ゲスト
(ka0000)
ナイト・スリップ
マスター:波瀬音音

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/11/14 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/11/23 22:00
オープニング
●闇討ち
厚い雲に月が覆われた夜、一台の馬車が歩くような速度で街道の上を往く。
街灯も整備されていない田舎道なので、不注意で何か起こるかも分からない。
この状況下で速度を出すかどうかは賛否両論あるだろうけれども、御者はゆっくりと安全運転を心掛けることにしたのだ。
もちろん雑魔への対抗策も整えてある、と言いたいところだったけれど、これについては少々心許ないところがあった。
ハンターズソサエティに依頼するのを、雇い主である商会が渋ったからである。
それは予算の問題もあったけれど、万一何かが起きて輸送が滞っても、すぐに何か困ったことが起きるわけでもないから、らしい。
(強い信頼関係、といってもねえ)
取引を行っている商会同士の話に疑念を抱くのは、最悪自分の雇用に影響が出かねない。
だからそれを根拠に「問題が起きない」と言われた時には何も言わなかったけれど、雇われの身である御者自身は不安でならなかった。
照明用にも、またはいざというときの追い払い用にも使えるようにと、たいまつは用意してくれたけれども……果たして、どれだけの効果があるものか。
結論から言うと、なかった。
相変わらず街の影は遠い。
街道の左右の土地はお世辞にも潤っているとは言えず、荷台の幌にぶら下げたランタンだけが頼りとなっている御者の狭い視界からは、時折茂みが見えるだけだった。
もう二時間も進めば若干景色も変わってくる、ということは分かっていたけれども、それでも気が滅入って溜息をつきかけた時――突如、荷台のバランスが大きく崩れた。
浮き上がった身体が後ろにもっていかれそうになり、御者は咄嗟に幌の端に手を引っ掛けて堪える。
何が起きた。後ろを振り返ると、荷台の後方が前方に比べ下がっているのが分かった。
おかしい。
後方のうち片側だけなら馬車の車輪の片方が石畳から外れたのだろう、と思うけれども、両側ともに――しかも若干均等ではない状態で下がっている。
危険を察知した直後に、今度は前方で馬が大きく啼いた。
御者が視線をそちらに向けると、馬車をひいていた二頭の馬のうち一頭が身体を大きく仰け反らせ、首筋から鮮血を撒き散らしていた。
ランタンの頼りない光源で捉えただけでも「もう助からない」と分かる程に、夥しい量の出血。
ほんの少しの間を置いてもう一頭も同じく悲鳴を上げた時、ランタンの光に照らされた『そいつ』をやっと御者は見ることが出来た。
尻尾が鎌になっている、黒い大蛇。全長が3mはあるだろう。もう少しあるかもしれない。
首を持ち上げたそいつが、赤い眼で自分を睥睨するのに底知れぬ恐怖を覚えたのも束の間。
下から切り裂かれる衝撃により、御者は悲鳴を上げる前に意識を失った。
数刻後、御者はほんの僅かな間だけ意識を取り戻し、うっすらと目を開く。
どうやら蛇は、動けない自分を巻き付けながら、地面を這っているようだった。
最早冷えきりかけている身体は、痛覚すら感じない。
何も残せないことを少しだけ悔しく感じていると、蛇は茂みの中に作った巣穴に潜り込み始める。
その時になって巻きつき方が少し変わったのが分かったのは、それまでは視界すらも蛇の身体に覆われていたのに、僅かに外の世界が見えたからだ。
きっと巻き付く部分を緩め身体を細めないと、巣穴には入りきれないのだろう。
けれど、蛇が巣穴を下り始めるといよいよ何も見えなくなった。
これ以上現実を知覚していても仕方ない、と、御者だった男は諦めたように瞳を閉じた。
●数日後
御者の事例の後も数件、同じ街道の同じようなポイントで、雑魔による被害が発生した。
なかなかハンターズソサエティで依頼に上がらなかったのは、いくつか理由がある。
まず夜間しか被害が出ないこと。
また、襲われた者の中に生存者がおらず、加えて荷物や馬の遺骸等は残っているのに人の遺体は残されていない為、「人だけを狙った、斬撃系の攻撃を持つモノ」だということ以外に雑魔に関する情報が殆どないことがある。
しかしながら放置しておくわけにもいかず、結局最初に被害に遭った御者を雇った商会が依頼を出すことになったのだった。
厚い雲に月が覆われた夜、一台の馬車が歩くような速度で街道の上を往く。
