ゲスト
(ka0000)
『E』〜星槌
マスター:有坂参八

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/12/15 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/12/24 19:00
オープニング
●
たった一瞬の出来事だった。
暮れなずむ空に光の尾を引きながら、まっすぐ進むそれは、最初は流れ星の様に見えた。
だが、その星は意思を持っていた。そうとしか、思えなかった。
星は、落ちた。
過たず、人の営みを目掛けて。
……。
「あ、ああ……」
赤々と燃え上がる炎を見つめながら、テト(kz107)はその場に崩折れて、その身をガタガタと震わせた。
赤き大地にあっても、知る者の殆ど無い隠れ谷……そこに、彼女達の砦はあった。
『部族なき部族』と呼ばれる、赤き大地の諜報組織の、拠点となる砦。
その砦が今、鉄と炎に飲まれて灰燼へと帰りつつあった。
歪虚の落とした、禍つ星槌によって。
「どうして……どうして、こんにゃ……」
それは最初、流れ星の様に見えた。
その流星は、砦の上空までまっすぐに進むと方向を変え、殆ど垂直に降り立って砦へと直撃した。
次いで、巨大な光と炎、音、衝撃。
テトが気づいた時には、『部族なき部族』の砦は、微塵となって辺りに炎を撒き散らしていた。
年端もいかぬ斥候の少女は、おぞましさに身を震わせる。
このような所業は、歪虚のそれに違いない。
だが……それでも、余りにも、あっけなさ過ぎる。
彼女の師、シバ(kz0058)が数十年の歳月をかけて作り上げた組織と、その寄る辺。
それは、シバの養子であるテトにとって、世界のすべてだった。
少女に、家族と、誇りと、生きる意味、そのすべてを与えた場所……それがただ一撃、一瞬にして打ち壊されたのだ。
「テト……」
燃え盛る瓦礫の間からテトを呼んだのは、『部族無き部族』の仲間。彼女が姉の様に慕った、栗毛の女性だった。
テトは駆け寄り、横たわって動けない彼女に顔を寄せた。
「ふ、『梟』の姉様! いま……いま、お、お助けしますにゃ!」
「駄目よ。行きなさい、テト。準備は、してたでしょう? シバの遺言を忘れないで」
テトの表情が凍りつく。
シバは今頃、ハンターと『決着』をつけた頃だろう。
そのシバが、最期に自分たちに託した指示。
テトは周囲を見渡した。『梟』だけではない。その時砦にいた仲間達が皆、重傷を追うか……既に動かなくなっていた。
動けるのは、そう、テトだけだ。
「でもっ、皆が……」
「甘ったれんなッ! ……く、ふっ」
『梟』が声を荒げ、そして血を吐いた。
「……お願い。あんたが希みよ、テト」
その時、遠くから銃声が響く。視線を向けると、黒い人影が列をなしてこちらに近づいてくるのが見えた。
長銃を携え、不気味な黒い鎧を身につける集団。
およそ味方には、見えなかった。
「行け! テト!」
「……っ」
ぼろぼろと落ちる涙を堪えもせずに、テトは走りだした。
その背を見送った『梟』は……体から血の抜け落ちる感覚に耐えながら、目線だけを、迫る人影に向けた。
見たことのない黒い鎧だった。全身を覆う機械的な意匠のそれは、滑らかな流線型の装甲の間から、所々細い管や角の様なものを生やしている。
そしてその手に持つ長銃には、複雑な形の部品がいくつも取り付けられていた。
兜……いや、ヘルメットからしゅー、しゅー、という呼吸音。それが、ふと、止まる。
『ハロー、シチズン。速やかに投降してください。私はエンドレスです』
そう言うと人影は、『梟』の顔面に銃口を向け、躊躇いもなく発砲した。
●
『……聞こえるか、猫助』
ハンターズソサエティへと走るテトの、腰に下げたトランシーバーが声を伝えた。
声の主は八重樫敦(kz0056)。義勇軍・山岳猟団の団長とは、シバのいいつけで予め無線の周波数を合わせてあった。
「……っ! ……!!」
乱れた呼吸の中で、テトは必死に、言葉にならない吐息で応えた。
『通話ができるという事は、通信妨害は無いな。走りながら聞け、重要な事だけを話す』
