• 冒険

約束の時

マスター:赤山優牙

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在7人 / 4~7人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/12/07 19:00
リプレイ完成予定
2015/12/21 19:00

オープニング

 大峡谷を中心にひたすら亜人を狩り続けていた美しき聖導士、『北の戦乙女』と呼ばれた凄腕のハンターがいた。
 だが、『北の戦乙女』は、ある日を境にして、ハンターオフィスへ姿を現す事は無かった……。

●元覚醒者
 王国北部ネオ・ウィーダの街の大通りに面した一角、その者の屋敷があった。
 屋敷といっても大きい建物ではない。塀に囲まれた広めの庭と石造りの質素な2階建の建物だ。領主の屋敷から程近く、有事の際は、兵士や馬が寝泊まり出来るようにもなっている。
「一人で住むには、広すぎるな……」
 屋敷の主は女性であった。
 その名をリルエナ・ピチカートという。
 15年前に消えた聖女『エリカ』の実妹であり、『北の戦乙女』と呼ばれていた。今は、覚醒者としての能力を失っており、ハンターも引退している。
 それでも、長きに渡る亜人との戦いを称え、街の領主から小さい屋敷を賜ったのだが、一人で住むには広すぎる。故郷の村は茨に飲み込まれているし、そもそも、10年程前に家出してから実家には戻っていない。
 普段は宿で宿泊していた事もあり、家具の類もなかった。
「一生、困らないだけのお金はあるのだがな」
 誰もいないのに、つい、独り言がでてしまう。これが独り暮らしというものなのだろうか。
 ひたすらハンターとして活動を続け、慎ましく生活していた為か、ピースホライズンで豪遊した暮らしをしなければ問題ないだろう。
 それに、彼女が急に生活スタイルを変えられるものではない。
「エリカお姉ちゃん……」
 ポツリと呟いた。
 手には質素ながらも宝石が装飾されている髪飾りが二つ。
 幼い頃、姉と約束したのだ。この髪飾りを一緒につけると……。
 だが、姉はもうこの世にいない。エクラの御許だ。
「……決めた」
 しばしの逡巡の後、リルエナはスッと立ち上がった。
 茨の王を打倒した日から、ずっと悩み続けていた事に決断をつけたからだ。

●とあるハンターオフィスにて
 受付嬢兼報告官ミノリは日々の業務に追われていた。
 というのも、別のオフィスへの異動が決まっているにも関わらず、同僚が風邪で寝込んでしまったからだ。
「……もう、なんで、肝心な時に風邪ひくかな~」
 一休憩のつもりで大きく伸びをする。
 どうせなら、もう少し早く異動出来ればよかったのに。
「って、おわっ! い、いつの間に!」
 思いっきり伸びしていたら、目の前に、巨大な双頭が視界の下の方に見えた。
「リ、リルエナ様!?」
 こんなに大きい胸の持ち主をミノリは一人しかしらない。
 急いで姿勢を正す――確かに、リルエナだった。
「気にしなくていい。依頼を探しにきたわけじゃない」
 優しげな微笑みのリルエナは、どことなく、悲しみも帯びていた。
 ミノリはその理由を知っている。リルエナのハンター登録を取り消した事務作業を行ったのは、ミノリ自身だったから。
「依頼をお願いしたい」
 カウンター越しに出された書類をミノリは受け取った。
 そこには、大峡谷への護衛が記されている。
「……行かれるのですね」
 その言葉にリルエナは深く頷いた。豊かなソレも反動で頷いた。
 茨小鬼らが生み出された元凶の場所へ。茨が覆う、あの洞窟へ。
「約束を果たす為、にな……」

●茨の洞窟へ
 復興途中のパルシア村を抜け、一行は大峡谷へと入っていく。
 この先に目的となる洞窟はあるのだ。
「今までずっと、依頼を受ける側だった私が、逆の立場でいるというのは、不思議なものだ」
 リルエナがそんな事を言った。
 身のこなしには重たさが感じられる。おまけに胸も……重たそうだ。というか、また成長した?
「すまない。少し、休憩させてくれないか」
 大きな岩を乗り越えた所で肩で荒く息をして根を上げる。
「身体は鍛えていたつもりなのだがな……」
 重たいのはきっと胸に付いた巨大なそれのせいでもありそうだが……。
 覚醒できない事にリルエナは苦笑を浮かべる。
「私の力のほとんどは、姉のものだったという事だ……」
 茨の王を討ったあの日、法術陣の儀式によってリルエナの持っていた力は失われた。
 本来、そのまま死んでしまう所だったかもしれない。
 以前はそれでも構わないと思っただろう。だが、今の彼女は違う。

 なにかを言い出そうと口を開いたその時だった。
 茂みから杖を持った亜人が飛び出して来たからだ。
「ニ、ニンゲン!? モ、モウ、ダメダ……」
 人語を発したと思ったら、その場でヘナヘナと崩れ落ちる。
「この亜人……いや、後ろからなにか来る!」
 リルエナの言葉通り、亜人の後ろからソレは姿を現した。
「ん? おっぱ……違うな。丸い球状の雑魔か?」
 肌色した一抱えはある弾力たっぷりの球。なにか突起物がついているが、変な事を連想させる。
 それが二つ並んで迫ってくるのだ。
 ハンター達は武器を構えた。とりあえず、得体の知れない相手なのは間違いない。
「茨の洞窟まで、後少しという所で……」

解説

●目的
依頼主の護衛と約束の見届ける

●内容
茨の洞窟までリルエナを護衛し、約束に立ち会う
亜人の生存

●状況
茨の洞窟まで後少しという所で、雑魔が現れました。討伐して下さい。
杖を持った亜人は、ハンター達が襲いかかって来なければ一緒に戦ってくれます。

●雑魔
球状の雑魔2体
見た目は人間の胸を連想させます。攻撃方法や能力は不明です

●亜人
杖を持った亜人。会話可能。
エネミンという名の亜人です。駆け出しの魔術師と同様のスキルを使用できます。威力はお察し。

●リルエナ
覚醒者としての能力を失っており、一般人と同様です。
武器防具も身につけていません。

●茨の洞窟(PL情報)
リルエナと亜人が生存した状態で雑魔を討伐したら、茨の洞窟へと辿り着けます。
そこでリルエナは髪飾りを茨の一角に備えます。

マスターより

●ご挨拶
皆さん、お元気ですか? 赤山です。最初、タヌキの雑魔のつもりだったんです。本当ですよ!
それが、どういうわけか、こんな雑魔に……きっちりキッカリやっちゃって下さい。エロはないです。

●攻略のヒント
ある意味、【聖呪】事後連動かもしれません。
まだ残っている謎を解明したい方、リルエナが知る限りで答えてくれるかもしれません。
(あくまでも、リルエナが知っている事になりますので、間違いの場合もあります)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/12/17 21:24

参加者一覧

  • 虹の橋へ
    龍崎・カズマ(ka0178
    人間(蒼)|20才|男性|疾影士
  • 天に届く刃
    クリスティン・ガフ(ka1090
    人間(紅)|19才|女性|闘狩人
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 黒猫とパイルバンカー
    葛音 水月(ka1895
    人間(蒼)|19才|男性|疾影士
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 甘えん坊な奥さん
    アルラウネ(ka4841
    エルフ|24才|女性|舞刀士
  • 幸せを手にした男
    檜ケ谷 樹(ka5040
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/12/03 12:56:08
アイコン 【相談用】目的の場所へ
龍崎・カズマ(ka0178
人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2015/12/07 18:40:30