ゲスト
(ka0000)
【闇光】小さな戦場
マスター:T谷

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/11/21 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/11/30 22:00
オープニング
アニタ・カーマイン(kz0005)はいつものように、とあるハンターオフィスを訪れていた。
軽い依頼をこなした帰り道だ。背負う大きな袋の中には、依頼主からお礼にと渡された野菜がこれでもかと詰まっている。わざわざオフィスに寄ったのも、一人では食べきれないこの野菜を、顔見知りのオフィス職員にお裾分けしようと考えたからだった。
「あ! アニタさん良いところに!」
「ん? 何だい、そんなに慌てて。またでかい虫でも出たのか?」
扉を潜った彼女の姿を認めた途端に、わたわたと机の上を物色し始める受付嬢にからかうように声を掛け、アニタは担いできた袋をカウンターに上げる。
「それが、あの連合軍の司令官さんから、アニタさん宛にお手紙が来ててですね!」
返ってきた言葉は、思いがけないものだった。
「……連合軍? あたしにか?」
各国の連携をより密にし、迫る歪虚の脅威に立ち向かうための組織。その連合軍の総司令官が選出されたことは、最近割と世俗から離れていたアニタの耳にも入ってきている。
だが、そこから手紙を貰う心当たりなど少しもない。
悪いことも良いことも、取り立てて何かをした覚えもない。ただ日々の食い扶持を戦場に求め、ハンターとして細々と生活していただけだ。一年以上も艦から離れて、既にアニタは、リアルブルーとの繋がりも自然消滅したような、そんな感覚さえ持っていた。
「アニタさんを、連合軍の隊長さんとして迎え入れたい。だそうです!」
キラキラとした受付嬢の視線を真っ正面から受け止めて、アニタは苦笑いと共に小さくため息をついた。
「隊長、ねぇ」
どうやら彼女の平穏な日常は、今日で終わりを迎えるようだ。そしてそれを、嫌とは思っていない自分もいる。
分の悪い戦場を前につい気分が高まってしまう癖は、未だ治っていないらしかった。
●
銃を分解し、清掃し、結合する。指は流れるように動き、瞬く間に無数の部品に別れ、集まり、再び元の姿を取り戻す。
かつてリアルブルーで戦場を駆け回っていた頃から毎日のように続けている一連の動作は、覚醒者となった今、タイムアタックで半分の記録を叩き出すまでになっていた。
「……これだけは、極めたと思ってたんだけどねぇ」
アニタは苦笑し、銃の精度を確認すると防寒用の手袋を着け直す。北荻の地の強い寒気にも負けず指先がしっかり動いてくれるのも、精霊とやらのおかげなのだろうか。
丘の中腹に掘った雪洞に潜むこと数日、アニタはすっかりこの環境にも慣れてしまっていた。元々は主戦場を目指して戦域外を迂回していたのだが、その途中、全軍撤退の知らせが入ったために作戦が変更になったのだ。
「お、来てくれたか。よろしくな」
アニタからの依頼を受けたハンター達が合流し、改めて彼女は地図に目を落とす。
彼女の任務は要撃だ。
ここを通って撤退する帝国軍部隊を、彼らを追撃する歪虚の群れから遠ざけ無事に主力部隊と合流させる。丘の上に陣取っているのも、歪虚へと奇襲をかけるためだ。
今のところ、計画に狂いはない。もうすぐ、丘の下を帝国軍が通過するはずだ。
雪洞から出て丘を登り、アニタは双眼鏡で眼下を見やる。
「あれか、思ったよりも規模が小さいようだが……」
長い下り坂の下を、列になった兵士達が進んでいた。
聞いていたよりも人数が少ない。思いがけず、消耗が激しいようだ。それに合わせて歩みが遅いのが気に掛かる。
とはいえ、今は待つしかない。絶好の機会が訪れるまで、ひたすら雪の中に身を潜める。
数分が経ち、数十分が経ち、
「……来たぞ」
猛烈な勢いで雪煙を上げる歪虚の群れが、北から現れた。
「んー部隊まで二キロってとこか。あたしらが下手打てば、今日中にあいつらも化け物のおやつって訳だ」
楽しそうに笑って、アニタは銃を背負う。
「それじゃ、隊長としての初仕事、楽しんでいこうじゃないか!」
そしてハンター達に先んじて勢いよく、雪に覆われた斜面を滑るように降りていった。
軽い依頼をこなした帰り道だ。背負う大きな袋の中には、依頼主からお礼にと渡された野菜がこれでもかと詰まっている。わざわざオフィスに寄ったのも、一人では食べきれないこの野菜を、顔見知りのオフィス職員にお裾分けしようと考えたからだった。
「あ! アニタさん良いところに!」
「ん? 何だい、そんなに慌てて。またでかい虫でも出たのか?」
扉を潜った彼女の姿を認めた途端に、わたわたと机の上を物色し始める受付嬢にからかうように声を掛け、アニタは担いできた袋をカウンターに上げる。
「それが、あの連合軍の司令官さんから、アニタさん宛にお手紙が来ててですね!」
返ってきた言葉は、思いがけないものだった。
「……連合軍? あたしにか?」
各国の連携をより密にし、迫る歪虚の脅威に立ち向かうための組織。その連合軍の総司令官が選出されたことは、最近割と世俗から離れていたアニタの耳にも入ってきている。
だが、そこから手紙を貰う心当たりなど少しもない。
悪いことも良いことも、取り立てて何かをした覚えもない。ただ日々の食い扶持を戦場に求め、ハンターとして細々と生活していただけだ。一年以上も艦から離れて、既にアニタは、リアルブルーとの繋がりも自然消滅したような、そんな感覚さえ持っていた。
