ゲスト
(ka0000)
【闇光】少年、眠る間にペット走る
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/11/17 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/11/26 07:30
オープニング
●眠る少年
先日受けた傷は大きすぎた。
プエル(kz0127)は眠る。豪奢な部屋に、天蓋の付いているベッドに眠るはいつも通りのプエルの寝相に、エクエスは溜息を洩らした。
真っ直ぐで乱れる事のない寝相。
「変わらない……何もかも」
記憶をたどると一番古いものもプエルは真っ直ぐ寝ている。いや、さすがに少々動きはするが、布団をかけ直してあげる必要はない。
「さて……頼んでいたものが来たのですが、プエル様がいないと意味のない」
一メートル四方くらいの原材料不明の白い箱二つを見て、エクエスは頭痛がする気がした。以前、同輩に頼んだ道具が来てもしょうがない。
「中くらいは見ておきましょう。くっ、なんだ、これ!」
開けて見て、硬直した。
「きゅ?」
プエルのベッドのそばにいたモフリがやってきて、覗き込んだ直後やはり硬直した。
「きゅ、きゅきゅううう?」
「いえ、私が頼んだのはプエル様の人形でした」
中に入っている物はモフリに見える白いもこもこしたぬいぐるみがみっちり一ダース。もう一つもみっちりと一ダースと、三頭身くらいの抱きかかえるにちょうどいい赤毛の男性の人形が埋もれるように一つ。色合いと服装からとある人物を想像して、エクエスは舌打ちをする。
エクエスは白くもこもこの方を一つ取り出して、モフリの側に置いてみる。どう見てもモフリだ。
「……頼んだときの状況はどうでしたっけ?」
「きゅ?」
エクエスは思い出す。
『人形を使いたいので是非』
と言いながらプエルを道具を作ってくれる人物の前に立たせた。そのプエルは腕にモフリを抱いていた、誇らしげに。拾ったばかりで嬉しかったようで、見せびらかしていたのだった。
「……おいっ! 骨の中の脳みそをどこかに落としてきたんじゃねぇのか!」
エクエスは怒りとあきれで一杯のつぶやきを漏らした。
「きゅ? きゅ、きゅー」
モフリは一斉に二ダースのモフリ人形は動き出したのを見た。
「……」
「……」
エクエスとモフリは黙った。
「ひとまず、侵入する人間がいれば攪乱できるでしょうかね……」
「きゅー」
「頑張ってください」
「きゅ!?」
「これを率いてごまかせるのはあなたしかいません。ほら、私はこのように負傷していますし」
モフリは正論に黙った。下僕であるプエルは外面は繕っても、中身までは回復していない。
モフリはいろいろ考える、モフリとして歪虚として生きるには何が一番いいのかと。
別の下僕や主を探すこともできそうだが、モフリは難しいと考えている。同じ憤怒の歪虚か今の下僕プエルのようにちやほやしてくれるヒトが良かったから。
ここにいる歪虚たちは高位すぎて取り入りにくい。
そう、現状ではプエルが一番良い下僕だ。
「きゅ」
仕方がないので下僕の下僕であるエクエスの言うことを聞いてやることにした。
「ああ、これは是非とも部隊長たるモフリ殿が付けてください」
鳥かごの形をした中に透明な赤い石が入っているデザインのヘッドがついた首輪だった。モフリは断ることができず、後で燃やしてやろうと内心思いながらつけられる。
その後、エクエスは大きく息を吐きながら、一つだけ違う人形を手にする。思いっきり壁に叩きつけて踏みつけてやりたいところであるが、いつ目を覚ますか分からないプエルなため、やめておく。
(どうみてもこの人形……レチタティーヴォだよな……これが頼んだ? 動かない所を見ると本当に人形みたいだ)
毛布をめくってプエルの腕を持ち上げて、その下に人形を置いてやる。
人形は藍色のボタンの目、ステッチで描かれた口、赤い毛糸の髪の毛……柔らかい布素材のそれを眠るプエルは抱きしめた。その形が何かを知っているはずもないが、苦しそうな表情が和らいだように見えてエクエスは苛立つ。
