ゲスト
(ka0000)
盾と槍 黒幕編
マスター:奈華里

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2015/11/04 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/11/18 15:00
オープニング
●歪んだ魂
(若き匠? 稀代の天才? こんなのが出てこられるとこっちが困るんだよ…)
フマーレにある小さな酒場の片隅で真っ昼間から酒を煽るのは一人の男――。
手にはここらの職人らに配られている組合新聞。その見出しが新人特集とあって、彼はどうにも機嫌が悪い。
(こういう奴は何も判っちゃいないんだ。なのに、いい気になりやがって…)
男もかつては天辺を目指して腕を揮ったものだが、今となってはもう遥か昔の事だ。
(武器も盾も所詮消耗品と諦めて、次々買い替えて貰う。それがいいやり方だ)
使う側も売る側も……どちらも損はしないじゃあないか。
一概に丈夫で長持ちすればいいというものではない。両者にとって本当にいいもの。それは適度に使い捨てる事ができ、新商品に手を伸ばすきっかけが作れるもの。時が経つにつれてそう思うようになった彼である。であるからして…。
「軽くて丈夫な槍に、強靭で何ものにも負けない盾だと? 冗談じゃあない」
グラスに入っていた酒を煽って、男は考える。
(こいつらさえいなければ、またうちの商品が売れるようになるに違いない…だったら)
歪んでしまった思考は彼をいけない方向へと駆り立てる。
(やってやる…)
その時の男の瞳にはもう職人の魂と呼べるものは存在しなかった。
●娯楽の陰に
「さぁ、よってらっしゃいみてらっしゃい! 今日はここで世紀の対決を御覧にいれるよぉ」
派手な服装に身を包んだ男がとある街道の一角で人を呼び込んでいる。
その中央のテントには顔がそっくりな二人の男。兄弟で傭兵をしているのか片方は槍を、もう片方は盾を手にしている。
「さぁさ、皆様お立ち合い。ここにある立派な槍と頑丈な盾。これは今注目の新人職人が作ったものだ。しかし、気にならないか? どちらも腕がいいと聞く…ならば、一体どちらが優秀なのかと」
口上につられるように見物人達が僅かにざわつく。
「そこで今日ははっきりさせようじゃあないか。若き匠の作りし槍と稀代の天才が作りし盾の本当の実力を!」
その言葉にワッ――とその場が湧いた。確かに誰もが考える事だ。
しかし、こういった直球の比較対決は両者に利益を生まない事が明白であり、道具職人の間では禁止されている。その他の地域でも暗黙の了解でこのような見世物紛いの行為は行わないのが普通だ。だがここは街道で、ゲリラ的に始まったのだから関係者がいない限り、止める者はいない。
「さぁ、では始めましょう」
呼び込みの合図で傭兵同士が向かい合う。そして、数度の打ち合いの末――。
ピキ…ピキピキピキッ ゴトリ
それは呆気ない幕切れだった。盾にはひびが入ると同時にそこからぱっくりと二つに割れ、槍は刃毀れを繰り返し、ついには見るも無残に欠け落ちてしまう。
『なんとっ!!』
人だかりからそんな声が上がる。
「そう、なんともはや…売り出し中の新人・注目の一品ってもこんなもんだ。新しいものにばかり飛びついちゃあ痛い目をみる。それを知って欲しくてねぇ…お粗末。これにて終了だ」
呼び込みはそう言うと、何事もなかったようにテントを畳んで砕けた槍と盾を素早く片付け去って行く。
「何だったんだ…?」
集まった人々はその手際の良さに呆気にとられながら呟く。
(フフッ、これで奴らも終わりだ…ちゃんと現物を使ってるし、客は疑わねぇだろう)
少しばかり商品に細工はしていたが…そんな事を心中で呟きつつ、呼び込みをしていた男はほくそ笑む。そして、
(どうせなら、もっと悪評を広めてやろう)
男の欲が自分を追いつめている事に彼はまだ気付いてはいなかった。
フマーレ職人組合にて。
「どうやら規則を破っている輩がいるようですな」
武器や防具を作る各工房の長やら熟練の職人やらが集められて密かに会議が行われている。
話題は勿論、現在流れている新人が作った道具への悪評被害についてである。
