ゲスト
(ka0000)
窮地な新人ハンター
マスター:鳴海惣流

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/10/31 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/11/09 15:00
オープニング
●ハンター支部
その日。グラズヘイム王国のとあるハンター支部に、ひとりの男性が飛び込んできた。
受付の女性が話を聞く。五十代半ばくらいで、口髭を生やした中年の男性は、自分を宿屋の主人だと言った。
「実は数日前からウチに宿泊してるお客さんの少女が、朝に出かけたきり戻ってこないんです」
現在は夕方近く。話を聞くと、少女とはいえ年齢は十六歳みたいだった。
「少女の名前はミント・ユリガン。頭はちょっと弱そうだけど、とてもいい子なんです」
宿屋の主人が力説する。
「そうなんですか。一般人の方ですか?」
「いいえ。当人は新人ハンターだと言ってました」
男性の回答に、受付の女性が目をパチクリさせる。
調べてみると、確かにハンターとして登録されていた。
ならば、余計に大丈夫なのではないか。
そう判断した受付女性は、改めて男性に依頼の必要性を尋ねた。
「おおいに必要なんですっ! 今回だって、怪しげな商人から怪しげな宝の地図を買ったって大喜びで……」
どうやら新人ハンターのミントは、怪しげな商人から購入した宝の地図を躊躇いなく信じたらしい。
「誰が考えても、偽物だとわかりそうなものですが……」
受付女性の言葉に、男性が同意する。
「私だってそう思います。でも瞳をキラキラさせるミントちゃんを見てたら、何も言えなくなってしまって……それに、彼女は本当にいい子なんです!」
男性の経営する宿屋は利用客が少なく、そろそろ店をたたもうか悩んでいたらしかった。
数少ない常連のミントがその話を聞き、この宿屋が大好きだから頑張ってと応援してきた。
気持ちはありがたかったが、無理なものはどうしようもない。
男は「お金がないから……」と、申し訳なく思いながらも言った。
するとミントは小さな胸を張って、こう言ったのである。
――お金なら私がなんとかする! 大丈夫よ。宝の地図を持ってるの。今回だって、そのお宝を探しに来たんだから!
ミントの言葉を伝えられた受付女性は、右手でこめかみを押さえた。
頭はちょっと弱そうだけど、とてもいい子――。
宿屋の主人の説明がたった今、受付女性の中でしっくりきたところだった。
「なんともなければそれでいいんです。他のハンターの方に、様子を見に行ってもらいたいんです。彼女が向かった洞窟には、スライムが住みついてるという話もあります。すぐに逃げ帰ってくると思っていたのですが、何時間も音沙汰がないと不安で不安で……」
●洞窟
「――え、えええぇぇぇ!?」
なんとも間の抜けた声が、とある洞窟内に響き渡った。
声の主はミント・ユリガン。駆け出しの新人ハンターである。
よくお世話になってる宿屋さんの窮地を救うんだ。
決意を抱き、ウキウキしながら早朝に洞窟へ入った直後、ミントは迷子になった。
お腹を減らしながら歩き回っていたミント。出入口を探していたはずなのに、何故か洞窟の最深部へ辿り着いた。
奥にある大きな宝箱を見て、テンションはマックス。罠があるかどうかも確認せずに突進した。
やっぱりあったとウキウキしながら宝箱を開け、そして先ほどの悲鳴を上げた。
中には金銀財宝ではなく、一匹のスライムがいただけだった。
「ど、どうして、スライムが宝箱の中に入ってるのよぉ。まさか……これがお宝なのっ!?」
売ったらいくらになるんだろう?
