ゲスト
(ka0000)
【聖呪】まだ、火蓋は切られていない
マスター:秋風落葉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/10/17 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/10/26 19:00
オープニング
●ヨーク丘陵北/茨の王
茨王はどっかと腰を下ろし、胸を張って腕を組んだ。
じっと南に目を向けていると、不意に激情が込み上げてきて苛立ち紛れに腕を振るった。
「誰かある」
「は、我が王」
ヌギが追従の笑みを浮かべ、腰を折る。ヌギの傷は未だ癒えず、いかにも苦しげだ。
茨王はその姿を目に焼き付けた。次への糧とする為に。
「各地の同胞を集めろ。可能ならば征服した軟弱者どもも連れてこい」
「それは……『動く』ということでございますか!?」
「うむ」
「別動隊となり得る隊はやや距離を離してもよろしいのでは?」
鉄灰色の肌をした別の茨小鬼が言う。茨王はやや考え、首肯した。
「隊の選別は任せる。ただし本隊と軌を一にして動くよう徹底しろ」
「ははぁ!」
恭しく鉄灰色が低頭し、去っていく。その後ろ姿は喜びに満ちているように感じられた。
ヌギもまた目を輝かせて声を弾ませる。
「遂に……遂に始まるのですな!」
「欲を言えばもう少し南下しておきたかった。が、もはや……もはや我慢ならぬ!」
茨王は吼える。
地を這うような怨嗟を、天まで届かせんばかりに。力の源となった≪あの者≫にも聴こえるようにと。
「百鬼夜行……いや、茨鬼夜行の準備じゃあ! 『茨風景』を発動せよ!!」
●
「小競り合いが始まったか……ワシも静観するわけにはいかんな」
再び始まったゴブリンと人間の戦い。遠くに見える乱戦を双眼鏡で見据えながら、デルギンは忌々しそうに呟いた。
人間達との戦争。それはデルギンにとって望むところである。しかし彼は今、万全の状態ではなかった。
デルギンは己の指揮する部隊の小隊長達を招集する。中でも、どちらかというと新参の者達だ。
「今回、ワシとラプター部隊は戦場には出られぬ。お前達だけで戦うのだ」
時折やってくる痛みに顔をしかめるデルギン。ハンターとの交戦により、デルギンも決して浅くはない傷を負わされ、さらには愛用していた魔導銃も彼らの手によって破壊されていた。
もちろん壊れた魔導銃はすでに処分し、新しいものを手にしていたが、さすがに受けた傷はすぐにはふさがらない。
本当は軍勢そのものをまだ動かしたくはなかった。ラプター部隊の再編も終わっていないのだ。しかし、茨の王への体面もある。座して待つわけにもいくまい。
とはいえ、この場で戦力を失いたくはないとデルギンは考えていた。先ほど茨の王の使者がやって来た。どうやら、何か特殊なことをするらしい。
(信じられぬ話だが、あの茨の王ならば出来るのかもしれぬ)
彼の使者は言っていた。王は『道』を作り、進軍すると。
つまり、決戦の地はここではない。
「オレタチ、ドウスレバイイ?」
沈思黙考していたデルギンに、一体のゴブリンが恐る恐る尋ねた。
デルギンは小さく頷き、口を開く。
「ふむ……耳を貸せ」
●
グラズヘイム王国軍の兵士達。
彼らの目に襲い来るゴブリンの群れが見える。
しかし、兵士達は訝った。自分たちが相対しているのは『秩序の禍』デルギンの部隊のはずだ。彼らがラプターに乗り、騎乗したまま魔導銃を操ったという情報はすでに耳にしている。
しかし、ラプターの姿はどこにもない。確かに魔導銃を持つ亜人はいるものの徒歩であり、その数も多くはない。大半は弓や投げ槍で武装した者達だ。
どちらかというと単純な生き物であるはずのゴブリン達にしては、戦場の狂乱に飲み込まれることもなく、やや距離を取って魔導銃を発砲し、もしくは矢を射掛けてくる。
ちょうどこの場ではハンター達も王国軍に混ざり、戦いに備えていた。
彼らの目にも、ゴブリン達の動きはやや奇妙なものに映る。
「主力を温存している……? いや、それとも動かせないのか……?」
ハンターの男は疑念を口にした。もちろんその答えが返ってくるわけもなく、彼らも王国軍の兵士達と共に、デルギン配下のゴブリン達との戦闘に身を投じていく……。
茨王はどっかと腰を下ろし、胸を張って腕を組んだ。
じっと南に目を向けていると、不意に激情が込み上げてきて苛立ち紛れに腕を振るった。
「誰かある」
「は、我が王」
ヌギが追従の笑みを浮かべ、腰を折る。ヌギの傷は未だ癒えず、いかにも苦しげだ。
茨王はその姿を目に焼き付けた。次への糧とする為に。
「各地の同胞を集めろ。可能ならば征服した軟弱者どもも連れてこい」
「それは……『動く』ということでございますか!?」
「うむ」
「別動隊となり得る隊はやや距離を離してもよろしいのでは?」
鉄灰色の肌をした別の茨小鬼が言う。茨王はやや考え、首肯した。
「隊の選別は任せる。ただし本隊と軌を一にして動くよう徹底しろ」
「ははぁ!」
恭しく鉄灰色が低頭し、去っていく。その後ろ姿は喜びに満ちているように感じられた。
ヌギもまた目を輝かせて声を弾ませる。
「遂に……遂に始まるのですな!」
