ゲスト
(ka0000)
彼等の説得
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/01/02 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/01/11 19:00
オープニング
●
子ども達の間で、お化け屋敷、と言われる廃工場がある。
蒸気工場都市フマーレの商業区、その一角に嘗て佇んでいた教会。信仰の廃れたその教会を改装して稼働した工場は転々、持ち主を変えて商品を変えて。今では崩れ掛かった廃墟となっている。
柵の1箇所が破れて、子供が潜るのに丁度良い穴が開いているそこは、少し危なくて、面白い物や珍しい物が沢山見付かる遊び場だった。
過日、そのお化け屋敷で人が死んだと伝えられた。
辺りの警備が強化されたが、その翌日から、警備に集まる顔が1人2人と欠けていった。
それを逃れた1人の男が、お化け屋敷の近くで殺されそうになったと証言した。
欠けた警邏の中に友人が要るシオはその証言に胸を痛めたが、一時見回りを中断し、辺りを立ち入り禁止とする、近付こうとする住人や、遊びに来てしまった子ども達に声を掛けるようにと決まってしまった。
●×××
仕方ないと言う仲間達の話に項垂れてシオは帰途に就く。
恐らく殺されたであろう友人を思い、重い足を引き摺った。
足を止めて少しだけ通りの先を眺める。この道の先に件のお化け屋敷が建っている。と、思わず向かって仕舞いそうになりながら、ぱちん、と自分の頬を叩いて真っ直ぐ帰り道を歩いた。
不意の音に振り返るとそこに美しい和装に、白い容の姿があった。
華やかな着物に鈴の鳴る草履を履いて、結い上げた髪に簪と笄を挿している。
しゃんと、鈴の音を鳴らしながら一歩、シオに近付いてその顔を見詰めながらうっそりと微笑んだ。
「ねえ、お友達を助けに入ってあげないの? 殺されたというのなら、余計に、見回りなんてしていないで、さっさと犯人を捕まえて、冷たい亡骸を弔ってあげないと可哀想じゃない?」
「…………っ、あ、あなたは、だれっ」
「みんなそう思っているはずよ。あなたのお友達が亡くなって、悲しんでいるのはあなただけでは無いでしょう? ね、大丈夫。きっとあなたなら、みんなを説得出来るわ」
「…………」
「あなたが、お友達を、迎えに行ってあげないとね? お友達も、あなたのこと、待っているはずよ」
「……そう、ですね」
ガラス玉のような瞳でシオを見詰め、透き通る声で囁いて、その姿はすぐに見えなくなってしまった。
昇った月を見上げてシオは1人考える。彼奴が殺された、そのままで良いはずが無い。犯人は捕まえなくては。そして、彼奴を見付けてやらなくては。
「――嗚呼、武器が、いるなァ……」
仲間を誘って武器を揃えて、シオはゆっくりと引き返す。この時間にも何人か詰めているはずだ。
●
ハンターオフィスに相談が一つ持ち込まれた。街の警邏のリーダーからで、ある建物に殺人鬼か、或いは歪虚の類いが棲み着いたらしいというものだ。
オフィスの受付嬢が何点か聞き取り、対象が不明な間は周辺の確実な封鎖とハンターによる調査を行うと、話しがまとまり、その旨の依頼が掲示され、ハンターが集められた。
道すがら、ハンター達はこれまでの経緯の説明を受け、封鎖にはこちらも手を貸すと、リーダーは警邏の人員を名前を挙げながら数えていく。
ある1人の名前に差し掛かると口籠もり、彼は最初に殺されたと思われているメンバーの友人で、酷く落ち込んでいたと言い添えた。
相談や作戦を練るにも、詰め所はこの先だから、現場を見てから行こうかと道を一つ曲がる。
「滅多に人の来ない道だが、この辺りだと近道になることも多いし、子供たちが面白がって遊び場にしてしまうんだ」
通りを真っ直ぐに進んだ先黒い靄の掛かった建物を指し、あれだよ、と告げた。
ハンター達とリーダーがお化け屋敷に到着した時、シオと彼の話しに感化されたメンバーは、ハンター達の通った道を走っていた。
がしゃん、と背後で武装の音を聞く。
「誰だ、君たちは。そこを退いてくれ」
盾と警棒、拳銃を手にした警邏の男達が10人、シオを先頭に集まっている。