「レチ……さ……うさぎ……リンゴ……」
プエルから寝言が洩れた。
●モフリ部隊長
戦場もある白い雪景色。
白いもこもこした集団は走りまわる。一つ目の毛玉の集団は一糸乱れぬ様子で雪煙を上げ走る。
人間の兵士たちを見つけた。
撤収作業をしているのか、先に進もうとしているのかは分からない。敵には変わりないし、潤沢とはいえずとも生きているマテリアルを持っている事には間違いない。
「きゅー」
モフリの号令下、モフリ人形たちが人間に向かっていく。
『モーフーリー』
『モーフッリー』
低い声でモフリ人形たちは応じた。
その声を聞いたらしい兵士たちはぎょっとする。見張りもいたが見逃したらしくあわてて戦う準備をする。
遠くに見える歪虚に比べれば小さいこれらは雑魔に違いない。
バチバチとモフリ人形は火花を散らした。高圧電流のようなそれを受けて、兵士たちは心臓を止めていく。モフリ人形たちは互いも巻き込んでいるが、気にも留めず人間を襲っていく。
少し離れた所では自ら炎を上げて、魔法を放っている集団もある。
「きゅ!」
モフリは死んだ人間に噛みつく。
「きゅー」
モフリは楽しげに鳴いた。これまでプエルのペットとして可愛がられてきたが、やはりこうした野生に近いこともやりたかったんだと本人は気付いた。
『モーフーリー』
「きゅー」
『モフゥリィ』
「きゅきゅー」
白い毛玉隊は人間を探しに走り出した。
●キャンプ地
撤収するのも手順も作法もある。
ただ逃げるだけなら楽だが、その先が続かないのが戦。
兵士たちは遠くの戦いに目を凝らし、近くを見つめ疲弊しつつも準備を整える。
「ハンターもいるから少しは安心なのだが」
それでも気は抜けない。一般の兵士に比べれば強くとも人間であり、休息もいる。それを守って守られて、戦いを生き抜けるのだとこの隊の者は考える。
「なんだあれ……」
凸凹した白い土地を何かが移動してきているのが見えた。
「……雑魔の群れか? ただちに作業を停止し戦う準備をしろ」
緊張感が走る――。
先日受けた傷は大きすぎた。
プエル(kz0127)は眠る。豪奢な部屋に、天蓋の付いているベッドに眠るはいつも通りのプエルの寝相に、エクエスは溜息を洩らした。
真っ直ぐで乱れる事のない寝相。
「変わらない……何もかも」
記憶をたどると一番古いものもプエルは真っ直ぐ寝ている。いや、さすがに少々動きはするが、布団をかけ直してあげる必要はない。
「さて……頼んでいたものが来たのですが、プエル様がいないと意味のない」
一メートル四方くらいの原材料不明の白い箱二つを見て、エクエスは頭痛がする気がした。以前、同輩に頼んだ道具が来てもしょうがない。
「中くらいは見ておきましょう。くっ、なんだ、これ!」
開けて見て、硬直した。
「きゅ?」
プエルのベッドのそばにいたモフリがやってきて、覗き込んだ直後やはり硬直した。
「きゅ、きゅきゅううう?」
「いえ、私が頼んだのはプエル様の人形でした」
中に入っている物はモフリに見える白いもこもこしたぬいぐるみがみっちり一ダース。もう一つもみっちりと一ダースと、三頭身くらいの抱きかかえるにちょうどいい赤毛の男性の人形が埋もれるように一つ。色合いと服装からとある人物を想像して、エクエスは舌打ちをする。
エクエスは白くもこもこの方を一つ取り出して、モフリの側に置いてみる。どう見てもモフリだ。
「……頼んだときの状況はどうでしたっけ?」
「きゅ?」
エクエスは思い出す。
『人形を使いたいので是非』
と言いながらプエルを道具を作ってくれる人物の前に立たせた。そのプエルは腕にモフリを抱いていた、誇らしげに。拾ったばかりで嬉しかったようで、見せびらかしていたのだった。
「……おいっ! 骨の中の脳みそをどこかに落としてきたんじゃねぇのか!」
エクエスは怒りとあきれで一杯のつぶやきを漏らした。
「きゅ? きゅ、きゅー」
モフリは一斉に二ダースのモフリ人形は動き出したのを見た。
「……」
「……」
エクエスとモフリは黙った。
「ひとまず、侵入する人間がいれば攪乱できるでしょうかね……」