わかんないけど、とりあえずこれを持って帰ればいいのかな。
パニクリながらそんなことを考えていると、宝箱の奥からのそのそとスライムが這い出てきた。
スライムだけに、怒ってるのかどうかもわからない。
ただなんとなく、攻撃されそうな気配はあった。
これ、ちょっとやばいかもしれない。
直感でそう思ったミントは、急いで回れ右をした。
すると、そこにも一匹のスライムがいた。
瞬間移動でも使われたのかと、大慌てで再び宝箱のある方を確認する。
「宝箱の中から出てきたのも……いるわね。じゃあ、増えたの? どうして? どこから!?」
――ボタボタボタ。
慌てふためくミントの耳に、とてもとても嫌な音が届いてきた。
宝箱に向けた視線を戻すたび、来た道にいるスライムの数が増えていく。
ハっとして天井を見ると、大きな雨だれのように液体が降ってくる。
べちゃりと地面に激突したあと、もぞもぞと自身を整える。
粘ついた液体で構成されるスライムならではの気色悪さに、ミントは身震いする。
「スライムが天井から振ってくるなんて……はっ! そういえばお宝は!?」
スライムの入っていた宝箱を確認するも、中身は他に何もなかった。
のそのそと宝箱から出てくるスライムを見ながら、ミントは大きな声を上げる。
「だーまーさーれーたー! どこがお宝なのよぉ。宝箱に入ってるなら、せめて金色に光り輝いたりしてなさいよぉ」
苦情を言われたところで、スライムに人間の言語は理解できない。
不思議そうにするでもなく、ぬるぬるとミントとの距離を詰めようとする。
「はっ! もしかしてお宝は凄く美味しい食べ物で、スライムが先に食べちゃったんじゃ……? じゃ、じゃあ回収するためには倒すしかないの!?」
まともなハンターなら、そんなことがあるはずないとすぐにわかる。
しかし、ミント・ユリガン十六歳は本気だった。
彼女はいつでも本気だった。
こうなったらと思ってもみたが、敵は宝箱から出てきたスライムだけではない。天井から落ちてきて、ミントの背後をとったスライムたちまでにじり寄ってくる。
あまりにも不気味。
あまりにも気持ち悪すぎる光景だった。
「か、簡単に倒せると思わないでよね。新人でも私はハンターなんだから!」
威勢よく叫んだのはいいが、相手はスライム。非覚醒者のミントでは、一対一でも勝てる可能性は低い。
恐らく――負ける。
緊張で喉をカラカラにしながらも、ミントは腰からショートソードを抜いた。
●ハンター支部
結局、受付の女性は宿屋の主人の依頼を受理した。
一応緊急ということで、手の空いているハンターにお願いしてみる。
「様子を見る対象は新人ハンターのミント・ユリガンです。場所はこの町から徒歩で三十分程度の洞窟です。彼女が窮地に陥っていた場合は、救出も依頼内容に入ります。洞窟にはスライムの存在が確認されているようで、戦闘になる可能性が高いと思われます。向かう際は、しっかりとした準備をしてください。依頼主はこの町にある宿屋の主人です。依頼達成後は、宿屋までミント・ユリガンを送ってあげてください。それでは、よろしくお願いします」
受付の女性はそう言うと、説明を求めたハンターに深々と頭を下げた。
その日。グラズヘイム王国のとあるハンター支部に、ひとりの男性が飛び込んできた。
受付の女性が話を聞く。五十代半ばくらいで、口髭を生やした中年の男性は、自分を宿屋の主人だと言った。
「実は数日前からウチに宿泊してるお客さんの少女が、朝に出かけたきり戻ってこないんです」
現在は夕方近く。話を聞くと、少女とはいえ年齢は十六歳みたいだった。
「少女の名前はミント・ユリガン。頭はちょっと弱そうだけど、とてもいい子なんです」
宿屋の主人が力説する。
「そうなんですか。一般人の方ですか?」
「いいえ。当人は新人ハンターだと言ってました」
男性の回答に、受付の女性が目をパチクリさせる。
調べてみると、確かにハンターとして登録されていた。
ならば、余計に大丈夫なのではないか。
そう判断した受付女性は、改めて男性に依頼の必要性を尋ねた。
「おおいに必要なんですっ! 今回だって、怪しげな商人から怪しげな宝の地図を買ったって大喜びで……」
どうやら新人ハンターのミントは、怪しげな商人から購入した宝の地図を躊躇いなく信じたらしい。
「誰が考えても、偽物だとわかりそうなものですが……」
受付女性の言葉に、男性が同意する。
「私だってそう思います。でも瞳をキラキラさせるミントちゃんを見てたら、何も言えなくなってしまって……それに、彼女は本当にいい子なんです!」
男性の経営する宿屋は利用客が少なく、そろそろ店をたたもうか悩んでいたらしかった。
数少ない常連のミントがその話を聞き、この宿屋が大好きだから頑張ってと応援してきた。
気持ちはありがたかったが、無理なものはどうしようもない。
男は「お金がないから……」と、申し訳なく思いながらも言った。
するとミントは小さな胸を張って、こう言ったのである。
――お金なら私がなんとかする! 大丈夫よ。宝の地図を持ってるの。今回だって、そのお宝を探しに来たんだから!
