ゲスト
(ka0000)
寒風と共に舞うは……
マスター:香月丈流

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/12/15 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/12/24 07:30
オープニング
木枯らしが大地を吹き抜け、頬を撫でていく。冬に向かい始めるこの季節、肌寒い風を全身で浴びると、物悲しい気分になる事がある。それどころか、気が滅入る者も少なくないだろう。
人によっては、この状態を『黒い風が哭いている』と表現するとか、しないとか。
独特過ぎる形容の賛否は別として。今年の初雪は例年よりも早く、寒気も強い。日に日に寒さが増す中、農夫達は作物の収穫や防寒を急いでいた。
「ったく……今年も冷めた風が吹きやがるな。北狄はゴタゴタしてやがるしよ!」
「厳しい作戦なのは知ってんだろ? ゴチャゴチャ言ってねぇで、さっさと手ぇ動かせ!」
「わ~ってるよ! さっさと終わりにして、熱い茶でも飲みたいしな」
ゾンネンシュトラール帝国の耕作地は他国より少ないが、やるべき事は多い。イモ類の収穫に、冬季保存の準備。山羊を飼っている農家では、小屋の防寒対策や餌の確保も必要になる。
仕事は山積みだが、木枯らしが吹く日の作業は本当に寒い。焚き火で防寒対策をしているが、そんなモノは焼け石に水。体が芯から冷えるのは、時間の問題である。
とは言え、風が冷たいくらいで作業を止めるワケにいかない。準備が不十分なら越冬が厳しくなるし、本格的に雪が積もる前に全てを終わらせる必要があるからだ。それに、仕事終わりのお茶が美味しいし、焼き芋という楽しみも待っている。
農夫の1人が焚き火に枝を投げ入れた瞬間、突風が下から吹き上がった。その勢いで火が消え、灰が宙を舞う。突風は数秒で止んだが……その代わり、小さな異変が起きた。
「おい、アレなんだ?」
中年農夫が声を上げ、空を指差す。他の農夫達が視線を向けると、空を『黒い影』が移動していた。しかも、1つや2つではなく、大量に。
「あぁ? 鳥じゃねぇの? 越冬の季節だろ、今」
「渡り鳥の群れか。俺もあったけぇ所に行きてぇなぁ~」
作業を休憩し、空を見上げる農夫達。50羽近い群れが一気に移動するのは、この地域では珍しい。誰もが渡り鳥の動きを目で追っていたが……その中の1人が、ある事に気付いた。
「なぁ……あいつら、何で北に向かってるんだ?」
一般的に、冬の渡り鳥は寒さを避けるために南下する。帝国の北側には、雪と氷の大地が広がっているからだ。越冬目的なら、寒い地域に向かうのは不自然である。
「あ……! 言われてみれば、確かに」
ちょっとした疑問の言葉で、疑惑と不信感が一気に膨れあがっていく。と同時に、彼らの疑問は最悪の形で判明する事になった。
農夫達が見詰める中、黒影の数個が彼らに向かって急降下。その動きに気付いた時、農夫達の間を突風が吹き抜けていた。
次いで、死臭が鼻を貫き、頬に生暖かい液体が飛び散る。1秒にも満たない一瞬の出来事だったが……彼らの瞳には、しっかりと焼き付いていた。
ゾンビと化した鷲が、仲間を狩って空に舞い戻る姿が。
「う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
恐怖が心を埋め尽くし、悲鳴となって溢れ出す。彼らが目撃した『黒い影』の正体は、死体型雑魔の群れだったのだ。
奴らの目的はハッキリと分からないが……このまま北上を続けたら、辺境地域を越えて北狄に行き着く。激動の合戦場に雑魔の群れが現れたら、どうなるか……想像に難しくないだろう。
それ以前に、雑魔達が帝国や辺境地域の一般人を襲う可能性がある。ガタガタ鳴る奥歯を噛み締め、震える脚に力を込め、農夫達は立ち上がった。
人によっては、この状態を『黒い風が哭いている』と表現するとか、しないとか。