「きゅー」
「頑張ってください」
「きゅ!?」
「これを率いてごまかせるのはあなたしかいません。ほら、私はこのように負傷していますし」
モフリは正論に黙った。下僕であるプエルは外面は繕っても、中身までは回復していない。
モフリはいろいろ考える、モフリとして歪虚として生きるには何が一番いいのかと。
別の下僕や主を探すこともできそうだが、モフリは難しいと考えている。同じ憤怒の歪虚か今の下僕プエルのようにちやほやしてくれるヒトが良かったから。
ここにいる歪虚たちは高位すぎて取り入りにくい。
そう、現状ではプエルが一番良い下僕だ。
「きゅ」
仕方がないので下僕の下僕であるエクエスの言うことを聞いてやることにした。
「ああ、これは是非とも部隊長たるモフリ殿が付けてください」
鳥かごの形をした中に透明な赤い石が入っているデザインのヘッドがついた首輪だった。モフリは断ることができず、後で燃やしてやろうと内心思いながらつけられる。
その後、エクエスは大きく息を吐きながら、一つだけ違う人形を手にする。思いっきり壁に叩きつけて踏みつけてやりたいところであるが、いつ目を覚ますか分からないプエルなため、やめておく。
(どうみてもこの人形……レチタティーヴォだよな……これが頼んだ? 動かない所を見ると本当に人形みたいだ)
毛布をめくってプエルの腕を持ち上げて、その下に人形を置いてやる。
人形は藍色のボタンの目、ステッチで描かれた口、赤い毛糸の髪の毛……柔らかい布素材のそれを眠るプエルは抱きしめた。その形が何かを知っているはずもないが、苦しそうな表情が和らいだように見えてエクエスは苛立つ。
「レチ……さ……うさぎ……リンゴ……」
プエルから寝言が洩れた。
●モフリ部隊長
戦場もある白い雪景色。
白いもこもこした集団は走りまわる。一つ目の毛玉の集団は一糸乱れぬ様子で雪煙を上げ走る。
人間の兵士たちを見つけた。
撤収作業をしているのか、先に進もうとしているのかは分からない。敵には変わりないし、潤沢とはいえずとも生きているマテリアルを持っている事には間違いない。
「きゅー」
モフリの号令下、モフリ人形たちが人間に向かっていく。
『モーフーリー』
『モーフッリー』
低い声でモフリ人形たちは応じた。
その声を聞いたらしい兵士たちはぎょっとする。見張りもいたが見逃したらしくあわてて戦う準備をする。
遠くに見える歪虚に比べれば小さいこれらは雑魔に違いない。
バチバチとモフリ人形は火花を散らした。高圧電流のようなそれを受けて、兵士たちは心臓を止めていく。モフリ人形たちは互いも巻き込んでいるが、気にも留めず人間を襲っていく。
少し離れた所では自ら炎を上げて、魔法を放っている集団もある。
「きゅ!」
モフリは死んだ人間に噛みつく。
「きゅー」
モフリは楽しげに鳴いた。これまでプエルのペットとして可愛がられてきたが、やはりこうした野生に近いこともやりたかったんだと本人は気付いた。
『モーフーリー』
「きゅー」
『モフゥリィ』
「きゅきゅー」
白い毛玉隊は人間を探しに走り出した。
●キャンプ地
撤収するのも手順も作法もある。
ただ逃げるだけなら楽だが、その先が続かないのが戦。
兵士たちは遠くの戦いに目を凝らし、近くを見つめ疲弊しつつも準備を整える。
「ハンターもいるから少しは安心なのだが」
それでも気は抜けない。一般の兵士に比べれば強くとも人間であり、休息もいる。それを守って守られて、戦いを生き抜けるのだとこの隊の者は考える。
「なんだあれ……」
凸凹した白い土地を何かが移動してきているのが見えた。
「……雑魔の群れか? ただちに作業を停止し戦う準備をしろ」
緊張感が走る――。
解説
モフリとモフリ人形(雑魔)の撃退。
●キャンプ地
簡易柵はあります。
柵の外は雪原であり、凸凹しています。時々モフリたちはそのくぼみに隠れたり、でっぱりに隠れたりします。
大よその位置はこんな感じ。
<モフリ>
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
