ゲスト
(ka0000)
【深棲】漢と霧と新型胸当て
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
ガーディナ- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/08/01 15:00
- リプレイ完成予定
- 2014/08/10 15:00
オープニング
馬鹿の行動は、突発的だ。
必要な時でも、必要でない時も馬鹿は発作を起こしたように動き出す。その結果で引き起こされる斜め上な展開に、一般人は誰も付いてこられない。
しかし、馬鹿を侮る無かれ。
一度行動し始めた馬鹿は、途中で止まることを知らない。やめられない止まらないのユーキャンストップ。
暴走機関車は、どこまでも走り出す。
●
話は、数日前に遡る。
「おい、給仕」
「いえ、給仕ではありません。執事のキュジィです」
お決まりの挨拶を交わしているのは、ドワーフ王のヨアキムと(kz0011)と執事のキュジィである。
キュジィの顔はいつもの笑顔を湛えているが、心中は穏やかではなかった。
(また厄介事を持ち込んで来ましたか……)
「なんだ? また厄介事を持ち込んできたって思っているのか?」
ヨアキムが覗き込むように視線を投げかける。馬鹿は不要な時に鋭くなる。
「いえ、そのような事は……。
それより何のでしょうか?」
「この間頼んでいた例の胸当てだけどよ。まだ届かないのか?」
「ヨアキム様。商隊がリゼリオを出発したのは昨日です。地下城『ヴェドル』へ到着するには、もう数日必要です。それに、その質問は今日で七度目になります」
遠足前にテンションがMAXとなった小学生のようなヨアキムに、キュジィはため息をついた。
『新型の胸当てが手に入った』
馴染みの同盟商人から噂を聞きつけたヨアキムは購入を即決。その後は注文書を眺めてニヤニヤと気色悪い笑みを浮かべていた。きっと、新型胸当てを装備して歪虚を殴り飛ばす都合の良い妄想に浸っているのだろう。
「何度も説明していますが、商隊は冒険都市リゼリオを昨日出発しました。極彩色の街ヴァリオスを通過して、農耕地帯ジェオルジを抜けて、ようやく辺境地域まで辿り着くのです。ここへ到着するにはもう数日かかります」
何度も繰り返した説明を再び口にするキュジィ。
だが、テンションMAXのヨアキムに説明する事が無駄な行為と気付いていないようだ。
「そ、そうか……。で、胸当ては昼に届くのか?」
「届きません! 距離も相当ある上、途中の街で休憩する事もあるでしょう。それに最近沿岸部では雑魔が目撃されているという噂が……」
「それだっ!」
キュジィへ振り返り大声を張り上げるヨアキム。
キュジィの言葉の何に食いついたかは不明だが、ロクな展開が待っていない事だけは予想がつく。
「何かございましたか?」
「雑魔の奴がワシの胸当てを運ばせないように邪魔をしているに違いねぇ!
くそっ! ワシが胸当てを手に入れて無敵になる事が余程危ねぇと判断したか。こうなりゃ、ワシが商隊を守ってやらなきゃならねぇ!
キュジィ! 戦の準備だ! うぉぉぉぉ!」
勝手に盛り上がって斜め上の行動を示し始める馬鹿の王様。じっとしていられないヨアキムは、戦の準備をするために自室へと走り去っていく。
「あ、ヨアキム様……。
困った人ですね。念の為、商隊が襲われた際の救援依頼を出しておきましょう。……ん? あれは?」
ヨアキムが居た場所に落ちていた一枚の書類。おそらく、ヨアキムが胸当てを発注した際の注文書だろう。
皺苦茶で小汚い書類を拾い上げたキュジィは、徐に書類を広げてみる。
そこには、
『女性用下着』
の文字がハッキリと書かれていた。
●
馬鹿の暴走から数日後。
ヨアキムは同盟商人の商隊護衛に就いていた。商隊からすれば突然現れたドワーフの一団が一方的に護衛を申し出て勝手に護衛を始めたのだ。おまけにちゃっかり商隊の飯まで食べてしまうのだから厄介な寄生虫に捕まってしまったようだ。
「兄貴、奴らは現れませんね」
「ふん。どうせ、ワシらに恐れを為して逃げ出したのだろう。ぶわっはっは!」
「そうっすよね。
しかし、この霧は厄介ですね」
ヨアキムの周囲には濃い霧が立ちこめていた。普段は美しい浅瀬と砂浜がある見晴らしの良い場所なのだが、今は濃い霧が全てを覆い尽くしている。10歩先ですら何も見えない状態で、商隊の者もこのような濃い霧は見たこと無いと言っていた。
「霧ぐらいでビビるんじゃねぇ! 漢なら、ドンっと構えて……」
「うわっ!化け物だっ!」
ヨアキムの声に負けないぐらいの悲鳴が木霊する。声の主は商隊の人間だ。
「どうした?」
「出たっ! 霧の中で辺な風船みたいなのが沢山……」
商隊の者は霧の中で何かを見たのだろう。
そして、次第に周囲から聞こえ始める男女の悲鳴。
ヨアキムは周囲を見回すが、霧の中を浮かぶ風船のような物体が見えるばかり。
配下のドワーフともはぐれ、悲鳴はますます増えていく。
「くそっ! 霧のせいで何も見えねぇ!
