• 戦闘

BANG BANG RUN

マスター:楠々蛙

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,500
参加人数
現在8人 / 6~8人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2015/11/29 22:00
リプレイ完成予定
2015/12/13 22:00

オープニング

「それ、私にもやり方教えてよ」
 街の外れに停車する馬車の御者台に座る赤毛の少女が、馬車の屋根に腰掛ける男を見上げながら声を掛ける。
「嫌なこった。ガキの玩具じゃねえんだよ」
 黒髪の男はリボルバーの用心金に指を掛けてクルクルと回しながら、少女に言い捨てる。
「ケチ」
「イエッサーはどうした。──こんな事覚えるくらいなら、美味い料理でも覚えろよ」
「卿と呼ばれる程上等な人は、馬車の上で胡坐を掻いたりはしないわ。──何よ、昨日のシチューに不満でもあるの?」
「……人参が入ってた」
「どっちが子供なのよ……」
「何だと」「何よ」
「仲睦まじい様で何よりだ、お二人さん」
 互いに火花を散らせる二人に、歩み寄ったのは金髪の男。

 さて、彼らの紹介をするべきだろう。
 先ずは黒髪の男──キャロル=クルックシャンク(kz0160)と、金髪の男──バリー=ランズダウン(kz0161)。彼らは故あってあちらこちらを放浪しているハンターである。現在特定地域のギルドに所属も出入りもしていない為、行く先々で適当な依頼を請け負って路銀を稼いでいる。オフィスの仲介を得られない彼らは、万年金欠状態だ。
 赤毛の少女──ラウラ=フアネーレが、そんな彼らの前に依頼人として現れたのが先日の事。
 人攫いに囚われた子供達を助けて欲しいと彼らに依頼した彼女自身も、遠く離れた地から連れ去られて来た被害者で、故郷に戻る為──そして、先立った両親が残した誰も居ない家までの帰路で、寂しさを紛らわす為に二人に同行しているのだ。
 金銭を持たない彼女は、料理当番という仕事を担って依頼料の代わりとしている。これまで男やもめだった旅路での食事は余程悲惨だったのか、彼女の料理は──昨夜の様な例外を除けば──二人にすこぶる好評だった。
 とまあ、そういう三人組である。
 
 睨み合いの最中に声を掛けて来たバリーに、キャロルとラウラは視線を向ける。
「何言ってやがる。その目玉、腐ってんじゃねえのか?」
「まったくね。何? あなた達、子供舌と節穴のコンビだったのかしら」
「誰が子供舌だって?」「本当の事でしょ?」
 再び両者の間で視線がぶつかり、火花が再燃。どうやらこの二人、余程相性が良い、いや悪いらしい。ラウラが旅の道連れとなってまだ数日だというのに、この様なやり取りが何度あった事か。
 溜息を漏らし、これまで何度も仲裁役を務めたバリーが、抱えた紙袋から紙巻煙草入りの紙箱と小振りの林檎を取り出し、
「落ち着け二人とも、ほら土産だ」
 紙箱をキャロルに投げ渡して、林檎をラウラに手渡した。
「……先ずは一服だ」
「……ありがと」
 どうやら、二人の矛を降ろさせる事に成功したらしい。
「で? 仕事は見つかったのかよ、バリー」
 靴底で燐寸を摩って火を起こし、咥えた煙草に点しながら、キャロルが問う。元々バリーが馬車を離れていた目的は、買い出しではなく、職探しにあったのだ。
「ああ、中々稼ぎの良さそうなのが一つな」
 同じ様に煙草に火を着けて、バリーが答える。
「この街の銀行が、隣町に金を運ぶらしくてな、その護衛だ。自前の馬車持ちだと伝えたら、二つ返事でOKだった」
「そいつは上々。確かにがっぽりと稼げそうだ」
 煙草の味を満喫しながら、キャロルが笑む。
「ラウラ」
 バリーは、林檎を齧るラウラの方へと振り向く。
「護衛のついでに旅路も進める事になる。ちと荒い運転になるかもしれんが、同乗して貰う。構わないか?」
 バリーの問いに、瑞々しい果肉を咀嚼し飲み込んでから、ラウラは頷いた。
「いえっさー。心配しないで、わたし乗り物には強いから」
「おい、ちょっと待て。何でバリーには、サーが付くんだよ」
「あなたより、幾らかマシだからよ。バリーは、少なくともあなたよりは女の子の扱いを心得ているわ」
「淑女振りたいなら、林檎の皮くらいは剥いたらどうだ?」
「わたしは、丸齧りの方が好きなの!」
「やれやれ……」
 三度目の戦火を燻らせる二人を前に、バリーが紫煙と共に溜息を吐き出した。



