※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

★連動シナリオ「希望への『宣言』」のオープニングの続き★

●二人の歪虚
「つまり、街で派手に暴れろって事か」
　歪虚ズールが巨大な体躯を楽しげに揺らした。
　そろそろ、小さい村でコソコソするのに飽きて来た所だ。
「お前ほどの実力があれば、街一つ簡単だろう」
　そう言ったのは歪虚ネル・ベルだ。
　二人は既にブルダズルダの街に入り混んでいた。今は使われていない廃屋に身を潜めている。
「それにしても、あの小娘、めんどくせぇ事になりやがって」
　悪態を突くズール。
　小娘とは少女ノゾミの事であった。この街のどこかに囚われているらしいのだ。
「今回の作戦は救出ではない」
「……そうなのか？　意外だぜ」
　てっきり、従者を助ける為だと思っていただけにズールは拍子抜けした。
「これを貴様に預ける。決して開けるな。後で回収するからな」
　しっかりと蝋で封がされた書状を投げ寄こすネル・ベル。それを乱暴に受け取ったズールは興味無さそうに懐にしまった。
「で、いつから、始めていいんだ？」
　不気味な笑みを浮かべてズールは訊ねた。

●ソルラの決意
　部屋の扉が閉まる音が響いた。
　厳しい表情と姿勢を保っていたソルラは崩れるようにソファーに腰掛ける。
「そんな……急に……」
　歪虚の協力者と思われる少女ノゾミの移送が急遽決まったのだ。
　街中に歪虚が潜んでいるのではないかという情報が騎士団本部に伝わったらしい。
　ソルラが持つ歪虚の存在を知らせる装置のランプもずっと点きっぱなしであるが、これは伏せていた。
「ノゾミさん……」
　なんとか救いたかった。
　このまま移送されれば、どういう結果になるか容易に想像はつく。
　まずは厳しい拷問が待っているはずだ。
「…………」
　縁ある人から贈られた赤い刀身を持つ直剣を手に取った。
　苦しい結末が待っているのであれば……自らの手で始末をつけるべきではないのか……。
　『アルテミス』小隊には独自の権限が与えられている。歪虚協力者と思われる容疑者を、断罪する事も不可能ではない。
　意を決したソルラは剣を手にしたまま、部屋を飛び出して行った。

●歪虚襲撃
「隊長、報告と確認があり……あれ？　隊長？」
　ソルラが飛び出していってしばらくしてから兵士達が入ってきた。
　だが、部屋の主はいない。無断外出するという事が今までなかっただけに、兵士達は困惑する。
「まいったな……移送の護衛を、この街の衛兵らに任せるのか、小隊で行うのか、確認が取れない」
「とりあえず、相手側の申し出をそのまま受けるしかないな。俺達余所者だし」
　そんな事を兵士達は話し合っていた。
　そこへ別の小隊員が駆け込んでくる。
「た、大変です！　隊長！　って、あれ？」
　酷く慌てた様子だが、隊長の姿が見えない事に首を傾げる。
　先に居た兵士達は肩を竦めた。
「隊長はいねぇよ。で、どうしたんだ？」
「街中で歪虚が暴れてるって！」
「な、なんだってぇ！！」
　急いで部屋の窓に飛びつく兵士達。
　彼らの目に映ったのは、街の様子だった。特に煙が上がっているわけでもない様子だが……。
「俺達だけじゃ、やれないぞ」
「そうだ！　ハンター達に頼もう！」
　一人の兵士が提案した。
　隊長が不在だが、もはや、一刻の猶予もないのは明らかだ。事後報告にはなるが、兵士達はハンターを呼ぶべく走りだした。

●とある街道にて
　一台の馬車がブルダズルダの街へと向かっていた。
　特殊な魔導冷蔵庫を備えた馬車だ。冷蔵庫の中には、鮮度を保つ必要がある食材が満載しているが、カモフラージュの為だ。
　奥深くに、とても、人には見せられないなにかが載っている。
「ふぅ……間に合いそうじゃの……」
　『戦慄の機導師』オキナが遠くに見える街をみつめながら呟いた。
　街までもう後少しだ――そう思って視線を別の方向へ向けた時だった。
「あれは、フレッサ領の兵士達か」
　武装している一団。
　数は多くない様だが、戦場に行くような程、重装備であるのは一目で分かった。
「ふむ。つまり、いよいよ、動くのじゃな」
　ニヤリとオキナは笑った。

●目的
歪虚勢力の撃退

●内容
ブルダズルダの街で暴れている歪虚勢力を撃退する。

●歪虚ネル・ベル
ＮＰＣ欄を確認して下さい。

●歪虚ズール
登場シナリオは≪『称賛』されない男≫を参照の事。
街中を暴れ回っている模様。

●雑魔
スライム状の雑魔。覚醒者であれば簡単に倒せる強さであるが、一般人には脅威。
街の至る所で出現している。

●ソルラ・クート
ＮＰＣ欄を確認して下さい。
（ＰＬ情報：ネル・ベルだけを探しており、探索ポイントが40点溜まっています）

●アルテミス小隊
ノゾミの警護に専念しており、協力は望めません。

●ブルダズルダの街の衛兵・兵士
街中での混乱に追われています。一部は火事場泥棒と化しています。
ハンター達に極めて敵対的であり、地図や情報などの提供はありません。

●ブルダズルダの街
歪虚勢力の出現により、街中は大混乱しています。

●探索ルール
便宜上、特別な判定を行います。
全員に順番で【瞬発】＋【直感】を基本値として各種修正値をつけて判定します。
判定をパスする事もできます（判定回数に含めます）。
成功する度に、探索ポイントを１点得て、【ネル・ベル探索】【ズール探索】【ソルラ探索】のいずれか、ランダムに割り振られます。
プレイング上で指定すれば、一つの項目に加算できます。

発見まで必要な探索ポイントは以下の通り
【ネル・ベル】50点
【ズール】30点
【ソルラ】15点

探索ポイントが判定で達した時点で、『おおよそ発見した』と見なします。
発見した人物に対応する人は、以後、探索に参加できず、会話や戦闘などに入る事になります。

判定に失敗した場合、スライム状の雑魔との遭遇戦の可能性があります。
その場合、1戦闘につき、1探索判定分を消費します。

●サポート枠
描写の保障はありません。ご利用方法を確認の上、必要であれば、ご利用下さい。

●その他
質問卓には、まるごとねるべるを被ったなにかが対応いたします。

●ご挨拶
皆さん、お元気ですか？　久々の個人連動シナリオとなっています。
当依頼は、≪希望への『宣言』≫シナリオと連動しています。
≪希望への『宣言』≫シナリオで達成度を上げる為の条件の一つとして、当依頼の達成度が『成功』以上が必要となります。
また、双方、連動シナリオに参加されるキャラクターが若干、リプレイ内に登場する可能性もあります。

●攻略のヒント
ソルラとネル・ベルの合流は防いだ方が良い……かも知れません。
なお、歪虚発見・撃退が遅れると、その分、街の被害が大きくなっていく事も忘れずに。