ゲスト
(ka0000)
古き知識を、新たな住処へ
マスター:DoLLer

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在12人 / 4~12人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/11/27 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/12/08 09:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
サルヴァトーレ・ロッソから一般人の避難より早一ヶ月。
宇宙という名の海を渡り、そして数奇な運命によって異世界に漂着した巨大な船の足下で、数人の男女が大の字になって倒れていた。
別に名残を惜しんでいるわけでも、なんらかのデモというわけでもない。
疲れているのだ……引っ越し作業で。彼らの周りには無数のコンテナと段ボール箱が積み上げられている。風にあおられちらりと覗くそれは本、本、本本本。全部本だ。
「もうこれで全部だよ、な?」
男が虚ろな目を空に向けて、誰かに向けるわけでもなく呟いた。
「たぶん」
女がそれに答えた。彼女も疲れ果ててエプロンがシワだらけになるのもお構いなしにぶっ倒れていた。
そしてそのまた横で倒れている眼鏡の男は何度も訂正を重ねて真っ黒になったメモをポケットから取り出して読み上げた。
「書籍6万9154冊、レポート1万とび325件、巻物21巻、電子資料11万2500件、万計19万2千点の資料、運び出し完了……です」
そう告げて、眼鏡の男の手はばったり地面に落ちた。貧弱そうな体で相当無理をしたのだろうことがうかがえる。
「私設司書なんて、生まれ変わったら絶対やらねぇぞ……エスカ様、本は命より大切とか言っときながら全然姿見せねぇし!」
「なんで軍艦に本なんて載せたのかしら……理解に、苦しむわ」
「そうですね。でもロッソに乗ってまた元の世界に戻ることができるようになったら、運び直すんですかね……」
沈黙が走った。
知っての通りサルヴァトーレ・ロッソはリアルブルー最新鋭艦だ。ここには様々な夢を託す者達もいた。その中の一人として数える場合、地球において名だたる貴族から軍人に入ったエスカはかなり異色の存在であった。
未知の襲来者であるヴォイドとの交戦に際し、人間の発想力を最大限に発揮させ、同時に精神衛生の確保の為に、図書館と見紛うばかりの書庫を提案した人間として知られている。
将校として彼女の立場、ついでに言うと生活スペースも狭くした上で、私財を出してまで電子データではなく紙媒体とそれを閲覧するスペースを持ち込んだ辺りに彼女のこだわりが窺える。
しかし、栄えある処女航海にてロッソはヴォイド、クリムゾンウェストで言うところの歪虚と遭遇してからあれよあれよと異世界に飛ばされたあげく、元のリアルブルーの世界に戻るのを待っていたら、こちらの歪虚との戦争に巻き込まれ、ロッソは戦闘力を期待され、戦いに赴くことになってしまった。
リアルブルーの本は、クリムゾンウェストの人々にとっても有利になるでしょうから、この際、下ろしてしまいましょう。
それが主エスカの命令だった。
彼らは、家族や自分の生活を省みずに持てる時間を費やしてようやく。本当にようやくそれを終えたのである。今日まで電子化された文献をロッソの力で延々印刷された物まで含めて。
おかげさまでこのざまである。
「あらあら、そんなところで寝ころんでいては大切な服が汚れますわ?」
司書達にそんな高く澄んだ穏やかな声が届くと、彼らは電撃を撃たれたように震えると慌てて立ち上がって最敬礼をした。雇い主であるエスカだった。年齢不詳の美しさと子供のような愛らしい笑みの不釣り合いが、なんとも恐ろしい。
彼女は軍服を脱ぎ捨て、とっくに王国製の美麗な衣装に身を包み優雅なものである。
「え、エスカ様。蔵書をすべて運び出しましたっ」
「はい、ご苦労様。大変だったでしょう」
と、思いつつも、麗らかなる本人を目の前にするとまるで人形のようだった。
エスカは彼らをねぎらうと「はい」と付き添っているパルムが差し出す地図を、そのまま男に手渡した。
「あの?」
「本を野外においたままですと、すぐ傷んでしまうでしょう? わたくし、本がちゃんと直せる場所を見つけてきましたの。今は廃城となっている場所なので、全部書庫にしても構わないのですって! 素敵だわ。本のためにある城。あらゆる歴史を広い回廊を歩きながら思索にふけることもできますのよ……」
あら。
そこまで興奮した様子で語っていたエスカは彼らが泡吹いて倒れているのを不思議そうに見つめた。
仕方ないので、エスカは後日頼めばどんな仕事もすごい力で達成してくれるという人たちの噂を聞きつけて、ハンターオフィスに足を運んだのであった。
サルヴァトーレ・ロッソから一般人の避難より早一ヶ月。
