• 戦闘

ベルテイル先生の安っぽいプライド

マスター:秋風落葉

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/12/15 19:00
リプレイ完成予定
2015/12/24 19:00

オープニング


「はい、今日の授業はここまでです」
 教壇に立つ女性は目の前の少年少女に授業の終了を告げる言葉を発し、本を閉じた。
 彼女の生徒である子供達はそれぞれ伸びをしたり、疲れたと愚痴を言ったりと、途端にリラックスし始める。
 ここはとある街にあるマギステルの為の私塾。
 教鞭を取る先ほどの女性は名をベルテイルという。
 ようやく授業から解放された子供達はすぐにわいわいと騒ぎ始める。普段は口うるさいベルテイルだが、さすがに授業中以外ではそこまで怒ったりはしない。
「やっぱ一番格好いいのはライトニングボルトだよなー!」
「何言ってんだよ、ファイアーボールだろ!?」
 いつものように魔法談義に花を咲かせる子供達。なお、彼らはまだまだそんな高位な魔法は使えない。
 子供達の会話に小さく笑みを浮かべながらも、ベルテイルは自分が授業に用いた道具を鞄に仕舞い始める。
 そんなベルテイルに、生徒の一人が何気なく問いかけた。
「そういやさー。先生ってライトニングボルトは使えるのー?」
 ベルテイルはぴたりと動きを止めた。
 子供らしい無邪気な問いかけ。かつてベルテイルは、今と同じようにファイアーボールは使えるのかと尋ねられたことがある。
 そしてその質問のせいで、ベルテイルは休日を返上してハンターオフィスで依頼を受けることとなった。
 なぜなら、ベルテイルはその頃まだファイアーボールを使えなかったからである。しかし、質問に対してつい「使える」と見栄を張ってしまったのだ。
 幸か不幸か、ハンター達と危険を潜り抜けることで腕を磨いた彼女は見事にファイアーボールを修得し、翌週に子供達に魔法を披露することができたのである。
 そして、現在の自分もまだライトニングボルトが使えない。
 これは、まさにあの時の再現であった。
 ベルテイルはその依頼を受けた時、同行したあるハンターに「教育者として、子供達に見栄をはるのはやめたほうが良い」という忠告を受けていた。
 その言葉がベルテイルの脳裏に思い浮かぶ。
「ええ、もちろん使えますよ」
 しかしベルテイルはあっさりと子供達にそう答えていた。
 そのハンターの言葉を全く意に介さなかった訳ではない……ただ、彼女の肥大化したプライドがその忠告よりもはるかに重かっただけなのだ。
「わあー! さすが先生!」
「見せてよ見せてよー!」
 子供達の目に浮かぶ敬意とあこがれ。
 これがあるから、この仕事はやめられないのである。
「ええ。ですが、ライトニングボルトも危険な魔法です。準備がいりますので、来週まで待ってくださいね?」
「はーい!」
 いつになく聞き分けの良い返事をする子供達。
 ベルテイルは口元にこれ以上ない笑みを浮かべていた。


「ああ、またやってしまった……」
 次の日。
 ベルテイルはかつてのように、ハンターとしての装備を身につけ王都イルダーナにいた。
 なお、さすがにまた大見得を切ってしまった事を少し後悔しているらしい。
「しかし、街一番のマギステルと称されるためには、これくらいの苦労など……」
 ベルテイルは以前くぐったハンターオフィスの扉を再び開ける。見覚えのある受付嬢がベルテイルの顔を見てにっこり微笑んだ。どうやら、あちらもベルテイルのことを覚えていたらしい。
「お久しぶりです! たしかマギステルのベルテイルさん……でしたよね?」
「はい。今回も、何か依頼があれば……」
 カウンターまでやってきたベルテイルに向かって語りかける受付嬢。ベルテイルも頷き、仕事を求めた。
「承知しました。少々お待ちくださいね」
 しばらくして、受付嬢はベルテイルに一枚のファイルを差し出した。
「この村に、全身が氷で出来た巨人らしき魔物が現れたそうです。また、雪だるまのような手下を従えていたとのことで」
「氷で出来た巨人に雪だるま……ですか。水の属性を持つ魔物かもしれませんね」
「ええ。お願いできますか? もちろん他のハンターの方と共同であたっていただくことになりますが」
「……厄介そうな相手ですね……分かりました。お受けしましょう」
「ありがとうございます!」
 受付嬢はにっこりと微笑んだ。

解説

村に居座ってしまった、氷の魔物とその手下を退治してください。

・氷の巨人
全身が氷で出来ています。全長は5メートルほど。村人の話だと、口から吹雪を吐いたり、手の中で大きな氷の玉を作り、それを放り投げてきたりしたとのことです。

・雪だるま
氷の巨人の手下らしき魔物です。こちらは全長1メートルくらいです。
雪の塊を作り、それをぶつけてきたりしたそうです。
数は少なくとも10体はいたとのことです。


現場は田舎の小さな村です。
村人はすでに避難しています。
なお、可能ならばあまり建物などを傷つけないで欲しいとのことです。

OPの通り、依頼にはベルテイルが同行します。
彼女が扱うスキルは以下の通りです。

アースバレット
ファイアーボール
ウィンドガスト

特に指示がなければ、基本的にアースバレットで敵に応戦することになるでしょう。

マスターより

こんにちは、こんばんは。秋風落葉(しゅうふうらくよう)です。
ベルテイルと共に、魔物を撃破することが今回の目的になります。
配下の雪だるまはそこまで強くはありません……が、氷の巨人はかなり手強い相手となるでしょう。
なお、ベルテイルはこの依頼をこなすことで自分がライトニングボルトが使えるようになる、という手ごたえを感じています。
ええ、依頼が『成功』すればおそらく扱えるようになるのではないかと。
ご参加お待ちしております。

※関連依頼
『属性って何?』
『ベルテイル先生のプライド』
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/12/20 21:31

参加者一覧

  • 課せられた罰の先に
    クオン・サガラ(ka0018
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • 海の戦士
    リアン・カーネイ(ka0267
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • 風の紡ぎ手
    クラリッサ=W・ソルシエール(ka0659
    人間(蒼)|20才|女性|魔術師
  • 矛盾に向かう理知への敬意
    初月 賢四郎(ka1046
    人間(蒼)|29才|男性|機導師
  • 今を歌う
    エルディラ(ka3982
    ドワーフ|12才|女性|魔術師
  • 金色の闘将
    真龍寺 凱(ka4153
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • パティの相棒
    万歳丸(ka5665
    鬼|17才|男性|格闘士

  • 大友 映美(ka5684
    人間(蒼)|19才|女性|符術師
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
クラリッサ=W・ソルシエール(ka0659
人間(リアルブルー)|20才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/12/15 00:09:05
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/12/12 22:35:12