ゲスト
(ka0000)
コオロギ歪虚の討伐依頼
マスター:鳴海惣流

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/12/18 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/12/27 12:00
オープニング
●
へへへ、と少年が笑う。手には小さなコオロギがいる。
小さな村に住む少年のイオは、大きな街へ母親と一緒に買物へ出かけていた。
日常の食料品なら生まれ故郷の村でも比較的手に入るが、少し凝った衣服などが欲しいとなれば難しい。
そこでイオの村の人間は、必要があれば馬車で一時間程度の街へ出かけていくのだ。
「イオ、何をしているの?」
馬車から降りて、村まで徒歩で移動中にもかかわらず、足を止めて草むらにしゃがみ込んだ息子に声をかける。
母親の名前はミオ。最愛の夫には先立たれ、女手ひとつで十歳を過ぎたばかりの息子イオを育てている。
村で裁縫の仕事をしており、周囲の人間も優しくしてくれるので食うには困らない。
一ヶ月に一度程度であれば、こうして街まで買い物へ出かける程度の贅沢もできる。
ミオはもちろんだが、普段はあまり遊んでもらえていないイオもお出かけの日を楽しみにしていた。
だからだろうか。草むらでたまたま見つけたコオロギを、楽しそうに追いかけてしまう。
はしゃぎすぎだとイオ自身もわかっていても、何もかもが楽しくてたまらない。
母と息子だけの家族でも、ミオとイオは幸せだった。
「見てよ、お母さん。コオロギがいるよ」
イオが手のひらに乗せているコオロギを見て、ミオはキャっと小さな悲鳴を上げた。
何にでも好奇心を示すイオと違い、母親のミオは昆虫が苦手だった。すぐに自分から遠ざけるように言う。
「どうしてだよ。ほら、よく見てよ」
軽くとはいえ、手で握り締めたコオロギをイオが近づけてくる。
強い口調で叱責するほどの悪戯ではないが、あまり気分のいいものではない。
「駄目よ、イオ。早くコオロギさんを離してあげなさい」
「コオロギさんだって。お母さん、変だよ」
「そんなことはないわ。コオロギさんだって生きているのよ。あんまり虐めていると、あとで仕返しをされてしまうかもしれないわよ」
悪戯をやめさせるための注意とわかっているのか、イオはまったく気にしてない様子で笑った。
「アハハ。コオロギの仕返しなんて怖くないよ。僕は男の子だからね」
得意げに胸を張る際に、イオの手からコオロギが逃げた。
「あ、待てー。家に連れて帰って、飼うんだから」
慌てて逃げたコオロギを追いかけるイオを、ミオもまたすぐに追いかける。
コオロギを飼われたりしたら大変だ。きっとイオは途中で飽きて、最終的にはミオが飼育するはめになる。
昆虫好きならともかく、苦手なミオにとっては拷問にも似た行為だ。なんとか思いとどまらせようとするも、子供でもイオは男性。駆け足はミオよりも速い。
あっという間に姿が見えなくなり、息が切れたミオは膝に手をついて荒い呼吸を繰り返す。半ズボンのイオに対して、ミオはロングスカート。走りやすい服ではなかった。
「まったくあの子ったら、どこに行ったのかしら……」
街へ続く道から少し外れた場所には、小規模ながらも草原みたいな地域があった。村の子供たちが、よく皆でピクニックを行う場所だ。意外にも、ミオは来たのが初めてだった。
「村から多少離れた草原でも、危険はなさそうね。治安が良さそうで何よりだわ」
この場所なら、お弁当を作ってイオと一緒にハイキングをするのも楽しそう。
日常の楽しいシーンを想像して微笑んでいると、ミオの耳に悲鳴が聞こえてきた。イオだ。
「イオ!? どうしたの!」
叫ぶように声を出すと、前方から誰かがこちらへ走ってくるのが見えた。
「お母さんっ!」
泣きそうな顔のイオが、全速力でやってくるなり、ミオに抱きついてきた。
「何かあったの?」
「ご、ごめんなさいっ。ぼ、僕、コオロギさんに謝るっ!」
「謝るって、何……を……?」
見上げた先に、コオロギがいた。
明らかにイオが逃がしたコオロギではない。
ミオの視界に映るコオロギは、あまりに巨大で――。
――あまりに凶悪な光を瞳に宿していた。
「に、逃げるのよ、イオっ! 早く!」
幸い、まだ巨大なコオロギとは距離がある。
ロングスカートだから走りにくいとも言っていられない。
何よりも大事な息子を抱え、ミオはひたすら走った。
背後から届いてきた巨大コオロギの鳴き声が、なんだか楽しそうな笑い声に聞こえた。
●
翌日――。
ミオとイオが暮らす村から少し離れた大きな街のハンター支部に、ひとつの依頼が届けられた。
受理した受付の若い男性が、興味ありげなハンターたちに事情を説明する。
「こちらの依頼の目的は、巨大コオロギの退治ですね。元々はコオロギがたくさんいた場所なのですが、どういう理由か雑魔化してしまったようです」