「し、シオ君……お前達どういうつもりだ、待機していろと言ったはずだ」
一瞬狼狽えながらも、リーダーはシオを見据えて詰め所へ戻れと命じる。シオ達は動かない。
「俺は彼奴を迎えに行きます。誰だろうと、邪魔をするなら」
脚を肩幅に開く、グリップは確りと握って両手で構える。ぎらつく片目で照門を覗き照星を睨む。
銃の扱いも、彼奴と一緒に覚えたんだ。
引き金に指を掛けた。
銃口は、リーダーの頭を狙っている。
男達もそれぞれが得物を握り締め、構えた。
●
警邏と睨み合うハンター達の背後、お化け屋敷と呼ばれる廃工場の庭に、惨殺された亡骸が積まれていた。
その中には警邏の男達と同じ格好の者もいる。華やかな和装に長い髪、髪間から角を覗かせた青白い肌の歪虚は首を裂いた亡骸を振り回し、飛び散る血で庭を染める。
「やっぱり赤は良い色。でも、庭を全部染めるには、まだまだ足りない……もうすぐ、追加のペンキが届くんだけど」
うっそりと笑って、表の声に耳を澄ませた。
子ども達の間で、お化け屋敷、と言われる廃工場がある。
蒸気工場都市フマーレの商業区、その一角に嘗て佇んでいた教会。信仰の廃れたその教会を改装して稼働した工場は転々、持ち主を変えて商品を変えて。今では崩れ掛かった廃墟となっている。
柵の1箇所が破れて、子供が潜るのに丁度良い穴が開いているそこは、少し危なくて、面白い物や珍しい物が沢山見付かる遊び場だった。
過日、そのお化け屋敷で人が死んだと伝えられた。
辺りの警備が強化されたが、その翌日から、警備に集まる顔が1人2人と欠けていった。
それを逃れた1人の男が、お化け屋敷の近くで殺されそうになったと証言した。
欠けた警邏の中に友人が要るシオはその証言に胸を痛めたが、一時見回りを中断し、辺りを立ち入り禁止とする、近付こうとする住人や、遊びに来てしまった子ども達に声を掛けるようにと決まってしまった。
●×××
仕方ないと言う仲間達の話に項垂れてシオは帰途に就く。
恐らく殺されたであろう友人を思い、重い足を引き摺った。
足を止めて少しだけ通りの先を眺める。この道の先に件のお化け屋敷が建っている。と、思わず向かって仕舞いそうになりながら、ぱちん、と自分の頬を叩いて真っ直ぐ帰り道を歩いた。
不意の音に振り返るとそこに美しい和装に、白い容の姿があった。
華やかな着物に鈴の鳴る草履を履いて、結い上げた髪に簪と笄を挿している。
しゃんと、鈴の音を鳴らしながら一歩、シオに近付いてその顔を見詰めながらうっそりと微笑んだ。
「ねえ、お友達を助けに入ってあげないの? 殺されたというのなら、余計に、見回りなんてしていないで、さっさと犯人を捕まえて、冷たい亡骸を弔ってあげないと可哀想じゃない?」
「…………っ、あ、あなたは、だれっ」
「みんなそう思っているはずよ。あなたのお友達が亡くなって、悲しんでいるのはあなただけでは無いでしょう? ね、大丈夫。きっとあなたなら、みんなを説得出来るわ」
「…………」
「あなたが、お友達を、迎えに行ってあげないとね? お友達も、あなたのこと、待っているはずよ」
「……そう、ですね」
ガラス玉のような瞳でシオを見詰め、透き通る声で囁いて、その姿はすぐに見えなくなってしまった。
昇った月を見上げてシオは1人考える。彼奴が殺された、そのままで良いはずが無い。犯人は捕まえなくては。そして、彼奴を見付けてやらなくては。
「――嗚呼、武器が、いるなァ……」
仲間を誘って武器を揃えて、シオはゆっくりと引き返す。この時間にも何人か詰めているはずだ。
●
ハンターオフィスに相談が一つ持ち込まれた。街の警邏のリーダーからで、ある建物に殺人鬼か、或いは歪虚の類いが棲み着いたらしいというものだ。
オフィスの受付嬢が何点か聞き取り、対象が不明な間は周辺の確実な封鎖とハンターによる調査を行うと、話しがまとまり、その旨の依頼が掲示され、ハンターが集められた。
道すがら、ハンター達はこれまでの経緯の説明を受け、封鎖にはこちらも手を貸すと、リーダーは警邏の人員を名前を挙げながら数えていく。
ある1人の名前に差し掛かると口籠もり、彼は最初に殺されたと思われているメンバーの友人で、酷く落ち込んでいたと言い添えた。
