ゲスト
(ka0000)
ハロウィン 殺戮の宴
マスター:天田洋介

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/10/21 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/10/30 22:00
オープニング
「もうすぐですね。ハロウィンは」
「そうだ。それまでに事を進めなければならない。あくまで秘密裏にな」
ここはグラズヘイム王国、王都【イルダーナ】より南方の町。深夜の廃屋で二人の男が話し合う。
一人は身なりの整った若い紳士風。もう一人は三十路の職人風。偉そうに振る舞っていたのは職人の方である。
この町では毎年の十月末、ハロウィンイベントが開催されていた。
中央広場では様々な料理が無料で振る舞われる。お化けに扮して大通りを練り歩く仮装パレードも有名。この日のために一年がかりで衣装を用意する者もいるぐらい熱心であった。
「私がパレードを担当しよう。お前は広場だ。お互いの立場からいってそれが妥当だろうからな」
「わかりました。広場の地下には倉庫があります。一区画分を立ち入り禁止にすれば簡単です。それにしても……楽しみですね。町の奴らが羽目を外して浮かれているところで」
「そう。殺戮の宴が始まるのだからな」
「ああ、早く当日になって欲しいです」
二人が愉快そうに笑いだす。
職人と紳士は歪虚崇拝者だった。ハロウィンのお祭り騒ぎに乗じて事前に忍び込ませた歪虚や雑魔を開放。大事件を起こそうと画策していたのである。
「んっ?」
「どうかしました?」
職人が物音に気がつく。紳士が確認しようと隣室への扉を開けた。
「貴様!」
紳士が掲げたランタンが一人の青年を闇から浮かび上がらせる。
大きな荷物を抱えながらも青年はすばしっこい。職人が突きだしたナイフの刃が荷物に阻まれる。そうこうするうちに青年は窓から逃げていった。
「話しを聞かれましたかね?」
「おそらくな。だが大丈夫だろう。誰も信じやしないさ。ただここで落ちあうのはもう止めた方がよさそうだ」
歪虚崇拝者の二人は次に会う場所を決めてから解散するのだった。
(な、何だったんだ?)
青年テナシャは走り疲れて壁にもたれ掛かる。肩で息をしながら先程見聞きしたことを思いだす。
(もし奴らが話していたことが本当なら大変なんだが……)
これからどうしようかと考えていると脇腹が痛んだ。その付近を触ると手に血がべっとりとつく。荷物のおかげで浅かったが怪我をしていた。逃げるのに精一杯で今まで気づかなかった。
悩んだ末、テナシャは恋人ナタリーの家へと向かう。正確にいえば元恋人だ。
テナシャは町角での似顔絵描きでわずかな収入を得ているしがない画家志望である。それだけではとても生きていけないので恋人の家に転がり込んでいた。
そのナタリーに愛想を尽かされて追いだされたのが三日前。仕方なく雨露が凌げる廃屋で休んでいたところで先程の荒事に出くわしたのである。
「こんな夜更けにやってくるなんて。一体何の用? 残っているあんたの荷物は一つもないわ……どうしたの? その怪我は」
ナタリーはテナシャの怪我を知って家にあげた。治療の間にテナシャが事情を話す。
「それはまずいわね。さっきの大声でのやり取り、近所の人達に聞かれてしまっただろうし……」
ナタリーは賢かった。テナシャの話を信じた後は必要最低限の荷物と金目の物をまとめる。夜明けと同時に二人で家をでた。乗合馬車を乗り継いで、翌日の夕方には王都に辿り着く。
テナシャはナタリーの勧めで元いた町の官憲宛に歪虚崇拝者の計画について手紙を認める。しかし証拠に乏しいのでおそらくは信じてもらえない。そこでハンターズソサエティーに依頼することにした。
「こんな感じの二人なんです」
テナシャはハロウィン当日の町が危ないと支部職員に訴える。歪虚崇拝者二名の似顔絵も提出した。
「すまない。こんなことに巻き込んでしまって」
宿部屋に戻った後、テナシャは改めてナタリーに謝る。
「いいのよ。私も心機一転したかったからね。あの町に戻れないのなら王都で暮らすもの一興だし。そうしたら新しい仕事探さないと」
「俺も働くよ。だから……」
