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　ここは同盟領の都市、ヴァリオスの一角。
「ふんふんふん～♪」
　今日も気分良さそうに南那初華（kz0135）が街角屋台「Ｐクレープ」の開店準備をしています。炭火をおこしたり卵を割れないように並べたり。
「よっ、と。これでいいぜ」
　屋台の隣では、「戦場詩人」ことダイン・グラマンが地域の人の自転車のパンクを修理しています。いつのまにかここでそんな商売も始めたようで。
「初華さん、初華さん～」
　そこへ、どたどたと太っちょの青年が駆けて来ました。
　Ｐクレープのオーナーで仕入れもするポルカ商会の一人息子、ポルテ・ポルカです。
「ほへ？　ポルテさんどうしたの？」
「い、急いでジェオルジに行ってほしいんだ。秋の大きなお祭りがあって、新しい取り引きができるかもしれないんだ」
　ポルテ商会はＰクレープを同盟随一の都市に出してますが、これは本業の田舎での取引を有利に進めるためです。初華らＰクレープ店員のハンターたちがこの屋台で大幅な赤字が出ない程度にゆるゆると運営していてもつぶれない理由はここにあります。
　逆に、本業の方で大きな利益を出さねばなりません。
「ほへ？　新しい取り引き？」
「うん。最近、東方で大きな戦いがあって無事に解放したでしょ？」
　もちろん初華はハンターなので、この辺の事情は知っています。……ハンターの一員として最前線に出てなかったりするのは内緒です。
「えへ♪　そういやそうだね」
「で、東方との取り引きも始まったわけだけど……ジェオルジでいろいろ試験栽培や商品化の動きがあるんだ。僕たちも新規の変わったことをしている業者だから、って声が掛かったんだ」
「ほへ？　変わったこと？」
　初華、首を傾げます。
「ほら、初華さんの『お好み焼き』。ぜひ祭に屋台を出して、新たな開発にも力を貸してほしいって」
「元の世界の私のいた町じゃクレープの方が珍しいのに……」
　ここでダイン、「ん？」と気付きました。
「お好み焼きが望まれてんなら、Ｐクレープは関係なくないか？」
「あ。実は……」
　ポルテ、一転ばつが悪そうに小さくなり事情を話しました。
「実は、Ｐクレープには機甲小隊として、まず最初に祭会場から離れた森に出る荷車型の雑魔を退治してほしいって」
　どうやら各種条件がついての計画参入らしいですね。
「で、でも『甘い香りと火薬のにおい』っていうＰクレープの謳い文句は相当受けがよかったよ。応援するからぜひクレープの屋台も出して評判を高めてほしいって。そのあと屋台の新商品開発をしてもいいからって」
「新商品開発？」
「うん。……ほら、ここって利益を出すため保存性のいいジャムなんかを使ってるでしょ？　ほかにはない全く新しい味のジャムとかあればいいんじゃないかって思うんだ」
「おいおい。新しい味のジャムって……」
「リアルブルーじゃ『コーラ』っていう元が何か分からない飲み物あるし、そんな感じかなぁ」
　呆れるダインの横から、ぽわわんと初華は呟きます。

　とにかく、敵は四輪の荷車型で暴走しまくりつつ荷台に乗った井戸ポンプの先から魔法の矢を撃ち近寄る者を攻撃する雑魔一台とのこと。
　機甲小隊Ｐクレープ、出動です。

　ジェオルジ領の、比較的人畜無害な場所に出没している四輪荷車型自走式の雑魔一台を三輪魔導トラック「オート三輪」などに乗って並走しつつ倒してください。その後、休憩しつつ新メニューに必要なジャム作りのアイデア出しをしてください。

　敵は幌のない荷車一台です。
　大きさは仮に、リアルブルーの車のセダンサイズとしておいてください。
　荷台の上には樽や木箱などが、まるで戦艦の艦橋のように積みあがっています。
　主要な攻撃は「体当たり」と「突撃」、そして荷台の上に乗った鉄製の井戸ポンプが砲台となる「魔法の矢」です。砲台は前後左右に四基あります。砲身は一つの砲台に一つです。
　駆動輪は四つあり、木製で一見くたびれていますが「武器」の扱いなので危険で頑丈です。
　荷台にはたくさん積んでありますが、砲台以外はあまり重いものはなく、けっこうぽろぽろと崩れます。逆に、荷物が多いので四つの砲塔の回転可動域は扇状の九十度が最大となっています。
　強さは……あまり強くないです。
　魔導トラックと同等の速度が出る様子。オート三輪などで並走して戦うことになります。

　Ｐクレープは運転手＋ナビシート＋荷台（最大四人）の魔導トラック荷台を所有しています。
　運用台数や乗組員と担当、そして持ち込みのバイクや馬など明記してください。
　ダインはドライバーの予定で、初華は射撃をする予定です。交代や配置転換可能です。

　戦場は草原となります。

　新ジャムについては後日の依頼で実行します（屋台運営とジャム作りと新要素）。

　まだ寝ないならこんばんは、深夜真世です。

　ＯＰ長くてスイマセン。相変わらずてんこ盛りな依頼です。
　車両による移動戦闘と、その後まったりしながら新ジャム計画の相談、というところですね。どうぞ、Ｐクレープの持ち味である「甘い香りと火薬の匂い」を満喫してください。
　連作ですが、新たな参加者も歓迎ですのでお気軽に。

　では、よろしくお願いします。