「現物を使っているのかどうかはわからんが、形状にはそれ程違いは見られなかったと聞いている。即ち…」
「使っていたとしたら、数度の打ち合いでガタが来るように細工が出来る人間。考えたくはありませんが、職人である、或いは道具に精通しているものの犯行かと」
一度であればそこまでの情報はなかったであろうが、犯人と思しき人物は味を占めたのか数回その見世物を行っているようで、聞き込みも割と進んでいる。
「どっちにしても早く捕まえねばな。期待の新人のものだ…これからの彼らの評判にも響くし、果てはここらの信用やブランドにも関わる」
場を纏めていた年配の職人が言う。
「では、依頼を…ハンター達に頼めばあっという間に探して貰えるでしょうし」
それぞれが動いてもいいのだが、その間仕事を放り出す事になってしまう。
それを避ける為、彼らは少しずつ資金を出し合って…ハンター達に依頼を出すのだった。
(若き匠? 稀代の天才? こんなのが出てこられるとこっちが困るんだよ…)
フマーレにある小さな酒場の片隅で真っ昼間から酒を煽るのは一人の男――。
手にはここらの職人らに配られている組合新聞。その見出しが新人特集とあって、彼はどうにも機嫌が悪い。
(こういう奴は何も判っちゃいないんだ。なのに、いい気になりやがって…)
男もかつては天辺を目指して腕を揮ったものだが、今となってはもう遥か昔の事だ。
(武器も盾も所詮消耗品と諦めて、次々買い替えて貰う。それがいいやり方だ)
使う側も売る側も……どちらも損はしないじゃあないか。
一概に丈夫で長持ちすればいいというものではない。両者にとって本当にいいもの。それは適度に使い捨てる事ができ、新商品に手を伸ばすきっかけが作れるもの。時が経つにつれてそう思うようになった彼である。であるからして…。
「軽くて丈夫な槍に、強靭で何ものにも負けない盾だと? 冗談じゃあない」
グラスに入っていた酒を煽って、男は考える。
(こいつらさえいなければ、またうちの商品が売れるようになるに違いない…だったら)
歪んでしまった思考は彼をいけない方向へと駆り立てる。
(やってやる…)
その時の男の瞳にはもう職人の魂と呼べるものは存在しなかった。
●娯楽の陰に
「さぁ、よってらっしゃいみてらっしゃい! 今日はここで世紀の対決を御覧にいれるよぉ」
派手な服装に身を包んだ男がとある街道の一角で人を呼び込んでいる。
その中央のテントには顔がそっくりな二人の男。兄弟で傭兵をしているのか片方は槍を、もう片方は盾を手にしている。
「さぁさ、皆様お立ち合い。ここにある立派な槍と頑丈な盾。これは今注目の新人職人が作ったものだ。しかし、気にならないか? どちらも腕がいいと聞く…ならば、一体どちらが優秀なのかと」
口上につられるように見物人達が僅かにざわつく。
「そこで今日ははっきりさせようじゃあないか。若き匠の作りし槍と稀代の天才が作りし盾の本当の実力を!」
その言葉にワッ――とその場が湧いた。確かに誰もが考える事だ。
しかし、こういった直球の比較対決は両者に利益を生まない事が明白であり、道具職人の間では禁止されている。その他の地域でも暗黙の了解でこのような見世物紛いの行為は行わないのが普通だ。だがここは街道で、ゲリラ的に始まったのだから関係者がいない限り、止める者はいない。
「さぁ、では始めましょう」
呼び込みの合図で傭兵同士が向かい合う。そして、数度の打ち合いの末――。
ピキ…ピキピキピキッ ゴトリ
それは呆気ない幕切れだった。盾にはひびが入ると同時にそこからぱっくりと二つに割れ、槍は刃毀れを繰り返し、ついには見るも無残に欠け落ちてしまう。
『なんとっ!!』
人だかりからそんな声が上がる。
「そう、なんともはや…売り出し中の新人・注目の一品ってもこんなもんだ。新しいものにばかり飛びついちゃあ痛い目をみる。それを知って欲しくてねぇ…お粗末。これにて終了だ」
呼び込みはそう言うと、何事もなかったようにテントを畳んで砕けた槍と盾を素早く片付け去って行く。
「何だったんだ…?」
集まった人々はその手際の良さに呆気にとられながら呟く。
(フフッ、これで奴らも終わりだ…ちゃんと現物を使ってるし、客は疑わねぇだろう)
