ゲスト
(ka0000)
忘れられた詩をもう一度
マスター:雨龍一

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/08/12 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/08/26 19:00
オープニング
美しい月を見て、泣くことはあるだろう
散り逝く花を見て、泣くことはあるだろう
だが、彼女は泣くことがない……
彼女の心は、止まったままだからだ――
「まだかい?」
男がカウンターに座ると、マスターがグラスを磨きながら聞いてきた。
ここは、王都の片隅にある憩いの場だ。主に旅の者を相手にする、少しだけ草臥れた感じのする場所だった。
手を止めるマスターに頷きながら、男はいつものを――と、注文をする。
すぐさま琥珀色の液体がグラスへと注がれた。
「――あいつの笑顔が見たい」
零れ落ちた言葉に、マスターは表情を歪める。
ふと、視界に店の一角が入った。
花、だ。
「あれは――」
細身からふっくらとしたドレスを思わせるフォームの花びらに視線が吸い込まれる。先端が星のように広がっている。
彼女が、好きだった花だ。
「あぁ、こないだ来た旅人が持っていてな」
あの花を抱えて、この店の片隅で見た姿がつぶさに思い出せる。
「だが、あの花はここら辺には……」
そう、あれはここでは売られていない花だ。見ることはほとんどない。
「旅人がな、見つけたっていってたんだよ。妖精の花畑を」
妖精の花畑――そこには様々な季節の花が咲き乱れるという。
その花に合わせた妖精たちが宴を開いているというのだ。そして、見つかった時には瞬時に無くなるともいう――不思議な、花畑だ。
「妖精――」
見れるものは今や少ないとも言われている。彼らは、その姿をめったに見せない。
「ば、場所は! いや、その前にその旅人は!!」
あの花さえあれば、再び戻ってくるかもしれない。ある時を境にふさぎ込んだ彼女の心が。
「ま、待て待て。お前のことだ、知りたいというと思って聞いてある」
懐から取り出した紙に書かれていたのは、ここから少し遠い場所だった。
そしてそこは――
「ただ、条件がある。ここには、お前は行くな」
「な、なぜだ!」
「――途中にある湖が危ないらしい」
平地の王都周辺では所々林がある。そして、この書き記されている場所もその一角だ。
その林の中に、どうやら湖があるらしい。
「……じゃあ、俺はどうしたらいいんだっ!」
振り落とされた拳で、グラスが揺れる。
「俺も手を貸そう――あの歌姫には戻ってきてほしい」
彼女の唄声が消えてからというもの、この店も人の出入りが少なくなっている。
自分の時を止めてしまった彼女を、起こす軌跡がほしい。
「そして、お前も詩を綴っておくれ」
男の詩を彼女が唄う。その姿が、もう一度見たいと。
散り逝く花を見て、泣くことはあるだろう
だが、彼女は泣くことがない……
彼女の心は、止まったままだからだ――
「まだかい?」
男がカウンターに座ると、マスターがグラスを磨きながら聞いてきた。
ここは、王都の片隅にある憩いの場だ。主に旅の者を相手にする、少しだけ草臥れた感じのする場所だった。
手を止めるマスターに頷きながら、男はいつものを――と、注文をする。
すぐさま琥珀色の液体がグラスへと注がれた。
「――あいつの笑顔が見たい」
零れ落ちた言葉に、マスターは表情を歪める。
ふと、視界に店の一角が入った。
花、だ。
「あれは――」
細身からふっくらとしたドレスを思わせるフォームの花びらに視線が吸い込まれる。先端が星のように広がっている。
彼女が、好きだった花だ。
「あぁ、こないだ来た旅人が持っていてな」
あの花を抱えて、この店の片隅で見た姿がつぶさに思い出せる。
「だが、あの花はここら辺には……」
そう、あれはここでは売られていない花だ。見ることはほとんどない。
「旅人がな、見つけたっていってたんだよ。妖精の花畑を」
妖精の花畑――そこには様々な季節の花が咲き乱れるという。
その花に合わせた妖精たちが宴を開いているというのだ。そして、見つかった時には瞬時に無くなるともいう――不思議な、花畑だ。
「妖精――」
見れるものは今や少ないとも言われている。彼らは、その姿をめったに見せない。
「ば、場所は! いや、その前にその旅人は!!」