無線の向うの八重樫は、淡々とテトに語り始める。
『お前達については概ねシバから聞いた。先ほどお前達を襲った兵器も、こちらから視認している。
あれは拠点攻撃用巡航ミサイル……自律して目標に向かい飛んで行く爆弾の様なものだ。
そしてそれは、俺がかつて乗っていた連合宙軍の船・ヴァルハラに搭載されていたものにまず間違いない。
エンドレス、と名乗る歪虚共が、どのような性質を持つものか、現時点ではわからん。
だが、敵が宙間揚陸打撃部隊の基本戦術に則っているとするならば、遠隔攻撃で相手防衛力を無力化した後、白兵戦で制圧を試みるだろう。
黒い鎧と大型の銃で武装した歩兵部隊が現れたら中身は歪虚だ、迷わず殺せ。
強力な装甲と重火力で武装しているが、大気圏内なら装甲重量に足を引っ張られて動きは鈍る。
お前の仲間に生き残りが居るなら、一人でも多く救出しろ。
生憎こちらでもエンドレスを名乗る敵に襲われて援軍は出せん。ハンターと凌げ』
スピーカーから響く八重樫の声を、テトは一言一句逃さぬよう記憶した。
山道を疾風の如く駆け抜けて、ハンターの元へ急ぐ。
まだ、間に合う。
まだ、きっと。
ぜったいに……
何度も自分に言い聞かせても、涙は止めどなく溢れ落ちた。
愛する師父は今や去った。
そして、今また、仲間さえも、手の届かぬ場所へ消えようとしている。
凍てつく吹雪の様な恐怖は、少女の精一杯の勇気を、冷酷に押しつぶそうとしていた。
たった一瞬の出来事だった。
暮れなずむ空に光の尾を引きながら、まっすぐ進むそれは、最初は流れ星の様に見えた。
だが、その星は意思を持っていた。そうとしか、思えなかった。
星は、落ちた。
過たず、人の営みを目掛けて。
……。
「あ、ああ……」
赤々と燃え上がる炎を見つめながら、テト(kz107)はその場に崩折れて、その身をガタガタと震わせた。
赤き大地にあっても、知る者の殆ど無い隠れ谷……そこに、彼女達の砦はあった。
『部族なき部族』と呼ばれる、赤き大地の諜報組織の、拠点となる砦。
その砦が今、鉄と炎に飲まれて灰燼へと帰りつつあった。
歪虚の落とした、禍つ星槌によって。
「どうして……どうして、こんにゃ……」
それは最初、流れ星の様に見えた。
その流星は、砦の上空までまっすぐに進むと方向を変え、殆ど垂直に降り立って砦へと直撃した。
次いで、巨大な光と炎、音、衝撃。
テトが気づいた時には、『部族なき部族』の砦は、微塵となって辺りに炎を撒き散らしていた。
年端もいかぬ斥候の少女は、おぞましさに身を震わせる。
このような所業は、歪虚のそれに違いない。
だが……それでも、余りにも、あっけなさ過ぎる。
彼女の師、シバ(kz0058)が数十年の歳月をかけて作り上げた組織と、その寄る辺。
それは、シバの養子であるテトにとって、世界のすべてだった。
少女に、家族と、誇りと、生きる意味、そのすべてを与えた場所……それがただ一撃、一瞬にして打ち壊されたのだ。
「テト……」
燃え盛る瓦礫の間からテトを呼んだのは、『部族無き部族』の仲間。彼女が姉の様に慕った、栗毛の女性だった。
テトは駆け寄り、横たわって動けない彼女に顔を寄せた。
「ふ、『梟』の姉様! いま……いま、お、お助けしますにゃ!」
「駄目よ。行きなさい、テト。準備は、してたでしょう? シバの遺言を忘れないで」
テトの表情が凍りつく。
シバは今頃、ハンターと『決着』をつけた頃だろう。
そのシバが、最期に自分たちに託した指示。
テトは周囲を見渡した。『梟』だけではない。その時砦にいた仲間達が皆、重傷を追うか……既に動かなくなっていた。
動けるのは、そう、テトだけだ。
「でもっ、皆が……」
「甘ったれんなッ! ……く、ふっ」
『梟』が声を荒げ、そして血を吐いた。
「……お願い。あんたが希みよ、テト」
その時、遠くから銃声が響く。視線を向けると、黒い人影が列をなしてこちらに近づいてくるのが見えた。
長銃を携え、不気味な黒い鎧を身につける集団。
およそ味方には、見えなかった。
「行け! テト!」
「……っ」
ぼろぼろと落ちる涙を堪えもせずに、テトは走りだした。
