ゲスト
(ka0000)
乙女たち、少年想いて墓参り
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/12/29 09:00
- リプレイ完成予定
- 2016/01/07 09:00
オープニング
●歌声
イノア・クリシスは父に代わり、町であったチャリティーコンサートに顔を出した。愛らしい子らの歌声や有志の大人たちの本格的に近い歌、リアルブルーの音楽と融合したらしい音楽……さまざまな音楽が駆け巡る。
その中でイノアは思い出す、母と兄がいた幼い頃を。
父は領内と他の貴族とのやり取りで忙殺されていたが、それも領内の民のため。
母は領内の民の貧しい人を救おうと毎日活動にいそしむ。それにイノアは付いて回る。
兄は勉強と武術の鍛錬に追われる中、領民との交流も兼ね歌の練習に教会へ通う。教会には歌を教える司祭がおり、合唱団があった。その司祭が言うには、兄ほどの歌い手はこれまでいなかったとほめたたえていた。
それはイノアにとって誇らしいことであった。外見もよく、文武両道、歌もうまいが優しすぎた。イノアがわがまま言っても怒らないで困ったように微笑んでいるのが常であった。
唯一怒ったのが、兄が最期の日。兄をからかった時だった。
『やめろっ! それは……』
『恋文? お兄様が……え? なにこれ……お兄様、なんで黙ってたのっ!』
『……』
妹に叱責されてニコラスは黙りこんだ。その手を引きイノアは父の下に急ぐ。兄は抵抗しなかった、悪いことをしたのをばれたというような雰囲気で。
あの時、あの時点でハンターを雇えていたらどう変わっていたのだろうか?
思いにふけっている間にコンサートは終わる。
帰宅すると一通の手紙が来ていた。
読んで驚いた、かつての友人たちが遊びにくるというのだ、兄の墓参りに。
「生活環境が変わるから、思い出を語りに? 懐かしいわ……本当、もう、信じられない」
イノアの目から涙があふれるのを止められなかった。
コンサートで子らの声を聞いたせいで感傷的になっているに違いないと思う。
「会わなくなって五年かしら? ふふっ、二人ともお兄様が現れると何を話しかけてもこちらを聞いてくれなかったのよねぇ」
兄の絵姿を見て苦笑した。
「ふふっ、見た目はいいけれど、性格が……」
薄い茶色の髪の少年は恥ずかしそうにどこか悲しそうな笑顔で絵の中にいる。
「それより……あの二人顔見知りだったかしら?」
今度遊びに行きたいと言っている二人は、イノアの遊び相手として来ていた。二人の身分が違うためクリシス家が配慮し、同時と遊びに来ることはなかった。親同士が決めた遊び相手であったが、イノアも彼女たちも関係なく仲良くなった。
一緒に来ると言うが接点が見えず、イノアは不思議がった。
●偶然の依頼人たち
隣の領地の町に行く護衛を頼みに、貴族の娘であるディナ・アリシスと商人の娘シェーラ・テシスが同時にハンターズソサエティの支部の扉をくぐった。
受付を待っている間に、年が近い二人はあれこれ話していた。互いの目的が一緒としり、二人は意気投合していた。身分は意外と関係なかった。
職員に二人で依頼を出す。
「つまり、隣の……クリシス様の領地に行くための護衛が欲しいと言うことですね?」
あの近辺は平地も川もあるが、丘陵地帯があるため、危険地帯も多い道がある。危険は野生の動物から人間の悪党まで様々だ。大きな事件はほとんど起きていないが、先月にゴブリンが大挙して村を襲ったという話も耳にしている。情勢は不安定であり、行けるなら今しかないという二人の思いも職員は理解した。
「はいっ! これを逃したらディナさまもあたしも、イノア様にお会いする機会が掴めないと思いました」
シェーラがきっぱりと言う。
二人とも結婚や寮がある学校入るやらで環境が変わる。環境が変わるだけでなく、行動も変わってしまう。
「イノアちゃんにお会いするのもあるけれど、ニコラス様のお墓参りも……」
「初恋ですから!」
「そ、それははっきり言わないでください」
ディナは顔を真っ赤にしてシェーラに怒る。
「初恋ですか?」
職員はにこにこと笑う。ディナは貴族の娘であるし、結びつきを強くするといって婚約者になっていた可能性もあるのではないかと考える。シェーラの場合はなかなか難しいだろうが、単純にかっこいい王子様みたいな雰囲気でその人物を見ていたのかもしれない。