街灯も整備されていない田舎道なので、不注意で何か起こるかも分からない。
この状況下で速度を出すかどうかは賛否両論あるだろうけれども、御者はゆっくりと安全運転を心掛けることにしたのだ。
もちろん雑魔への対抗策も整えてある、と言いたいところだったけれど、これについては少々心許ないところがあった。
ハンターズソサエティに依頼するのを、雇い主である商会が渋ったからである。
それは予算の問題もあったけれど、万一何かが起きて輸送が滞っても、すぐに何か困ったことが起きるわけでもないから、らしい。
(強い信頼関係、といってもねえ)
取引を行っている商会同士の話に疑念を抱くのは、最悪自分の雇用に影響が出かねない。
だからそれを根拠に「問題が起きない」と言われた時には何も言わなかったけれど、雇われの身である御者自身は不安でならなかった。
照明用にも、またはいざというときの追い払い用にも使えるようにと、たいまつは用意してくれたけれども……果たして、どれだけの効果があるものか。
結論から言うと、なかった。
相変わらず街の影は遠い。
街道の左右の土地はお世辞にも潤っているとは言えず、荷台の幌にぶら下げたランタンだけが頼りとなっている御者の狭い視界からは、時折茂みが見えるだけだった。
もう二時間も進めば若干景色も変わってくる、ということは分かっていたけれども、それでも気が滅入って溜息をつきかけた時――突如、荷台のバランスが大きく崩れた。
浮き上がった身体が後ろにもっていかれそうになり、御者は咄嗟に幌の端に手を引っ掛けて堪える。
何が起きた。後ろを振り返ると、荷台の後方が前方に比べ下がっているのが分かった。
おかしい。
後方のうち片側だけなら馬車の車輪の片方が石畳から外れたのだろう、と思うけれども、両側ともに――しかも若干均等ではない状態で下がっている。
危険を察知した直後に、今度は前方で馬が大きく啼いた。
御者が視線をそちらに向けると、馬車をひいていた二頭の馬のうち一頭が身体を大きく仰け反らせ、首筋から鮮血を撒き散らしていた。
ランタンの頼りない光源で捉えただけでも「もう助からない」と分かる程に、夥しい量の出血。
ほんの少しの間を置いてもう一頭も同じく悲鳴を上げた時、ランタンの光に照らされた『そいつ』をやっと御者は見ることが出来た。
尻尾が鎌になっている、黒い大蛇。全長が3mはあるだろう。もう少しあるかもしれない。
首を持ち上げたそいつが、赤い眼で自分を睥睨するのに底知れぬ恐怖を覚えたのも束の間。
下から切り裂かれる衝撃により、御者は悲鳴を上げる前に意識を失った。
数刻後、御者はほんの僅かな間だけ意識を取り戻し、うっすらと目を開く。
どうやら蛇は、動けない自分を巻き付けながら、地面を這っているようだった。
最早冷えきりかけている身体は、痛覚すら感じない。
何も残せないことを少しだけ悔しく感じていると、蛇は茂みの中に作った巣穴に潜り込み始める。
その時になって巻きつき方が少し変わったのが分かったのは、それまでは視界すらも蛇の身体に覆われていたのに、僅かに外の世界が見えたからだ。
きっと巻き付く部分を緩め身体を細めないと、巣穴には入りきれないのだろう。
けれど、蛇が巣穴を下り始めるといよいよ何も見えなくなった。
これ以上現実を知覚していても仕方ない、と、御者だった男は諦めたように瞳を閉じた。
●数日後
御者の事例の後も数件、同じ街道の同じようなポイントで、雑魔による被害が発生した。
なかなかハンターズソサエティで依頼に上がらなかったのは、いくつか理由がある。
まず夜間しか被害が出ないこと。
また、襲われた者の中に生存者がおらず、加えて荷物や馬の遺骸等は残っているのに人の遺体は残されていない為、「人だけを狙った、斬撃系の攻撃を持つモノ」だということ以外に雑魔に関する情報が殆どないことがある。
しかしながら放置しておくわけにもいかず、結局最初に被害に遭った御者を雇った商会が依頼を出すことになったのだった。
解説
街道に現れた雑魔を討伐してください。
依頼を受けた時点で、PC情報として知り得る情報は現場付近の街道の様子と「●数日後」の節に記載された事項のみです。
敵の姿形に関する情報は、一切入ってきません。また巣穴のことは知りません。
よって本解説最下部のPL情報は、プレイングでの『把握する努力』が必要となります。
もちろん、情報によっては敵を視認しただけでは分からないものもあります。
把握する努力を見せずに対抗策だけをプレイングに記載されても
「情報がわかっていない為、少なくとも最初のうちは無効」
とみなす場合があります。予め、ご了承ください。
