ゲスト
(ka0000)
盾と槍 工作編
マスター:奈華里

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2015/11/01 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/11/12 22:00
オープニング
●挑戦状
「お願いだ、スペアを止めてくれ」
飛び込んで来たその言葉に場が騒然とする。
ここはギアの世話になっている武器工房だった。そこへやって来たのが、畑違いの防具職人の工房長であるから皆驚きを隠せない。
「スペアって~と、あんたんとこの新人じゃねぇのかい?」
事情が判らなくて、とりあえずギアの親方が彼に尋ねる。
「あぁ、そうだ。しかし、あいつは思い込むと手が付けられなくてな…ちょっとした噂を引き金に規則を破ろうと…」
「たのも――!」
そう言いかけた工房長だったが、後方からの知った声にハッと振り返る。
とそこにいた青年こそが彼の言う新人、スペアだ。
「ここにギアって奴がいるんだろ! 俺の作った防具とどっちが優れているか勝負しろよなっ」
彼は言うなり、自作の盾を彼に見せつける。
「スペア、バカな事はよせ…」
その声に視線を向けて、スペアは明らかにムッとした。どうにも気に食わないらしい。
「何で工房長がここにいんだよっ! それにあんな噂たてられて納得いかねぇだろ」
あんな噂とは何か――彼の言葉に周囲が首を傾げた。
話は数時間前に遡る。スペアが先輩らの昼食を買いにパン屋を訪れた時の事だ。
併設されたカフェスペースで旅人風の男らがひそひそ話をしている。
「フマーレの期待の新人ってもまだまだらしいな…あれじゃあ、使い物にならない」
連れの男と珈琲を傾けながら言う。
「まぁ、そりゃあ仕方ねぇだろうさ。若き匠、稀代の天才ったってぇ技術がまだ追いついていないんだろう。しかし、道具屋であれを目玉商品として売っているとは驚きだねぇ」
とこれはもう一人の方。冷めてしまったピザを無理矢理口にほおり込んで呟く。
(ちょ、技術が追い付いてないとか…こいつら素人か?)
ちらりと服装に目をやって、スペアは二人を観察した。
服の袖から覗く腕はそれなりに鍛えられている。腰に下げた剣もなかなか使い込まれているし、一方の男の鎧は数々の戦闘の痕が残っている。とすると、この二人はある程度の腕は持っていると考えていいだろう。
「ちょっとおっさん。俺の盾がどうして使い物にならないんだよ」
稀代の天才…それが恥ずかしながら自分を紹介する為に付けられた呼称であるから、スペアは怒りを抑えつつ、何とか平静を装って二人に尋ねる。
「え、あぁ……それは…ってあんた!」
「ああ、俺の名はスペア。今言ってた話の当事者だけど…」
ひくひくと口元を震わせて、爆発しそうな怒りを辛うじておし留める。
「あ、いやぁ…その、街道でちょっとした見世物を見たもので」
「見世物?」
何の事だろう、苛立ちながらもその後の言葉を待つ。
「その…あんたの作った盾とギアって奴の作った槍を使って戦わせていたんだが…結果が、なぁ」
「あぁ、数度撃ち合っただけであんたの盾は真っ二つ。槍もひびが入った大きく欠けてしまって…」
「んな、バカなッ!」
相手の槍がそれ程勝っていたという事か。しかし、スペアの盾とてそんなに簡単に壊れる様には作られていない。強度テストだって何度となく繰り返してやっとの事で作り上げたものだ。
「くっそ……そんなの納得いかねぇ…」
ぎりりと奥歯を噛んでスペアが呟く。そしてパンも買わず一目散に駆けて行く。
「俺達、なんかまずい事言っちまったかな…」
そう言った二人だったが、それはもう手遅れに近かった。
●対抗策
「あぁ、確かにその話は僕にとっても聞き捨てならないですね」
武器職人のプライドがギアの心にも僅かに火をつける。
「だろう。だったら決着つけようぜ。俺の盾とお前の槍、どっちが強いか勝負だ!」
スペアが言う。が、ギアはそれに同意しない。
「それは出来ません。あなたもフマーレの職人であれば知っているはずだ。別の店の職人が作ったものを比較目的で闘わせるなどどちらの利益にもならない、従って争わせる事は基本禁止事項です」
ギアはそう言い、静かに腕を組む。
「け、怖いのかよ」
スペアの挑発に、しかしやはりギアは冷静だ。
「通りで出したばかりなのに、売れ行きが良くない訳だ……でも、待てよ。って事はある意味でこれは僕らに対する挑戦かもしれない」