ミントの言葉を伝えられた受付女性は、右手でこめかみを押さえた。
頭はちょっと弱そうだけど、とてもいい子――。
宿屋の主人の説明がたった今、受付女性の中でしっくりきたところだった。
「なんともなければそれでいいんです。他のハンターの方に、様子を見に行ってもらいたいんです。彼女が向かった洞窟には、スライムが住みついてるという話もあります。すぐに逃げ帰ってくると思っていたのですが、何時間も音沙汰がないと不安で不安で……」
●洞窟
「――え、えええぇぇぇ!?」
なんとも間の抜けた声が、とある洞窟内に響き渡った。
声の主はミント・ユリガン。駆け出しの新人ハンターである。
よくお世話になってる宿屋さんの窮地を救うんだ。
決意を抱き、ウキウキしながら早朝に洞窟へ入った直後、ミントは迷子になった。
お腹を減らしながら歩き回っていたミント。出入口を探していたはずなのに、何故か洞窟の最深部へ辿り着いた。
奥にある大きな宝箱を見て、テンションはマックス。罠があるかどうかも確認せずに突進した。
やっぱりあったとウキウキしながら宝箱を開け、そして先ほどの悲鳴を上げた。
中には金銀財宝ではなく、一匹のスライムがいただけだった。
「ど、どうして、スライムが宝箱の中に入ってるのよぉ。まさか……これがお宝なのっ!?」
売ったらいくらになるんだろう?
わかんないけど、とりあえずこれを持って帰ればいいのかな。
パニクリながらそんなことを考えていると、宝箱の奥からのそのそとスライムが這い出てきた。
スライムだけに、怒ってるのかどうかもわからない。
ただなんとなく、攻撃されそうな気配はあった。
これ、ちょっとやばいかもしれない。
直感でそう思ったミントは、急いで回れ右をした。
すると、そこにも一匹のスライムがいた。
瞬間移動でも使われたのかと、大慌てで再び宝箱のある方を確認する。
「宝箱の中から出てきたのも……いるわね。じゃあ、増えたの? どうして? どこから!?」
――ボタボタボタ。
慌てふためくミントの耳に、とてもとても嫌な音が届いてきた。
宝箱に向けた視線を戻すたび、来た道にいるスライムの数が増えていく。
ハっとして天井を見ると、大きな雨だれのように液体が降ってくる。
べちゃりと地面に激突したあと、もぞもぞと自身を整える。
粘ついた液体で構成されるスライムならではの気色悪さに、ミントは身震いする。
「スライムが天井から振ってくるなんて……はっ! そういえばお宝は!?」
スライムの入っていた宝箱を確認するも、中身は他に何もなかった。
のそのそと宝箱から出てくるスライムを見ながら、ミントは大きな声を上げる。
「だーまーさーれーたー! どこがお宝なのよぉ。宝箱に入ってるなら、せめて金色に光り輝いたりしてなさいよぉ」
苦情を言われたところで、スライムに人間の言語は理解できない。
不思議そうにするでもなく、ぬるぬるとミントとの距離を詰めようとする。
「はっ! もしかしてお宝は凄く美味しい食べ物で、スライムが先に食べちゃったんじゃ……? じゃ、じゃあ回収するためには倒すしかないの!?」
まともなハンターなら、そんなことがあるはずないとすぐにわかる。
しかし、ミント・ユリガン十六歳は本気だった。
彼女はいつでも本気だった。
こうなったらと思ってもみたが、敵は宝箱から出てきたスライムだけではない。天井から落ちてきて、ミントの背後をとったスライムたちまでにじり寄ってくる。
あまりにも不気味。
あまりにも気持ち悪すぎる光景だった。
「か、簡単に倒せると思わないでよね。新人でも私はハンターなんだから!」
威勢よく叫んだのはいいが、相手はスライム。非覚醒者のミントでは、一対一でも勝てる可能性は低い。
恐らく――負ける。
緊張で喉をカラカラにしながらも、ミントは腰からショートソードを抜いた。
●ハンター支部
結局、受付の女性は宿屋の主人の依頼を受理した。
一応緊急ということで、手の空いているハンターにお願いしてみる。
「様子を見る対象は新人ハンターのミント・ユリガンです。場所はこの町から徒歩で三十分程度の洞窟です。彼女が窮地に陥っていた場合は、救出も依頼内容に入ります。洞窟にはスライムの存在が確認されているようで、戦闘になる可能性が高いと思われます。向かう際は、しっかりとした準備をしてください。依頼主はこの町にある宿屋の主人です。依頼達成後は、宿屋までミント・ユリガンを送ってあげてください。それでは、よろしくお願いします」
受付の女性はそう言うと、説明を求めたハンターに深々と頭を下げた。
解説
●目的
ミントの救出。
●簡易map
※上から見下ろしてる感じになります。
abcdefghi
■■■■■■■■■■■ 1マス=2sq 移動力2で1マス進む計算です。移動は徒歩のみになります。