あと、努力については(一般)判定を伴います。
何をどのような手段で調べるかによって、補正がついたりつかなかったりします。
なお、現場の検証も兼ね、行動自体は昼から可能です。
プレイングによってはリプレイに昼間の部分も入ります。
●PL情報(雑魔について)
外見はOPで描写した通りです。全身が黒く、紋様はありません。但し、2体居ます。
尾の側から全身の半分ほどを鎌にすることが出来、振り上げる、振り下げる、薙ぎ払う等攻撃手段は自在。
頭部自体を使った攻撃は牙による噛み付きのみ。夜間でも視界は一切困りません。
巻き付く力はそれなりに強く、巻き付かれると捕縛と脚部拘束に加え、継続ダメージが発生します。
巻き付かれている間はもう1体から攻撃されることはありません。巻き付いている蛇からの噛み付きはあります。
鎌となる側に比べ、頭部を含める側は若干脆いです。
地を這っている限り、移動はかなり早いです。頭部を上げると移動が下がり、尾側を上げている間は移動しません。
ある特定のタイミングで瞬間的な光を当てると、一時的に行動不能に陥ります。
調査をすれば現場の近くに複数箇所、巣穴を発見することが出来ます。
但し人が「人の姿を保ったまま」入れる幅なのは入口付近だけです。
依頼を受けた時点で、PC情報として知り得る情報は現場付近の街道の様子と「●数日後」の節に記載された事項のみです。
敵の姿形に関する情報は、一切入ってきません。また巣穴のことは知りません。
よって本解説最下部のPL情報は、プレイングでの『把握する努力』が必要となります。
もちろん、情報によっては敵を視認しただけでは分からないものもあります。
把握する努力を見せずに対抗策だけをプレイングに記載されても
「情報がわかっていない為、少なくとも最初のうちは無効」
とみなす場合があります。予め、ご了承ください。
あと、努力については(一般)判定を伴います。
何をどのような手段で調べるかによって、補正がついたりつかなかったりします。
なお、現場の検証も兼ね、行動自体は昼から可能です。
プレイングによってはリプレイに昼間の部分も入ります。
●PL情報(雑魔について)
外見はOPで描写した通りです。全身が黒く、紋様はありません。但し、2体居ます。
尾の側から全身の半分ほどを鎌にすることが出来、振り上げる、振り下げる、薙ぎ払う等攻撃手段は自在。
頭部自体を使った攻撃は牙による噛み付きのみ。夜間でも視界は一切困りません。
巻き付く力はそれなりに強く、巻き付かれると捕縛と脚部拘束に加え、継続ダメージが発生します。
巻き付かれている間はもう1体から攻撃されることはありません。巻き付いている蛇からの噛み付きはあります。
鎌となる側に比べ、頭部を含める側は若干脆いです。
地を這っている限り、移動はかなり早いです。頭部を上げると移動が下がり、尾側を上げている間は移動しません。
ある特定のタイミングで瞬間的な光を当てると、一時的に行動不能に陥ります。
調査をすれば現場の近くに複数箇所、巣穴を発見することが出来ます。
但し人が「人の姿を保ったまま」入れる幅なのは入口付近だけです。
マスターより
新人のくせにご無沙汰してしまいました。波瀬音音です。
ようやく私事も諸々落ち着いたところで、久しぶりのリリースとなります。
前2本が戦闘+心情、非戦闘だったので、戦闘メインと言えるのは今回が初めてですね。
まだまだ判定に不慣れなところでありますが、これも少しずつ勉強していければと。
では、ご縁がありましたらどうぞ宜しくお願い致します。
ようやく私事も諸々落ち着いたところで、久しぶりのリリースとなります。
前2本が戦闘+心情、非戦闘だったので、戦闘メインと言えるのは今回が初めてですね。
まだまだ判定に不慣れなところでありますが、これも少しずつ勉強していければと。
では、ご縁がありましたらどうぞ宜しくお願い致します。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/11/23 21:52
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談卓 不動 シオン(ka5395) 人間(リアルブルー)|27才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/11/14 20:25:31 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/14 08:30:07 |