発見した母子は怪我もなく無事だったが、放置するのは危険ですと受付は言った。
「第一発見者の母子の報告を受けて、村の自警団の方々が偵察に行ったそうです。雑魔化したと思われる巨大コオロギは、数匹程度いたらしいです。他に雑魔と思われる存在や、裏で何者かが操ってそうな気配もないみ
たいですので、恐らくは雑魔化した巨大コオロギを全滅させれば、周囲の安全は確保されるでしょう。ですが、一体でも逃がすと面倒な事態になるかもしれません。確実にお願いします。覚醒者たるハンターには苦戦する相手ではないかもしれませんが、一般の村人たちには莫大な脅威となります。現場は村の子供たちがよくピクニックをする場所みたいですし、一刻も早く村の人たちを安心させてあげてください」
へへへ、と少年が笑う。手には小さなコオロギがいる。
小さな村に住む少年のイオは、大きな街へ母親と一緒に買物へ出かけていた。
日常の食料品なら生まれ故郷の村でも比較的手に入るが、少し凝った衣服などが欲しいとなれば難しい。
そこでイオの村の人間は、必要があれば馬車で一時間程度の街へ出かけていくのだ。
「イオ、何をしているの?」
馬車から降りて、村まで徒歩で移動中にもかかわらず、足を止めて草むらにしゃがみ込んだ息子に声をかける。
母親の名前はミオ。最愛の夫には先立たれ、女手ひとつで十歳を過ぎたばかりの息子イオを育てている。
村で裁縫の仕事をしており、周囲の人間も優しくしてくれるので食うには困らない。
一ヶ月に一度程度であれば、こうして街まで買い物へ出かける程度の贅沢もできる。
ミオはもちろんだが、普段はあまり遊んでもらえていないイオもお出かけの日を楽しみにしていた。
だからだろうか。草むらでたまたま見つけたコオロギを、楽しそうに追いかけてしまう。
はしゃぎすぎだとイオ自身もわかっていても、何もかもが楽しくてたまらない。
母と息子だけの家族でも、ミオとイオは幸せだった。
「見てよ、お母さん。コオロギがいるよ」
イオが手のひらに乗せているコオロギを見て、ミオはキャっと小さな悲鳴を上げた。
何にでも好奇心を示すイオと違い、母親のミオは昆虫が苦手だった。すぐに自分から遠ざけるように言う。
「どうしてだよ。ほら、よく見てよ」
軽くとはいえ、手で握り締めたコオロギをイオが近づけてくる。
強い口調で叱責するほどの悪戯ではないが、あまり気分のいいものではない。
「駄目よ、イオ。早くコオロギさんを離してあげなさい」
「コオロギさんだって。お母さん、変だよ」
「そんなことはないわ。コオロギさんだって生きているのよ。あんまり虐めていると、あとで仕返しをされてしまうかもしれないわよ」
悪戯をやめさせるための注意とわかっているのか、イオはまったく気にしてない様子で笑った。
「アハハ。コオロギの仕返しなんて怖くないよ。僕は男の子だからね」
得意げに胸を張る際に、イオの手からコオロギが逃げた。
「あ、待てー。家に連れて帰って、飼うんだから」
慌てて逃げたコオロギを追いかけるイオを、ミオもまたすぐに追いかける。
コオロギを飼われたりしたら大変だ。きっとイオは途中で飽きて、最終的にはミオが飼育するはめになる。
昆虫好きならともかく、苦手なミオにとっては拷問にも似た行為だ。なんとか思いとどまらせようとするも、子供でもイオは男性。駆け足はミオよりも速い。
あっという間に姿が見えなくなり、息が切れたミオは膝に手をついて荒い呼吸を繰り返す。半ズボンのイオに対して、ミオはロングスカート。走りやすい服ではなかった。
「まったくあの子ったら、どこに行ったのかしら……」
街へ続く道から少し外れた場所には、小規模ながらも草原みたいな地域があった。村の子供たちが、よく皆でピクニックを行う場所だ。意外にも、ミオは来たのが初めてだった。
「村から多少離れた草原でも、危険はなさそうね。治安が良さそうで何よりだわ」
この場所なら、お弁当を作ってイオと一緒にハイキングをするのも楽しそう。
日常の楽しいシーンを想像して微笑んでいると、ミオの耳に悲鳴が聞こえてきた。イオだ。
「イオ!? どうしたの!」
叫ぶように声を出すと、前方から誰かがこちらへ走ってくるのが見えた。
「お母さんっ!」
泣きそうな顔のイオが、全速力でやってくるなり、ミオに抱きついてきた。
「何かあったの?」
「ご、ごめんなさいっ。ぼ、僕、コオロギさんに謝るっ!」
「謝るって、何……を……?」
見上げた先に、コオロギがいた。
明らかにイオが逃がしたコオロギではない。
ミオの視界に映るコオロギは、あまりに巨大で――。
――あまりに凶悪な光を瞳に宿していた。
「に、逃げるのよ、イオっ! 早く!」
幸い、まだ巨大なコオロギとは距離がある。
ロングスカートだから走りにくいとも言っていられない。
何よりも大事な息子を抱え、ミオはひたすら走った。
背後から届いてきた巨大コオロギの鳴き声が、なんだか楽しそうな笑い声に聞こえた。
