ゲスト
(ka0000)
デュニクス騎士団 断章『頭髪の日』
マスター:ムジカ・トラス

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/10/27 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/11/05 07:30
オープニング
“見知らぬものの髪毛をば、被くに増して穢らはしくまた――(中略)――のご婦人にふさはしからぬことのこの世にあるや否やを。かかる毛髪はしばしば死人の、それも白癬病みか(中略)、はたまたごろつき放蕩者の、地獄に堕ちた罪人の髪かも知れぬに”
アントワーヌ・エチエンヌ
●
拝啓 ゲオルギウス様
ゲオルギウス様が北部で指揮を取っておられることと思います。
こちらは動きたくても身動きが取れず――これこそゲオルギウス様はご存知でしょうから、
まさしく余談、ですね。はは……。
……随分と肌寒い季節となって参りました。
こちらは順風満帆……とは言いがたいですが、
順調ではある、と感じる毎日です。
金は動き、人が動き、形を成していく。
デュニクスは(少なくとも現状は)良き循環にある、と私は思っています。
ところで、ゲオルギウス様。
先日、ある事で悩んでいると部下に打ち明けた所、良い薬があるわ、と言われました。
重ねてになりますが、肌寒い季節となってまいりました。
――少しばかり、温かみが欲しいと、私は思うのです。
●
と、『デュニクス騎士団』青の隊の隊長であるレヴィンが出す宛のない手紙を書いていた頃。
「……というわけなのよ」
『デュニクス騎士団』の渉外役であるキャシーは、騎士団の施設内、会議室の中で艶然と微笑んでそう結んだ。
身長185cmを超える、大柄の“ブロンド美女”である彼女の実際の性別は割愛させていただくが、今日も完璧なモデル立ちと、秘奥が見えてしまいそうな程に短いスカートの組み合わせが目に鮮やかだ。
つるりとなめらかな足腕顎は完璧にしてマーヴェラスな処理を感じさせる。
……なるほど、よく解った。
どうやらハンター達の仕事はただのお使いめいたものらしい。
ならば何故これだけの人数が必要なのだろうか? という問いに、キャシーは笑みを深めた。
「それだけVIPってことよ。お相手が、ね」
なるほど、なるほど。
VIPが相手では仕方がない。
それでは、とハンター達が目的地へと移動を開始しようとした、その時だ。
「あ、ちょっと待って」
呼び止める声にハンター達が振り返ると、キャシーは滑らかに赤い口元に指をあてて、こう言ったのだった。
「実は、別件があるのよ」
そりゃそうだ、と思った者もいたかもしれない。
そうじゃなかったら。
わざわざ。
護送任務なのに。
“送り先”であるデュニクスに先に呼ばれる理由が、無い……。
●
「ほら、うちの隊長、いるでしょ?」
青の隊に属する騎士、レヴィンの事だ。通称『デュニクス騎士団』の隊長であるが、いつも何かに怯えているかのような素振りの中年騎士だ。
「あの隊長とね、こんなやり取りがあったの――」
『あ、あの、キャシーさん』
『あら。どうしたの?』
『お、おお、折り入って、お、お話が、あるのですが……っ』
『……ごめんなさい、今週の夜の予定は埋まっちゃってるの』
『ち、ちがっ!?』
『ふふ、解ってるわよ……で、どうしたの?』
『……キャ、キャシーさんは、その』
『ええ』
『けっ』
『け?』
『けっ、けっ』
『……』
『……毛の、事に、お詳しいのでは、と、思いまして――』
●
「ということがあったのよ!」