「欲を言えばもう少し南下しておきたかった。が、もはや……もはや我慢ならぬ!」
茨王は吼える。
地を這うような怨嗟を、天まで届かせんばかりに。力の源となった≪あの者≫にも聴こえるようにと。
「百鬼夜行……いや、茨鬼夜行の準備じゃあ! 『茨風景』を発動せよ!!」
●
「小競り合いが始まったか……ワシも静観するわけにはいかんな」
再び始まったゴブリンと人間の戦い。遠くに見える乱戦を双眼鏡で見据えながら、デルギンは忌々しそうに呟いた。
人間達との戦争。それはデルギンにとって望むところである。しかし彼は今、万全の状態ではなかった。
デルギンは己の指揮する部隊の小隊長達を招集する。中でも、どちらかというと新参の者達だ。
「今回、ワシとラプター部隊は戦場には出られぬ。お前達だけで戦うのだ」
時折やってくる痛みに顔をしかめるデルギン。ハンターとの交戦により、デルギンも決して浅くはない傷を負わされ、さらには愛用していた魔導銃も彼らの手によって破壊されていた。
もちろん壊れた魔導銃はすでに処分し、新しいものを手にしていたが、さすがに受けた傷はすぐにはふさがらない。
本当は軍勢そのものをまだ動かしたくはなかった。ラプター部隊の再編も終わっていないのだ。しかし、茨の王への体面もある。座して待つわけにもいくまい。
とはいえ、この場で戦力を失いたくはないとデルギンは考えていた。先ほど茨の王の使者がやって来た。どうやら、何か特殊なことをするらしい。
(信じられぬ話だが、あの茨の王ならば出来るのかもしれぬ)
彼の使者は言っていた。王は『道』を作り、進軍すると。
つまり、決戦の地はここではない。
「オレタチ、ドウスレバイイ?」
沈思黙考していたデルギンに、一体のゴブリンが恐る恐る尋ねた。
デルギンは小さく頷き、口を開く。
「ふむ……耳を貸せ」
●
グラズヘイム王国軍の兵士達。
彼らの目に襲い来るゴブリンの群れが見える。
しかし、兵士達は訝った。自分たちが相対しているのは『秩序の禍』デルギンの部隊のはずだ。彼らがラプターに乗り、騎乗したまま魔導銃を操ったという情報はすでに耳にしている。
しかし、ラプターの姿はどこにもない。確かに魔導銃を持つ亜人はいるものの徒歩であり、その数も多くはない。大半は弓や投げ槍で武装した者達だ。
どちらかというと単純な生き物であるはずのゴブリン達にしては、戦場の狂乱に飲み込まれることもなく、やや距離を取って魔導銃を発砲し、もしくは矢を射掛けてくる。
ちょうどこの場ではハンター達も王国軍に混ざり、戦いに備えていた。
彼らの目にも、ゴブリン達の動きはやや奇妙なものに映る。
「主力を温存している……? いや、それとも動かせないのか……?」
ハンターの男は疑念を口にした。もちろんその答えが返ってくるわけもなく、彼らも王国軍の兵士達と共に、デルギン配下のゴブリン達との戦闘に身を投じていく……。
解説
デルギン配下のゴブリン達が今回の相手となります。
戦場にはデルギン本人も、ラプター部隊の存在も見えません。
ただ、魔導銃を扱う徒歩のゴブリンが数体います。
他のゴブリン達は、弓や投げ槍といった遠距離攻撃のできる武器を身につけている者がほとんどです。
数は合わせて50体ほどです。
彼らを可能な限り討ち果たしてください。
戦場には特に障害物となるようなものはありません。
・関連シナリオ
【聖呪】新たなる力、戦場を駆ける
戦場にはデルギン本人も、ラプター部隊の存在も見えません。
ただ、魔導銃を扱う徒歩のゴブリンが数体います。
他のゴブリン達は、弓や投げ槍といった遠距離攻撃のできる武器を身につけている者がほとんどです。
数は合わせて50体ほどです。
彼らを可能な限り討ち果たしてください。
戦場には特に障害物となるようなものはありません。
・関連シナリオ
【聖呪】新たなる力、戦場を駆ける
マスターより
こんにちは、こんばんは。秋風落葉(しゅうふうらくよう)です。
今回、指揮官であるデルギンを戦場で見かけることはできません。
動員されているゴブリン達も主力とは言い難い者達です。
しかし、それでもデルギンの配下のゴブリン達であることに変わりはなく、彼らを討つことでデルギンの戦力を大きく削ぐことが出来るでしょう。
今回、指揮官であるデルギンを戦場で見かけることはできません。
動員されているゴブリン達も主力とは言い難い者達です。
しかし、それでもデルギンの配下のゴブリン達であることに変わりはなく、彼らを討つことでデルギンの戦力を大きく削ぐことが出来るでしょう。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/10/23 17:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談用スレッド ジャック・エルギン(ka1522) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/10/16 23:21:49 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/15 04:38:41 |