ゲスト
(ka0000)
実験畑の研究日誌8頁目
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/11/02 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/11/11 22:00
オープニング
●
歪んだ土地を拓いてしまったのだろうと研究員達が言う。
地主は項垂れてどうしたらよいかと尋ねた。
研究員に土地勘を買われて同行した案内人はハンターオフィスへの依頼を勧めた。
農業魔術研究機関、通称「実験畑」。ジェオルジの北の畑に始まる研究機関は、その一部をルーベン・ジェオルジ、農業都市ジェオルジの前領主が管理することも有り、多少なりとも、外部の研究畑とも縁があった。
村長祭、ジェオルジの祭を控えたある日、「実験畑」の研究チームが近隣の畑の調査に呼ばれた。
数枚の畑を管理しているという地主と、彼がこの秋の収穫を目指し、新しく拓いた畑でサフランの管理を任されている男。男は片脚を無くして杖で身体を支えていた。
「夜中に騒がしかったと聞いたもので……」
研究員達を前に男が溜息を吐きながら話し始めた。
数日前、膨れてきた蕾を眺めて畑の世話をしていると、顔を顰めた地主が畑まで出向いてきた。
畑は地主の家から距離が有り、わざわざ足を運ぶのは珍しい。何かあったのかと尋ねると、辺りを見回して、変わったことは無かったかと聞き返された。その日の仕事は半分ほど終えていたが、畑に異常は見当たらない。何も無いと応えると地主は重そうに腕を伸ばし、畑から見える何軒かの家を指した。
その辺りの家から苦情が来たという。
夜に騒がしかった。酔っ払いに世話をさせているのか、奇声を上げて、農具を振り回して。
月の明かりを映した鎌が危なっかしい。
雇う人間はよく選ぶようになんていう嫌味まで。
酒瓶でも落ちていれば手がかりになるかと思って来たと地主が言う。酔っ払いとは思えないがと苦笑いで。
世話を済ませた畑にも、まだ手を着けていない辺りにもそれらしい物は見付かっていない。
男は腕を組んで首を捻る。日が落ちる前には仕事を終えて帰ってしまう。
だからだろうか、今日までそんな話1つ聞いたことは無いし、見たこともない。
しかし、この畑が荒らされては、ここで作物を育てている男自身も困ることになる。
「……見張りをしましょうと、言ったんです」
男は脚を一瞥した。
その日の夜を思い出す。
男の申し出に、それならと地主が家に招き夕食を振る舞った。月の昇る頃に地主の家を出て畑へ向かった。
苦情のような奇声や鎌を振り回す姿は、その時は未だ見えなかった。
空の白む頃、夜を徹して畑を見ていた男が、うとうとと微睡み始め、欠伸をしながら目を擦った頃、視界の隅で何かが揺れた。
細い葉を伸ばし、紫の蕾をゆっくりと広げて赤い蕊を垂らす。
子供の背丈程から見上げる様に揺れたそれは、男が育てているサフランによく似ていた。
夢かと思った瞬間に、頬に熱を感じた。咄嗟に手を遣ると掌にぬるりと赤い滑りを感じ、ひりつく痛みと錆の香が広がった。
悲鳴を上げて逃げ出した。
背後に硝子を引っ掻くような耳障りで奇妙な咆哮が聞こえる。
花を踏みつけたその足が刈り取られたと知ったのは、地面に倒れ、藻掻いて、意識を無くし。
その後、病院で目を覚ましてからのことだった。
「大きさは、俺の腰くらいだったと思います。花は蕾で頭くらいあったから、咲くともっと大きい……と思います。先に鎌の付いた鞭みたいな蔓があちこちで伸びていたけど、花は動いてなかったと思います。花の数は……3つはあったと思いますが……動転していて、それ以上は分かりません」
●
男の話を聞き終えた研究員が畑の状態と、その周辺の土を見る。
辺りの空気を嗅いだり、風向きや、気温を測ったり。
吹き溜まりになった落ち葉を見ながら、研究員が呟いた。
「歪んだマテリアルが、溜まってしまったのかも知れないな……根から駆除して、早めに清めた方が良い。今は、周りの歪みを溜めているが、いつ周りに広がっていかないとも限らないから」
「駆除ですか?」
「花を刈って、出てしまった雑魔を始末するんだ。そっちは専門家に頼んだ方がいいだろうな」