A■□□■□1□■□□■ 洞窟内は明かり必須です。無い場合は依頼者の男性がランプを貸してくれます。
B■□□■□☆□■□□■ ■=洞窟の壁。通行不可能。
C■□□□■□■□□□■
D■□□□222□□□■ ☆=ミントの初期位置。
E■□□2□□□2□□■ S=ハンターの初期位置
F■□□□□□□□□□■
G■□□□□□□□□□■ 1=スライム LV5
H■□□□□S□□□□■ 2=スライム LV1
I■■■■※※※■■■■ ※=脱出ポイント
●味方情報
ミント=生命力40 回避30 装備はショートソードと草鎧。
ハンターからの指示がなければ、その場で待機し続ける。移動力は2。
●敵情報 スキル 効果
LV1スライム 軟体 常時 物理ダメージを半減。
強酸 メイン 命中時、通常ダメージ+防御無視のダメージ5点。
LV5スライム 再生 ファースト 生存時、生命力が最大生命力の10%だけ回復。
※再生に加え、LV1スライムと同じ、軟体と強酸のスキルがあります。効果は同じです。
移動力は1。生命力は高く、LV1でもしぶとい雑魚。LV5になると、それなりに強い敵となります。増援はありません。
LV5スライムが大将格ですが、他のスライムを率いてるわけではありません。各自が勝手に動きます。その中で第一目標がミントになります。
今回のスライムは睡眠をとらないため、眠らせる魔法は効果を発揮しません。
●成功条件
成功=ミントを無傷で救出。
普通=ミントを救出。
失敗=ミントを救出できない。
※スライムは全滅させなくとも、脱出ポイントに重なった時点で洞窟から脱出可能。その時点で、依頼達成となります。
ミントの救出。
●簡易map
※上から見下ろしてる感じになります。
abcdefghi
■■■■■■■■■■■ 1マス=2sq 移動力2で1マス進む計算です。移動は徒歩のみになります。
A■□□■□1□■□□■ 洞窟内は明かり必須です。無い場合は依頼者の男性がランプを貸してくれます。
B■□□■□☆□■□□■ ■=洞窟の壁。通行不可能。
C■□□□■□■□□□■
D■□□□222□□□■ ☆=ミントの初期位置。
E■□□2□□□2□□■ S=ハンターの初期位置
F■□□□□□□□□□■
G■□□□□□□□□□■ 1=スライム LV5
H■□□□□S□□□□■ 2=スライム LV1
I■■■■※※※■■■■ ※=脱出ポイント
●味方情報
ミント=生命力40 回避30 装備はショートソードと草鎧。
ハンターからの指示がなければ、その場で待機し続ける。移動力は2。
●敵情報 スキル 効果
LV1スライム 軟体 常時 物理ダメージを半減。
強酸 メイン 命中時、通常ダメージ+防御無視のダメージ5点。
LV5スライム 再生 ファースト 生存時、生命力が最大生命力の10%だけ回復。
※再生に加え、LV1スライムと同じ、軟体と強酸のスキルがあります。効果は同じです。
移動力は1。生命力は高く、LV1でもしぶとい雑魚。LV5になると、それなりに強い敵となります。増援はありません。
LV5スライムが大将格ですが、他のスライムを率いてるわけではありません。各自が勝手に動きます。その中で第一目標がミントになります。
今回のスライムは睡眠をとらないため、眠らせる魔法は効果を発揮しません。
●成功条件
成功=ミントを無傷で救出。
普通=ミントを救出。
失敗=ミントを救出できない。
※スライムは全滅させなくとも、脱出ポイントに重なった時点で洞窟から脱出可能。その時点で、依頼達成となります。
マスターより
お世話になっております、鳴海惣流です。
今回は窮地の宿屋を救おうとして、自分が窮地に陥ってしまった新人ハンターのお話です。
大成功への道は成功での依頼達成に加えて――といった感じです。
それでは、皆様の参加をお待ちしています。
今回は窮地の宿屋を救おうとして、自分が窮地に陥ってしまった新人ハンターのお話です。
大成功への道は成功での依頼達成に加えて――といった感じです。
それでは、皆様の参加をお待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/11/05 22:35
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/27 11:53:16 |
|
![]() |
スライムと新人ハンターと私達 万歳丸(ka5665) 鬼|17才|男性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2015/10/31 00:08:52 |