柵柵柵柵 柵柵柵柵
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
兵兵兵兵兵兵兵兵兵
物資や戦えない人
※ハンターの初期位置は柵前後とします。まかり間違ってもモフリたちの後ろはありません。戦闘開始後行くことは可能です。
●敵勢力
すべてサイズ1です。
・モフリ プエルのペットになってしまった妖怪。悪運が強い。鳴き声は「きゅ」。
戦闘になると、怒りの炎を上げるだけ……モフリ人形に埋まるだけ。回避行動はとります。
・モフリ人形(雷)×12 手違いで作られた人形。見た目はモフリそっくり。鳴き声は低く「モフリ」。
噛みつき、体当たり、雷を発する(半径2メートルまたは12メートル先の的に当てる)。
・モフリ人形(炎)×12 おなじく手違いで作られたモフリ似の人形。
噛みつき、体当たり、炎で体を防御、炎を飛ばす(ファイアアロー)。
●味方勢力
・一般の兵士はたくさん 一応戦えないわけではないけれど、弱い。弓や剣、盾を持ってます。
●おまけ
・エクエス 負傷しているので行動はしない予定。プエルの側で看病中。
・プエル 一応関連NPCなのだけど、寝ているだけ……。レチタティーヴォを形どったらしい人形を抱きしめているが、目を覚ますまで知らない。
●キャンプ地
簡易柵はあります。
柵の外は雪原であり、凸凹しています。時々モフリたちはそのくぼみに隠れたり、でっぱりに隠れたりします。
大よその位置はこんな感じ。
<モフリ>
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
柵柵柵柵 柵柵柵柵
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
兵兵兵兵兵兵兵兵兵
物資や戦えない人
※ハンターの初期位置は柵前後とします。まかり間違ってもモフリたちの後ろはありません。戦闘開始後行くことは可能です。
●敵勢力
すべてサイズ1です。
・モフリ プエルのペットになってしまった妖怪。悪運が強い。鳴き声は「きゅ」。
戦闘になると、怒りの炎を上げるだけ……モフリ人形に埋まるだけ。回避行動はとります。
・モフリ人形(雷)×12 手違いで作られた人形。見た目はモフリそっくり。鳴き声は低く「モフリ」。
噛みつき、体当たり、雷を発する(半径2メートルまたは12メートル先の的に当てる)。
・モフリ人形(炎)×12 おなじく手違いで作られたモフリ似の人形。
噛みつき、体当たり、炎で体を防御、炎を飛ばす(ファイアアロー)。
●味方勢力
・一般の兵士はたくさん 一応戦えないわけではないけれど、弱い。弓や剣、盾を持ってます。
●おまけ
・エクエス 負傷しているので行動はしない予定。プエルの側で看病中。
・プエル 一応関連NPCなのだけど、寝ているだけ……。レチタティーヴォを形どったらしい人形を抱きしめているが、目を覚ますまで知らない。
マスターより
こんにちは。
さり気なく混沌としている画像が頭の中に。白いもこもこの集団温かいかな……冬が近づきつつあるのです。
プエルのペットが現れた……二ダースと一匹……という状況です。
よろしくお願いします。
さり気なく混沌としている画像が頭の中に。白いもこもこの集団温かいかな……冬が近づきつつあるのです。
プエルのペットが現れた……二ダースと一匹……という状況です。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/11/23 00:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鵤(ka3319) 人間(リアルブルー)|44才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/11/17 02:36:50 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/16 02:55:39 |