●
翌日――。
ミオとイオが暮らす村から少し離れた大きな街のハンター支部に、ひとつの依頼が届けられた。
受理した受付の若い男性が、興味ありげなハンターたちに事情を説明する。
「こちらの依頼の目的は、巨大コオロギの退治ですね。元々はコオロギがたくさんいた場所なのですが、どういう理由か雑魔化してしまったようです」
発見した母子は怪我もなく無事だったが、放置するのは危険ですと受付は言った。
「第一発見者の母子の報告を受けて、村の自警団の方々が偵察に行ったそうです。雑魔化したと思われる巨大コオロギは、数匹程度いたらしいです。他に雑魔と思われる存在や、裏で何者かが操ってそうな気配もないみ
たいですので、恐らくは雑魔化した巨大コオロギを全滅させれば、周囲の安全は確保されるでしょう。ですが、一体でも逃がすと面倒な事態になるかもしれません。確実にお願いします。覚醒者たるハンターには苦戦する相手ではないかもしれませんが、一般の村人たちには莫大な脅威となります。現場は村の子供たちがよくピクニックをする場所みたいですし、一刻も早く村の人たちを安心させてあげてください」
解説
●目的
コオロギ歪虚の殲滅
●簡易map
※上から見下ろしてる感じになります。
ABCDEFGHI 1マス=4sq。移動や射程などが影響を受ける
a■■■■□1□□1 map外へはみ出しての行動は不可
b■□□□□□□1□ □=草原
c■□□□□□1□□ ■=木(通行不可)
d■□□□1□□□□
e■■■■□□□□□ 1=コオロギ歪虚
f□□□□□□□1□
g□□□□□□□□□
h□□□□□□□□□ ハ=ハンターの初期位置
i□□□□ハ□□□□
※ハンターは事前に敵配置などの詳細を知りません。
●敵情報
名前 生命力 回避 受け 受防 防御 攻撃 命中 移動 性格 行動
コオロギ(雑魔) 低 高 中 激低 低 低 中 中 単純 本能のままに行動
※コオロギ歪虚の体長は二メートル程度。ジャンプし、押し潰す攻撃をしてくる。近距離のみ。
※不利を察すると逃げる。mapの各端に重なり、二ラウンドが経過すると逃げられてしまう。到達後から数えて三ラウンド目になった時点で逃走。
※体力が半分以下になると逃げようとする。追いかけられると逆方向に逃げる。
●成功条件
成功=コオロギ歪虚の殲滅
失敗=コオロギ歪虚を一体でも逃がしてしまう
コオロギ歪虚の殲滅
●簡易map
※上から見下ろしてる感じになります。
ABCDEFGHI 1マス=4sq。移動や射程などが影響を受ける
a■■■■□1□□1 map外へはみ出しての行動は不可
b■□□□□□□1□ □=草原
c■□□□□□1□□ ■=木(通行不可)
d■□□□1□□□□
e■■■■□□□□□ 1=コオロギ歪虚
f□□□□□□□1□
g□□□□□□□□□
h□□□□□□□□□ ハ=ハンターの初期位置
i□□□□ハ□□□□
※ハンターは事前に敵配置などの詳細を知りません。
●敵情報
名前 生命力 回避 受け 受防 防御 攻撃 命中 移動 性格 行動
コオロギ(雑魔) 低 高 中 激低 低 低 中 中 単純 本能のままに行動
※コオロギ歪虚の体長は二メートル程度。ジャンプし、押し潰す攻撃をしてくる。近距離のみ。
※不利を察すると逃げる。mapの各端に重なり、二ラウンドが経過すると逃げられてしまう。到達後から数えて三ラウンド目になった時点で逃走。
※体力が半分以下になると逃げようとする。追いかけられると逆方向に逃げる。
●成功条件
成功=コオロギ歪虚の殲滅
失敗=コオロギ歪虚を一体でも逃がしてしまう
マスターより
お世話になっております、鳴海惣流です。
今回の依頼は単純な雑魔討伐になります。
敵のレベルは低く、低レベルのハンターでも十分に対応可能となっています。
是非是非、この機会に遊んでみてください。
皆様の依頼への参加をお待ちしております。
よろしくお願いします
今回の依頼は単純な雑魔討伐になります。
敵のレベルは低く、低レベルのハンターでも十分に対応可能となっています。
是非是非、この機会に遊んでみてください。
皆様の依頼への参加をお待ちしております。
よろしくお願いします
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/12/23 06:27
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/15 23:56:07 |
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【相談】コオロギ退治 葛音 ステラ(ka5122) 人間(リアルブルー)|19才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2015/12/17 22:00:09 |