故人であるし、この職員がニコラス・クリシスを知り合えることはない。
「こんなつまらない依頼を受けていただけます?」
「……ぜひ、恋の話でもしながら? あ、ディナさまはご結婚が……」
「別です、それとこれは。夫となる方は素敵な人です、嫌々結婚するわけではないですので安心してください」
「ふふっ、そうですか……? すみません、差し出がましいことを言って」
「いえ、心配して下さるみたいなので嬉しいです」
職員は依頼を受理した。
イノア・クリシスは父に代わり、町であったチャリティーコンサートに顔を出した。愛らしい子らの歌声や有志の大人たちの本格的に近い歌、リアルブルーの音楽と融合したらしい音楽……さまざまな音楽が駆け巡る。
その中でイノアは思い出す、母と兄がいた幼い頃を。
父は領内と他の貴族とのやり取りで忙殺されていたが、それも領内の民のため。
母は領内の民の貧しい人を救おうと毎日活動にいそしむ。それにイノアは付いて回る。
兄は勉強と武術の鍛錬に追われる中、領民との交流も兼ね歌の練習に教会へ通う。教会には歌を教える司祭がおり、合唱団があった。その司祭が言うには、兄ほどの歌い手はこれまでいなかったとほめたたえていた。
それはイノアにとって誇らしいことであった。外見もよく、文武両道、歌もうまいが優しすぎた。イノアがわがまま言っても怒らないで困ったように微笑んでいるのが常であった。
唯一怒ったのが、兄が最期の日。兄をからかった時だった。
『やめろっ! それは……』
『恋文? お兄様が……え? なにこれ……お兄様、なんで黙ってたのっ!』
『……』
妹に叱責されてニコラスは黙りこんだ。その手を引きイノアは父の下に急ぐ。兄は抵抗しなかった、悪いことをしたのをばれたというような雰囲気で。
あの時、あの時点でハンターを雇えていたらどう変わっていたのだろうか?
思いにふけっている間にコンサートは終わる。
帰宅すると一通の手紙が来ていた。
読んで驚いた、かつての友人たちが遊びにくるというのだ、兄の墓参りに。
「生活環境が変わるから、思い出を語りに? 懐かしいわ……本当、もう、信じられない」
イノアの目から涙があふれるのを止められなかった。
コンサートで子らの声を聞いたせいで感傷的になっているに違いないと思う。
「会わなくなって五年かしら? ふふっ、二人ともお兄様が現れると何を話しかけてもこちらを聞いてくれなかったのよねぇ」
兄の絵姿を見て苦笑した。
「ふふっ、見た目はいいけれど、性格が……」
薄い茶色の髪の少年は恥ずかしそうにどこか悲しそうな笑顔で絵の中にいる。
「それより……あの二人顔見知りだったかしら?」
今度遊びに行きたいと言っている二人は、イノアの遊び相手として来ていた。二人の身分が違うためクリシス家が配慮し、同時と遊びに来ることはなかった。親同士が決めた遊び相手であったが、イノアも彼女たちも関係なく仲良くなった。
一緒に来ると言うが接点が見えず、イノアは不思議がった。
●偶然の依頼人たち
隣の領地の町に行く護衛を頼みに、貴族の娘であるディナ・アリシスと商人の娘シェーラ・テシスが同時にハンターズソサエティの支部の扉をくぐった。
受付を待っている間に、年が近い二人はあれこれ話していた。互いの目的が一緒としり、二人は意気投合していた。身分は意外と関係なかった。
職員に二人で依頼を出す。
「つまり、隣の……クリシス様の領地に行くための護衛が欲しいと言うことですね?」
あの近辺は平地も川もあるが、丘陵地帯があるため、危険地帯も多い道がある。危険は野生の動物から人間の悪党まで様々だ。大きな事件はほとんど起きていないが、先月にゴブリンが大挙して村を襲ったという話も耳にしている。情勢は不安定であり、行けるなら今しかないという二人の思いも職員は理解した。
「はいっ! これを逃したらディナさまもあたしも、イノア様にお会いする機会が掴めないと思いました」
シェーラがきっぱりと言う。
二人とも結婚や寮がある学校入るやらで環境が変わる。環境が変わるだけでなく、行動も変わってしまう。
「イノアちゃんにお会いするのもあるけれど、ニコラス様のお墓参りも……」
「初恋ですから!」
「そ、それははっきり言わないでください」
ディナは顔を真っ赤にしてシェーラに怒る。
「初恋ですか?」
職員はにこにこと笑う。ディナは貴族の娘であるし、結びつきを強くするといって婚約者になっていた可能性もあるのではないかと考える。シェーラの場合はなかなか難しいだろうが、単純にかっこいい王子様みたいな雰囲気でその人物を見ていたのかもしれない。
