ゲスト
(ka0000)
一つの身体に二つ
マスター:天田洋介

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/12/22 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/12/31 22:00
オープニング
グラズヘイム王国の北部。一両の荷馬車が丘陵の狭間を駆ける。
「噂だ噂。あんなところに盗賊なんて眉唾だし歪虚はなおさらだ」
「だけどよ。この間も馬車が行方不明になったのは事実だぞ。俺の知り合いだったからな」
御者台に座る男二人が話題にしていたのはこの先の湿地帯についてだ。
「存外、道でも踏み外して沼に落ちたんだろうさ。ガキの頃から御者をやっている俺に任せておけよ。そんなドジはしねぇよ」
「だか悲鳴を聞いた奴もいるんだよ」
彼らが住む町から行商先の別の町へ向かうには湿地帯を通り抜けるか、それを迂回するかを選択しなければならなかった。
到着まで湿地帯なら二時間強。迂回すると約九時間。違いは歴然である。
結局、御者の判断で湿地帯が選ばれた。まもなく湿地帯に差し掛かる。道は沼の間を縫うように曲がりくねっていた。とはいえ、かろうじて馬車や荷馬車がすれ違えるだけの道幅はある。
視界の中に自分達以外の馬車や荷馬車は見当たらない。盗賊や歪虚の出現を心配していた白髪交じりの男も、別のことを考えだす。
「冷えるな。晩飯だが身体が温まるのがいいな」
「それならいい料理屋を知っているぞ。町に着いてこいつを宿に停めたらすぐに……」
男二人が話していると沼の中から何かが飛びだしてきた。濁った半透明状の球体に人型の上半身が二つ繋がっている。足はどれもシカのそれに似ていたが六本あった。
「ば、化け物!!」
御者の男が立ちはだかる歪虚を避けようと手綱を撓らせる。間一髪で避けたものの、すれ違う赤髪人型の腕から炎が噴かれた。
避けられず荷馬車は大炎上。牽いていた馬達が暴れて男二人と共に沼の底へ沈んでいった。
沼に落ちた荷馬車を眺めながら歪虚『ギガジャ』の片割れ、金髪人型がため息をつく。
「もっと偉い身分の人間を狙うと、この前約束したばかりだろ。普通の人間をやたらに殺していたら誰も近寄らなくなってしまうぞ」
「ついな、殺したくなっちまうのよ。すまんすまん」
金髪人型が赤髪人型に注意を促す。赤髪人型が憤怒のツォーン。金髪人型が傲慢のアイテルカイトだ。
数ヶ月前、怒り狂っていた赤髪のツォーンを金髪のアイテルカイトが止めようとする一幕があった。その際に不幸にも同化によって金髪が取り込まれてしまったのである。
それ以来、二体の歪虚は一つの身体を共有し続けていた。性格がまったく違う歪虚同士だが、今のところ折り合いはついている。
ギガジャは再び沼へ身体を沈める。金持ちか貴族、または騎士に狙いを定めて静かに待ち続けるのだった。
ここは行商の男二人が住んでいた村。
「……ここまで不幸が重なったのなら、偶然で片付けるわけにはいかんの」
帰宅予定日から十日が過ぎても男二人は戻ってこなかった。村長はついに重い腰をあげる。
翌日、村の代表者が湿地帯を迂回して隣町へと向かう。村長の指示通りにハンターズソサエティー支部へ魔導伝話をかけた。
「湿地帯で失踪事件が相次いでいます。真相を暴き、原因を取り除いてもらいたいのですが――」
ハンター一行を乗せた馬車が村へ辿り着いたのはそれから五日後のことだった。
「噂だ噂。あんなところに盗賊なんて眉唾だし歪虚はなおさらだ」
「だけどよ。この間も馬車が行方不明になったのは事実だぞ。俺の知り合いだったからな」
御者台に座る男二人が話題にしていたのはこの先の湿地帯についてだ。
「存外、道でも踏み外して沼に落ちたんだろうさ。ガキの頃から御者をやっている俺に任せておけよ。そんなドジはしねぇよ」
「だか悲鳴を聞いた奴もいるんだよ」
彼らが住む町から行商先の別の町へ向かうには湿地帯を通り抜けるか、それを迂回するかを選択しなければならなかった。
到着まで湿地帯なら二時間強。迂回すると約九時間。違いは歴然である。
結局、御者の判断で湿地帯が選ばれた。まもなく湿地帯に差し掛かる。道は沼の間を縫うように曲がりくねっていた。とはいえ、かろうじて馬車や荷馬車がすれ違えるだけの道幅はある。
視界の中に自分達以外の馬車や荷馬車は見当たらない。盗賊や歪虚の出現を心配していた白髪交じりの男も、別のことを考えだす。
「冷えるな。晩飯だが身体が温まるのがいいな」
「それならいい料理屋を知っているぞ。町に着いてこいつを宿に停めたらすぐに……」
男二人が話していると沼の中から何かが飛びだしてきた。濁った半透明状の球体に人型の上半身が二つ繋がっている。足はどれもシカのそれに似ていたが六本あった。