白衣の裾をたくし上げて研究員がサフランを一輪摘む。それは何の変哲も無い花だった。
細い葉の中心に茎が伸びて、紫の花を咲かせている。特徴的な赤い蕊を垂らすサフランの花。手に収まる程のそれが、子供の様な高さに育つという。細く真っ直ぐな葉しか見られないが蔓を撓らせ襲うという。
それをファイルに収めると、研究員は地主を呼んだ。
「詳しくは戻ってから調べてみます。花は刈って、燃やして仕舞って下さい。駆除の依頼は……」
「はい! お任せ下さい!」
案内人が手を上げた。
『サフラン雑魔の駆除をお願いします!』
男の証言と調査結果を添えて、依頼がオフィスに掲げられた。
歪んだ土地を拓いてしまったのだろうと研究員達が言う。
地主は項垂れてどうしたらよいかと尋ねた。
研究員に土地勘を買われて同行した案内人はハンターオフィスへの依頼を勧めた。
農業魔術研究機関、通称「実験畑」。ジェオルジの北の畑に始まる研究機関は、その一部をルーベン・ジェオルジ、農業都市ジェオルジの前領主が管理することも有り、多少なりとも、外部の研究畑とも縁があった。
村長祭、ジェオルジの祭を控えたある日、「実験畑」の研究チームが近隣の畑の調査に呼ばれた。
数枚の畑を管理しているという地主と、彼がこの秋の収穫を目指し、新しく拓いた畑でサフランの管理を任されている男。男は片脚を無くして杖で身体を支えていた。
「夜中に騒がしかったと聞いたもので……」
研究員達を前に男が溜息を吐きながら話し始めた。
数日前、膨れてきた蕾を眺めて畑の世話をしていると、顔を顰めた地主が畑まで出向いてきた。
畑は地主の家から距離が有り、わざわざ足を運ぶのは珍しい。何かあったのかと尋ねると、辺りを見回して、変わったことは無かったかと聞き返された。その日の仕事は半分ほど終えていたが、畑に異常は見当たらない。何も無いと応えると地主は重そうに腕を伸ばし、畑から見える何軒かの家を指した。
その辺りの家から苦情が来たという。
夜に騒がしかった。酔っ払いに世話をさせているのか、奇声を上げて、農具を振り回して。
月の明かりを映した鎌が危なっかしい。
雇う人間はよく選ぶようになんていう嫌味まで。
酒瓶でも落ちていれば手がかりになるかと思って来たと地主が言う。酔っ払いとは思えないがと苦笑いで。
世話を済ませた畑にも、まだ手を着けていない辺りにもそれらしい物は見付かっていない。
男は腕を組んで首を捻る。日が落ちる前には仕事を終えて帰ってしまう。
だからだろうか、今日までそんな話1つ聞いたことは無いし、見たこともない。
しかし、この畑が荒らされては、ここで作物を育てている男自身も困ることになる。
「……見張りをしましょうと、言ったんです」
男は脚を一瞥した。
その日の夜を思い出す。
男の申し出に、それならと地主が家に招き夕食を振る舞った。月の昇る頃に地主の家を出て畑へ向かった。
苦情のような奇声や鎌を振り回す姿は、その時は未だ見えなかった。
空の白む頃、夜を徹して畑を見ていた男が、うとうとと微睡み始め、欠伸をしながら目を擦った頃、視界の隅で何かが揺れた。
細い葉を伸ばし、紫の蕾をゆっくりと広げて赤い蕊を垂らす。
子供の背丈程から見上げる様に揺れたそれは、男が育てているサフランによく似ていた。
夢かと思った瞬間に、頬に熱を感じた。咄嗟に手を遣ると掌にぬるりと赤い滑りを感じ、ひりつく痛みと錆の香が広がった。
悲鳴を上げて逃げ出した。
背後に硝子を引っ掻くような耳障りで奇妙な咆哮が聞こえる。
花を踏みつけたその足が刈り取られたと知ったのは、地面に倒れ、藻掻いて、意識を無くし。
その後、病院で目を覚ましてからのことだった。
「大きさは、俺の腰くらいだったと思います。花は蕾で頭くらいあったから、咲くともっと大きい……と思います。先に鎌の付いた鞭みたいな蔓があちこちで伸びていたけど、花は動いてなかったと思います。花の数は……3つはあったと思いますが……動転していて、それ以上は分かりません」
●
男の話を聞き終えた研究員が畑の状態と、その周辺の土を見る。
辺りの空気を嗅いだり、風向きや、気温を測ったり。
吹き溜まりになった落ち葉を見ながら、研究員が呟いた。
「歪んだマテリアルが、溜まってしまったのかも知れないな……根から駆除して、早めに清めた方が良い。今は、周りの歪みを溜めているが、いつ周りに広がっていかないとも限らないから」