宇宙という名の海を渡り、そして数奇な運命によって異世界に漂着した巨大な船の足下で、数人の男女が大の字になって倒れていた。
別に名残を惜しんでいるわけでも、なんらかのデモというわけでもない。
疲れているのだ……引っ越し作業で。彼らの周りには無数のコンテナと段ボール箱が積み上げられている。風にあおられちらりと覗くそれは本、本、本本本。全部本だ。
「もうこれで全部だよ、な?」
男が虚ろな目を空に向けて、誰かに向けるわけでもなく呟いた。
「たぶん」
女がそれに答えた。彼女も疲れ果ててエプロンがシワだらけになるのもお構いなしにぶっ倒れていた。
そしてそのまた横で倒れている眼鏡の男は何度も訂正を重ねて真っ黒になったメモをポケットから取り出して読み上げた。
「書籍6万9154冊、レポート1万とび325件、巻物21巻、電子資料11万2500件、万計19万2千点の資料、運び出し完了……です」
そう告げて、眼鏡の男の手はばったり地面に落ちた。貧弱そうな体で相当無理をしたのだろうことがうかがえる。
「私設司書なんて、生まれ変わったら絶対やらねぇぞ……エスカ様、本は命より大切とか言っときながら全然姿見せねぇし!」
「なんで軍艦に本なんて載せたのかしら……理解に、苦しむわ」
「そうですね。でもロッソに乗ってまた元の世界に戻ることができるようになったら、運び直すんですかね……」
沈黙が走った。
知っての通りサルヴァトーレ・ロッソはリアルブルー最新鋭艦だ。ここには様々な夢を託す者達もいた。その中の一人として数える場合、地球において名だたる貴族から軍人に入ったエスカはかなり異色の存在であった。
未知の襲来者であるヴォイドとの交戦に際し、人間の発想力を最大限に発揮させ、同時に精神衛生の確保の為に、図書館と見紛うばかりの書庫を提案した人間として知られている。
将校として彼女の立場、ついでに言うと生活スペースも狭くした上で、私財を出してまで電子データではなく紙媒体とそれを閲覧するスペースを持ち込んだ辺りに彼女のこだわりが窺える。
しかし、栄えある処女航海にてロッソはヴォイド、クリムゾンウェストで言うところの歪虚と遭遇してからあれよあれよと異世界に飛ばされたあげく、元のリアルブルーの世界に戻るのを待っていたら、こちらの歪虚との戦争に巻き込まれ、ロッソは戦闘力を期待され、戦いに赴くことになってしまった。
リアルブルーの本は、クリムゾンウェストの人々にとっても有利になるでしょうから、この際、下ろしてしまいましょう。
それが主エスカの命令だった。
彼らは、家族や自分の生活を省みずに持てる時間を費やしてようやく。本当にようやくそれを終えたのである。今日まで電子化された文献をロッソの力で延々印刷された物まで含めて。
おかげさまでこのざまである。
「あらあら、そんなところで寝ころんでいては大切な服が汚れますわ?」
司書達にそんな高く澄んだ穏やかな声が届くと、彼らは電撃を撃たれたように震えると慌てて立ち上がって最敬礼をした。雇い主であるエスカだった。年齢不詳の美しさと子供のような愛らしい笑みの不釣り合いが、なんとも恐ろしい。
彼女は軍服を脱ぎ捨て、とっくに王国製の美麗な衣装に身を包み優雅なものである。
「え、エスカ様。蔵書をすべて運び出しましたっ」
「はい、ご苦労様。大変だったでしょう」
と、思いつつも、麗らかなる本人を目の前にするとまるで人形のようだった。
エスカは彼らをねぎらうと「はい」と付き添っているパルムが差し出す地図を、そのまま男に手渡した。
「あの?」
「本を野外においたままですと、すぐ傷んでしまうでしょう? わたくし、本がちゃんと直せる場所を見つけてきましたの。今は廃城となっている場所なので、全部書庫にしても構わないのですって! 素敵だわ。本のためにある城。あらゆる歴史を広い回廊を歩きながら思索にふけることもできますのよ……」
あら。
そこまで興奮した様子で語っていたエスカは彼らが泡吹いて倒れているのを不思議そうに見つめた。
仕方ないので、エスカは後日頼めばどんな仕事もすごい力で達成してくれるという人たちの噂を聞きつけて、ハンターオフィスに足を運んだのであった。
解説
エスカがロッソに積んでいた蔵書を、新たに買い取った廃城へと移動し、整理してください。
蔵書は基本大量の馬によって牽かれたコンテナによって城の中庭まで運んでもらえますので、そこから城の中に運び込む作業は人の手になります。
●成功条件
城に運び込んだ本の数
整理された本の数
で判定されます。
リアルブルー知識を持っていれば、図書の分類がおおよそわかるので、若干整理に有利になります。
また図書関連の仕事を持っていると思われる設定がある場合も優遇します。
本が好き、リアルブルーの本に興味があるという設定、プレイングをかけた人は逆に本の内容が気になり、不利に働きます(つい読み始めてしまうわけですね)。
ただし、そんな人たちはこれを機会に、色んな知識を得られるかもしれません。