独特過ぎる形容の賛否は別として。今年の初雪は例年よりも早く、寒気も強い。日に日に寒さが増す中、農夫達は作物の収穫や防寒を急いでいた。
「ったく……今年も冷めた風が吹きやがるな。北狄はゴタゴタしてやがるしよ!」
「厳しい作戦なのは知ってんだろ? ゴチャゴチャ言ってねぇで、さっさと手ぇ動かせ!」
「わ~ってるよ! さっさと終わりにして、熱い茶でも飲みたいしな」
ゾンネンシュトラール帝国の耕作地は他国より少ないが、やるべき事は多い。イモ類の収穫に、冬季保存の準備。山羊を飼っている農家では、小屋の防寒対策や餌の確保も必要になる。
仕事は山積みだが、木枯らしが吹く日の作業は本当に寒い。焚き火で防寒対策をしているが、そんなモノは焼け石に水。体が芯から冷えるのは、時間の問題である。
とは言え、風が冷たいくらいで作業を止めるワケにいかない。準備が不十分なら越冬が厳しくなるし、本格的に雪が積もる前に全てを終わらせる必要があるからだ。それに、仕事終わりのお茶が美味しいし、焼き芋という楽しみも待っている。
農夫の1人が焚き火に枝を投げ入れた瞬間、突風が下から吹き上がった。その勢いで火が消え、灰が宙を舞う。突風は数秒で止んだが……その代わり、小さな異変が起きた。
「おい、アレなんだ?」
中年農夫が声を上げ、空を指差す。他の農夫達が視線を向けると、空を『黒い影』が移動していた。しかも、1つや2つではなく、大量に。
「あぁ? 鳥じゃねぇの? 越冬の季節だろ、今」
「渡り鳥の群れか。俺もあったけぇ所に行きてぇなぁ~」
作業を休憩し、空を見上げる農夫達。50羽近い群れが一気に移動するのは、この地域では珍しい。誰もが渡り鳥の動きを目で追っていたが……その中の1人が、ある事に気付いた。
「なぁ……あいつら、何で北に向かってるんだ?」
一般的に、冬の渡り鳥は寒さを避けるために南下する。帝国の北側には、雪と氷の大地が広がっているからだ。越冬目的なら、寒い地域に向かうのは不自然である。
「あ……! 言われてみれば、確かに」
ちょっとした疑問の言葉で、疑惑と不信感が一気に膨れあがっていく。と同時に、彼らの疑問は最悪の形で判明する事になった。
農夫達が見詰める中、黒影の数個が彼らに向かって急降下。その動きに気付いた時、農夫達の間を突風が吹き抜けていた。
次いで、死臭が鼻を貫き、頬に生暖かい液体が飛び散る。1秒にも満たない一瞬の出来事だったが……彼らの瞳には、しっかりと焼き付いていた。
ゾンビと化した鷲が、仲間を狩って空に舞い戻る姿が。
「う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
恐怖が心を埋め尽くし、悲鳴となって溢れ出す。彼らが目撃した『黒い影』の正体は、死体型雑魔の群れだったのだ。
奴らの目的はハッキリと分からないが……このまま北上を続けたら、辺境地域を越えて北狄に行き着く。激動の合戦場に雑魔の群れが現れたら、どうなるか……想像に難しくないだろう。
それ以前に、雑魔達が帝国や辺境地域の一般人を襲う可能性がある。ガタガタ鳴る奥歯を噛み締め、震える脚に力を込め、農夫達は立ち上がった。
解説
農夫達の報告により、ゾンビ鷲が集団行動している事が発覚しました。彼らの報告以降、目撃情報や被害報告が数件寄せられています。これ以上の犠牲者を生まないためにも、協力をお願いします。
ゾンビ鷲は一般人を襲いつつ、北に向かって進んでいます。『人間を喰らう事』よりも移動を優先しているので、北狄に向かう事が目的と考えて間違いないでしょう。
雑魔の進路や、周囲への被害を考慮すると、帝国北部の平野が戦闘に適しています。10km圏内に街道や建造物が無いので、一般人が巻き込まれる事はありません。巨大な岩が数個点在し、東側には林があるので、身を隠す事も可能です。
