ゲスト
(ka0000)
FBO2
マスター:とりる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 4日
- プレイング締切
- 2014/07/29 12:00
- リプレイ完成予定
- 2014/08/07 12:00
オープニング
辺境のとある草原――。
「やああああああああああっ!!」
少年が咆哮し、跳躍。きつく握り締めた長剣で敵の胴体を大きく斬り上げる。
敵――ラージヴォイドボア、巨大な猪型歪虚は堪らず「ブモォォォッ!?」と悲鳴を上げた。
最後まで斬り上げた後に少年は着地。それと共に巨大な猪は大きな音を立てて地面に倒れ伏し、黒い霧となって散った。
「はぁ……はぁ……」
少年は屈んだ体勢のまま荒い息をつく。
正直……危なかった。たった今倒したラージヴォイドボアは並みのヴォイドボアよりも遥に強い。
生命力が高く、攻撃力もあった。あの巨体から繰り出される突撃を一度でも受けていたら……と思うと肝が冷える。
敵は巨体ゆえに避けるのはそう難しくはなかったが……。
少年は戦闘で負った傷をマテリアルヒーリングで癒す。
童顔で女顔、細身の少年――綾川・琉人は『えらくでかい猪が暴れているので退治してほしい』という依頼を単独で受けていた。
『腕試し!』と意気込んで挑んだ結果がこれである。琉人は人付き合いが少し苦手……そのため単独で挑んだのだが、今回の件で懲りた。
今後は素直に仲間を頼ろうと誓う、一般的に見れば美少年……が回復を終え額の汗を服の袖で拭い、空に目をやると……もう日が暮れ始めていた。
琉人は依頼の報告をするべく、辺境部族集落へ向かった。
***
辺境部族集落――。
琉人は何とか今晩の宿を確保。と言ってもただの民家だが。
「ハンターさん、猪の歪虚を倒していただいて、ありがとうございます。今夜はゆっくりして行ってくださいね」
家の主である二十代後半ほどの美しい女性がぺこりとお辞儀してきた。琉人は「いえ……僕はハンターですから」とだけ返す。
二人は食事を終え、椅子に腰かけテーブルについてお茶を飲む。
「最近はどこも物騒で困ります……。元々、辺境は戦いが絶えませんが……」
女性は神妙な面持ちで視線を下に向ける……。
その表情を読み、琉人はまだ何か問題を抱えているのだろうか? と思う。
そのとき。
「お母さん、誰か来てるの?」
可愛らしい声がした。振り向いてみると、毛布を引きずった幼い少女の姿。
「こら、ダメでしょ。ちゃんと寝てないと」
「お兄ちゃんって……もしかしてハンターさん?」
女性――母親の言葉を聞かず、少女は琉人に話しかけてくる。
「あ、ああ。そうだよ。今日はここに泊めてもらうんだ。お邪魔してごめんね」
……どうやら背中の剣と腕に装備したアルケミストデバイスで気付かれてしまったらしい。
「ううん、お邪魔なんかじゃないよ。ハンターさんかぁ……すごいなあ。お母さん、ずるい。私もお話し……げほっ、げほっ」
急に少女が咳き込む。
「ほらダメじゃない。早く部屋に戻って寝なさい。ちゃんと寝ないと治るものも治らないわよ」
「はぁーい……」
少女は不満げな声を漏らしつつ、母親に連れられて奥の部屋に戻って行った。
しばらくして、母親が戻ってくる。
「すみません。娘が……」
「いえ。僕は全然気にしていませんので」
申し訳なさそうな母親に向かって琉人はぶんぶんと手を振る。
「……娘さん、どこか悪いんですか?」
「はい……あの子は生まれつき身体が弱くて……。でも毎日薬草のスープを飲ませていたら外で遊べるくらい元気になっていたのですが……」
やはり、何か問題がありそうだ。
「詳しく聞かせてください」
琉人は真剣な眼差しで母親の顔を見た。少し置いて、母親は遠慮がちに口を開く。
「最近、その薬草が採れる森に多数の歪虚が出るようになったんです。私の力では歪虚に挑むなんて到底無理で……どうしたら良いか……」
「このまま薬草が採れないとあの子は……」と、母親は両手で顔を覆う。
「僕が行きます。僕がその森に行って歪虚を倒して来ます」
「えっ……? そんな……ハンターさんにはもう大猪を倒していただいたのに……これ以上ご迷惑をかけるわけには……」
母親は顔を上げるが、表情は曇ったままだ。
「ええ、流石に敵が多数となると僕一人ではキツイですね。ハンターズソサエティに依頼します。もちろん僕も同行します」
母親は「でもそんなお金は……」と言う。
「報酬は最低限で構いません。長老さんにもお願いしてみましょう。娘さんをこのままにはしておけない」