故人であるし、この職員がニコラス・クリシスを知り合えることはない。
「こんなつまらない依頼を受けていただけます?」
「……ぜひ、恋の話でもしながら? あ、ディナさまはご結婚が……」
「別です、それとこれは。夫となる方は素敵な人です、嫌々結婚するわけではないですので安心してください」
「ふふっ、そうですか……? すみません、差し出がましいことを言って」
「いえ、心配して下さるみたいなので嬉しいです」
職員は依頼を受理した。
解説
護衛依頼です。
●道中
歩きを想定しています。
そのため間、一泊しようと計画しています、町の宿屋で。
安全な街道でも人通りが少ない森などがあり、慣れていない人には恐怖がわきます。
想定される危機は、通りすがりのゴブリンやコボルドに出会う、腹ペコ狼集団に遭遇する。ディナが足をくじいたり、シェーラが荷物持ちすぎでへばる事です。
●NPC
・ディナ・アリシス 18歳、貴族の娘で結婚も決まりました。別に相手に不満はありませんが、ちょっと思い出に浸ってます。おっとりとしたお嬢様、長距離歩くのは難しいかも?
・シェーラ・テシス 16歳、商人の娘。勉強の為、町を離れます。商人として身を立てるかもしれないと考えると、町に戻ってくることも減るのではと考えてます。元気印の少女です。
・イノア・クリシス 15歳、領主の娘。ディナとシェーラの初恋の相手の妹であり、遊び相手として付き合いがありました。最初は義務的だったようですが、馬は合い離れた後も季節の手紙のやり取りはしていました。
・ニコラス・クリシス 享年14歳、美少年。文武両道等あるけれど歌がうまいくらいで特徴のない子。
●参考
「乙女悩ます、収穫と栗のランタン」「乙女、父の無事の帰りを祈る」にイノア・クリシス出てますが、読んでもいいし、読まなくてもいいです。
●道中
歩きを想定しています。
そのため間、一泊しようと計画しています、町の宿屋で。
安全な街道でも人通りが少ない森などがあり、慣れていない人には恐怖がわきます。
想定される危機は、通りすがりのゴブリンやコボルドに出会う、腹ペコ狼集団に遭遇する。ディナが足をくじいたり、シェーラが荷物持ちすぎでへばる事です。
●NPC
・ディナ・アリシス 18歳、貴族の娘で結婚も決まりました。別に相手に不満はありませんが、ちょっと思い出に浸ってます。おっとりとしたお嬢様、長距離歩くのは難しいかも?
・シェーラ・テシス 16歳、商人の娘。勉強の為、町を離れます。商人として身を立てるかもしれないと考えると、町に戻ってくることも減るのではと考えてます。元気印の少女です。
・イノア・クリシス 15歳、領主の娘。ディナとシェーラの初恋の相手の妹であり、遊び相手として付き合いがありました。最初は義務的だったようですが、馬は合い離れた後も季節の手紙のやり取りはしていました。
・ニコラス・クリシス 享年14歳、美少年。文武両道等あるけれど歌がうまいくらいで特徴のない子。
●参考
「乙女悩ます、収穫と栗のランタン」「乙女、父の無事の帰りを祈る」にイノア・クリシス出てますが、読んでもいいし、読まなくてもいいです。
マスターより
こんにちは。
ほのぼのとしているような、ちょっと休息があるようなシナリオの目指しました。
護衛とは言いますが、よほど「恋の話」に夢中にならない限り問題はないです。
よろしくお願いします。
ほのぼのとしているような、ちょっと休息があるようなシナリオの目指しました。
護衛とは言いますが、よほど「恋の話」に夢中にならない限り問題はないです。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/01/04 09:21
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/28 07:57:05 |
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相談卓 エリオ・アスコリ(ka5928) 人間(クリムゾンウェスト)|17才|男性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2015/12/28 08:06:57 |