「お忙しい中、ようこそお集まり下さいました、ハンターの皆様。今回は、私共の依頼をお請け頂くという事で、誠に有難うございます」
 集まったハンター、他三名の前で、銀行の取締役を名乗る小太りの男が、慇懃な口調で挨拶を始める。ハンターを相手に畏まっているというよりは、おそらくこれがこの男の地なのだろう。
「さてさて、今回皆様にお頼み申し上げますのは、私共の輸送馬車の護衛になります、はい。普段、私共は貨幣の輸送に比較的安全な街道を利用しているのですが、その街道が一昨日の落石事故により通行止めになっている次第でございまして。それで私共、別の道を利用する事にしたのですが、馬車の通行が可能な道となると他に一つしかなく、そしてその道に問題が一つ。その道は盗賊通りと呼ばれているのですよ」
「わっかり易いネーミングだな」
 キャロルが皮肉気に呟く。彼の言葉に、ラウラは肩を竦める。
「捻る必要なんかないでしょ。……それにしても、道が開通するまで待てば良いだけの話じゃないの?」
「御言葉はごもっともで、セニョリータ。しかし、私共の仕事というのは、まさしく時は金也という事でして。時間もお金も、私共の都合を待ってはくれないものなのです」
「ふうん、大変なのね」
「御同情、痛み入ります」
 ラウラの明らかに浅い理解と同情の言葉にも、慇懃な姿勢を崩さない小太り男。
「それで、俺達に盗賊から金を守って欲しいと、そういうわけか」
 バリーの確認に、男は頷く。
「そういう事でございます。盗賊通りを縄張りとする盗賊団は、総数四十人程で、主にリアルブルー製の銃器で武装している様ですね。覚醒者も数人混じっているそうです。馬や、馬車に乗って襲撃を仕掛けて来たり、待ち伏せなどもあると聞いております」
「こちらの戦力は?」
「申し訳ありませんが、手配できますのは輸送馬車の御者だけです。中々に肝の据わった男ですが、戦う術は持ちません。一応、装甲付きの馬車をもう一台御用意する事ができますが、そちらの御者は居りません」
「成程な」
 情報を受けて、バリーが思索に耽る中、キャロルが口端を曲げる。
「なあに、難しい事は何もねえ。金に寄って来る馬鹿共に、鉛をくれてやれば良いだけだろ?」
「……鉛玉だけで、何もかも事が済めば苦労はないけどな」
「だわな。だから先立つもんを稼がねえとなんねえ。鉛を金に変えましょう、ってな」
「黴臭い詐欺文句みたいだな」
「水銀飲ませるよか、真っ当な錬金術だろ?」



「親分、街からキャラバンが一組出た様で。例の道を通るかもしれないと、見張りから連絡が」
「上出来だ。街道を塞いだ甲斐があったってもんだな。──さあてお前ら、鉛玉大放出の出血大サービスと行こうかい。お代はのこのこやって来る間抜け共の命だ。安い買い物だったって、あの世で喜んでくれるだろうぜ」

解説

・目的
隣町に行く荷馬車の護衛

・フィールド
盗賊通り
まず、丘陵地帯(2/3)を通り、崖に挟まれた道(1/3)を過ぎれば、隣町に到着。道幅は全フィールド5スクエア。馬車は全て横幅を2スクエアとする。死角からの襲撃、待ち伏せの可能性有り
道以外の場所も走行可能だが、騎乗アイテムの性能低下