「ハンターさん……ありがとうございます……」
「僕、リアルブルーからこの世界に来たんですけど……向こうには妹が居るんです。だから、放ってはおけないんです」
はっきりとした口調で琉人は言った。
長いこと会っていない妹……。妹が幼いころはあの子のようによく熱を出しては寝込んでいた。
ゆえに、あの子と妹が重なって見えた。自分は、この親子の役に立ちたい……! 琉人は強くそう思った。
「あ、そうだ。その薬草ってどんなものなんですか?」
「ええと……特徴的な葉っぱの形をしているのですぐに判ります。確か絵が描かれた本が――」
***
翌日、琉人は早朝に長老の家へ押しかけて話をつけ、一番の馬車でハンターズソサエティのある要塞都市【ノアーラ・クンタウ】へと向かった。
「やああああああああああっ!!」
少年が咆哮し、跳躍。きつく握り締めた長剣で敵の胴体を大きく斬り上げる。
敵――ラージヴォイドボア、巨大な猪型歪虚は堪らず「ブモォォォッ!?」と悲鳴を上げた。
最後まで斬り上げた後に少年は着地。それと共に巨大な猪は大きな音を立てて地面に倒れ伏し、黒い霧となって散った。
「はぁ……はぁ……」
少年は屈んだ体勢のまま荒い息をつく。
正直……危なかった。たった今倒したラージヴォイドボアは並みのヴォイドボアよりも遥に強い。
生命力が高く、攻撃力もあった。あの巨体から繰り出される突撃を一度でも受けていたら……と思うと肝が冷える。
敵は巨体ゆえに避けるのはそう難しくはなかったが……。
少年は戦闘で負った傷をマテリアルヒーリングで癒す。
童顔で女顔、細身の少年――綾川・琉人は『えらくでかい猪が暴れているので退治してほしい』という依頼を単独で受けていた。
『腕試し!』と意気込んで挑んだ結果がこれである。琉人は人付き合いが少し苦手……そのため単独で挑んだのだが、今回の件で懲りた。
今後は素直に仲間を頼ろうと誓う、一般的に見れば美少年……が回復を終え額の汗を服の袖で拭い、空に目をやると……もう日が暮れ始めていた。
琉人は依頼の報告をするべく、辺境部族集落へ向かった。
***
辺境部族集落――。
琉人は何とか今晩の宿を確保。と言ってもただの民家だが。
「ハンターさん、猪の歪虚を倒していただいて、ありがとうございます。今夜はゆっくりして行ってくださいね」
家の主である二十代後半ほどの美しい女性がぺこりとお辞儀してきた。琉人は「いえ……僕はハンターですから」とだけ返す。
二人は食事を終え、椅子に腰かけテーブルについてお茶を飲む。
「最近はどこも物騒で困ります……。元々、辺境は戦いが絶えませんが……」
女性は神妙な面持ちで視線を下に向ける……。
その表情を読み、琉人はまだ何か問題を抱えているのだろうか? と思う。
そのとき。
「お母さん、誰か来てるの?」
可愛らしい声がした。振り向いてみると、毛布を引きずった幼い少女の姿。
「こら、ダメでしょ。ちゃんと寝てないと」
「お兄ちゃんって……もしかしてハンターさん?」
女性――母親の言葉を聞かず、少女は琉人に話しかけてくる。
「あ、ああ。そうだよ。今日はここに泊めてもらうんだ。お邪魔してごめんね」
……どうやら背中の剣と腕に装備したアルケミストデバイスで気付かれてしまったらしい。
「ううん、お邪魔なんかじゃないよ。ハンターさんかぁ……すごいなあ。お母さん、ずるい。私もお話し……げほっ、げほっ」
急に少女が咳き込む。
「ほらダメじゃない。早く部屋に戻って寝なさい。ちゃんと寝ないと治るものも治らないわよ」
「はぁーい……」
少女は不満げな声を漏らしつつ、母親に連れられて奥の部屋に戻って行った。
しばらくして、母親が戻ってくる。
「すみません。娘が……」
「いえ。僕は全然気にしていませんので」
申し訳なさそうな母親に向かって琉人はぶんぶんと手を振る。
「……娘さん、どこか悪いんですか?」
「はい……あの子は生まれつき身体が弱くて……。でも毎日薬草のスープを飲ませていたら外で遊べるくらい元気になっていたのですが……」
やはり、何か問題がありそうだ。
「詳しく聞かせてください」
琉人は真剣な眼差しで母親の顔を見た。少し置いて、母親は遠慮がちに口を開く。
「最近、その薬草が採れる森に多数の歪虚が出るようになったんです。私の力では歪虚に挑むなんて到底無理で……どうしたら良いか……」
「このまま薬草が採れないとあの子は……」と、母親は両手で顔を覆う。
「僕が行きます。僕がその森に行って歪虚を倒して来ます」