「ば、化け物!!」
御者の男が立ちはだかる歪虚を避けようと手綱を撓らせる。間一髪で避けたものの、すれ違う赤髪人型の腕から炎が噴かれた。
避けられず荷馬車は大炎上。牽いていた馬達が暴れて男二人と共に沼の底へ沈んでいった。
沼に落ちた荷馬車を眺めながら歪虚『ギガジャ』の片割れ、金髪人型がため息をつく。
「もっと偉い身分の人間を狙うと、この前約束したばかりだろ。普通の人間をやたらに殺していたら誰も近寄らなくなってしまうぞ」
「ついな、殺したくなっちまうのよ。すまんすまん」
金髪人型が赤髪人型に注意を促す。赤髪人型が憤怒のツォーン。金髪人型が傲慢のアイテルカイトだ。
数ヶ月前、怒り狂っていた赤髪のツォーンを金髪のアイテルカイトが止めようとする一幕があった。その際に不幸にも同化によって金髪が取り込まれてしまったのである。
それ以来、二体の歪虚は一つの身体を共有し続けていた。性格がまったく違う歪虚同士だが、今のところ折り合いはついている。
ギガジャは再び沼へ身体を沈める。金持ちか貴族、または騎士に狙いを定めて静かに待ち続けるのだった。
ここは行商の男二人が住んでいた村。
「……ここまで不幸が重なったのなら、偶然で片付けるわけにはいかんの」
帰宅予定日から十日が過ぎても男二人は戻ってこなかった。村長はついに重い腰をあげる。
翌日、村の代表者が湿地帯を迂回して隣町へと向かう。村長の指示通りにハンターズソサエティー支部へ魔導伝話をかけた。
「湿地帯で失踪事件が相次いでいます。真相を暴き、原因を取り除いてもらいたいのですが――」
ハンター一行を乗せた馬車が村へ辿り着いたのはそれから五日後のことだった。
解説
歪虚『ギガジャ』を湿地帯から追いだしてください。(憤怒ツォーンに傲慢アイテルカイトが取り込まれています)
みなさんはOP上で発生している襲撃内容を知りません。湿地帯で行方不明者が続出し、それを心配した近隣の村長が依頼をしてきたといった流れを把握しているだけです。
ギガジャの主導権は赤髪人型が支配しています。但し、金髪人型も上半身を使った攻撃なら独立して行えます。
攻撃方法は秘密ですが、遠隔攻撃系が多いです。
常識的な必要経費は村長持ちです。滞在中の寝泊まりや食事は提供されます。
質問があればハンターオフィス職員のフミナ・エミエール(kz0131)が卓で答えます。質問締め切りは出発の一日前までです。
みなさんはOP上で発生している襲撃内容を知りません。湿地帯で行方不明者が続出し、それを心配した近隣の村長が依頼をしてきたといった流れを把握しているだけです。
ギガジャの主導権は赤髪人型が支配しています。但し、金髪人型も上半身を使った攻撃なら独立して行えます。
攻撃方法は秘密ですが、遠隔攻撃系が多いです。
常識的な必要経費は村長持ちです。滞在中の寝泊まりや食事は提供されます。
質問があればハンターオフィス職員のフミナ・エミエール(kz0131)が卓で答えます。質問締め切りは出発の一日前までです。
マスターより
ジャンルは調査ですが、戦闘成分50パーセントです。
証拠は一つもありませんので、みなさんも半信半疑で湿地帯に向かうことになります。以前にたまたま遠方にいた村の一人が悲鳴を聞いていますがそれだけです。
ギガジャは不意打ちが信条のようで、正体がばれたら湿地帯から立ち去るはずです。
どうかよろしくお願いしますね。
証拠は一つもありませんので、みなさんも半信半疑で湿地帯に向かうことになります。以前にたまたま遠方にいた村の一人が悲鳴を聞いていますがそれだけです。
ギガジャは不意打ちが信条のようで、正体がばれたら湿地帯から立ち去るはずです。
どうかよろしくお願いしますね。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/12/30 00:43
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/20 03:37:55 |
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相談 貪狼(ka5799) 鬼|18才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2015/12/22 20:31:22 |
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質問卓 テノール(ka5676) 人間(クリムゾンウェスト)|26才|男性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2015/12/21 18:42:31 |