あの花さえあれば、再び戻ってくるかもしれない。ある時を境にふさぎ込んだ彼女の心が。
「ま、待て待て。お前のことだ、知りたいというと思って聞いてある」
懐から取り出した紙に書かれていたのは、ここから少し遠い場所だった。
そしてそこは――
「ただ、条件がある。ここには、お前は行くな」
「な、なぜだ!」
「――途中にある湖が危ないらしい」
平地の王都周辺では所々林がある。そして、この書き記されている場所もその一角だ。
その林の中に、どうやら湖があるらしい。
「……じゃあ、俺はどうしたらいいんだっ!」
振り落とされた拳で、グラスが揺れる。
「俺も手を貸そう――あの歌姫には戻ってきてほしい」
彼女の唄声が消えてからというもの、この店も人の出入りが少なくなっている。
自分の時を止めてしまった彼女を、起こす軌跡がほしい。
「そして、お前も詩を綴っておくれ」
男の詩を彼女が唄う。その姿が、もう一度見たいと。
解説
花を探してくる依頼です。
花の特徴は細い筒状で花の先端が膨らんで5つに裂け、星のように見えています。
色は様々あるようですが、彼が求めているのは白のようです。
向かう途中で湖があり、そこには現在蛇のようなものが居座っているようです。
その湖を抜けると、開かれた場所――妖精の花畑と呼ばれる場所が存在しているとのこと。
しかし、妖精たちは繊細です。
荒々しく近づけば途端に花畑は失ってしまうと言われています。
●敵
・蛇型
・大きさが10メートルにも及ぶ大蛇
・鋭い牙には毒が仕込まれており、噛み付かれたら麻痺をを齎す
・湖周辺には木々の他に草が生い茂っており、環境的には動き辛い
●
・マスター
お髭の似合う中年。年齢不詳。
旅人を相手するBar的なものを王都の一角で営んでいる。
・男
詩人。店の常連。
彼女が心を閉ざしたのをきっかけにスランプへと陥った。
・彼女
店の歌い手。
ある日突然として心を閉ざしてしまい、何に対しても反応を見せようとしない。
医師からの診断では身体に問題は見られないものの、このままだと危険だろうという事。
意思は表に出さないが、基本的な生活は身体が勝手に動く状況。
花の特徴は細い筒状で花の先端が膨らんで5つに裂け、星のように見えています。
色は様々あるようですが、彼が求めているのは白のようです。
向かう途中で湖があり、そこには現在蛇のようなものが居座っているようです。
その湖を抜けると、開かれた場所――妖精の花畑と呼ばれる場所が存在しているとのこと。
しかし、妖精たちは繊細です。
荒々しく近づけば途端に花畑は失ってしまうと言われています。
●敵
・蛇型
・大きさが10メートルにも及ぶ大蛇
・鋭い牙には毒が仕込まれており、噛み付かれたら麻痺をを齎す
・湖周辺には木々の他に草が生い茂っており、環境的には動き辛い
●
・マスター
お髭の似合う中年。年齢不詳。
旅人を相手するBar的なものを王都の一角で営んでいる。
・男
詩人。店の常連。
彼女が心を閉ざしたのをきっかけにスランプへと陥った。
・彼女
店の歌い手。
ある日突然として心を閉ざしてしまい、何に対しても反応を見せようとしない。
医師からの診断では身体に問題は見られないものの、このままだと危険だろうという事。
意思は表に出さないが、基本的な生活は身体が勝手に動く状況。
マスターより
雨龍一です。
なぜか頭に浮かんだカナリア。
忘れたのは声ではなく、それを唄う心ですが。
求める花は、希望――この状況、あなたならどんな手を差し伸べますか?
なぜか頭に浮かんだカナリア。
忘れたのは声ではなく、それを唄う心ですが。
求める花は、希望――この状況、あなたならどんな手を差し伸べますか?
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/09/13 20:27
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談場 クロード・オールドマン(ka0365) 人間(リアルブルー)|30才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/08/12 01:12:18 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/08/08 23:20:49 |