そういうとテナシャはナタリーに睨みつけられた。
「はぁ……。もしかして稼ぎがないから愛想尽かせて追いだしたと思っているの? 違うわ。絵を描くのやめるってあなたがいったからよ。そりゃお金は欲しいけどね。それよりも私はテナシャの新しい絵が観たいのよ」
二人は元の鞘に戻る。そして数日後、宿部屋にハンター一行が訪れるのだった。
「そうだ。それまでに事を進めなければならない。あくまで秘密裏にな」
ここはグラズヘイム王国、王都【イルダーナ】より南方の町。深夜の廃屋で二人の男が話し合う。
一人は身なりの整った若い紳士風。もう一人は三十路の職人風。偉そうに振る舞っていたのは職人の方である。
この町では毎年の十月末、ハロウィンイベントが開催されていた。
中央広場では様々な料理が無料で振る舞われる。お化けに扮して大通りを練り歩く仮装パレードも有名。この日のために一年がかりで衣装を用意する者もいるぐらい熱心であった。
「私がパレードを担当しよう。お前は広場だ。お互いの立場からいってそれが妥当だろうからな」
「わかりました。広場の地下には倉庫があります。一区画分を立ち入り禁止にすれば簡単です。それにしても……楽しみですね。町の奴らが羽目を外して浮かれているところで」
「そう。殺戮の宴が始まるのだからな」
「ああ、早く当日になって欲しいです」
二人が愉快そうに笑いだす。
職人と紳士は歪虚崇拝者だった。ハロウィンのお祭り騒ぎに乗じて事前に忍び込ませた歪虚や雑魔を開放。大事件を起こそうと画策していたのである。
「んっ?」
「どうかしました?」
職人が物音に気がつく。紳士が確認しようと隣室への扉を開けた。
「貴様!」
紳士が掲げたランタンが一人の青年を闇から浮かび上がらせる。
大きな荷物を抱えながらも青年はすばしっこい。職人が突きだしたナイフの刃が荷物に阻まれる。そうこうするうちに青年は窓から逃げていった。
「話しを聞かれましたかね?」
「おそらくな。だが大丈夫だろう。誰も信じやしないさ。ただここで落ちあうのはもう止めた方がよさそうだ」
歪虚崇拝者の二人は次に会う場所を決めてから解散するのだった。
(な、何だったんだ?)
青年テナシャは走り疲れて壁にもたれ掛かる。肩で息をしながら先程見聞きしたことを思いだす。
(もし奴らが話していたことが本当なら大変なんだが……)
これからどうしようかと考えていると脇腹が痛んだ。その付近を触ると手に血がべっとりとつく。荷物のおかげで浅かったが怪我をしていた。逃げるのに精一杯で今まで気づかなかった。
悩んだ末、テナシャは恋人ナタリーの家へと向かう。正確にいえば元恋人だ。
テナシャは町角での似顔絵描きでわずかな収入を得ているしがない画家志望である。それだけではとても生きていけないので恋人の家に転がり込んでいた。
そのナタリーに愛想を尽かされて追いだされたのが三日前。仕方なく雨露が凌げる廃屋で休んでいたところで先程の荒事に出くわしたのである。
「こんな夜更けにやってくるなんて。一体何の用? 残っているあんたの荷物は一つもないわ……どうしたの? その怪我は」
ナタリーはテナシャの怪我を知って家にあげた。治療の間にテナシャが事情を話す。
「それはまずいわね。さっきの大声でのやり取り、近所の人達に聞かれてしまっただろうし……」
ナタリーは賢かった。テナシャの話を信じた後は必要最低限の荷物と金目の物をまとめる。夜明けと同時に二人で家をでた。乗合馬車を乗り継いで、翌日の夕方には王都に辿り着く。
テナシャはナタリーの勧めで元いた町の官憲宛に歪虚崇拝者の計画について手紙を認める。しかし証拠に乏しいのでおそらくは信じてもらえない。そこでハンターズソサエティーに依頼することにした。
「こんな感じの二人なんです」
テナシャはハロウィン当日の町が危ないと支部職員に訴える。歪虚崇拝者二名の似顔絵も提出した。
「すまない。こんなことに巻き込んでしまって」
宿部屋に戻った後、テナシャは改めてナタリーに謝る。
「いいのよ。私も心機一転したかったからね。あの町に戻れないのなら王都で暮らすもの一興だし。そうしたら新しい仕事探さないと」
「俺も働くよ。だから……」
そういうとテナシャはナタリーに睨みつけられた。