少しばかり商品に細工はしていたが…そんな事を心中で呟きつつ、呼び込みをしていた男はほくそ笑む。そして、
(どうせなら、もっと悪評を広めてやろう)
男の欲が自分を追いつめている事に彼はまだ気付いてはいなかった。
フマーレ職人組合にて。
「どうやら規則を破っている輩がいるようですな」
武器や防具を作る各工房の長やら熟練の職人やらが集められて密かに会議が行われている。
話題は勿論、現在流れている新人が作った道具への悪評被害についてである。
「現物を使っているのかどうかはわからんが、形状にはそれ程違いは見られなかったと聞いている。即ち…」
「使っていたとしたら、数度の打ち合いでガタが来るように細工が出来る人間。考えたくはありませんが、職人である、或いは道具に精通しているものの犯行かと」
一度であればそこまでの情報はなかったであろうが、犯人と思しき人物は味を占めたのか数回その見世物を行っているようで、聞き込みも割と進んでいる。
「どっちにしても早く捕まえねばな。期待の新人のものだ…これからの彼らの評判にも響くし、果てはここらの信用やブランドにも関わる」
場を纏めていた年配の職人が言う。
「では、依頼を…ハンター達に頼めばあっという間に探して貰えるでしょうし」
それぞれが動いてもいいのだが、その間仕事を放り出す事になってしまう。
それを避ける為、彼らは少しずつ資金を出し合って…ハンター達に依頼を出すのだった。
解説
内容
新人らの作った槍と盾を使って見世物をしていた一団を捕まえる事
職人の許可さえも取らずに勝手に行われたこの見世物行為
たとえとったとしても
職人達にも店にも利益にならないこの行為は組合で禁止されています
従ってその一団は裁きを受けるのが妥当と判断されました
早急に探し出し、首謀者諸共お縄にかけましょう
●成功へのポイント
なぜこの一団がこのような事をしているのかを考えれば
自ずと首謀者に行きつく手掛かりが浮き彫りになってくるでしょう
それを元にプレイングを作成し、首謀者検挙に導いて下さい
なお、OP前半(●歪んだ魂の内容)はPL情報であり、PC情報ではありません
新人らの作った槍と盾を使って見世物をしていた一団を捕まえる事
職人の許可さえも取らずに勝手に行われたこの見世物行為
たとえとったとしても
職人達にも店にも利益にならないこの行為は組合で禁止されています
従ってその一団は裁きを受けるのが妥当と判断されました
早急に探し出し、首謀者諸共お縄にかけましょう
●成功へのポイント
なぜこの一団がこのような事をしているのかを考えれば
自ずと首謀者に行きつく手掛かりが浮き彫りになってくるでしょう
それを元にプレイングを作成し、首謀者検挙に導いて下さい
なお、OP前半(●歪んだ魂の内容)はPL情報であり、PC情報ではありません
マスターより
何故厳しい時期に依頼を出すのか…そこに空きがあるからさっ、奈華里です
連動予定はなかったのですが、難産の末行きついた手段がこの形でした
一見、親切でしている事の様に見えても裏では甘い蜜を吸うものはいる筈…
捜索のヒントはOP内に散りばめていますので、その辺から行動を絞って
さて、首謀者に行きつく事は出来るでしょうか?
御参加お待ちしています
連動予定はなかったのですが、難産の末行きついた手段がこの形でした
一見、親切でしている事の様に見えても裏では甘い蜜を吸うものはいる筈…
捜索のヒントはOP内に散りばめていますので、その辺から行動を絞って
さて、首謀者に行きつく事は出来るでしょうか?
御参加お待ちしています
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/11/17 01:38
参加者一覧
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/03 17:39:57 |
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黒幕を探せ 万歳丸(ka5665) 鬼|17才|男性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2015/11/04 08:36:34 |