ゲスト
(ka0000)
乙女悩ます、収穫と栗のランタン
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/10/13 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/10/22 12:00
オープニング
●魔法公害
グラズヘイム王国のとある領地。
領主の長女であり、今年15歳を迎えたイノア・クリシスは、緩やかなウェーブを描く髪を背にまとめ、書類に目を通していた。もともとこういった仕事に親和性があり、鬼籍に入っていた兄より領主としての手腕があると言われていた。
(……兄が生きていたら……どんなになっていたのかしら?)
イノアは時々思わなくはない。イノアの兄は文武両道で美少年、歌がうまい、優しいと領内の民には慕われていたが、貴族として政治をやるとなると不安この上ない存在だった。
イノアの自慢の兄であり、不満が溜まる兄だった。死んでしまっては何も言えない。
(そうなのよね。お兄様がいたら、お父様について北部でゴブリンと戦っていたかもしれない。宗教家になっていたかもしれない……とはいえ、あの優柔不断さは何をするにも問題だったと思うわ)
イノアは溜息と共に、父親の執務室に飾られている昔の家族の肖像画を見た。兄と母もいた平穏な時の。
「戻れないのは分かっているけれども……」
つぶやいたとき、扉がノックされた。入ってきた執事が来客を告げる。
イノアの表情に嫌悪が浮かんだ。過去にその商人は魔法生物や道具を扱っていたらしく、過去に魔法公害を発生させ、領主ともめた。その際に逃げ出した生き物が兄を殺し、イノアをかばった母の命を奪ったとされる。イノアは父に聞かされた言葉しか知らない、途中で意識を失ったから。
「とはいえ……兄のことは……」
首を横にふってイノアは領主の代わりなのだと、表情を正した。
応接間に向かい、商人と対峙する。商人は事件の直後ちらりと見た時とちっとも変っていない。白く、丸いという形が。あの時は神妙は表情であり、今は冷や汗をかいた焦り顔だ。
「お嬢様、一段と美しくおなりになられて」
「お世辞はいらないわ。ところで何かあったのですか?」
「……実は……機導関係の実験の処理をし損ね……魔法公害を発生させてしまいました」
イノアは眉をひそめる。この商人と領主が交わしている約束事を思い出す。魔法に関する物品は扱うことは許すが、万が一のことが起こった場合の罰則を強化したもの。それ以来、5年近く事件は起こっていなかったので、商人は守ってきていたはずだ。
「でも、もう片付けたのではないのですか?」
「片づけました……片づけましたが」
発生した生き物が逃げてしまったとのこと。
「ハンターに依頼を出しておりまして、捜索する段にはなっております」
「分かりました。ハンターズソサエティには情報をうかがってきます」
信用いないわけではないが、確実に商人が動いたかということを確認するのに第三者は重要だった。
「で、どんな生物なんですか?」
「ジャック・オ・ランタン……の栗版です」
「……小さいですね」
「いいえ、それがそこそこ大きくなています。そして、痛いです」
「魔法生物ですからね」
「いえ……それが、とがってますから、見るからに」
栗のイガの棘より鋭くなっているという商人に、イノアは溜息を洩らした。
●栗
栗を収穫していた農家の夫妻は今年、奇妙なことが多いことに気付いた。
少し離れたところで落ち葉をたき火していたところ、栗がはじけて飛んできた。それもイガ付きで驚いたが、幸い当たらなかったが当たっていたら刺さっていただろう。
いつ落ちたのが入ったのか不思議に思う。これは幸いにして一度しか起こっていない。
時々起った不思議なことは、栗が頭の上に落ちてきたこと。偶然にしては妙に回数が多かった。それに、帽子をかぶっていないときに多い。わざとかぶっていないときを狙っているのかもしれない、と夫妻は冗談を言っていた。
もう一つは畑の中央にある巨大な栗。気付けばその大きさになっており、この日、困惑を持って見つめていた。
「このあたりでよく栗が頭に落ちてたような気もする」
「これが重くて周りのを落としていたのかしら」
夫婦は小さく笑って、枝が折れないうちに巨大栗を落とそうとした。
ピシッ。
「きゃあ」
「うわあ」
針を飛ばしてきたのだった。
梯子に乗っていた夫はとっさによけようとして転落し、妻は夫の下敷になって倒れた。その上に、栗が落ちてきた。
「ぎゃああ」
「あなたっ!」
妻は夫の断末魔に近い悲鳴を聞きながらも、夫の下からはい出るのが精いっぱいだった。
栗は元の所に戻っているが、夫は上半身に刺さった針を抜こうと必死にうめいている。妻は彼を引きずりながら急いで逃げた。
グラズヘイム王国のとある領地。
領主の長女であり、今年15歳を迎えたイノア・クリシスは、緩やかなウェーブを描く髪を背にまとめ、書類に目を通していた。もともとこういった仕事に親和性があり、鬼籍に入っていた兄より領主としての手腕があると言われていた。
(……兄が生きていたら……どんなになっていたのかしら?)