何とも嬉しそうに、キャシーは言うのだった。
「ふふ、モチロン、受けちゃったわ。ああいう世代に頼られてる感じって、堪らないのよね……」
くすくすと自らの『顎をつるり撫で』、『腕をつるつるりと撫で』るキャシーは、何故だろう。自信に満ち満ちていたのだった。
「お願いしたかったのは、内緒でオクスリを受け取って欲しかったからなの。けっこう値の張るものだから、ちゃーーんと、安全第一でVIPと一緒に持ってきて?」
●
さて。王国本土でも最も対歪虚被害の多い地方といっても過言ではない王国北西部とリベルタース地方において、希少と言っていいほどに安全な行路がある。
王国において最堅の砦にして、最前線における最大の物資集積地であるハルトフォートと、王国北西部の中で最大の都市であるデュニクスをつなぐ行路である。
大規模な物資の輸送、製品の輸送のために騎士団や第六商会の衛兵によって定期的な警邏と征伐が行われているそこは今や荷馬車一台つれた行商人が通行してもある程度安全が担保された道行きとなっている。
そんな道程を、一人の男が護送されようとしていた。
アダム・マンスフィールド。
喪われし魔術――と言うには、徐々に広く知られつつ有る魔術、『刻令術』の研究者、である。
ゴーレムを動かすための魔術――かつては、というべきであろうが――をより深めるために、彼は一人、帝国はナサニエル・カロッサ(kz0028)の元を訪れていたのであった。
数ヶ月の時を経て、晴れて王国に舞い戻った、この日。転移門を潜り抜け、ハルトフォートに辿り着いた、彼は。
「…………成る程、了解した」
魔術師にしては筋骨隆々の身体、そしてそれにふさわしい低く響く声で、こう言った。
「君たちの買い物の間くらいは待とう。急ぐ道程ではないからな」
そう。
ハンター達には自由時間が与えられていたのだった。
『良かったら、ハンターの皆もプレゼントを買ってきてあげて?』
そんな言葉と共に送り出されたハンター達が、ハルトフォートで取った行動とは――?
アントワーヌ・エチエンヌ
●
拝啓 ゲオルギウス様
ゲオルギウス様が北部で指揮を取っておられることと思います。
こちらは動きたくても身動きが取れず――これこそゲオルギウス様はご存知でしょうから、
まさしく余談、ですね。はは……。
……随分と肌寒い季節となって参りました。
こちらは順風満帆……とは言いがたいですが、
順調ではある、と感じる毎日です。
金は動き、人が動き、形を成していく。
デュニクスは(少なくとも現状は)良き循環にある、と私は思っています。
ところで、ゲオルギウス様。
先日、ある事で悩んでいると部下に打ち明けた所、良い薬があるわ、と言われました。
重ねてになりますが、肌寒い季節となってまいりました。
――少しばかり、温かみが欲しいと、私は思うのです。
●
と、『デュニクス騎士団』青の隊の隊長であるレヴィンが出す宛のない手紙を書いていた頃。
「……というわけなのよ」
『デュニクス騎士団』の渉外役であるキャシーは、騎士団の施設内、会議室の中で艶然と微笑んでそう結んだ。
身長185cmを超える、大柄の“ブロンド美女”である彼女の実際の性別は割愛させていただくが、今日も完璧なモデル立ちと、秘奥が見えてしまいそうな程に短いスカートの組み合わせが目に鮮やかだ。
つるりとなめらかな足腕顎は完璧にしてマーヴェラスな処理を感じさせる。
……なるほど、よく解った。
どうやらハンター達の仕事はただのお使いめいたものらしい。
ならば何故これだけの人数が必要なのだろうか? という問いに、キャシーは笑みを深めた。