「挑戦? 誰の?」
スペアが不審げに繰り返す。
「さぁ、そこまでは。しかし、売られた喧嘩は買わないとですよね」
何処かでギアも苛立っていたらしい。物言いに僅かな怒気が含まれている。
「あ、それはそれとしてその盾、なかなかいいものですね。いい形してる」
「え、ああ…ありがと」
付け加えられた言葉にスペアは面食らい、そう答える。だがそこでハッとして、
「ちょっと待てよ! 敵のお前に褒められたって嬉しくなんてねぇんだからなっ!」
そう言ってくるりと踵を返し、帰ってゆく。
後に残された者はそんなスペアにくすりと笑みを零しながらも、これからの事を思うと少しばかり頭を使わねばと思うのだった。
「お願いだ、スペアを止めてくれ」
飛び込んで来たその言葉に場が騒然とする。
ここはギアの世話になっている武器工房だった。そこへやって来たのが、畑違いの防具職人の工房長であるから皆驚きを隠せない。
「スペアって~と、あんたんとこの新人じゃねぇのかい?」
事情が判らなくて、とりあえずギアの親方が彼に尋ねる。
「あぁ、そうだ。しかし、あいつは思い込むと手が付けられなくてな…ちょっとした噂を引き金に規則を破ろうと…」
「たのも――!」
そう言いかけた工房長だったが、後方からの知った声にハッと振り返る。
とそこにいた青年こそが彼の言う新人、スペアだ。
「ここにギアって奴がいるんだろ! 俺の作った防具とどっちが優れているか勝負しろよなっ」
彼は言うなり、自作の盾を彼に見せつける。
「スペア、バカな事はよせ…」
その声に視線を向けて、スペアは明らかにムッとした。どうにも気に食わないらしい。
「何で工房長がここにいんだよっ! それにあんな噂たてられて納得いかねぇだろ」
あんな噂とは何か――彼の言葉に周囲が首を傾げた。
話は数時間前に遡る。スペアが先輩らの昼食を買いにパン屋を訪れた時の事だ。
併設されたカフェスペースで旅人風の男らがひそひそ話をしている。
「フマーレの期待の新人ってもまだまだらしいな…あれじゃあ、使い物にならない」
連れの男と珈琲を傾けながら言う。
「まぁ、そりゃあ仕方ねぇだろうさ。若き匠、稀代の天才ったってぇ技術がまだ追いついていないんだろう。しかし、道具屋であれを目玉商品として売っているとは驚きだねぇ」
とこれはもう一人の方。冷めてしまったピザを無理矢理口にほおり込んで呟く。
(ちょ、技術が追い付いてないとか…こいつら素人か?)
ちらりと服装に目をやって、スペアは二人を観察した。
服の袖から覗く腕はそれなりに鍛えられている。腰に下げた剣もなかなか使い込まれているし、一方の男の鎧は数々の戦闘の痕が残っている。とすると、この二人はある程度の腕は持っていると考えていいだろう。
「ちょっとおっさん。俺の盾がどうして使い物にならないんだよ」
稀代の天才…それが恥ずかしながら自分を紹介する為に付けられた呼称であるから、スペアは怒りを抑えつつ、何とか平静を装って二人に尋ねる。
「え、あぁ……それは…ってあんた!」
「ああ、俺の名はスペア。今言ってた話の当事者だけど…」
ひくひくと口元を震わせて、爆発しそうな怒りを辛うじておし留める。
「あ、いやぁ…その、街道でちょっとした見世物を見たもので」
「見世物?」
何の事だろう、苛立ちながらもその後の言葉を待つ。
「その…あんたの作った盾とギアって奴の作った槍を使って戦わせていたんだが…結果が、なぁ」
「あぁ、数度撃ち合っただけであんたの盾は真っ二つ。槍もひびが入った大きく欠けてしまって…」
「んな、バカなッ!」
相手の槍がそれ程勝っていたという事か。しかし、スペアの盾とてそんなに簡単に壊れる様には作られていない。強度テストだって何度となく繰り返してやっとの事で作り上げたものだ。
「くっそ……そんなの納得いかねぇ…」
ぎりりと奥歯を噛んでスペアが呟く。そしてパンも買わず一目散に駆けて行く。
「俺達、なんかまずい事言っちまったかな…」
そう言った二人だったが、それはもう手遅れに近かった。
●対抗策
「あぁ、確かにその話は僕にとっても聞き捨てならないですね」
武器職人のプライドがギアの心にも僅かに火をつける。
「だろう。だったら決着つけようぜ。俺の盾とお前の槍、どっちが強いか勝負だ!」
スペアが言う。が、ギアはそれに同意しない。
「それは出来ません。あなたもフマーレの職人であれば知っているはずだ。別の店の職人が作ったものを比較目的で闘わせるなどどちらの利益にもならない、従って争わせる事は基本禁止事項です」