その背を見送った『梟』は……体から血の抜け落ちる感覚に耐えながら、目線だけを、迫る人影に向けた。
見たことのない黒い鎧だった。全身を覆う機械的な意匠のそれは、滑らかな流線型の装甲の間から、所々細い管や角の様なものを生やしている。
そしてその手に持つ長銃には、複雑な形の部品がいくつも取り付けられていた。
兜……いや、ヘルメットからしゅー、しゅー、という呼吸音。それが、ふと、止まる。
『ハロー、シチズン。速やかに投降してください。私はエンドレスです』
そう言うと人影は、『梟』の顔面に銃口を向け、躊躇いもなく発砲した。
●
『……聞こえるか、猫助』
ハンターズソサエティへと走るテトの、腰に下げたトランシーバーが声を伝えた。
声の主は八重樫敦(kz0056)。義勇軍・山岳猟団の団長とは、シバのいいつけで予め無線の周波数を合わせてあった。
「……っ! ……!!」
乱れた呼吸の中で、テトは必死に、言葉にならない吐息で応えた。
『通話ができるという事は、通信妨害は無いな。走りながら聞け、重要な事だけを話す』
無線の向うの八重樫は、淡々とテトに語り始める。
『お前達については概ねシバから聞いた。先ほどお前達を襲った兵器も、こちらから視認している。
あれは拠点攻撃用巡航ミサイル……自律して目標に向かい飛んで行く爆弾の様なものだ。
そしてそれは、俺がかつて乗っていた連合宙軍の船・ヴァルハラに搭載されていたものにまず間違いない。
エンドレス、と名乗る歪虚共が、どのような性質を持つものか、現時点ではわからん。
だが、敵が宙間揚陸打撃部隊の基本戦術に則っているとするならば、遠隔攻撃で相手防衛力を無力化した後、白兵戦で制圧を試みるだろう。
黒い鎧と大型の銃で武装した歩兵部隊が現れたら中身は歪虚だ、迷わず殺せ。
強力な装甲と重火力で武装しているが、大気圏内なら装甲重量に足を引っ張られて動きは鈍る。
お前の仲間に生き残りが居るなら、一人でも多く救出しろ。
生憎こちらでもエンドレスを名乗る敵に襲われて援軍は出せん。ハンターと凌げ』
スピーカーから響く八重樫の声を、テトは一言一句逃さぬよう記憶した。
山道を疾風の如く駆け抜けて、ハンターの元へ急ぐ。
まだ、間に合う。
まだ、きっと。
ぜったいに……
何度も自分に言い聞かせても、涙は止めどなく溢れ落ちた。
愛する師父は今や去った。
そして、今また、仲間さえも、手の届かぬ場所へ消えようとしている。
凍てつく吹雪の様な恐怖は、少女の精一杯の勇気を、冷酷に押しつぶそうとしていた。
解説
●依頼内容
『部族なき部族』の救援
黒い鎧の歩兵、仮称・黒歩兵の撃退
以上。
●状況
時系列としては、前回の依頼とほぼ同時〜直後のあたりです。
ハンターが現場に到着した段階で、現場では負傷した『部族無き部族』の生存者20名が黒歩兵に応戦しています。
しかし、生存者はいずれも深刻な重傷、全滅までいくらも時間はありません。
黒歩兵に対処しつつ、可及的速やかに生存者を救出してください。
●黒歩兵
全身を覆う流線型の黒い鎧と、数種の大型銃で武装した歩兵部隊。
数は8体。
言葉を喋れますが、それ以上の知能さえ感じさせる高度な戦術・連携の元に戦闘を行います。
また大型銃は銃身に幾つかの外付け部品が装着されており、単純な銃撃以外の攻撃も予想されます。
八重樫が通信で語った推測によれば、正体は連合宙軍の『ヴァルハラ』なる船に由来する戦力で、中身は全員歪虚となっているとのこと。
障害がなければ生存者を順次殺害していきますが、間近に脅威が迫ればそちらを優先します。
当該歪虚は、これまで山岳猟団とパシュパティ砦、そしてシバを襲った『エンドレス』と名乗る存在に、なんらかの関係性を持っていると推測されます。
適切な知識を持つハンターであれば、彼らの装備や戦術の由来もある程度推察できるかもしれません。
●地理
『部族無き部族』の隠し砦は、歪虚の先制攻撃によって完全に破壊されています。
周囲には燃え盛る瓦礫が散乱、足場は悪く、人間の背丈程度の遮蔽物が多い中、生存者は各所で動けなくなっている状態です。
また、時間帯は日が落ちる前後で、戦闘に時間をかければやがて宵の闇がやってきます。