「それだけVIPってことよ。お相手が、ね」
なるほど、なるほど。
VIPが相手では仕方がない。
それでは、とハンター達が目的地へと移動を開始しようとした、その時だ。
「あ、ちょっと待って」
呼び止める声にハンター達が振り返ると、キャシーは滑らかに赤い口元に指をあてて、こう言ったのだった。
「実は、別件があるのよ」
そりゃそうだ、と思った者もいたかもしれない。
そうじゃなかったら。
わざわざ。
護送任務なのに。
“送り先”であるデュニクスに先に呼ばれる理由が、無い……。
●
「ほら、うちの隊長、いるでしょ?」
青の隊に属する騎士、レヴィンの事だ。通称『デュニクス騎士団』の隊長であるが、いつも何かに怯えているかのような素振りの中年騎士だ。
「あの隊長とね、こんなやり取りがあったの――」
『あ、あの、キャシーさん』
『あら。どうしたの?』
『お、おお、折り入って、お、お話が、あるのですが……っ』
『……ごめんなさい、今週の夜の予定は埋まっちゃってるの』
『ち、ちがっ!?』
『ふふ、解ってるわよ……で、どうしたの?』
『……キャ、キャシーさんは、その』
『ええ』
『けっ』
『け?』
『けっ、けっ』
『……』
『……毛の、事に、お詳しいのでは、と、思いまして――』
●
「ということがあったのよ!」
何とも嬉しそうに、キャシーは言うのだった。
「ふふ、モチロン、受けちゃったわ。ああいう世代に頼られてる感じって、堪らないのよね……」
くすくすと自らの『顎をつるり撫で』、『腕をつるつるりと撫で』るキャシーは、何故だろう。自信に満ち満ちていたのだった。
「お願いしたかったのは、内緒でオクスリを受け取って欲しかったからなの。けっこう値の張るものだから、ちゃーーんと、安全第一でVIPと一緒に持ってきて?」
●
さて。王国本土でも最も対歪虚被害の多い地方といっても過言ではない王国北西部とリベルタース地方において、希少と言っていいほどに安全な行路がある。
王国において最堅の砦にして、最前線における最大の物資集積地であるハルトフォートと、王国北西部の中で最大の都市であるデュニクスをつなぐ行路である。
大規模な物資の輸送、製品の輸送のために騎士団や第六商会の衛兵によって定期的な警邏と征伐が行われているそこは今や荷馬車一台つれた行商人が通行してもある程度安全が担保された道行きとなっている。
そんな道程を、一人の男が護送されようとしていた。
アダム・マンスフィールド。
喪われし魔術――と言うには、徐々に広く知られつつ有る魔術、『刻令術』の研究者、である。
ゴーレムを動かすための魔術――かつては、というべきであろうが――をより深めるために、彼は一人、帝国はナサニエル・カロッサ(kz0028)の元を訪れていたのであった。
数ヶ月の時を経て、晴れて王国に舞い戻った、この日。転移門を潜り抜け、ハルトフォートに辿り着いた、彼は。
「…………成る程、了解した」
魔術師にしては筋骨隆々の身体、そしてそれにふさわしい低く響く声で、こう言った。
「君たちの買い物の間くらいは待とう。急ぐ道程ではないからな」
そう。
ハンター達には自由時間が与えられていたのだった。
『良かったら、ハンターの皆もプレゼントを買ってきてあげて?』
そんな言葉と共に送り出されたハンター達が、ハルトフォートで取った行動とは――?
解説
●目的
その1:アダム・マンスフィールドを護送せよ!(特にコメントがなければ行間で終わります)
その2:キャシーの怪しい薬を移送せよ!(特にコメントがなければ行間で終わります)
その3:自由にせよ!