ギアはそう言い、静かに腕を組む。
「け、怖いのかよ」
スペアの挑発に、しかしやはりギアは冷静だ。
「通りで出したばかりなのに、売れ行きが良くない訳だ……でも、待てよ。って事はある意味でこれは僕らに対する挑戦かもしれない」
「挑戦? 誰の?」
スペアが不審げに繰り返す。
「さぁ、そこまでは。しかし、売られた喧嘩は買わないとですよね」
何処かでギアも苛立っていたらしい。物言いに僅かな怒気が含まれている。
「あ、それはそれとしてその盾、なかなかいいものですね。いい形してる」
「え、ああ…ありがと」
付け加えられた言葉にスペアは面食らい、そう答える。だがそこでハッとして、
「ちょっと待てよ! 敵のお前に褒められたって嬉しくなんてねぇんだからなっ!」
そう言ってくるりと踵を返し、帰ってゆく。
後に残された者はそんなスペアにくすりと笑みを零しながらも、これからの事を思うと少しばかり頭を使わねばと思うのだった。
解説
内容
無断で行われ悪評を振りまいた道具対決
それによって二人の作った商品の売れ行きは芳しくありません
その事態を打破するべく、ギア達と共に新たな策を講じて下さい
●成功のポイント
一番は売れ行きが良くなくなった槍と盾についての売り上げを回復させる事
その為に新たに商品を開発して頂いても構いません
ようはギアとスペア、二人の作った商品が売れるようになる事が大事です
悪評がついてしまった商品をどうするかも重要な鍵となるでしょう
武器対決を仕組んだ犯人については
こちらの依頼では触れる必要はありません
●人物紹介
ギア
一般人で武器職人を目指している18歳
手先の器用さと柔軟な発想から、現在若き匠と噂されている
いいものは良いとちゃんと言える冷静さと目利きを持つ
スペア
一般人で防具職人を目指しているギアと同じく18歳
生まれ持ったセンスと粘りのある仕事振りで皆に一目置かれている稀代の天才
負けず嫌いで喧嘩っ早く礼儀はなってないが、根は真面目で目を掛けられている
無断で行われ悪評を振りまいた道具対決
それによって二人の作った商品の売れ行きは芳しくありません
その事態を打破するべく、ギア達と共に新たな策を講じて下さい
●成功のポイント
一番は売れ行きが良くなくなった槍と盾についての売り上げを回復させる事
その為に新たに商品を開発して頂いても構いません
ようはギアとスペア、二人の作った商品が売れるようになる事が大事です
悪評がついてしまった商品をどうするかも重要な鍵となるでしょう
武器対決を仕組んだ犯人については
こちらの依頼では触れる必要はありません
●人物紹介
ギア
一般人で武器職人を目指している18歳
手先の器用さと柔軟な発想から、現在若き匠と噂されている
いいものは良いとちゃんと言える冷静さと目利きを持つ
スペア
一般人で防具職人を目指しているギアと同じく18歳
生まれ持ったセンスと粘りのある仕事振りで皆に一目置かれている稀代の天才
負けず嫌いで喧嘩っ早く礼儀はなってないが、根は真面目で目を掛けられている
マスターより
難産も難産のシナリオとなりました、奈華里です
故事成語や四字熟語の由来とかって読むのは好きなのですが
題材にするのは意外と難しいですね…(汗)
この月末に賭けともいえる内容で、しかも連動形態となります
犯人捜しは別依頼にて。果たしてどうなることやら。
それではご参加お待ちしています
故事成語や四字熟語の由来とかって読むのは好きなのですが
題材にするのは意外と難しいですね…(汗)
この月末に賭けともいえる内容で、しかも連動形態となります
犯人捜しは別依頼にて。果たしてどうなることやら。
それではご参加お待ちしています
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/11/11 02:06
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/28 20:29:01 |
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おみせやさん リィ・ヴェスト(ka5075) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/11/01 15:45:41 |