イノアは時々思わなくはない。イノアの兄は文武両道で美少年、歌がうまい、優しいと領内の民には慕われていたが、貴族として政治をやるとなると不安この上ない存在だった。
イノアの自慢の兄であり、不満が溜まる兄だった。死んでしまっては何も言えない。
(そうなのよね。お兄様がいたら、お父様について北部でゴブリンと戦っていたかもしれない。宗教家になっていたかもしれない……とはいえ、あの優柔不断さは何をするにも問題だったと思うわ)
イノアは溜息と共に、父親の執務室に飾られている昔の家族の肖像画を見た。兄と母もいた平穏な時の。
「戻れないのは分かっているけれども……」
つぶやいたとき、扉がノックされた。入ってきた執事が来客を告げる。
イノアの表情に嫌悪が浮かんだ。過去にその商人は魔法生物や道具を扱っていたらしく、過去に魔法公害を発生させ、領主ともめた。その際に逃げ出した生き物が兄を殺し、イノアをかばった母の命を奪ったとされる。イノアは父に聞かされた言葉しか知らない、途中で意識を失ったから。
「とはいえ……兄のことは……」
首を横にふってイノアは領主の代わりなのだと、表情を正した。
応接間に向かい、商人と対峙する。商人は事件の直後ちらりと見た時とちっとも変っていない。白く、丸いという形が。あの時は神妙は表情であり、今は冷や汗をかいた焦り顔だ。
「お嬢様、一段と美しくおなりになられて」
「お世辞はいらないわ。ところで何かあったのですか?」
「……実は……機導関係の実験の処理をし損ね……魔法公害を発生させてしまいました」
イノアは眉をひそめる。この商人と領主が交わしている約束事を思い出す。魔法に関する物品は扱うことは許すが、万が一のことが起こった場合の罰則を強化したもの。それ以来、5年近く事件は起こっていなかったので、商人は守ってきていたはずだ。
「でも、もう片付けたのではないのですか?」
「片づけました……片づけましたが」
発生した生き物が逃げてしまったとのこと。
「ハンターに依頼を出しておりまして、捜索する段にはなっております」
「分かりました。ハンターズソサエティには情報をうかがってきます」
信用いないわけではないが、確実に商人が動いたかということを確認するのに第三者は重要だった。
「で、どんな生物なんですか?」
「ジャック・オ・ランタン……の栗版です」
「……小さいですね」
「いいえ、それがそこそこ大きくなています。そして、痛いです」
「魔法生物ですからね」
「いえ……それが、とがってますから、見るからに」
栗のイガの棘より鋭くなっているという商人に、イノアは溜息を洩らした。
●栗
栗を収穫していた農家の夫妻は今年、奇妙なことが多いことに気付いた。
少し離れたところで落ち葉をたき火していたところ、栗がはじけて飛んできた。それもイガ付きで驚いたが、幸い当たらなかったが当たっていたら刺さっていただろう。
いつ落ちたのが入ったのか不思議に思う。これは幸いにして一度しか起こっていない。
時々起った不思議なことは、栗が頭の上に落ちてきたこと。偶然にしては妙に回数が多かった。それに、帽子をかぶっていないときに多い。わざとかぶっていないときを狙っているのかもしれない、と夫妻は冗談を言っていた。
もう一つは畑の中央にある巨大な栗。気付けばその大きさになっており、この日、困惑を持って見つめていた。
「このあたりでよく栗が頭に落ちてたような気もする」
「これが重くて周りのを落としていたのかしら」
夫婦は小さく笑って、枝が折れないうちに巨大栗を落とそうとした。
ピシッ。
「きゃあ」
「うわあ」
針を飛ばしてきたのだった。
梯子に乗っていた夫はとっさによけようとして転落し、妻は夫の下敷になって倒れた。その上に、栗が落ちてきた。
「ぎゃああ」
「あなたっ!」
妻は夫の断末魔に近い悲鳴を聞きながらも、夫の下からはい出るのが精いっぱいだった。
栗は元の所に戻っているが、夫は上半身に刺さった針を抜こうと必死にうめいている。妻は彼を引きずりながら急いで逃げた。
解説
雑魔退治。
●栗畑
100m×100mに5メートル間隔で栗の木が植わっているとします。
巨大栗は中央付近にいます。
●雑魔
栗×6
サイズゼロ、棘を含めて直径30センチ。他の栗よりは大きいですが、木の葉に隠れていると分かりにくいです。
降ってきます。動き回ることは可能。体当たりメーン。
巨大栗×1
サイズ1、直径80センチ。栗の木の上に鎮座しているので探せばすぐに分かります。
針を飛ばす、全周囲に3マス。体当たりもします。
●蛇足
栗は火で熱するとはじけることがあります。
●栗畑
100m×100mに5メートル間隔で栗の木が植わっているとします。
巨大栗は中央付近にいます。
●雑魔
栗×6
サイズゼロ、棘を含めて直径30センチ。他の栗よりは大きいですが、木の葉に隠れていると分かりにくいです。
降ってきます。動き回ることは可能。体当たりメーン。
巨大栗×1
サイズ1、直径80センチ。栗の木の上に鎮座しているので探せばすぐに分かります。
針を飛ばす、全周囲に3マス。体当たりもします。
●蛇足
栗は火で熱するとはじけることがあります。
マスターより
こんにちは。
芋・栗・南瓜……収穫時期であるために脳内を駆け廻っています。
イノア嬢は父に代わり領地を守っています。今後、縁があれば「兄」についてイノア嬢が語ります。
よろしくお願いします。
芋・栗・南瓜……収穫時期であるために脳内を駆け廻っています。
イノア嬢は父に代わり領地を守っています。今後、縁があれば「兄」についてイノア嬢が語ります。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/10/18 17:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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栗拾い?相談卓 レイオス・アクアウォーカー(ka1990) 人間(リアルブルー)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/10/13 09:44:02 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/12 08:56:29 |