雑魔の野郎、汚い手を使いやがって!」
必要な時でも、必要でない時も馬鹿は発作を起こしたように動き出す。その結果で引き起こされる斜め上な展開に、一般人は誰も付いてこられない。
しかし、馬鹿を侮る無かれ。
一度行動し始めた馬鹿は、途中で止まることを知らない。やめられない止まらないのユーキャンストップ。
暴走機関車は、どこまでも走り出す。
●
話は、数日前に遡る。
「おい、給仕」
「いえ、給仕ではありません。執事のキュジィです」
お決まりの挨拶を交わしているのは、ドワーフ王のヨアキムと(kz0011)と執事のキュジィである。
キュジィの顔はいつもの笑顔を湛えているが、心中は穏やかではなかった。
(また厄介事を持ち込んで来ましたか……)
「なんだ? また厄介事を持ち込んできたって思っているのか?」
ヨアキムが覗き込むように視線を投げかける。馬鹿は不要な時に鋭くなる。
「いえ、そのような事は……。
それより何のでしょうか?」
「この間頼んでいた例の胸当てだけどよ。まだ届かないのか?」
「ヨアキム様。商隊がリゼリオを出発したのは昨日です。地下城『ヴェドル』へ到着するには、もう数日必要です。それに、その質問は今日で七度目になります」
遠足前にテンションがMAXとなった小学生のようなヨアキムに、キュジィはため息をついた。
『新型の胸当てが手に入った』
馴染みの同盟商人から噂を聞きつけたヨアキムは購入を即決。その後は注文書を眺めてニヤニヤと気色悪い笑みを浮かべていた。きっと、新型胸当てを装備して歪虚を殴り飛ばす都合の良い妄想に浸っているのだろう。
「何度も説明していますが、商隊は冒険都市リゼリオを昨日出発しました。極彩色の街ヴァリオスを通過して、農耕地帯ジェオルジを抜けて、ようやく辺境地域まで辿り着くのです。ここへ到着するにはもう数日かかります」
何度も繰り返した説明を再び口にするキュジィ。
だが、テンションMAXのヨアキムに説明する事が無駄な行為と気付いていないようだ。
「そ、そうか……。で、胸当ては昼に届くのか?」
「届きません! 距離も相当ある上、途中の街で休憩する事もあるでしょう。それに最近沿岸部では雑魔が目撃されているという噂が……」
「それだっ!」
キュジィへ振り返り大声を張り上げるヨアキム。
キュジィの言葉の何に食いついたかは不明だが、ロクな展開が待っていない事だけは予想がつく。
「何かございましたか?」
「雑魔の奴がワシの胸当てを運ばせないように邪魔をしているに違いねぇ!
くそっ! ワシが胸当てを手に入れて無敵になる事が余程危ねぇと判断したか。こうなりゃ、ワシが商隊を守ってやらなきゃならねぇ!