先の『エンドレス』との戦闘で確認されていた、『リアルブルー機械への各種電子攻撃』並びに『魔導機械の軽度機能不全』は現在確認されておらず、新たに生じる可能性も低いと推測されます。
●その他
質問にはテトがお答えします。
が、錯乱して若干受け答えがあやふやです。
『部族なき部族』の救援
黒い鎧の歩兵、仮称・黒歩兵の撃退
以上。
●状況
時系列としては、前回の依頼とほぼ同時〜直後のあたりです。
ハンターが現場に到着した段階で、現場では負傷した『部族無き部族』の生存者20名が黒歩兵に応戦しています。
しかし、生存者はいずれも深刻な重傷、全滅までいくらも時間はありません。
黒歩兵に対処しつつ、可及的速やかに生存者を救出してください。
●黒歩兵
全身を覆う流線型の黒い鎧と、数種の大型銃で武装した歩兵部隊。
数は8体。
言葉を喋れますが、それ以上の知能さえ感じさせる高度な戦術・連携の元に戦闘を行います。
また大型銃は銃身に幾つかの外付け部品が装着されており、単純な銃撃以外の攻撃も予想されます。
八重樫が通信で語った推測によれば、正体は連合宙軍の『ヴァルハラ』なる船に由来する戦力で、中身は全員歪虚となっているとのこと。
障害がなければ生存者を順次殺害していきますが、間近に脅威が迫ればそちらを優先します。
当該歪虚は、これまで山岳猟団とパシュパティ砦、そしてシバを襲った『エンドレス』と名乗る存在に、なんらかの関係性を持っていると推測されます。
適切な知識を持つハンターであれば、彼らの装備や戦術の由来もある程度推察できるかもしれません。
●地理
『部族無き部族』の隠し砦は、歪虚の先制攻撃によって完全に破壊されています。
周囲には燃え盛る瓦礫が散乱、足場は悪く、人間の背丈程度の遮蔽物が多い中、生存者は各所で動けなくなっている状態です。
また、時間帯は日が落ちる前後で、戦闘に時間をかければやがて宵の闇がやってきます。
先の『エンドレス』との戦闘で確認されていた、『リアルブルー機械への各種電子攻撃』並びに『魔導機械の軽度機能不全』は現在確認されておらず、新たに生じる可能性も低いと推測されます。
●その他
質問にはテトがお答えします。
が、錯乱して若干受け答えがあやふやです。
マスターより
この依頼をご紹介いたします、有坂参八です。
心を休める間も無く、戦況は動き続けます。
シバの率いた『部族無き部族』が壊滅するということは、赤き大地の目が失われるのと同じこと。
それは、力に劣る人類が、勝期を探す目をひとつ失う、という事でもあります。
どうか今は耐え忍び、希望を繋いで頂きたく存じます。
皆様のご武運を、お祈り致します。
心を休める間も無く、戦況は動き続けます。
シバの率いた『部族無き部族』が壊滅するということは、赤き大地の目が失われるのと同じこと。
それは、力に劣る人類が、勝期を探す目をひとつ失う、という事でもあります。
どうか今は耐え忍び、希望を繋いで頂きたく存じます。
皆様のご武運を、お祈り致します。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/12/31 14:58
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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猫助に質問 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/12/14 12:37:55 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/11 13:25:56 |
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相談卓 ルシオ・セレステ(ka0673) エルフ|21才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/12/15 18:55:00 |