相談や作戦を練るにも、詰め所はこの先だから、現場を見てから行こうかと道を一つ曲がる。
「滅多に人の来ない道だが、この辺りだと近道になることも多いし、子供たちが面白がって遊び場にしてしまうんだ」
通りを真っ直ぐに進んだ先黒い靄の掛かった建物を指し、あれだよ、と告げた。
ハンター達とリーダーがお化け屋敷に到着した時、シオと彼の話しに感化されたメンバーは、ハンター達の通った道を走っていた。
がしゃん、と背後で武装の音を聞く。
「誰だ、君たちは。そこを退いてくれ」
盾と警棒、拳銃を手にした警邏の男達が10人、シオを先頭に集まっている。
「し、シオ君……お前達どういうつもりだ、待機していろと言ったはずだ」
一瞬狼狽えながらも、リーダーはシオを見据えて詰め所へ戻れと命じる。シオ達は動かない。
「俺は彼奴を迎えに行きます。誰だろうと、邪魔をするなら」
脚を肩幅に開く、グリップは確りと握って両手で構える。ぎらつく片目で照門を覗き照星を睨む。
銃の扱いも、彼奴と一緒に覚えたんだ。
引き金に指を掛けた。
銃口は、リーダーの頭を狙っている。
男達もそれぞれが得物を握り締め、構えた。
●
警邏と睨み合うハンター達の背後、お化け屋敷と呼ばれる廃工場の庭に、惨殺された亡骸が積まれていた。
その中には警邏の男達と同じ格好の者もいる。華やかな和装に長い髪、髪間から角を覗かせた青白い肌の歪虚は首を裂いた亡骸を振り回し、飛び散る血で庭を染める。
「やっぱり赤は良い色。でも、庭を全部染めるには、まだまだ足りない……もうすぐ、追加のペンキが届くんだけど」
うっそりと笑って、表の声に耳を澄ませた。
解説
目的 警邏の集団を詰め所まで下がらせる。
●配置
・お化け屋敷(歪虚、多数の惨殺体、その他)
↑
(5m)
↓
・ハンター達、リーダー
・警邏の集団(シオ、他10名)
↑
(角を二つ曲がって、徒歩訳10分)
↓
・詰め所
●エネミー
警邏の集団
シオ「友人の仇を取りたい、彼奴は俺を待っているんだ」
防弾服、拳銃
その他「仲間がやられたのに、黙って待っているなんてできねぇ」「シオに付いていくぜ!」
防弾服、拳銃5人、盾と警棒5人
鍛えた一般人程度、
全体的に長身の成人男性
歪虚
委細不明
●NPC
リーダー
街の警邏を纏めている
非武装、ハンターの指示に従う
情に厚いが流される質ではなく、今回の集団に対しても、お化け屋敷に近付けない為なら攻撃もやむなしと考えている
●配置
・お化け屋敷(歪虚、多数の惨殺体、その他)
↑
(5m)
↓
・ハンター達、リーダー
・警邏の集団(シオ、他10名)
↑
(角を二つ曲がって、徒歩訳10分)
↓
・詰め所
●エネミー
警邏の集団
シオ「友人の仇を取りたい、彼奴は俺を待っているんだ」
防弾服、拳銃
その他「仲間がやられたのに、黙って待っているなんてできねぇ」「シオに付いていくぜ!」
防弾服、拳銃5人、盾と警棒5人
鍛えた一般人程度、
全体的に長身の成人男性
歪虚
委細不明
●NPC
リーダー
街の警邏を纏めている
非武装、ハンターの指示に従う
情に厚いが流される質ではなく、今回の集団に対しても、お化け屋敷に近付けない為なら攻撃もやむなしと考えている
マスターより
説得(物理)――
や、物理じゃ無くても全然大丈夫ですよ!
物理の場合は、対一般人との戦闘となりますので、お気を付け下さい。
よろしくお願いします。
や、物理じゃ無くても全然大丈夫ですよ!
物理の場合は、対一般人との戦闘となりますので、お気を付け下さい。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/01/10 23:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/30 14:31:05 |
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相談卓 万歳丸(ka5665) 鬼|17才|男性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2016/01/02 10:24:27 |