・敵
盗賊団
約40人
徒歩3割、騎馬3割、馬車4割
馬車の種類はカート(一頭引き二輪2人乗り)、ワゴン(二頭引き四輪4人乗り)の二種。御者が死亡、行動不能になった場合最低1ラウンド停止

殆どが非覚醒者のガンマンによって構成。武装は、リボルバーや猟銃など
銃の腕は、リアルブルーにおける従軍者程ではないが、一般のそれよりは上。地の利、馬上戦の心得は侮るなかれ

覚醒者が数人紛れている模様。全て猟撃士。武装は通常のリボルバーよりも強力な、マグナム・リボルバー

彼らは騎馬、バイクも欲している為、そちらに積極的に攻撃は加えない。しかし、余裕を失えばその限りではない

・味方
キャロル
武装はシングルアクションリボルバー×2(リロードに1ラウンド消費)
馬車の屋根に上がり、索敵、応戦を務める
要望次第で銀行が用意する馬車の御者を務めても良い。ただし、彼の運転は荒い

バリー
武装はレバーアクションライフル
自前の馬車で御者を務める

ラウラ
非戦闘員。バリー達の馬車に同乗

荷馬車
幌付き馬車。四頭引き六輪。金貨を積んでいる。御者は戦闘中でも仕事を全うする

バリー達の馬車。
箱型の四輪馬車。大人八人まで収容可能。左右の側面には乗り出して射撃する為の窓一つずつ、後方に乗り降り用の扉、前にも扉があり御者台との行き来が可能。側面に鉄板が打ち付けてある

銀行が用意する馬車
バリー達の馬車と同性能。ただし、御者が不在。御者を務める為には、騎乗(初級)が必須

・その他
このシナリオでは、徒歩の参加が認められない。自前の騎馬、バイクを用意するか、馬車に同乗する必要がある

マスターより

 銃弾飛び交うカーチェイス。西部劇の王道ですね。
 勿論、インファイターも参加可能です。馬に跨って剣を振るっても構いませんし、馬車から馬車へ飛び移っても良いでしょう。御者担当PCは近接攻撃不可になります。鞭など射程の長い武器は別ですが。
 敵の馬車は全て、オープンカーになります。
 NPCの3人組──僕は西部劇トリオと呼んでいますが、『TRIGGER HAPPY』に引き続いての登場。会話はノリだけで成立していますね。こういう即興ノリが好きなんですよ。
 前回に引き続きEX。書きたい事の殆どを書ける至福に嵌っちゃった事は内緒。
 ちと割高になりやすが、損はさせませんぜ、旦那。

関連NPC

  • Mr.Safety
    バリー=ランズダウン(kz0161
    人間(リアルブルー)|21才|男性|猟撃士(イェーガー)
  • TriggerHappy
    キャロル=クルックシャンク(kz0160
    人間(リアルブルー)|21才|男性|猟撃士(イェーガー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/12/07 22:17

参加者一覧

  • 天に届く刃
    クリスティン・ガフ(ka1090
    人間(紅)|19才|女性|闘狩人
  • 鍛鉄の盾
    イーディス・ノースハイド(ka2106
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • 掲げた穂先に尊厳を
    ルーエル・ゼクシディア(ka2473
    人間(紅)|17才|男性|聖導士
  • それでも私はマイペース
    レイン・ゼクシディア(ka2887
    エルフ|16才|女性|機導師
  • 淑やかなる令嬢
    ユリシウス(ka5002
    人間(紅)|18才|女性|猟撃士
  • 自在の弾丸
    キャリコ・ビューイ(ka5044
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • この手で救えるものの為に
    カッツ・ランツクネヒト(ka5177
    人間(紅)|17才|男性|疾影士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
イーディス・ノースハイド(ka2106
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/11/29 18:35:12
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/11/26 00:58:14