「えっ……? そんな……ハンターさんにはもう大猪を倒していただいたのに……これ以上ご迷惑をかけるわけには……」
母親は顔を上げるが、表情は曇ったままだ。
「ええ、流石に敵が多数となると僕一人ではキツイですね。ハンターズソサエティに依頼します。もちろん僕も同行します」
母親は「でもそんなお金は……」と言う。
「報酬は最低限で構いません。長老さんにもお願いしてみましょう。娘さんをこのままにはしておけない」
「ハンターさん……ありがとうございます……」
「僕、リアルブルーからこの世界に来たんですけど……向こうには妹が居るんです。だから、放ってはおけないんです」
はっきりとした口調で琉人は言った。
長いこと会っていない妹……。妹が幼いころはあの子のようによく熱を出しては寝込んでいた。
ゆえに、あの子と妹が重なって見えた。自分は、この親子の役に立ちたい……! 琉人は強くそう思った。
「あ、そうだ。その薬草ってどんなものなんですか?」
「ええと……特徴的な葉っぱの形をしているのですぐに判ります。確か絵が描かれた本が――」
***
翌日、琉人は早朝に長老の家へ押しかけて話をつけ、一番の馬車でハンターズソサエティのある要塞都市【ノアーラ・クンタウ】へと向かった。
解説
【依頼概要】
薬草が採れる辺境の森に植物型歪虚が現れ、近くの辺境部族集落の住民が困っています。
森を跋扈する植物型歪虚(ウツボ)を一体残らず「完全排除」してください。
戦場となる森……植物型歪虚の出現エリア(薬草の群生地と重なる)は大体1km四方です。
【敵情報】
●ヴォイドネペンテス×10~
ウツボカズラに似た姿の植物型歪虚。
根を足のように使って移動し、多数の長い蔓を鞭のように使って攻撃してくる。
また、胴体上部には大きな口があり、強酸を広範囲に撒き散らす。
生命力が高めで割とタフ。眼……視覚を持たず、代わりに聴覚などの感覚が敏感。
大きさは全高1.5m程。
【味方情報】
●綾川・琉人(あやかわ・りゅうと)
今回の依頼の同行者(NPC)。立場はPCと同じハンターです。
リアルブルー出身の少年。14歳。クラスは機導師。
武器はロングソード。アルケミストデバイスも装備。
基本は単独で動きますが連携の要請があれば受け付けます。
【備考】
この依頼を「大成功」まで持っていくには敵を完全に全滅させた上で更に「とある条件」を満たす必要があります。
OP本文にヒントが隠されていますので探して考えてみてください。
薬草が採れる辺境の森に植物型歪虚が現れ、近くの辺境部族集落の住民が困っています。
森を跋扈する植物型歪虚(ウツボ)を一体残らず「完全排除」してください。
戦場となる森……植物型歪虚の出現エリア(薬草の群生地と重なる)は大体1km四方です。
【敵情報】
●ヴォイドネペンテス×10~
ウツボカズラに似た姿の植物型歪虚。
根を足のように使って移動し、多数の長い蔓を鞭のように使って攻撃してくる。
また、胴体上部には大きな口があり、強酸を広範囲に撒き散らす。
生命力が高めで割とタフ。眼……視覚を持たず、代わりに聴覚などの感覚が敏感。
大きさは全高1.5m程。
【味方情報】
●綾川・琉人(あやかわ・りゅうと)
今回の依頼の同行者(NPC)。立場はPCと同じハンターです。
リアルブルー出身の少年。14歳。クラスは機導師。
武器はロングソード。アルケミストデバイスも装備。
基本は単独で動きますが連携の要請があれば受け付けます。
【備考】
この依頼を「大成功」まで持っていくには敵を完全に全滅させた上で更に「とある条件」を満たす必要があります。
OP本文にヒントが隠されていますので探して考えてみてください。
マスターより
今回は単純な戦闘ではなく隠し要素も加えてみました。
是非、チャレンジしてみてくださいね。
それでは、ご参加をお待ちしております。
是非、チャレンジしてみてくださいね。
それでは、ご参加をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/08/11 23:01
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 プルミエ・サージ(ka2596) 人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2014/07/29 08:27:10 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/27 00:26:51 |