれた。
あのまま木々が立ち枯れたままだったら、動物も虫も息絶えたままだったら。この山は人の住むことのできない不毛の地と化していただろう。
意思の疎通は最後まで叶わなかった。歪虚としての巨大すぎる負のマテリアルにブリーキンダ・ベルは暴走していたし、精霊としての力を取り戻した後は命を返し、自分は天へと還った。
失われた祠。失われた御神刀。それより前の戦いで失った家族と呼べる狐の精霊。
失ったものは、確かに多かった。けれどそれ以上の物をこの山を通じて、自分は確かに受け取った。
「さて……ここもしばらく見納めか。いってくる、……」
御影 小夜子(kz0018)が呟いた名は彼女に寄り添って生きていた狐の精霊の名前だろうか。誰も拾うことのない声は風に溶けて消えていった。
●新たなる旅立ちの前に
「シュバルツエンド殿、神霊樹の若木を活用できるようにネットワークに組み込む手配をして頂き、感謝している」
「これも仕事だからね。若木とはいえ神霊樹のネットワークが増えるのはハンターにとっても有益だろうから気にしなくていいよ」
その後、べアルファレスの足取りはつかめたのかい、と問うたルカ・シュバルツエンド(kz0073)に小夜子は緩く首を振る。
「奴にはいろいろと返したい借りがあるからな、今度村で行われるブリーキンダ・ベルと、争いで犠牲になったまま戻らなかった命を慰撫する祭りに顔を出したら、私は一度山を下りようと思う」
そして叶うならソサエティと協力して自らを舞台演出家と称する歪虚を討ち取るための情報収集の旅に出たい。
そう告げた狐面の女性に銀髪の青年は青い目を瞬かせた。
「けれど山には愛着があるだろう、いいのかい?」
「全てを終えたら山に帰る。今のままべアルファレスが何もせずにいるとは思えないからな。その罪を贖わせずには、私の心が真に安らぐことはないだろう」
「……そうだね。水に流すには随分色々やらかしてくれたようだし。今日ここへ来たのはその報告かい?」
「それと鎮魂祭へハンターの方々を招待しようと思ってな。秋の花を摘んで川に流すんだそうだ。水は全てに通じているから、と」
あとはささやかだが楽の音を奏で、食事を楽しみ、夜は風船状の灯篭のような物を今度は川ではなく空へと放つのだという。
「鎮魂祭、という名目上あまり派手に騒ぐのは歓迎されないだろうが、日ごろの疲れを癒し、戦いの舞台になった山が元の生活を取り戻したことを視察する分にはいいのではないかと思う」
「そうかい、それなら僕の方からも声をかけさせてもらおうかな。べアルファレスに関わった人は、結構多いからね。皆村を案じていたんじゃないかな」
「来てくれれば村の人たちも喜ぶだろう。ぜひお願いする」
多くの犠牲を払った一つの物語は終わりを告げた。
世界を憎んでいたベルセルクの女性と、再生を遂げた村に新たな息吹が吹き込まれようとしている。
旅立ちと再生に祝福を、別れには健やかたれ、と杯を互いにかわし、いつかまたこの場所へ帰ることを誓って新たな物語は紡がれていく。
解説
べアルファレス及びブリーキンダ・ベル討伐シナリオのアフターストーリーとなります。
今回は戦闘も絡まず、死に瀕した村が復興したことを祝いながら、ラキエルやべアルファレスをはじめとする歪虚たちによって失われたものを偲ぶイベントシナリオになります。
再興した村でしめやかな祭りを楽しむのも、生気を取り戻した山を歩いてみるのも、ルカや小夜子に話しかけてこれからについて語り合うのも自由です。
・昼の部
川に秋の花を流します。流し雛や川で行う献花のような物とお考え下さい。
・夜の部
風船のように宙に浮く灯篭を空に解き放ちます。
両部ともルカ・シュバルツエンド並びに御影 小夜子が同行します。
お声掛けはご自由にどうぞ。
どちらかに行動を絞ってプレイングを書いて頂いた方が描写は密になるかと思われます。
ご注意
同行者がいる場合は双方でフルネームかID、共通のグループ名を御記載ください。
片方だけの場合は絡みがなくなる場合があります。
愛称などがある場合はプレイングに一緒に記載して頂けると助かります。
今回は戦闘も絡まず、死に瀕した村が復興したことを祝いながら、ラキエルやべアルファレスをはじめとする歪虚たちによって失われたものを偲ぶイベントシナリオになります。
再興した村でしめやかな祭りを楽しむのも、生気を取り戻した山を歩いてみるのも、ルカや小夜子に話しかけてこれからについて語り合うのも自由です。
・昼の部
川に秋の花を流します。流し雛や川で行う献花のような物とお考え下さい。
・夜の部
風船のように宙に浮く灯篭を空に解き放ちます。
両部ともルカ・シュバルツエンド並びに御影 小夜子が同行します。
お声掛けはご自由にどうぞ。
どちらかに行動を絞ってプレイングを書いて頂いた方が描写は密になるかと思われます。
ご注意
同行者がいる場合は双方でフルネームかID、共通のグループ名を御記載ください。
片方だけの場合は絡みがなくなる場合があります。
愛称などがある場合はプレイングに一緒に記載して頂けると助かります。
マスターより
べアルファレスとの次への一幕へ続く幕間的なものを。
あの蛙頭はかなり自由に動いてくれるので動かす分にはスムーズなのですが、饒舌すぎて一度出ると喋り続けてしまうのが難点です。
敵NPCというのは初めて登録しましたが嫌われることを前提に動かすのは気が楽だなぁという印象があったりします。
すっかり蛙頭で定着した彼ですが、今度は何をしでかしてくれるのでしょうか。
懸念は少しだけ忘れて、今度こそ安息を得た村でのひと時をお楽しみください。
あの蛙頭はかなり自由に動いてくれるので動かす分にはスムーズなのですが、饒舌すぎて一度出ると喋り続けてしまうのが難点です。
敵NPCというのは初めて登録しましたが嫌われることを前提に動かすのは気が楽だなぁという印象があったりします。
すっかり蛙頭で定着した彼ですが、今度は何をしでかしてくれるのでしょうか。
懸念は少しだけ忘れて、今度こそ安息を得た村でのひと時をお楽しみください。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/10/02 00:42