●解説
刻令術の専門家アダム・マンスフィールドを王国北西部の都市デュニクスへと護送するべくハルトフォートを訪れたハンター達。
ハンター達には2時間程の自由時間が与えられた。ハンター同士で親睦を深めるもよし、買い物に勤しむもよし、デュニクス騎士団関係者への贈り物を買うもよし。
王国最大砦の一つ、ハルトフォートには大体なんでも揃っている。
足りないものはお取り寄せになる。大人の事情でちょっとしたものしか買えないのはご了承頂きたい。
ただし、ワルノリには大体こたえられることと思う。ここはハルトフォート。王国最前線を支える、要塞都市であるから。
●補足
大凡、リプレイは下記のような流れになると思いますが、プレイングに応じて描写される幅は様々です。
場合によっては簡単にでも事前に相談していただけると場合によっては有難いかもしれません。
0.アダムと合流
1.自由時間
2.護送
3.デュニクス到着
※重きをおく場所がどの部分でも構いませんし、今回の登場人物以外に対するアプローチでも構いません。ご自由にどうぞ。
●情報
レヴィン:青の隊に属する騎士であり、『デュニクス騎士団』の隊長。疾影士。前髪前線は絶賛後退中のロングヘアー風。
キャシー:元酒場の看板ヲトメ。都市内に広く顔が利き、交渉事に長ける。
その他騎士団員については過去依頼を参照されたし。
●その他
質問などがあれば『まるごとへくす』を被ったムジカが回答します。
その1:アダム・マンスフィールドを護送せよ!(特にコメントがなければ行間で終わります)
その2:キャシーの怪しい薬を移送せよ!(特にコメントがなければ行間で終わります)
その3:自由にせよ!
●解説
刻令術の専門家アダム・マンスフィールドを王国北西部の都市デュニクスへと護送するべくハルトフォートを訪れたハンター達。
ハンター達には2時間程の自由時間が与えられた。ハンター同士で親睦を深めるもよし、買い物に勤しむもよし、デュニクス騎士団関係者への贈り物を買うもよし。
王国最大砦の一つ、ハルトフォートには大体なんでも揃っている。
足りないものはお取り寄せになる。大人の事情でちょっとしたものしか買えないのはご了承頂きたい。
ただし、ワルノリには大体こたえられることと思う。ここはハルトフォート。王国最前線を支える、要塞都市であるから。
●補足
大凡、リプレイは下記のような流れになると思いますが、プレイングに応じて描写される幅は様々です。
場合によっては簡単にでも事前に相談していただけると場合によっては有難いかもしれません。
0.アダムと合流
1.自由時間
2.護送
3.デュニクス到着
※重きをおく場所がどの部分でも構いませんし、今回の登場人物以外に対するアプローチでも構いません。ご自由にどうぞ。
●情報
レヴィン:青の隊に属する騎士であり、『デュニクス騎士団』の隊長。疾影士。前髪前線は絶賛後退中のロングヘアー風。
キャシー:元酒場の看板ヲトメ。都市内に広く顔が利き、交渉事に長ける。
その他騎士団員については過去依頼を参照されたし。
●その他
質問などがあれば『まるごとへくす』を被ったムジカが回答します。
マスターより
お世話になっております。これがリリースされる頃には頭髪の日――だといいなぁ、ムジカ・トラスです。
【聖呪】関連のタフな依頼も一息つく頃でしょうか?
というわけで、のんびりしたい方向けのシナリオを用意してみました。
いつか使えるかなと暖めていた毛髪系OPですが、10月20日が頭髪の日だと知ってついリリースをしてしまいました。あはは。
さて、『ヲトメのキャシーはレヴィンが望んでるような薬なんて使いません』が、それをどう使うかはみなさま次第です。
どうなるか僕にも全然読めませんが、気楽に楽しんでいただけたら幸いです。それでは、プレイングが届くのを楽しみにしておりますね!
【聖呪】関連のタフな依頼も一息つく頃でしょうか?
というわけで、のんびりしたい方向けのシナリオを用意してみました。
いつか使えるかなと暖めていた毛髪系OPですが、10月20日が頭髪の日だと知ってついリリースをしてしまいました。あはは。
さて、『ヲトメのキャシーはレヴィンが望んでるような薬なんて使いません』が、それをどう使うかはみなさま次第です。
どうなるか僕にも全然読めませんが、気楽に楽しんでいただけたら幸いです。それでは、プレイングが届くのを楽しみにしておりますね!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/11/08 19:11
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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雑談卓 デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013) 人間(リアルブルー)|34才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/10/26 22:17:08 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/27 06:27:57 |