「アニタさんを、連合軍の隊長さんとして迎え入れたい。だそうです!」
キラキラとした受付嬢の視線を真っ正面から受け止めて、アニタは苦笑いと共に小さくため息をついた。
「隊長、ねぇ」
どうやら彼女の平穏な日常は、今日で終わりを迎えるようだ。そしてそれを、嫌とは思っていない自分もいる。
分の悪い戦場を前につい気分が高まってしまう癖は、未だ治っていないらしかった。
●
銃を分解し、清掃し、結合する。指は流れるように動き、瞬く間に無数の部品に別れ、集まり、再び元の姿を取り戻す。
かつてリアルブルーで戦場を駆け回っていた頃から毎日のように続けている一連の動作は、覚醒者となった今、タイムアタックで半分の記録を叩き出すまでになっていた。
「……これだけは、極めたと思ってたんだけどねぇ」
アニタは苦笑し、銃の精度を確認すると防寒用の手袋を着け直す。北荻の地の強い寒気にも負けず指先がしっかり動いてくれるのも、精霊とやらのおかげなのだろうか。
丘の中腹に掘った雪洞に潜むこと数日、アニタはすっかりこの環境にも慣れてしまっていた。元々は主戦場を目指して戦域外を迂回していたのだが、その途中、全軍撤退の知らせが入ったために作戦が変更になったのだ。
「お、来てくれたか。よろしくな」
アニタからの依頼を受けたハンター達が合流し、改めて彼女は地図に目を落とす。
彼女の任務は要撃だ。
ここを通って撤退する帝国軍部隊を、彼らを追撃する歪虚の群れから遠ざけ無事に主力部隊と合流させる。丘の上に陣取っているのも、歪虚へと奇襲をかけるためだ。
今のところ、計画に狂いはない。もうすぐ、丘の下を帝国軍が通過するはずだ。
雪洞から出て丘を登り、アニタは双眼鏡で眼下を見やる。
「あれか、思ったよりも規模が小さいようだが……」
長い下り坂の下を、列になった兵士達が進んでいた。
聞いていたよりも人数が少ない。思いがけず、消耗が激しいようだ。それに合わせて歩みが遅いのが気に掛かる。
とはいえ、今は待つしかない。絶好の機会が訪れるまで、ひたすら雪の中に身を潜める。
数分が経ち、数十分が経ち、
「……来たぞ」
猛烈な勢いで雪煙を上げる歪虚の群れが、北から現れた。
「んー部隊まで二キロってとこか。あたしらが下手打てば、今日中にあいつらも化け物のおやつって訳だ」
楽しそうに笑って、アニタは銃を背負う。
「それじゃ、隊長としての初仕事、楽しんでいこうじゃないか!」
そしてハンター達に先んじて勢いよく、雪に覆われた斜面を滑るように降りていった。
解説
・概要
歪虚の群れへと奇襲をかけ、帝国軍が撤退するための時間を稼げ。
殲滅する必要は全くなく、逆に時間をかけすぎれば敵の別働隊に動きを感づかれる可能性もあります。
・敵
百体近いスケルトンの群れです。
半分が剣を持った個体、四割が弓と魔法を操る個体、残り一割が三倍の体長を持つ巨大な個体となっています。
・場所
起伏の激しい雪原です。
丘の上からそのまま下れば、敵部隊の横腹にぶつかる形になります。
・アニタ・カーマイン
一年以上表舞台から姿を消していた、元サルヴァトーレ・ロッソ所属の傭兵隊長です。この度、推薦を受けて連合軍の隊長に就任しました。
サバイバル技術に長けた猟撃士で、ライフルを用いての攻撃的な立ち回りを好みます。しかし、ハンター達からの提案があれば、割とその通りに動いてくれるでしょう。
また十分な時間を稼いだとき、こちらの被害が大きくなったとき、彼女はハンター達に撤退を促します。
歪虚の群れへと奇襲をかけ、帝国軍が撤退するための時間を稼げ。
殲滅する必要は全くなく、逆に時間をかけすぎれば敵の別働隊に動きを感づかれる可能性もあります。
・敵
百体近いスケルトンの群れです。
半分が剣を持った個体、四割が弓と魔法を操る個体、残り一割が三倍の体長を持つ巨大な個体となっています。
・場所
起伏の激しい雪原です。
丘の上からそのまま下れば、敵部隊の横腹にぶつかる形になります。
・アニタ・カーマイン
一年以上表舞台から姿を消していた、元サルヴァトーレ・ロッソ所属の傭兵隊長です。この度、推薦を受けて連合軍の隊長に就任しました。
サバイバル技術に長けた猟撃士で、ライフルを用いての攻撃的な立ち回りを好みます。しかし、ハンター達からの提案があれば、割とその通りに動いてくれるでしょう。
また十分な時間を稼いだとき、こちらの被害が大きくなったとき、彼女はハンター達に撤退を促します。
マスターより
ようやくアニタのお披露目となりましたT谷です。
数は多いですが骨一体一体の戦力はそこまで高くありませんので、お気軽にどうぞ。
数は多いですが骨一体一体の戦力はそこまで高くありませんので、お気軽にどうぞ。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/11/29 05:30
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 エラ・“dJehuty”・ベル(ka3142) 人間(リアルブルー)|30才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/11/21 12:48:16 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/16 20:53:53 |