「はぁ……。もしかして稼ぎがないから愛想尽かせて追いだしたと思っているの? 違うわ。絵を描くのやめるってあなたがいったからよ。そりゃお金は欲しいけどね。それよりも私はテナシャの新しい絵が観たいのよ」
二人は元の鞘に戻る。そして数日後、宿部屋にハンター一行が訪れるのだった。
解説
みなさんはテナシャとナタリーから事情を聞いた後、ハロウィンイベントが行われる町へと向かいます。到着はハロウィンの四日前です。
テナシャを町まで連れて行くかどうかはみなさんの判断に任せます。怪我の具合は大丈夫です。
※PL情報(みなさんが事前に知り得ない情報)
似顔絵を町の人に見せれば二人が誰なのか判明します。
紳士風の男は市場を取り仕切る商家の跡取りです。両親への反発で捻くれたようです。人の世界で貴族になれないのであれば歪虚の世界で、と非常に甘いことを考えています。
職人風の男は裁縫職人です。かなり年季の入った歪虚崇拝者になります。若い頃から世を儚んでおり、今回の作戦が成功したのなら堕落者の道を歩む約束を歪虚と交わしています。
敵が潜んでいる場所は二個所。裁縫職人所有の倉庫と広場の地下です。一つずつ潰すのか、同時に潰すのかはお任せします。一つずつ潰すのであれば、騒ぎにならないよう倒すことが大切です。
潜んでいる歪虚は騎士風。非常にタフで近接に特化しています。闘狩人風の技を使います。雑魔はジャック・オ・ランタン風と骸骨のスケルトンが合わせて十体前後です。歪虚と雑魔、似たような配分でどちらにも潜んでいます。(ちなみにハロウィン当日に近づくにつれて増えます。早めの退治が肝心です)
ジャックは炎を吐いて鎌で攻撃してきます。スケルトンは剣と弓矢を使います。
宿代や交通費等、常識的な必要経費はテナシャ(実質はナタリー)持ちです。
質問があればハンターオフィス職員のフミナ・エミエール(kz0131)が卓で答えます。質問締め切りは出発の一日前までです。
テナシャを町まで連れて行くかどうかはみなさんの判断に任せます。怪我の具合は大丈夫です。
※PL情報(みなさんが事前に知り得ない情報)
似顔絵を町の人に見せれば二人が誰なのか判明します。
紳士風の男は市場を取り仕切る商家の跡取りです。両親への反発で捻くれたようです。人の世界で貴族になれないのであれば歪虚の世界で、と非常に甘いことを考えています。
職人風の男は裁縫職人です。かなり年季の入った歪虚崇拝者になります。若い頃から世を儚んでおり、今回の作戦が成功したのなら堕落者の道を歩む約束を歪虚と交わしています。
敵が潜んでいる場所は二個所。裁縫職人所有の倉庫と広場の地下です。一つずつ潰すのか、同時に潰すのかはお任せします。一つずつ潰すのであれば、騒ぎにならないよう倒すことが大切です。
潜んでいる歪虚は騎士風。非常にタフで近接に特化しています。闘狩人風の技を使います。雑魔はジャック・オ・ランタン風と骸骨のスケルトンが合わせて十体前後です。歪虚と雑魔、似たような配分でどちらにも潜んでいます。(ちなみにハロウィン当日に近づくにつれて増えます。早めの退治が肝心です)
ジャックは炎を吐いて鎌で攻撃してきます。スケルトンは剣と弓矢を使います。
宿代や交通費等、常識的な必要経費はテナシャ(実質はナタリー)持ちです。
質問があればハンターオフィス職員のフミナ・エミエール(kz0131)が卓で答えます。質問締め切りは出発の一日前までです。
マスターより
ハロウィンが楽しい催しで終わるよう力を貸してもらえるでしょうか。うまくいけばハロウィンを楽しんだ形で終わる予定です。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/10/25 19:10
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ミノル・ユスティース(ka5633) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/10/21 19:44:29 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/19 22:13:54 |