●城
小高い山の中にあるお城です。
本当は城ではなく、亜人や歪虚からの防衛用に建てられた砦です。
本棚は発注を受けた家具職人によって適宜運ばれてきます。配置は自由です。
内部構造はご想像にお任せします。
●本
本は整理中に読むこともできます。ジャンルは多岐にわたりますが閲覧制限がかかるような本は一切ありません。
印刷されたデータも含めるとおおよそ20万冊程度。中規模の本屋と同程度と思ってください。
●NPC
エスカ 女 年齢不詳
リアルブルー出身。コネでそこそこ偉い地位についたそうです。リアルブルー出身者なら世界の資産家などで名前を聞いたことがあるかもしれません。
縦巻きロールの女性で、物腰は柔らかでおっとりした空気はありますが、蔵書は中身まで含めておおよそ記憶しているとかいう化け物です。相談卓での応答はできません。
現場には最初の日と最後の日だけ姿を現します。
司書達 3人
手伝ってくれます。彼らは図書の詳細なリストをもっており、それらは自由に確認でき、また教えてくれます。
ただし、運び出すだけで力つきたので、皆様のような活躍はできません。
蔵書は基本大量の馬によって牽かれたコンテナによって城の中庭まで運んでもらえますので、そこから城の中に運び込む作業は人の手になります。
●成功条件
城に運び込んだ本の数
整理された本の数
で判定されます。
リアルブルー知識を持っていれば、図書の分類がおおよそわかるので、若干整理に有利になります。
また図書関連の仕事を持っていると思われる設定がある場合も優遇します。
本が好き、リアルブルーの本に興味があるという設定、プレイングをかけた人は逆に本の内容が気になり、不利に働きます(つい読み始めてしまうわけですね)。
ただし、そんな人たちはこれを機会に、色んな知識を得られるかもしれません。
●城
小高い山の中にあるお城です。
本当は城ではなく、亜人や歪虚からの防衛用に建てられた砦です。
本棚は発注を受けた家具職人によって適宜運ばれてきます。配置は自由です。
内部構造はご想像にお任せします。
●本
本は整理中に読むこともできます。ジャンルは多岐にわたりますが閲覧制限がかかるような本は一切ありません。
印刷されたデータも含めるとおおよそ20万冊程度。中規模の本屋と同程度と思ってください。
●NPC
エスカ 女 年齢不詳
リアルブルー出身。コネでそこそこ偉い地位についたそうです。リアルブルー出身者なら世界の資産家などで名前を聞いたことがあるかもしれません。
縦巻きロールの女性で、物腰は柔らかでおっとりした空気はありますが、蔵書は中身まで含めておおよそ記憶しているとかいう化け物です。相談卓での応答はできません。
現場には最初の日と最後の日だけ姿を現します。
司書達 3人
手伝ってくれます。彼らは図書の詳細なリストをもっており、それらは自由に確認でき、また教えてくれます。
ただし、運び出すだけで力つきたので、皆様のような活躍はできません。
マスターより
本に囲まれる生活を楽しんでみませんか。
本を読みたい人は仕事ほったらかしにしていただいても構いません。失敗判定は出すかもしれませんが、本好きな貴方には大成功になるかもしれません。
本棚を積み重ねて迷宮を作ったり、仕事終わりにインクの匂いに包まれながらのお茶を楽しむのも自由です。
本は学術書や専門書から、マンガ、各種雑誌、果ては音楽のスコアやら、TRPGのリプレイまである予定です。成人指定の本も探せばあるかもしれません。彼女は本という形式であれば何でも読む超雑食人間です。
本を読みたい人は仕事ほったらかしにしていただいても構いません。失敗判定は出すかもしれませんが、本好きな貴方には大成功になるかもしれません。
本棚を積み重ねて迷宮を作ったり、仕事終わりにインクの匂いに包まれながらのお茶を楽しむのも自由です。
本は学術書や専門書から、マンガ、各種雑誌、果ては音楽のスコアやら、TRPGのリプレイまである予定です。成人指定の本も探せばあるかもしれません。彼女は本という形式であれば何でも読む超雑食人間です。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/12/04 02:35
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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書籍等の引越し作業 ひりょ・ムーンリーフ(ka3744) 人間(リアルブルー)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/11/27 08:24:33 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/27 00:52:44 |