キュジィ! 戦の準備だ! うぉぉぉぉ!」
勝手に盛り上がって斜め上の行動を示し始める馬鹿の王様。じっとしていられないヨアキムは、戦の準備をするために自室へと走り去っていく。
「あ、ヨアキム様……。
困った人ですね。念の為、商隊が襲われた際の救援依頼を出しておきましょう。……ん? あれは?」
ヨアキムが居た場所に落ちていた一枚の書類。おそらく、ヨアキムが胸当てを発注した際の注文書だろう。
皺苦茶で小汚い書類を拾い上げたキュジィは、徐に書類を広げてみる。
そこには、
『女性用下着』
の文字がハッキリと書かれていた。
●
馬鹿の暴走から数日後。
ヨアキムは同盟商人の商隊護衛に就いていた。商隊からすれば突然現れたドワーフの一団が一方的に護衛を申し出て勝手に護衛を始めたのだ。おまけにちゃっかり商隊の飯まで食べてしまうのだから厄介な寄生虫に捕まってしまったようだ。
「兄貴、奴らは現れませんね」
「ふん。どうせ、ワシらに恐れを為して逃げ出したのだろう。ぶわっはっは!」
「そうっすよね。
しかし、この霧は厄介ですね」
ヨアキムの周囲には濃い霧が立ちこめていた。普段は美しい浅瀬と砂浜がある見晴らしの良い場所なのだが、今は濃い霧が全てを覆い尽くしている。10歩先ですら何も見えない状態で、商隊の者もこのような濃い霧は見たこと無いと言っていた。
「霧ぐらいでビビるんじゃねぇ! 漢なら、ドンっと構えて……」
「うわっ!化け物だっ!」
ヨアキムの声に負けないぐらいの悲鳴が木霊する。声の主は商隊の人間だ。
「どうした?」
「出たっ! 霧の中で辺な風船みたいなのが沢山……」
商隊の者は霧の中で何かを見たのだろう。
そして、次第に周囲から聞こえ始める男女の悲鳴。
ヨアキムは周囲を見回すが、霧の中を浮かぶ風船のような物体が見えるばかり。
配下のドワーフともはぐれ、悲鳴はますます増えていく。
「くそっ! 霧のせいで何も見えねぇ!
雑魔の野郎、汚い手を使いやがって!」
解説
目的:救援到着まで商隊を雑魔から守り、ブラジャーをヴェドルまで運搬する。
場所:辺境の沿岸地域。砂浜がある浅瀬だが、濃い霧が原因で周囲は何も見えない。霧の中に海月のシルエットが浮かんでいる。
雑魔:海月型雑魔 × 多数
獲物を痺れさせる触手で攻撃する。移動スピードは遅いが、触手は意外と眺め。
備考:ヨアキム配下のドワーフは4人。指示しなければ、ヨアキム同様闇雲に突撃します。ドワーフは斧や剣を手にしていますが、ヨアキムは拳骨のみです。
なお、今回のシナリオは有坂参八MSの依頼「【深棲】商と霧と山岳猟団」と連動しています。双方のシナリオ結果が展開に影響します。
(PL情報)ブラジャーはAカップです。
●NPC
ヨアキム
辺境にあるドワーフの最大の集落にて王を務める馬鹿代表。
性格は豪胆だが、細かい事は苦手。とりあえず殴ってから考える脳筋タイプ。
風呂が嫌いなのでニオイはハード。最近、腹筋の割れ目に生えている剛毛がライバル。
奴を引き抜いてヨアキムが勝つか。
それともヨアキムが敗北宣言で剛毛が勝つか。
ヨアキム以外には本当にどうでもいい勝負が開催中。
場所:辺境の沿岸地域。砂浜がある浅瀬だが、濃い霧が原因で周囲は何も見えない。霧の中に海月のシルエットが浮かんでいる。
雑魔:海月型雑魔 × 多数
獲物を痺れさせる触手で攻撃する。移動スピードは遅いが、触手は意外と眺め。
備考:ヨアキム配下のドワーフは4人。指示しなければ、ヨアキム同様闇雲に突撃します。ドワーフは斧や剣を手にしていますが、ヨアキムは拳骨のみです。
なお、今回のシナリオは有坂参八MSの依頼「【深棲】商と霧と山岳猟団」と連動しています。双方のシナリオ結果が展開に影響します。
(PL情報)ブラジャーはAカップです。
●NPC
ヨアキム
辺境にあるドワーフの最大の集落にて王を務める馬鹿代表。
性格は豪胆だが、細かい事は苦手。とりあえず殴ってから考える脳筋タイプ。
風呂が嫌いなのでニオイはハード。最近、腹筋の割れ目に生えている剛毛がライバル。
奴を引き抜いてヨアキムが勝つか。
それともヨアキムが敗北宣言で剛毛が勝つか。
ヨアキム以外には本当にどうでもいい勝負が開催中。
マスターより
近藤豊です。
今回は有坂MSと連動シナリオになります。
あちらはきっとすっごい真面目でかっこええキャラが乱舞していると思われます。
今回もヨアキムの可哀想な惨状を見つめたい方は、お気軽に参加ください。
それでは、きゅうりの酢の物を肴にお待ちしています。
今回は有坂MSと連動シナリオになります。
あちらはきっとすっごい真面目でかっこええキャラが乱舞していると思われます。
今回もヨアキムの可哀想な惨状を見つめたい方は、お気軽に参加ください。
それでは、きゅうりの酢の物を肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/08/07 00:33
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 三日月 壱(ka0244) 人間(リアルブルー)|14才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/08/01 02:48:53 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/30 12:49:18 |