殲滅対象は、死体型の鷲。体長は1m前後ですが、翼を広げると2m近くになります。地上から正確な羽数は分かりませんが、少なくとも50羽近いです。
今回の雑魔は上空から人間を狙うため、地表から10m程度の空中を飛行しています。速度は決して遅くありませんが、ハンターの皆様なら捉える事が可能でしょう。
基本的に、ゾンビ鷲は移動を優先します。ですが、こちらから攻撃したり、覚醒者を発見すると、容赦なく襲ってきます。
攻撃方法は、急降下による突撃と爪撃。どちらも近接攻撃で射程は短いですが、速度が速いので回避が難しいかもしれません。
機動力が高い反面、耐久力や抵抗値は低いです。駆け出しのハンターでも、1対1なら充分に戦えるでしょう。
この雑魔達を、1羽でも多く倒して下さい。全滅が望ましいですが、討ち漏らしがあっても即依頼失敗にはなりません。ですが、20羽以上逃がしてしまった場合は失敗となりますので、ご注意を。
ゾンビ鷲は一般人を襲いつつ、北に向かって進んでいます。『人間を喰らう事』よりも移動を優先しているので、北狄に向かう事が目的と考えて間違いないでしょう。
雑魔の進路や、周囲への被害を考慮すると、帝国北部の平野が戦闘に適しています。10km圏内に街道や建造物が無いので、一般人が巻き込まれる事はありません。巨大な岩が数個点在し、東側には林があるので、身を隠す事も可能です。
殲滅対象は、死体型の鷲。体長は1m前後ですが、翼を広げると2m近くになります。地上から正確な羽数は分かりませんが、少なくとも50羽近いです。
今回の雑魔は上空から人間を狙うため、地表から10m程度の空中を飛行しています。速度は決して遅くありませんが、ハンターの皆様なら捉える事が可能でしょう。
基本的に、ゾンビ鷲は移動を優先します。ですが、こちらから攻撃したり、覚醒者を発見すると、容赦なく襲ってきます。
攻撃方法は、急降下による突撃と爪撃。どちらも近接攻撃で射程は短いですが、速度が速いので回避が難しいかもしれません。
機動力が高い反面、耐久力や抵抗値は低いです。駆け出しのハンターでも、1対1なら充分に戦えるでしょう。
この雑魔達を、1羽でも多く倒して下さい。全滅が望ましいですが、討ち漏らしがあっても即依頼失敗にはなりません。ですが、20羽以上逃がしてしまった場合は失敗となりますので、ご注意を。
マスターより
この依頼に目を通して下さった方、参加して下さった方、過去に参加して下さった方に感謝を。
香月丈流です。
万が一このシナリオに失敗したとしても、【闇光】への悪影響はありません。
討ち漏らした雑魔が居ても、大規模作戦が不利になる事はありませんので、気負わずにご参加下さい。
余談ではありますが、香月の住む『ド田舎県ド田舎市』でも初雪が降りました。
今年は寒気の到来が早いので、私のように『バカは風邪ひかないから大丈夫☆』と油断せず、風邪予防をお忘れなく。
香月丈流です。
万が一このシナリオに失敗したとしても、【闇光】への悪影響はありません。
討ち漏らした雑魔が居ても、大規模作戦が不利になる事はありませんので、気負わずにご参加下さい。
余談ではありますが、香月の住む『ド田舎県ド田舎市』でも初雪が降りました。
今年は寒気の到来が早いので、私のように『バカは風邪ひかないから大丈夫☆』と油断せず、風邪予防をお忘れなく。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/12/23 14:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 リューリ・ハルマ(ka0502) エルフ|20才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/12/15 01:35:41 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/11 23:47:33 |