「駆除ですか?」
「花を刈って、出てしまった雑魔を始末するんだ。そっちは専門家に頼んだ方がいいだろうな」
白衣の裾をたくし上げて研究員がサフランを一輪摘む。それは何の変哲も無い花だった。
細い葉の中心に茎が伸びて、紫の花を咲かせている。特徴的な赤い蕊を垂らすサフランの花。手に収まる程のそれが、子供の様な高さに育つという。細く真っ直ぐな葉しか見られないが蔓を撓らせ襲うという。
それをファイルに収めると、研究員は地主を呼んだ。
「詳しくは戻ってから調べてみます。花は刈って、燃やして仕舞って下さい。駆除の依頼は……」
「はい! お任せ下さい!」
案内人が手を上げた。
『サフラン雑魔の駆除をお願いします!』
男の証言と調査結果を添えて、依頼がオフィスに掲げられた。
解説
目的 畑に出没した雑魔の駆除
●エネミー
サフラン型雑魔×3~?
子供の背丈(大人の腰)程度の高さ
サフランの花をそのまま大きくしたような外見だが、
先が鋭利な鎌のようになった蔓が、
1体につき4本、射程1~5。
花から他者の行動を阻害する奇声を発する。
●畑
5×10メートル程度
花は全て刈り取られており、畝も潰されている。
畑の周りは細い農道が囲み、少し離れて別の畑が敷かれている
周辺は殆ど畑、別の畑への侵入は原則禁止。
●その他
証言補足
見張っていた時は早朝に出没したが、出没した瞬間は見ていない。
現在エネミーが何処に潜んでいるかは不明。
調査結果補足
マテリアルの汚染が見られたが、畑全体で見ればひどいものでは無い。
所々汚染のひどい部分があった為、その部分から発生し、花の形を得た物と推察される。
採取した花に異常は無いが、こちらは調査を継続する。
案内人(同行者)
ハンターオフィス受付嬢、ハンターの指示に従う。
●農業魔術研究機関
ルーベン・ジェオルジ所有の実験畑の一部を管理・運営し、農業魔法の研究を行っている機関。
大小様々な畑と管理棟が点在し、中央には広場がある。
時折実験に失敗し、大事の時はハンターオフィスへ対処の依頼を届けている。
(今回は外部へ出張)
●エネミー
サフラン型雑魔×3~?
子供の背丈(大人の腰)程度の高さ
サフランの花をそのまま大きくしたような外見だが、
先が鋭利な鎌のようになった蔓が、
1体につき4本、射程1~5。
花から他者の行動を阻害する奇声を発する。
●畑
5×10メートル程度
花は全て刈り取られており、畝も潰されている。
畑の周りは細い農道が囲み、少し離れて別の畑が敷かれている
周辺は殆ど畑、別の畑への侵入は原則禁止。
●その他
証言補足
見張っていた時は早朝に出没したが、出没した瞬間は見ていない。
現在エネミーが何処に潜んでいるかは不明。
調査結果補足
マテリアルの汚染が見られたが、畑全体で見ればひどいものでは無い。
所々汚染のひどい部分があった為、その部分から発生し、花の形を得た物と推察される。
採取した花に異常は無いが、こちらは調査を継続する。
案内人(同行者)
ハンターオフィス受付嬢、ハンターの指示に従う。
●農業魔術研究機関
ルーベン・ジェオルジ所有の実験畑の一部を管理・運営し、農業魔法の研究を行っている機関。
大小様々な畑と管理棟が点在し、中央には広場がある。
時折実験に失敗し、大事の時はハンターオフィスへ対処の依頼を届けている。
(今回は外部へ出張)
マスターより
食欲の秋ですね。パエリアが食べたい……
出張実験畑……
よろしくお願いします。
出張実験畑……
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/11/11 01:30
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/02 13:15:41 |
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大きくなったんDEATH 万歳丸(ka5665) 鬼|17才|男性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2015/11/02 20:08:26 |